Side:璃音
そんなこんなで、アースラ内部には、超特殊な闇の欠片として復活したプレシアさんと、志雄先輩となのはちゃんが確保した謎の渡航者が一緒
の状態で、其れだけだったら何て言う事はないんだけど……
「えっと、高幡ヴィヴィオです。」
赤と緑の金髪オッドアイの子がそう自己紹介したからさぁ大変だよ!!
未来から来た志雄先輩の子供かって言う事になって、其れなら母親は誰だって事に話が及んで、聞いてみれば何とママはなのはちゃん!?
と言う事は、未来で志雄先輩となのはちゃんは夫婦って事だよね?
「ほえ!?わ、私と志雄さんが夫婦?……そ、そんな……あうぅぅ……」
――プシュ~~~~
あらら……余程衝撃的だったのか、なのはちゃんがショートしちゃったよ――まぁ、その気持ちは良く分かるよ?アタシも未来で、洸君とそんな
関係になってましたなんて知ったら機能停止すると思うから。
だけど、問題は此処からだったんだよね?――マッタク、洸君は何だってあんな質問をしたのやら……
リリカルなのは×東亰ザナドゥ 不屈の心と魂の焔 BLAZE101
『A's portable~志雄先輩ロリ疑惑~』
洸君がした質問は、志雄先輩となのはちゃんが連れて来た人達に――と言うか、ヴィヴィオちゃんに対しての質問『歳は幾つなんだ?』って言
ったのが原因だったね。
ヴィヴィオちゃんは其れに律義に応えて、10歳である事が判明したんだけど、続けてその時代でのなのはちゃんの年を聞いたのが致命傷だ
ったよ。
「ヴィヴィオちゃんのママは、今幾つなんだ?」
「ママは……えっと、23歳だったかな?」
「「「「「「え"?」」」」」」
なのはちゃんの歳を聞いた瞬間、志雄先輩以外のX.R.Cのメンバーは凍り付いたからね~~~。いやまぁ、当然かもしれないけどさ。
だって、23歳で10歳の娘って聞いたら、そりゃあねぇ?
「23歳で10歳の子供って事は、13歳の時の子供な訳で……犯罪っすよ志雄先輩ぃぃぃぃぃ!!!」
「テメェは、どんな脳味噌してやがる時坂ぁ!」
「志雄先輩、若しかしてロリコン?」
「四宮、テメェもか!!!」
んで、トンデモない事口走った洸君と祐騎君が、志雄先輩にアイアンクローで吊り下げられる事に……まぁ、2人の言った事は、私も一瞬だけ
思ったけどね?……言わなくて良かった。って言うか、本当に片手で人一人持ち上げる人って居るんだねぇ。
でもさ、洸君も祐騎君も口に出す前に冷静になって考えようよ?
確かにヴィヴィオちゃんの髪は綺麗な金髪で、志雄先輩に似てなくもないけど、志雄先輩の場合は脱色してる訳で地毛じゃないから遺伝じゃ
ないし、そもそもなのはちゃんと志雄先輩の子でヴィヴィオって日本人とは思えない名前は有り得ないでしょ?
多分だけど、養子とかそんな感じなんじゃないのかな?
「はい、その通りです璃音さん。」
「ほら、やっぱり。」
「そう言う事だとよ……分かったか時坂!四宮!!」
「了解!了解したから、その辺で勘弁してくださいよ志雄先輩!これ以上は、マジで頭砕けちまうっすよ!!」
「てか、僕と洸先輩合わせたら100kg超えるのに、其れを軽々持ち上げるって有り得ないでしょ!?どんな握力してんのさ!!」
「さぁてな!!」
――ゴツン!!
で、アタシの予想は大正解。
真実が明らかになった所で、洸君と祐騎君は、掴んだ頭をそのまま鉢合わせさせられてKO!……いや、分かってた事だけど、志雄先輩を怒
らせるとおっかないね~~?
トーマ君なんて、顔真っ青にして震えてるしね……
「あははは……ウェスタンラリアットでヴェイロンの首の骨折ったって話、きっとマジなんだ……ガチでハンパねぇ。」
……未来で、志雄先輩は一体何をしてるんだろうね?スッゴク気になるけど、其れを聞いたら未来が変わっちゃうかも知れないから、聞かない
のが一番だね。
そんで、此れから如何するのクロノ君、リンディさん?
U-Dが何処にいるか分からないし、赤毛さんとピンクさんも行方不明で、マテリアルズが復活した気配もない。
一応未来からの渡航者を確保したから、戦力の底上げは出来たけど、ぶっちゃけ八方塞がりだよね現状だと?
「謎の渡航者については、現在ヴォルケンリッターが捜索に当たっているから、遠からず見つかるはずだ。
シャマルの索敵能力をもってすれば、発見は容易だろうし、旅の鏡を使えば目標に一瞬で到達する事も出来るからな……何よりも、夜天の
騎士ならば、謎の渡航者に後れを取るとも考えられないからな。」
「U-Dについては、アースラのスタッフが全力で探しているわ。
例え、己の魔力を隠す結界を張っていたとしても、マテリアルズを一撃で倒す程の力を完全に隠す事は出来ないから、僅かばかりの魔力を
感知する事は出来る。
U-Dの魔力パターンは、既にアースラのデーターベースに記録されているしね。
それと、マテリアルズについては、復活すれば魔力反応があるだろうから、其れは直ぐに分かるわ。」
アタシ達がこうしてる間でも、現場は動いてたって事ね?
確かにシグナムさん達が動いてるなら安心だわ。闇の欠片如きには絶対負けないだろうし、件の赤毛さんとピンクさんが相手でも、負けはしな
いだろうからね?……てか、シグナムさんとガチで戦って勝てるのって、志雄先輩位だと思うし。
となると、赤毛さんとピンクさんの確保は略確定で、U-Dもそう遠くなく見つかると思っていいわね?
見つけたら、速攻で叩きに行きましょう?……アレが、本気で暴れ出したら絶対にトンデモない事になると思うから。
きっと、トンデモない相手だと思うけど、こっちにはこれだけの戦力が居るから大丈夫!てか、なのはちゃんと志雄先輩とフェイトちゃんが居る
だけでも充分なのに、其処にリインフォースさんとプレシアさんて言う極悪チートキャラが2人も居るんだから、負ける筈がないって♪
「……確かに、リインフォースは極悪チートキャラやな……復活してパワーダウンした代わりに、色々と芸達者になっとるからなぁ……」
「そう言われて、否定できないのが悲しいわね。」
だって実際そうだし。てか、熾天使の力を宿してるアタシでも勝てそうにないモン。――だから、余計に頼りになるんだけどさ♪
なんにしても、今はヴォルケンリッターの皆と、アースラのU-D探索の結果を待つしかないか……な~~~んか、嫌な予感がするんだけどね。
尚、ショートしたなのはちゃんが復活したのは其れから10分後で、志雄先輩に撃沈された洸君と祐騎君が目覚めたのは15分後の事でした♪
序に、なのはちゃんの事を『ちっちゃいママ』って呼ぶヴィヴィオちゃんが、めっちゃ可愛かったです!!
――――――
Side:リインフォース
シャマルが、謎の渡航者の1人を発見したと言うので、旅の鏡を使ってその座標まで移動。……今更ながらに、守護騎士の能力を自由に使え
ると言うのはとても便利だな。
で、移動した先に居たのはお前だったか、キリエ・フローリアン。
「あらぁ、この間の銀髪のお姉さん、ま~た会ったわね?」
「あぁ、また会ったな。
取り敢えず、単刀直入に言わせて貰うが、大人しく私と一緒に来てくれないか?お前の目的は今一よく分からないから、其れを聞きたい。」
マテリアルに協力する姿勢や、砕け得ぬ闇を求める理由が見えないんだ。
お前が一体何の目的でそんな事をしているのかが全く分からないのでは、此方としても動きようがないのでね?……我が主と、夜天の名に誓
って、悪い様にはしないと約束するから、大人しく従ってはくれないだろうか?
「ん~~~……悪い提案じゃないんだけど、其れは出来ない相談なのよね~~?
そう言う訳で、此処は力尽くで押し通らせてもらいま~す♪」
「矢張りそうなるか……まぁ、期待はしていなかったがな。」
だが、あくまでも抵抗すると言うのならば、此方とて手加減をする心算はない……お前がU-Dに手を出した際に考えられる最悪の結末は、此
の世界の終焉だからね。
ナハトの暴走を退けたこの世界を、今再び滅びの危機に晒す事は出来ないのでな……悪いが、力尽くでも止めさせて貰う!
来い、ヴォーパルウェポン!レヴァンティン!!
――ジャキィィン!!
「うわお!長剣と重剣の二刀流なんて、迫力満点じゃない?……だけど、そんな大型武器の二刀流で、真面に戦えるのかしら~~?」
「戦えるかどうかは、その身をもって知るが良い。」
烈火の将の洗練された剣技と、剛腕の重剣士の荒々しい剣技が融合した、この二刀流に隙は無い……お前程度の奴が見切る事が出来ると
は思わない事だな。
では、行くぞ――
――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
「「!?」」
って、何だこの魔力は!?
全盛期の私よりも遥かに強く、そして強大な闇の力を内包したこの魔力は……まさか!!
――ギュゥゥゥン……
「U-D……!」
それが治まると、其処には真っ赤な衣を纏った、U-Dの姿があった……此れは如何にも、最悪のシナリオに向かって進んでいるようだな?
さて、如何したものか……とりあえず、キリエがU-Dへと接触するのを何とか止めねばだ――U-Dとキリエが接触したら、間違いなくトンデモな
い事態になってしまうだろうからね――
To Be Continued… 
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