Side:志緒


オラオラオラァ!!この程度か機械蜘蛛共が……雑魚が群れやがって!!
テメェ等如きが幾ら来た所で、俺達の敵じゃねぇって事を理解しな!!AMFとやらは、多少厄介だが、許容範囲を超える一撃を打ち込んでや
れば貫通できるし、何よりも物理攻撃なら問題ねぇしな!!

「さぁてと、次にスクラップになりてぇのは何処のどいつだ?……望み通りに叩きのめしてやんぜ!!」

「不屈の焔に盾突く愚かさを、知って貰おうかな?」






「洸先輩、ガジェットの残骸に腰かけて、ヴォーパルウェポンを地面に突き刺して手招きする志緒先輩と、アイバイザー型のマスクで顔を隠し
 ながら、レイハを左手に持って、右手で相手を手招きするなのは……ぶっちゃけラスボス感がハンパないと思わない?」

「かもな……ってか否定できねぇ!!取り敢えず、一発やっちまってください志緒先輩!!なのはちゃん!!」

「言われずともその心算だぜ!!打っ飛びなぁ!!イグニスブレイク!!!

「一撃掃滅!ディバインバスター!!!



――バガァァァンン!!



一撃KOとは、余りにも脆すぎるとは思うが……この程度の敵なら、簡単に倒す事が出来るんじゃねぇか?――まぁ、物事に絶対はねぇがな。















リリカルなのは×東亰ザナドゥ  不屈の心と魂の焔 BLAZE127
『Battle Of The Auction』











にしても、キリがねぇなオイ?
倒しても倒しても現れやがる……大した戦闘力もねぇくせに数だけウジャウジャ湧いて来るとか、RPGの序盤で出てくる大した経験値も入らね
ぇ雑魚敵かテメェ等は?
まぁ、ぶっ壊したスクラップは、スカリエッティの研究の資材になるんだろうから無駄はねぇが……此のままじゃ埒が明かねぇな?

「コイツ等を会場に転送させてる奴が居る筈だ――そいつをぶっ叩くぞ!!」

「おーーー!げんきょーをやっつけるんだなシオ!
 いよっしゃー!カチコミだー!なぐりこみだーーー!僕のにゅーうぇぽん、よーとー・むらまさの寂にしてやるからかくごしろー!!!」

「……フェイトちゃん、多分錆の字が間違ってる気がする……」

「文章にして間違うなら兎も角、言葉で言って間違うって如何言うこったオイ……或は、流石のフェイトと言うべきなのか……」

まぁ良い、ならこの3人でガジェットを呼び出してる奴を叩くぜ?
ガジェットの相手も、時坂達なら問題ねぇしな。――シグナムのレヴァンティンは物理攻撃も可能なアームドデバイスだし、郁島の空手ならガ
ジェットの装甲をぶち破るくらいは雑作もねぇし……



「かかって来やがれ雑魚共!
 この三月・スカリエッティ改め、トーレ・ザ・インパルス様に勝てると思ってんならなぁ!!!」



三月の奴がガチでやる気だからな?
専用装備のインパルスブレードとやらの他に、何処から持って来たか分からねぇバスターソードまで使ってガジェットを撃滅してるからな。

北都と柊は、的確に避難誘導をしてくれてるから、オークションに参加してた一般人に被害が及ぶ事も無さそうだな……流石に最高評議会の
脳足りん共も、一般人に被害を出そうとはしねぇだろうからな。

そんでだ、このガジェットを大量に召喚してる奴は何処に居ると思う、なのは、フェイト?



「普通に考えれば屋上か地下じゃないかと思いますね。
 屋上なら見つかった場合に即逃げる事が出来ますし、地下の場合は限られた空間内に大量のガジェットを召喚する事で逃げる時間を確保
 する事が出来ますから。」

「まぁ、其れが妥当な線だが……」

「そっかな~~?僕はこのホテルの中にいるか、あるいはホテルの中にはいってくるんじゃないかっておもう。
 これだけのおっきなホテルで、人がいっぱいいるんだから、それにまぎれちゃえば分からないじゃん?ひをかくすならおりの中って言うし。」

「木を隠すなら森の中、な。」

なのはの言う事もフェイトの言う事も、どっちも一理あるが……今回はフェイトの意見に賛成するとすっか。
此れが普通のオークションならなのはの意見に賛成なんだが、生憎と今回のオークションは、ロストロギアやレリックなんて劇物が出品されて
るイカレタ競売会だからな……ガジェットを召喚してる奴が、混乱に乗じて出品物をかっさらう可能性はゼロじゃねぇし、何よりも俺の勘が、フェ
イトの意見を採れって言ってるからな!!



・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・



んで、到着したぜ出品物の保管庫!
予想通り、此処にもガジェットが出て来てやがったな?……チンクとノーヴェとスバルとディエチが相手してるみてぇだ――つーか、会場からス
バルとディエチの姿が見えなくなったと思ったら、こっちの援軍に来てたって訳か。

とは言え苦戦してるのは間違いねぇな?
スバルとノーヴェは格闘主体の物理攻撃で攻めてるが、チンクの投げナイフは決定打としては弱いみてぇだし、ディエチのキャノン砲も、使っ
てるのが魔力弾のせいでガジェットには効果が薄いみてぇだからな。

だが、苦戦するのは此処までだ……俺達が来た以上、此処からはガジェットの解体パーティの始まりだぜ!!
吹き飛びな!ブラストエッジ!!!



ハイペリオンスマッシャー!!

「あ~っはっは!くらえ~、牙突・零式!!



――ズバァァァァァァァァ!!

――ドガァァァァァァァァン!!

――バガァァァァァァァァァァァン!!




オシ、景気付けの一発で可成り吹っ飛んだな?
此のまま一気に畳み掛けんぞ!!!








――――――








Side:スバル


ディエチ姉と一緒にノーヴェとチンク姉の援護に来たんだけど、流石にAMF搭載のガジェットの相手は楽じゃないよ。
アタシとノーヴェは格闘用のアームドデバイスを装備してるから、物理攻撃でガジェットを倒す事が出来るとは言っても、流石に一撃で壊すの
は難しいし、チンク姉のナイフじゃ決定打に欠けるし、ディエチ姉のイノーメスカノンはそもそもガジェットとの相性は余り良くないからね。

正直此のままじゃジリ貧だって思ってたんだけど……



――ドガァァァァァァァァァァァァァァァァン!!



行き成り目の前のガジェット十数体が吹っ飛んだ!!
そして、ガジェットが吹っ飛ぶ直前に見えたのは、赤い炎と蒼い稲妻と桜色の閃光……って言う事は若しかして!!



「だらしねぇぞお前等?
 こんなくず鉄相手に、なに手間取ってんだ?」

「AMFの事を考えて物理攻撃主体で戦ってたのは評価できるけど、少し決定打に欠けるみたいだね?……でも、もう大丈夫だよ。」

「あ~~~っはっは!呼ばれて飛び出て僕さんじょー!!さぁ、やっつけるぞーーーー!!!」



志緒さん、なのはさん、フェイトさん!!
凄いよノーヴェ、伝説の人達が3人も揃ってるよ!!此れはもう、負けないよね絶対に!!!



「前の時はなのはさんが居なかったが、伝説の重剣士の志緒さん、伝説の砲撃魔導師のなのはさん、伝説の雷光魔導剣士のフェイトさんの
 3人が揃ってるなら、負けはねぇ!
 序に言うなら、伝説の人達の前でカッコ悪い所を見せたくはねぇからな?……気張るぜスバル、ディエチ姉、チンク姉!!」

「そうだね、もうちょっと頑張らないと。」

「確かに、情けない戦いは出来んからな!」



だよね!
其れじゃあ、仕切り直し!――ここからは、アタシ達のターンだよ!!







――ただいま伝説の3人が無双中だから、ちょっと待っててね?







「俺を本気にさせたテメェが悪いんだぜ?くたばりやがれ、このポンコツが!!」

「これ位の攻撃で壊れるって……私が強過ぎるのか、それともガジェットが弱すぎるのか……若しかして両方なのかな?」

「弱い!ぜーじゃく!ひんじゃく!!くらえー、あんこくらいこーけーん!!」







――この人達にとって、AMFなんて関係ないんだろうな~~……もう少し待っててね?







で、戦闘が再開されてから約10分、倉庫の前には大量のガジェットだった物が生成される結果に……アタシ達も頑張ったけど、志雄さん達は
アタシ達の3倍以上の数を倒してるからね……流石は伝説って言う所だよ。

でも、お陰で倉庫の品は荒らされてないから、保管されてるロストロギアやレリックは無事だよ――此れなら何とか任務を達成する事が出来
そうだよ。
敵の勢いも弱まって来たし、後はロストロギアとレリックを持って脱出して、本部に帰投すれば良いだけだからね。



「かも知れねぇが、未だ終わりじゃねぇぞ?」

「うん、志雄さんの言う通りだよ。
 ……隠れてないで出て来たらどうかな?幻術みたいなものを使って隠れてたみたいだけど、姿を隠しても闘気が駄々洩れじゃ意味がない
 っていうモノだしね?」



って、まだ誰かいるんですか!?
アタシには全然分からなかったけど……敵がまだいるって言うなら相手になるよ!!



「ふぅん?僅かな闘気と殺気を察するとは、流石は伝説と謳われるだけあるわね――高幡志緒と高町なのは?」

「え?」

でも、志雄さんとなのはさんのセリフに応える形で現れた相手に、アタシは――ううん、アタシだけじゃなく、ノーヴェもディエチ姉もチンク姉も、
己の目を疑ったよ。



「鳩が豆鉄砲を喰らったような顔って、今の貴女の事を言うのかしら?――久しぶりね、スバル?」

「ティ……ア?」

アタシ達の前に現れたのは、チンク姉とディエチ姉にとっては後輩であり、アタシとノーヴェにとっては訓練校時代の同期生で、訓練校卒業後
に行方が分からなくなってた『ティアナ・ランスター』だったんだから……

だけどそれ以上に衝撃だったのは、ティアがガジェットを従えてたって事だよ……まさか、今回の事は貴女が起こしたって言うの、ティア!?



「だとしたら、如何するのかしらね?」

「……捕まえる、例えそれが友達であっても!!」

「ふぅん?出来るかしらね、アンタ達に?
 ……まぁ、何にしてもアタシはアタシの目的を果たさせて貰うわ……貰うわよ、ロストロギアとレリックをね。」



そんな事は絶対にさせない!!
ティアだからこそ、そんな事はさせられない!!――そして、貴女を捕まえて聞かせて貰うよ……訓練校を卒業した後で、何があったのか!
その全てをね――!









 To Be Continued…