Side:志緒
俺が思ってた以上に、こっちの世界はトンでもねぇ事になってたみたいだな?
8年前になのはが死にかけたってのも驚きだが、その原因が時空管理局の最高評議会とやらだったってのは笑い話にもなりゃしねぇ事だ
ぜマジで……今すぐ最高評議会とやらをぶっ潰してやりてぇところだが……
「志緒先輩ストップ。幾ら頑丈なヘリとは言え、志雄先輩の闘気が炸裂したら、多分一溜りも無いから。」
「てか、熾天使を解放したアタシを軽く上回るって、志雄先輩の本気はハンパないよね?……こう言っちゃなんだけど、志雄先輩って本当
に人間だよね洸君!?」
「いや、其ればっかりは俺に言われても、人間だって言い切る事は出来ないぜ璃音!!」
「……テメェ等、俺を一体何だと思ってやがるんだ?」
「「人間て言う種族を超越した、限りなく人間に近い人間じゃない何か!!」」
「良い度胸してんじゃねぇか……」
面と向かって人外宣告して来るとは、やるじゃねぇか?……だが、俺をそう評価した以上は、覚悟は出来てんだろうな?――まぁ、覚悟が
出来ていようと、いまいと関係ないがな!!
喰らいやがれ!!イグニスブレイク!!!――口は禍の元と知れや時坂、玖我山!
リリカルなのは×東亰ザナドゥ 不屈の心と魂の焔 BLAZE119
『Start up the StrikerS~謎の勢力~』
ってなアホな事をしてたら、何時の間にかなのはの言う『アジト』とやらに到着したみてぇだな?
一見すると、何の変哲もない無人島だが……島の先端が開いてヘリポートに変わったからな――本気でこの世界の技術力には驚かされ
るってもんだ。
だが、技術力は凄くても、此処は少し殺風景だな?……もう少し華があっても良いと思うが……
「その意見には賛同するが、華は煌びやかだが目立つのでね……敢えて、渋めに行ったのだよ!」
「……誰だテメェ?」
アジトに到着して早々に現れたのは、紫色の髪に白衣を纏った胡散クセェオッサンだが……ただモンじゃねぇのは間違いねぇな?
少なくとも敵じゃねぇんだろうが、何モンだテメェ?
「これは失礼。先ずは名乗るのが礼儀だったねぇ?
私の名前は、ジェイル・スカリエッティ!この世界を変革せんとする、と~~~~っても最高な天才科学者さ!!」
「自分で天才言うな此のマッド!アンタの場合は、天才よのうて、天災やろが色々と!!」
――スパーン!!
……オーバーリアクションで自己紹介するスカリエッティとやらに、見事なハリセンでの突っ込みだなはやて?……取り敢えず、この博士っ
ぽいのがジェイル・スカリエッティだってのは理解したぜ。
俺達は――名乗る必要はねぇよな?どうせ、なのは達から色々聞いてんだろ?
「うむ、勿論だよ高幡志緒君を始めとした、X.R.Cの諸君。
なのは君から話を聞いた時に、一度会ってみたいと思っていたんだ――特に、魔力は低いにも関わらず、腕っ節の強さだけでSランク相
当の力を持ってる高幡志緒君と、熾天使型のグリムグリードの力を宿している玖我山璃音君にはね。」
「うえ、このおじさんそんな事まで知ってんの?ってか、なのはちゃん話し過ぎじゃない?」
「あはは……自分でもそう思いますけど、ジェイルさんの熱意に負けたというか、しつこく聞いて来そうだから折れたと言いますか……
でも先ずは、中に入りましょう?……私のメンテナンスもしなくちゃいけませんから。」
そういやそうだったな?――しかしメンテナンスってのは一体……取り敢えず中にだな。
んで、中は意外と近代的ってか未来的だな?
廊下の両脇には、東京駅の動く床みたいなモンが設置されてて、此れなら広い内部を移動するのも楽だろうし、照明は全部LED。
極めつけは、内部を巡回してるセキュリティロボットまで居た事だな。……見た目が『人造人間サイコ・ショッカー』なのは如何かと思うが。
「え?サイコ・ショッカーかっこいいじゃん?」
「いや、見た目的に怖くねぇか?」
「怖いなら怖いで、しんにゅーしてきたてきがびびる!」
「成程、そう言う考え方もありますね。流石ですフェイトちゃん。」
「えっへん!」
……色々と突っ込みてぇことはあるが、はやても久しぶりだな?
どうだ、ヴォルケンリッターの連中は元気でやってるか?――シグナムは、俺が居なくなって色々溜まってるんじゃねぇか?全力で戦える
相手が居ないとか言ってな。
「あはは、みんな元気でやってますけど、シグナムに関しては志雄さんの予想通りや。
戦闘力だけなら、フェイトちゃんでもえぇんやけど、フェイトちゃんはアホの子やから、シグナムのちょっとした誘いに簡単に乗ってまって、
結局そこを叩かれとるもんで……シグナム的には、志雄さんやないと満足せんらしいですわ。」
「……上等だぜ、久しぶりに全力で相手してやらぁ!」
俺も、商店街の見回りの最中に、不審者とやり合う事があったが、ドイツもコイツもチンピラにもならねぇ三下だから満足できなくてな。
郁島と手合わせしても良かったんだが、国際強化選手に怪我でもさせたら、洒落にならねぇからな……だからと言って、梧桐さんに加勢し
て組の抗争に加わったら、オヤッさん達に迷惑が掛かっちまうしよ。
「強いと強いで悩みがあるんやねぇ?……てか、空さんは国際強化選手になっとんかい!」
「更に言うなら、2020年の東亰オリンピックの日本代表。
2016年のリオ五輪には空手がなかったから出場できなかったけど、2020年の東亰大会では正式種目だから、空なら絶対に金メダル
取ると思うんだよね。」
「マジで!?空さん、サイン下さい!!」
「すごいなソラ―!僕にもサインちょーだい!」
「はやてちゃん、フェイトちゃん、少し落ち着こうか?」
……何やら郁島関連で盛り上がっちまったみたいだが――到着したみたいだぜメンテナンスルームとやらに?
メンテナンスってのは一体何をするんだ?
「其れは中で……先に入っていてください。
私はメンテナンス用のボディスーツに着替えてから行きますので。」
「専用スーツって事を考えると、メンテナンスってのは普通の事じゃねぇって訳かやっぱり。」
一体今のなのはの身体はどうなっちまってるのか……取り敢えず中にだな。
んで、中に居たのはスカリエッティによく似た女と、長い金髪の女と――……俺と時坂が盛大な仕置きをした漫研の連中と同じ雰囲気を感
じる茶髪の女……あの茶髪は間違い無く腐ってやがるな。
「いやぁ、相変わらず準備が良いね一架?此れならすぐにメンテナンスが出来そうだ。」
「いえ、準備が良かったのは四菜のおかげです。
『なのはお姉さまの、メンテナンススーツが拝めるのならば、直ぐに準備しますわー!』って言って、速攻で準備してましたから。」
「我が妹ながら、如何にかならんのかあの腐女子は……」
「……如何やらあいつは、志雄先輩の予想通り、腐ってたみたいっすね?」
「俺の勘も馬鹿に出来ねぇって事か……」
その後互いに自己紹介をして、スカリエッティに似てるのが一架、金髪ロングが二乃、茶髪腐女子が四菜だってのが分かった所で、メンテ
ナンス用のボディスーツに着替えたなのはがやって来たんだが……オイ、それは殆ど水着じゃねぇのか?
或いはどこぞのライトノベルのパワードツールを使うために着るボディスーツじゃねぇかオイ!!
ガキの頃のなのはなら兎も角……今のなのはに、身体の線がバッチリ出るボディスーツってのは色々とヤバすぎるぜ……意識して目を逸
らそうとしても、どうしても見ちまうからな?
ったく、あの時のガキが此処までイイ女になるとは予想もしてなかったぜ。
「えっと……恥ずかしいので、そんなに見つめないで下さい……」
「そうしたいのはヤマヤマだが、如何しても、な。――あ~~~……取り敢えず、何だ、メンテナンスとやらをして来い。その間に、フェイト達
と詳しい話をしておくからよ。」
「は、はい!」
んで、なのははそのままメンテナンス用のポッドに。
流石にメンテナンスとやらが直ぐに終わるとは思えねぇから、その間に色々聞かせて貰うぜ?――特に、如何してなのはがメンテナンスが
必要な身体になっちまったのかとかな。
8年前の事は聞いてるから、その事件を引き合いに出して誤魔化す事は出来ねぇって事を先に言っておくぜ。――お前が一体どうやって
なのはを助けたのか、聞かせて貰うぜスカリエッティ!!
――――――
Side:スカリエッティ
いやはや、実際に会ってみると、志緒君と璃音君の力はハンパなモノじゃないのがよく分かった。
特に志雄君が全力を出せば、私の娘達の中で最強とも言える三月ですら簡単に倒してしまうだろうからね……マッタク持ってトンでもない
モノだよ本当に。
だからこそ、彼を……彼等を時空管理局に渡す訳には行かないのさ。
その意味では、如何してなのは君がメンテナンスの必要な身体になってしまったのか……其れに答えるのは良い事かもしれない。
幸いにして、彼等は8年前の事を知っているようだからね……
ならばその問いに答えよう!
私はどうやってなのは君を助けたのか!そして、彼女の命を救う代わりに、彼女に何をしてしまったのかをね。
只、此れだけは言える――私がなのは君にした事は、決して間違いではなかったと!――制限時間があるとは言え、本気を出した彼女
ならば制限時間内に100の敵を撃破する事も出来るだろうと言う事を何度も経験しているからね。
何れにしても、準備は整ったのでね……機を見て、一発盛大な花火を上げても良いかも知れないな……
To Be Continued… 
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