Side:志緒


まさかなのはがこんな事になってるとは思わなかったが、どうなってもなのはがなのはであるのは変わらねぇ……俺のBLAZE魂を受け継い
だ、不屈の魂なのは変わらねぇからな。

だが、管理局の最高評議会とやらは正真正銘のクソ野郎だぜ……スカリエッティの話を聞いて大層ムカついたが、此処まで胸糞が悪くなっ
たのは、一馬が殺された時以来だぜ――!!
なのはを殺そうとした代償は、其の身で払って貰うからな!!



「おー!シオが燃えてるーー!これはかてるぞーーー!!」

「……テメェは変わらねぇなフェイト。
 時に、一緒に居るガキんちょは何モンだ?」

「えっとね、あかげの男の子が『エリオ・モンディアル』で、ピンクの髪の女の子が『キャロ・ル・ルシエ』。
 2人とも、僕がほごして、そんでもって親代わりになってるんだーーー!ほら、2人ともごあいあさつ!彼が僕が君達に話してたサイキョー
 のシオだぞ!!」

「は、初めまして、エリオ・モンディアルです。宜しくお願いします!」

「キ、キャロ・ル・ルシエです……その、宜しくお願いします。」



エリオとキャロか……ふ、ガキのくせに中々の力を持ってるみてぇだな?
10年前のなのはやフェイトには及ばないが、其れでもその歳で其れだけの力があるなら十分だぜ――其れだけの力があれば、最高評議
会のクソっ垂れ共とも最悪でも互角に戦えるだろうからな。













リリカルなのは×東亰ザナドゥ  不屈の心と魂の焔 BLAZE121
『レリックを取り戻せ!回収しろ!』











だが、頼りになるのは兎も角として、敢えて言わせて貰うぜフェイト……お前がコイツ等の親代わりで大丈夫なのか?



「だいじょーぶ!エリオもキャロも、僕よりぜんぜんあたまいーから♪」

「その時点で不安しか感じねぇよ馬鹿野郎!!てか、そんな事を自新満々に言ってんじゃねぇ!!」

「えっへん!」

「褒めてねぇからな!?」

マッタクコイツは、10年前から全く変わってねぇな?……其れがフェイトの良い所なのかも知れねぇが、保護したガキ共よりも頭脳レベルが
下ってのは問題じゃねぇのか?
――最大の問題は、本人が問題と思ってない事かもしれねぇけどよ。



「とにかくねー、エリオもキャロもすごいんだよー?
 エリオは僕みたいに、かみなりでバリバリーってことができる上に、ブシドーからいろいろ教えてもらってるから、とっても強いし、キャロな
 んて、すっごくつよいドラゴンを召喚して、ガバーッてできるから!!」

「ドラゴン……だと?」

そう言えばキャロの肩の辺りに、小さな羽の生えたトカゲみてぇのが居たが、其れがドラゴンだって事か。
フェイトの話を聞く限りだと、そのチビ龍が巨大化して戦うって事なんだろうな?――なら頼もしい事この上ないぜ。
龍の力ってのはあらゆる物を凌駕するだけの力があるし、龍の力なら、あの機械蜘蛛共の魔法無効効果ですらぶち抜く事が出来るだろう
からな?……其の力、頼りにしてんぜキャロ?



「えっと……あの――」

「どうした?」

「でもすごいんだけど、キャロってば自分の力をこわがってるんだよ~~?
 おっきー力をせいぎょしきれずにぼーそーさせちゃうかもしれないからって……僕的には、キャロはじぶんの力をつかいこなせてるって思
 うんだけどな~~?」



テメェのデカすぎる力を恐れて……か。
確かにデカすぎる力ってのは、使い方を誤れば只破壊を巻き散らすモノになっちまうから、恐れるのも無理はねぇが――キャロ、お前はもっ
とテメェの事を信じてやっても良いんじゃねぇのか?



「私を信じる……ですか?」

「力ってのは所詮力であってそれ以上でもそれ以下でもねぇんだ……そして力ってのは、使う者の心次第で善にも悪にもなる。
 龍を使役するってだけでもお前の力がドレだけの物か想像する事は出来るし、其れだけの力を恐れるってのも理解出来ねぇ訳じゃねぇ。」

だが、テメェの力を怖がってたら、本当の意味で其の力を発揮する事は出来ねぇんじゃねぇのか?
本当に大切な事は、テメェの力を恐れるよりも、其の力を受け入れた上でテメェが如何するかだ――そうだろ、玖我山?



「うんうん、流石は志雄先輩良い事言うよね?
 大切なのは、其の力を如何使うかだよキャロちゃん――私もこの身に圧倒的な『熾天使』の力を宿してるけど、其の力をつかい熟して、人
 々の役に立てたいって思ってるんだ。
 キャロちゃんは如何?龍を使役する力で、誰かの役に立ってみたいとは思わない?」

「私だって……でも、力を解放したフリードは余りにも強過ぎるから……」

「確かに強いかも知れないけどさ、そのフリード君が力を解放しても多分志雄先輩には勝てないと思うよ?
 志雄先輩って、適格者として覚醒する前から、恐竜型のエルダーグリードと素手でやり合ったって事だから、仮にフリード君が制御不能に
 なっても、志雄先輩が止めてくれるから大丈夫!!」

「もっと言うならなのはちゃんも出張れば絶対如何にかなるぜ?
 志雄先輩となのはちゃんは、龍の力を受け継いだ最強の人間だからな?……こう言っちゃなんだが、志雄先輩となのはちゃんの事を、完
 全に敵に回した最高評議会には合掌だぜ。」

「あぁ、確かにそうだね?……グッバイ最高評議会。最強の人類に喧嘩を売った事を後悔しなさい。」



良いアドバイスをしてくれたが、テメェ等は俺となのはをとことん人間扱いする心算はねぇみてぇだなオイ?――まぁ、俺もなのはも龍の力を
受け継いで、トンデモねぇ力を有してるから、ある意味で人外なのは否定できねぇがな。

だがまぁ、玖我山の言ったように、もしもの事が有ったら、俺が殴ってでも止めてやるから、恐れずにやってみな。
龍を使役する其の力は、BLAZEにとって、必要不可欠なモノになるだろうからよ。



「志緒さん……はい、やってみます!!」

「おし、良い返事だぜ。」

龍を使役するってのには驚いたが、其れだけの奴が味方に居るってのは頼もしいぜ……もしも、此れが最高評議会の手に渡ってたかと思
うと、ゾッとしねぇからな。



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其れから数日後、行き成り呼び出しとは、何があったんだスカリエッティ?



「先ずは此れを見てくれ給え――ミッド中心街を走る鉄道だが……此れには、違法な取引をされたロストロギア『レリック』が積まれているの
 だよ。
 『レリック』は高純度の魔力の結晶体で、内包する魔力はジュエルシードに勝るとも劣らないレベルだ。」

「ジュエルシードにですか!?」

「其れは、何ともヤバそうな代物だね……」



四宮の言う通り、確かにヤバそうだなそいつは?
そんな物を積んでるって事を考えると……最高評議会とやらが、この列車を襲撃する可能性があるって事か?――機械蜘蛛に列車を襲わ
せておいて、魔導師と戦わせる茶番を演じた上でレリックを手にする位はするだろうからな。



「その通りだよ志雄君!!
 最高評議会は、茶番を打ってレリックを自分の物にしようとしてるのさ!――だから、其れを君達に止めて欲しいのだよ!出来るかい?」

「その確認に意味はねぇな!」

俺達を誰だと思ってんだ?
杜宮の危機に立ち向かい、海鳴で起きた事件を解決に導いたX.R.Cだぜ?――この程度の任務、SSS級のグリムグリードの討伐に比べた
ら屁みてぇなモンだ!!
クソッタレの機械蜘蛛を蹴散らして、レリックとやらを回収してやろうじゃねぇか!!――準備は良いかテメェ等!!



「「「「「「おーーーーーー!!」」」」」」

「よっしゃー!いくぞー!!」



こっちに来てからの最初の大事だ――派手に決めてやろうじゃねぇか!!








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Side:スバル


レティ提督からの勅命で、アタシ達『N2R』は、レリックを護送してる列車を止めに来たんだけど……ガジェットが現れるのは予想外だった!
所詮はポンコツの機械兵器だからアタシ達の相手じゃないけど……数で来られたら流石にきついよ!
そっちは如何、ノーヴェ?



「クソが……倒して倒しても沸いて来やがる……拙いぞスバル、此のままだと機械蜘蛛にレリックが奪われちまうぜ!!」

「分かってるよ!――だけど、分かってても如何にもできない――!!」

諦める気はないけど、此のままじゃ本当に!!



「雑魚共が群れやがって……!!!」



――バガァァァァァァァァァァァァァン!!



って、10機のガジェットが吹っ飛んだぁ!?アタシ達でも厄介な相手を鎧袖一触って、今の一撃は一体誰が放ったの?其の力は、絶対に
半端なモンじゃないよ!!



「群れる暇があるなら、もうちっと力を底上げして来な!
 その程度の実力じゃ、俺達の前にはハナクソにもならねぇからな……まぁ、ぶっ倒されるために出て来たってんなら話は別だけどよ!!」



そしてアタシ達の目の前に現れたのは、真紅のコートを身に纏って、身の丈以上の大剣を肩に担いだ金髪の大男――ミッドチルダで、伝説
として語られてる最強剣士『高幡志緒』だった!!
この人が、本人だって言う証拠はないけど、アタシの本能が感じてる――この人は伝説の高幡さんだって。

まったく、初陣で凄い人と会っちゃったなぁ?――でも、其れだけの人の前で無様な姿を見せる事は出来ないから、初っ端から本気で行く
よ!!ノーヴェも、良いよね!!



「初っ端から全力全壊か?……上等だぜ、やってやらぁ!!」

「そう来なくっちゃ♪」

予想外の援軍があったけど、N2Rとしての公式初任務は、何としても成功させたいからね?――行くよガジェット、本番は此処からだよ!!









 To Be Continued…