Side:志雄
第1陣が奮闘してくれたおかげで、U-Dのスーパーアーマーとも言うべき不可視の鎧はぶっ壊す事が出来たみたいだが、其れがぶっ壊れた
事で、逆にU-Dの戦闘能力は上がったみてぇだな?
防御力は格段に下がったが、攻撃力は極限まで上がった状態とでも言うべきか……俺達の攻撃が必殺になる代わりに、U-Dの攻撃も必殺
になるって所だなコイツは。
まぁ、だからと言って退く気は更々ねぇがな!!
「退く気など、有る筈が無かろう?
退かぬ!媚びぬ!!顧みぬ!!!此れこそが、王の進むべき道よ!――U-Dを打ち倒し、エグザミアを手中に収めてくれるわ!!」
「うん、その意気だよ王様♪」
「よっしゃー、おーさまのためにも、U-Dをやっつけるぞーーー!!」
態々言うまでもなく、誰も退く気はねぇみたいだな?……良いじゃねぇか――なら派手にブチかますとしようぜ!!
最終決戦ってのは、派手にブチかますって相場が決まってるもんだからな!!
「りょーかい!派手に行きましょう、パパ、小さいママ!!」
「こうなった以上は仕方ねぇ……とことんまでやってやるぜ!!リリィ!!」
「うん!行こうトーマ!!」
俺達の持てる力の全てを注ぎ込んで、テメェを止めてやるぜU-D!!
リリカルなのは×東亰ザナドゥ 不屈の心と魂の焔 BLAZE109
『A's portable~砕け得ぬ闇を砕け~』
しかしまぁ、改めて対面してみるとトンデモねぇ力を持ってやがるなU-Dとやらは……正直言って、其の力はグリードと化した倉敷以上って言
っても過言じゃないぜ。
コイツが暴走して暴れまくったら、地球は1時間もあれば滅びちまうだろうな……そうさせない為にも、コイツは此処でぶっ倒さねぇとだぜ。
準備は良いかお前等!!
「はい!プログラムカートリッジ『ネーヴェルヴェルファー』ロード!」
「ぷろぐらむかーとりっじ『ほるにっせ』ロード!」
「ほな行くでリインフォース!ユニゾン……」
『イン!』
「夜天の祝福、今此処に!」
『インストールプログラム『バッフェントレーガー』ドライブイグニッション。』
「リリィ、リアクトエンゲージ!」
『モード黒騎士!』
「はい!!」
「何時でも行けるよ~~!!」
「私が一時的に復活したのは、この時の為だと言うのならば、役目を果たさないとね。」
「ふん、我を誰だと思うておる!」
「準備は万端ですよ、高幡君。」
なのはとフェイトはプログラムカートリッジをロード、はやてはリインフォースとユニゾンした上でインストールプログラムを起動、トーマはリリィ
とユニゾン……とは違うんだろうが、兎に角合体してあの凶悪な姿に変わったか。
アミタとヴィヴィオとプレシアさんと王様と北都も問題はねぇみてだな?……来るぜ!!
「ウアァぁァぁァぁ!!
……戦闘機能稼働率300%……全てをハカイスル!!壊スコトシカ、ワタシニハデキナイ……コワスコトガ、ワタシノ存在イギ……!
消え失せロ……ジャベリン!!」
完全に暴走してやがるな此れは……行き成りバカでかい魔力の槍を打ち出して来やがったか!
だが、此の程度なら……オォォォラァァァア!!イグニス……ブレイク!!!
――バガァァァァァァァァァン!!
「タイミングさえ合わせれば、結構簡単に迎撃できるもんだぜ?」
「いや、そんな事が出来るのは志雄さんだけだと思います……流石は、エクリプスドライバーを素手で殴り倒す猛者だよなぁ……」
……トーマの居る未来じゃ、俺は相当にトンでもねぇ事をしてるみてぇだが……今ので、分かっただろ?
アイツの攻撃は強力だが、こっちのデカい一撃で相殺できねぇ道理はねぇって事が!向こうはU-D1人だが、こっちにはこれだけの戦力が
揃ってんだから、数の利で叩き伏せんぞ!!
「了解です!
ならば、決定打となるプログラムを撃ち込むなのはさん達の為に、先ずは私達でU-Dを削るとしましょう!決して、楽な相手ではありません
が、其処は気合と根性です!」
「ハッ、良い事言うじゃねぇかアミタ……気合と根性がありゃ、大概の事は何とかなんぜ!!」
この世界を護る為にも、そしてテメェを救うためにも、先ずはテメェをぶっ倒すぜU-D?……人の言う事を聞かねぇ、駄々っ子ってのは、一発
打ん殴ってやらねぇと大人しくならねぇって相場が決まってるからな。
――――――
No Side
U-Dとの第2ラウンド、もとい最終決戦に臨んだ第2陣は、先ずは志雄、アミタ、ヴィヴィオ、トーマ、プレシアが先陣を切ってU-Dを削り、ある
程度削った所で、なのは、フェイト、はやての3人がワクチンプログラムを撃ち込んで動きを止め、その隙にディアーチェがU-Dの機能を上書
きすると言う作戦だ。
「おぉぉ……ブラストエッジ!!」
「クリムゾンスラッシュ!!」
その攻撃の先駆けとして飛び出したのは志雄とトーマ。
2人とも巨大な剣を使ってのクロスレンジ戦闘を得意としており、同時に中間距離からの奇襲攻撃も大得意。志雄はブラストエッジで、トーマ
はクリムゾンスラッシュで夫々U-Dを強襲する。
踏み込みの推進力を得た横薙ぎの斬撃と、斬撃波から突撃突きに繋ぐ2連撃を同時に喰らったら、普通は此れだけで戦闘不能になるのは
間違いないだろう。
「……流石に堅ぇな?」
「無傷って……マジかよ!!」
「無駄ナアガキヲ……」
だが、相手は闇の書の闇を上回る力を持った砕け得ぬ闇の暴走体――志緒とトーマの攻撃を魄翼でガードし、その身体には一切の傷が付
いていない。
そして、この近距離で攻撃をガードされたら、反撃は必至なのだが……
「反撃はさせないわ……サンダーレイジ!!」
この第2陣には、闇の欠片であるとは言え、嘗て大魔導師と謳われたプレシア・テスタロッサが存在している事を忘れてはならない。
志緒とトーマに反撃をしようとしたU-Dに対して、強烈な落雷攻撃『サンダーレイジ』をカウンター気味に叩き込む――その威力は、同系統の
魔法であるフェイトの『天破・雷神槌』を遥かに上回っているだろう。
「ぐ……カラダガ……!!」
直接的には大ダメージとは行かなかったものの、強烈な雷を真面に受けたU-Dは一時的に身体が痺れてしまい、動きが鈍くなってしまう。
だが、此れはこれ以上ない好機と言えるだろう。
「此の隙は逃さないぜ……銀十字!!」
『了解。エクリプスゼロ、承認。』
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
諦めなければ未来が見える!!」
『王様が、必ず貴女を助けるから……!』
「だから今は、コイツで全部ゼロにする!!ディバイト・ゼロ・エクリプス!!!」
先ずはトーマが己の力を完全開放して仕掛ける。
エクリプスドライバーの中でも、最強最悪の力と言われるゼロ・ドライバーの力を持つトーマだが、嘗て暴走して周囲を傷つけた力も、今は理
性が働いている状態で使う事が出来る様になっていた。
故に、生命活動すら分断し、死を巻き散らすディバイト・ゼロ・エクリプスも、U-Dだけを対象にして発動する事が出来たのだ。
此れを喰らったU-Dは堪ったモノではない。
如何にU-Dがラスボスを越えたラスボス以上の何かであったとしても、魔法の天敵であるエクリプスドライバーの分断の一撃を喰らったら只
では済まない……致命傷には至らなかったが、魄翼の一部が欠け、紫天装束も袴の一部や肩口が消し飛んでいるのだから。
そして、攻撃は此れだけに留まらない。
「一気に畳み掛けんぞヴィヴィオ!!!」
「はい、パパ!!」
トーマの超必殺技を喰らって怯んだU-Dに向かって、志雄とヴィヴィオが突進し、強烈な斬撃と、秒間5発の超光速フリッカーでU-Dを攻撃し
ていく。
剛の斬撃と、速の高速連打は非常に強力で、U-Dもガードの比重が多くなるのだが、此処でヴィヴィオは誰も思いつかなかった行動に出て
見せた。
「捕まえた……うおりゃぁぁぁぁ!!」
一瞬の隙を突いてU-Dの頭を掴むと、そのまま放り投げてアッパーカットでぶっ飛ばし……
「はぁぁぁぁぁ……りゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃ
りゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃぁ!」
落ちてきた所をフリッカーで殴るまくる!!
これでもかと言うくらいに殴って殴って殴りまくる!!如何にフリッカーであるとは言っても、片腕でこれ程の連射が出来るのかと思う位に殴
って殴って殴りまくる!!
その高速連打の締めは、魔力を纏ったアッパーカットだが、これもまた次への繋ぎに過ぎない。
「今だよパパ!!」
「よくやったぜヴィヴィオ!!
喰らいやがれ……ドラゴンインストール・殺界!!」
吹き飛ばされたU-Dに対して、志雄は己の最強奥義とも言えるドラゴンインストール・殺界を発動し、U-Dを斬って斬って斬りまくり、トドメに
炎の柱を喰らわせる。
「う……ガァァァァッァァァァ!!!」
其れでもU-Dは動きを止めずに、志雄達に襲い掛かる。
魄翼から滅茶苦茶に魔力弾や魔力砲を撃ち出し、目の前にあるモノを全て無に帰さんとするが――
「させません!」
その攻撃は美月が、得意の防御結界で防いで無力化する。
そして、此処で全線に躍り出たのはアミタだ。
「無限の運命、今此処で終わらせます!エンド・オブ・ディスティニー!この一撃で、全てを撃ち抜いて!!」
ザッパーを短剣モードにして、U-Dに連続斬撃を喰らわせたと思ったら、まるで時が止まったのではないかと思う様な高速移動から多数の
魔力弾をU-Dの周囲に配置し、其れを撃ち抜く事で大爆発を発生させU-Dにダメージを与えて行く。
「チャンスだ……ブチかませ、なのは!フェイト!!はやて!!!」
「はい!!全力全壊!!スターライトォォォォォォ……!」
『Starlight Breaker.』
「いっくぞー!ばるでぃっしゅ!!ぷらずまざんばー……」
『Plasma Zamber.』
「ヤミちゃん、夜天の祝福受け取ってや!響け終焉の笛、ラグナロク……」
「「「ブレイカァァァァァァァァ!!!」」」
アミタの必殺の攻撃を喰らって動きを止めたU-Dに対してのトドメの攻撃は、なのはとフェイトとはやてによる超極大魔法の3連攻撃――嘗
て、闇の書の闇をも砕いた最強無敵のトリプルブレイカーだ。
「ぐ……うわぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
その威力は凄まじく、U-Dの魄翼を完全に砕き切る。
こうなっては、攻撃の殆どを魄翼に頼っていたU-Dは戦う事は出来ないだろう。――が、この時が、最大の好機であるのもまた事実だ。
「王様、今です!!」
「王を名乗るなら、王らしく決めて見せろや!!」
「言われるまでもないわ!!」
この好機に、ディアーチェはエルシニアクロイツを掲げ、己の魔力だけでなく、託されたシュテルとレヴィの魔力をも集中させる。
「うあ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「えぇい!もう泣くな!!――貴様の絶望など、我が闇で跡形もなく消し去ってくれる!!
集え星と雷、我が闇の元へ!無敵、無限、我こそが王よ!そして、此れこそが我の砕け得ぬ闇……吼えろ巨獣、ジャガーノート!」
――ギュイィィィン……ドガァァァァァァァァァァァァン!!
そして放たれた一撃は、U-Dのみならずディアーチェをも巻き込む程の大爆発を起こし、周囲は眩い閃光に包まれたのだった……
To Be Continued… 
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