Side:志雄
さてと、シュテルとレヴィの捨て身の策が功を奏して、U-Dは可成りのダメージを受けたみたいだから、此処からが本番だ……気合は入って
るかお前等!!
「バッチリっすよ志雄先輩!」
「気合は充実の120%って所かな?ぶっちゃけ、SPiKAのライブの時よりも気合入ってるよ志雄先輩!!」
「そいつは頼もしいじゃねぇか、時坂、玖我山。」
尤も、聞くまでもなく全員の気合が充実してるのは間違いねぇか……此れだけの闘気が有れば、トンデモねぇ力を有したU-Dが相手でも、負
ける事だけはねぇ筈だぜ。
だが、出撃前には、先ずは腹ごしらえだ!腹が減っては戦は出来ぬって言うからな?俺特製のカツ丼を、たっぷりと味わいな!!
「言われなくとも食ってます!!つーか、マジうめぇ!箸が止まらねえ!志雄さんの料理の腕は、昔から一流だったんだな!」
「おいしー!パパの味だ~~。」
「とても、美味ですね。」
「うむ、確かに美味であるな。」
「おかわりー!大盛りで!」
「えぇ!?大盛り3杯目って、フェイトさんて昔から凄かったんだ。」
まぁ、フェイトは色々とスゲェのは間違いねぇだろうな。
だがまぁ、如何やら気に入って貰えたみたいで何よりだ――そんじゃあ、始めるとすっか……砕け得ぬ闇とやらを相手にした、最大級の戦い
ってやつをな!!
リリカルなのは×東亰ザナドゥ 不屈の心と魂の焔 BLAZE108
『A's portable~最終決戦開始~』
飯を食って腹を満たして、今はアースラのブリッジに全員集合って所だ――此れから、作戦の最終会議って所だろうな。
U-Dの奴は、今はどんな状態なんだクロノ?
「数分前にU-Dを捕捉して得た画像なんだが、U-Dは干渉制御ワクチンを打ち込まれながらも、まだまだその力は衰えていないと言う感じだ
な……現在は、魔力の繭とも言うべき物にくるまって、受けたダメージを回復中と言った所か……干渉制御ワクチンの効果もあるから、完
全回復には至らないだろうが……
だが、相手が相手だけに、ちゃんと作戦を立てて臨まないと、簡単に全滅してしまうのは間違いないだろうと思う。」
「だろうな。」
モニター越しでもU-Dのトンデモねぇ力を感じる事が出来るからな――さて、どうしたもんだろうな?
「だから、部隊を2つに分ける。
第1陣は、僕とヴォルケンリッターとキリエ、其れから洸と璃音と空と明日香と祐騎とアインハルトで行く。
その第1陣で、ある程度削った所で、第2陣である志緒、なのは、フェイト、はやて、リインフォース、アミティエ、ディアーチェ、美月、ヴィヴィ
オ、トーマ、プレシアで総攻撃をかけてU-Dを止める。
そして、止まった上でディアーチェがU-Dの機能を上書きする――これで、巧く行くはずだ。」
成程……はやてがリインフォースをナハトヴァールから切り離した時と同じ方法を取るって訳か――あん時と、略同じ攻略法ってのは、闇の
書事件の後始末って事を考えると、妙な因果を感じるぜ。
だが、此のチーム分けは悪くねぇな?プログラムカートリッジ持ちが半分ずつで、アタッカーとサポーターのバランスも良い感じだぜ。
正直言って、相手は倉敷やナハトヴァールなんかよりもヤバい相手だが、此れだけの戦力があるなら負ける気はしねぇ――そもそも、俺達
に退くって言葉は存在しねぇだろ!
「はい!誰が相手でも、真正面からぶつかって行くだけです!」
「よっしゃー、かちこみだー!ごよーあらためだ、とっかんとつげきだー!!」
「なのはもフェイトも良い返事だぜ!
……時に、アルフとユーノは行かねぇのか?」
「アタシ等は、不測の事態に備えて待機って所さ。」
「この方法でも駄目だった場合、ナハトヴァールの時と同じ方法でU-Dを消滅させなきゃならなくなる……そうなった場合に、U-Dをアルカン
シェルの前に転送しないとならないからね。」
「成程な……万が一に備えてって事か。」
尤も、そんな事にはならねぇと思うが、備えあれば憂いなしって言うしな……まぁ、リンディさんやクロノがそう決めたんなら、俺が口を挟む事
でもねぇか。
そんじゃまぁ、行くぞお前等!U-Dを助けにな!!
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「おー!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
「U-Dを止め、その中にあるエグザミア、必ず手に入れてやろうぞ……!」
決戦開始だぜ!
――――――
Side:明日香
先ずは第1陣として、私達が到着した訳だけど……此れは、何とも禍々しい魔力の繭ね?……この中にU-Dが居るって事なんでしょうけど、
何かしら……ネメシスとしてのエージェントとして、嫌な予感を感じるわ。
まるで、此れから強大な力を持ったグリードと戦う前の様な……
「コイツはスゲェ力だな……璃音、空、明日香、祐騎、気を引き締めて行こうぜ……!」
「初っ端から全開で行かないとヤバそうな相手だからね?」
「はい、洸先輩!」
「流石はラスボス、始まる前からハンパないね。」
「えぇ、気をつけて行きましょう、時坂君。」
「おーい、ヤミちゃーん、助けに来たわよ~~?」
って、其れは如何なんですかシャマル先生?……緊張感が無いと言いうか何と言うか……或いはこれも、数多の戦場を駆け抜けて来た騎
士の余裕と言うやつなのかしら?……その辺は、如何なんでしょうかシグナムさん?
「分からん……が、シャマルは戦闘能力は低くとも、参謀として優秀だ――何の意味もなく、あんな事をするとは思えん。」
「うむ……その通りのようだ。」
「真っ赤な繭に罅が入った……此れはいよいよご登場ね~~ん?」
――ピシ……ピシ……バリィィィィィィィィィン!!!
繭が砕けて、中からU-Dが現れたわね?……って、そんな……こんな事が!?
いえ、闇の書が異界の力を蒐集していたと言う事を考えれば、無い話ではないけれど……此れは、幾ら何でも……!!
「来てしまったんですね……私には、壊す事しか出来ないのに……こうなった以上は、もう誰にも止められないのに――」
――12S級XXXグリード:砕け得ぬ闇
まさか、干渉制御ワクチンを打ち込まれた後でグリムグリードをも越える存在になってしまってるなんて、幾ら何でも予想外だわ。
魄翼は更に禍々しくなり、目の色も反転している……僅かな自我が残っているだけでも大したモノだと言うべきなのでしょうね……冗談抜き
で、一気に難易度が跳ね上がったけど、其れでもやるしかないわ!!
「コイツは可成りヤバそうだが……だからと言って退く事は出来ねぇ!」
「その通りだ……行くぞ、戦闘開始だ!!」
えぇ、退く事は出来ない。――だからこそ、全力で行かないと。
身体にかかる負担が大きいから、あまりやりたくはないんだけれど、最悪の場合は拘束術式を解放して戦う事も考えておいた方が良いかも
知れないわね……
――――――
No Side
まさかのグリード化をしていたU-Dとの戦いで、先陣を切ったのは空とザフィーラの徒手空拳コンビ。
空がメインとなって攻めを行い、ザフィーラはU-Dからの攻撃を捌いて、空が攻撃に集中できるように動くと言う、理想の様な攻めと守りのコ
ンビネーションと言えるだろう。
「無駄だ……私には、誰も勝つ事は出来ない。」
しかし、空の鋭い攻めも、U-Dに対してはあまり効果がないらしく、反対にU-Dは魄翼から強烈な魔力波を打ち出して攻撃してくる。
此の攻撃に対し、空はザフィーラが庇ってくれた事で無傷だが、洸達にはダイレクトに魔力波が襲い掛かる――まともに喰らったら、一撃必
殺は間違いない筈だ。
「させません……旋衝破!」
だが、U-Dの魔力波は、何とアインハルトが素手で其れを受け止め、更に攻撃の覇道を腕の円運動で右腕にタメた上で、魔力弾にして打ち
返したのだ。
完全なるカウンターに、U-Dは一瞬怯み、僅かな隙を曝してしまう。
そして、その隙を見逃す洸と祐騎ではない。
「一気に行くぜ祐騎!」
「了解だよ、洸先輩!」
「「クロスドライヴ!!」」
クロスドライヴを発動した上で、猛烈に、果敢にU-Dを攻め立てる!
レイジングギアのチェーンエッジによる斬撃と、カルバリーメイスの槌による直接攻撃と、霊子核からの射撃はU-Dにも僅かだが、確実にダメ
ージを叩き込んで行く。
とは言え、この程度の攻撃は焼け石に水だ。
「消えろ……」
再び、U-Dが強烈な魔力波を放ち、洸達を吹き飛ばす――たかだか魔力波であるにも拘らず、其れはとても強烈で、洸達のバリアジャケット
が一撃で大きく破損するレベルなのだ。
其の力は正に圧倒的だが……しかし、切り札は別に存在している物だ。
「今だ、やっちまえクロノ!キリエ!!明日香!!」
「第一、第二、第三術式開放……喰らえ、終焉の魔剣、コールドアポクリファ!!」
「ふぅ……凍てつけぇ!!!」
『Eternal Coffin.』
「せぇぇの!スラッシュ・レイブ・インパクト!S!R!Iーーー!!!」
「行くよ?それそれそれ!セラフィム……ハーツ!!」
攻撃後の隙を突いて、クロノのエターナルコフィンと明日香のコールドアポクリファでU-Dの動きを完全に止め、其処にキリエがスラッシュ・レ
イブ・インパクトを、璃音がセラフィムハーツを叩き込んで一気にU-Dを削る!
「さぁて、御膳立ては済んだわ――剣のお姉さんと、鉄槌のお嬢さんでばっちり決めちゃって!」
「任せろ……行くぞヴィータ!プログラムカートリッジ『ヴィルベルヴィント』起動。」
「おうよ、コイツをブチかましてやる!!プログラムカートリッジ『ブルムベア』起動!!」
その連撃のトリを飾るのはシグナムとヴィータのヴォルケンリッタートップ2!
互いに干渉制御ワクチンを搭載したプログラムカートリッジをロードして、U-Dへと向かい……
「紫電一閃!!」
「ラケーテンハンマー!打っ飛べぇ!!」
乾坤一擲の一撃をブチかます!!
「あぐ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁ!!!」
其の効果は覿面!
U-Dの表面を覆っていた防御結界は砕け、スーパーアーマー状態は解除されたのだ。――が、同時に其れは、U-Dの持つ戦闘能力が完全
解放された事を意味するものだ。
「……壊す、全てを……」
――20S級EXグリード:砕け得ぬ永遠の闇
防御結界を破られたU-Dは、防護服を赤色に変え、顔と体に異様な文様も浮かび上がらせ、反転した瞳の白かった部分を赤く染めて一行
を睨みつける。
強化されたラスボスとの連戦は流石にきついが……
「第2陣現着!!」
「よくやったぜテメェ等!此処からは、俺等に任せな!!」
此処で、志雄となのはが率いる第2陣が到着し、強化されたU-Dの前に踊りでる――同時に最終決戦の第2幕が始まったのだった。
――――――
Side:アミタ
第2陣として現場にはやって来ましたが、正直言うと可成りきついですね……身体は治ったとは言え、ザッパーのエネルギー残量は、心許な
いレベルですから、果たしてU-Dと真面に戦う事が出来るかどうか……
「アミタ、此れ持って行って。」
「キリエ?」
って、此れは貴女のザッパーじゃないですか!しかもエネルギーが略満タン状態で……如何して……
「アタシはアミタと違ってペース配分を考えてるの。
最終決戦に向けて、エネルギー位温存はしておくわよ。」
「キリエ……」
……相変わらず、嘘が下手糞ですね?……このエネルギー残量が、ペース配分を考えての温存であるモノですか……確実に第2陣の、本
命の部隊に身を置く私の為にエネルギーを溜めていたのでしょう?――全く、素直じゃないと言うか不器用と言うか、困った妹です。
「ゴメンねアミタ……私の後始末押し付けちゃって。」
「何を言いますか!可愛い妹の為なら、私は何処までも強くなれます――貴女の思いを受け取って、私の勇気は100万倍です!!
U-Dを救うためにも行ってきますとも!!」
「うん……お願いするわアミタ……だけど、絶対に無事に帰ってきてお姉ちゃん……!」
言われるまでもありません!
U-Dを止めて、必ず無事に帰ってきますとも!!――運命の守護者、アミティエ・フローリアン、U-Dを止める為に出撃します!!
さぁ、最終決戦と行きましょう!!
To Be Continued… 
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