Side:トーマ


如何も皆さんこんにちは。ゼロ・ドライバー事トーマ・アヴェニールです。
訳も分からず過去の世界に飛ばされ、同じ境遇のヴィヴィオとアインハルトと合流出来て、さて如何しようかって所で、絶対に会いたくない最強
の相手と出会っちまいましたぁ……



「よう、また会ったな?……悪いが今度は逃がさねぇぞ?テメェ等が何モンで、如何して現れたのか、キッチリ話して貰うからな?」

「少し、お話し聞かせてくれるよね?」



天下無敵の高幡志雄さんと、子供の頃のなのはさん!!
こんな事言ったらアレだけど、リリィとリアクトした状態でも、志雄さんとなのはさんのコンビに勝てる気がしねぇよ……例えそれが、俺が知って
る姿とは違う過去の存在でもな!

てか、下手したら、若い分だけこっちの方が強いんじゃないのか!?その辺、如何なんだヴィヴィオ!?



「パパもママも、相当に強いけど、ママは兎も角パパはそれ程大きく違わないような?……勿論、力を抑えてる可能性って言うのは否定でき
 ないけど……」

「ですが、逆に言うのならば、ヴィヴィオさんのお父様とお母さまは、昔から途轍もない力を持っていて、今尚其れが衰えていないと言う事にな
 りますね。」



うげ、そうとも言えるか。
だけど、だからと言って簡単に捕まる事も出来ないんだよなぁ……俺達の存在が、世界に与える影響がドレ位かは分からないし、俺とアインハ
ルトは兎も角、ヴィヴィオが志雄さんとなのはさんと深く触れ合うのはNGだからな。

可能性は可成り低いが、此処は何とか逃げて見せないとだな。……成功率も可成り低いけどな。(涙)













リリカルなのは×東亰ザナドゥ  不屈の心と魂の焔 BLAZE100
『A's portable~集いし者達~』










Side:志雄


未来から来たと思われる謎の渡航者の実力は、半端なモンじゃねぇと思ってたが、予想通りに中々のモンだな?
ハニーブロンドでオッドアイの奴はなのはが対処してて、俺は黒服の銀髪小僧と、エメラルドグリーンの髪に、サファイアとアメジストの瞳を持っ
た娘の相手をしてるんだが、手加減して勝てる相手じゃねぇからな。

全員がクロスレンジでの戦闘を得意としてるみてぇだが、翠髪――アインハルトの戦い方は典型的な格闘術だから、ある程度は対処出来るも
んだぜ……その時々でトリッキーな技を使ってくるから油断はできねぇがな。

黒服銀髪のガキ――トーマってのも、悪くない力を宿してるみてぇだからな?……仲間に出来れば、U-D攻略の際に一役買ってくれるのは、
間違いねぇだろう。

だが、たった2人で俺を如何にか出来ると思ってやがるのか?

「オラァ!イグニスブレイク!!


「どわぁぁぁぁあ!?やっぱ滅茶苦茶つえぇぇ!!てか、若しかして何時もって手加減されてたのか俺!?」

『志雄店長、とっても強い!!』

「相変わらず惚れ惚れする程の馬鹿力……流石は、スパーリングでチームナカジマ4人を同時に相手しただけの事はあります。」



……また訳の分からねぇ事をごちゃごちゃと言いやがって。
コイツ等とは、前回が初めて会った筈なのに、俺となのはの事を知っていやがったのも妙な話だ……可能性として考えられる事がない訳じゃ
ないが、幾ら魔法や異界があるっつっても、流石にこの可能性は無いと思うぜ。
ま、その辺もコイツ等を取っ捕まえて話を聞きゃ良いだけだがな。……と言うか、何だって逃げてんだテメェ等は?
こっちは、取って食おうって訳じゃねぇ。一緒に来てくれって言ってるだけなんだぜ?



「其れが此方側の面倒な事情と言いますか何と言いますか……と、兎に角俺達は、あんまり関わり合いになっちゃいけないんですよ!」

「そりゃ今更だろオイ?
 俺等とテメェ等は、もう確りバッチリ関わり合いになっちまってるんだよ……だから、無駄な抵抗は止めて、大人しく着いて来いや。」

「だから、そう簡単じゃないんですってば!!クリムゾンスラッシュ!!



聞き分けのねぇ奴だな?大体、抵抗は無駄だって言ってんだろ……フレアスラッシュ!!



――ズガァァァァァァァァン!!



「のわぁ!……押し負けるなんて、流石は本家……見様見真似じゃ敵わなかったか。
 だが此れで!!アインハルト、頼む!!」

「お任せ下さい!」

「!?」

コイツ、何時の間に懐に入り込みやがった!?……まさか、フレアスラッシュの技後の隙を突いて、一足飛びで飛び込んで来やがったのか!
恐ろしい踏み込みを見せてくれるじゃねぇか!!



「破ぁぁぁぁ……覇王!断・空・拳!!!



――ドガァァァァァァァァァァァァン!!



コイツは……!!おわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!



「よっしゃ、決まったなアインハルト!」

「はい。この隙にヴィヴィオさんを連れて離脱しましょう。」

「おう!!」



――ジャッ!!ギュルン!!



「って、何じゃこりゃぁぁぁ!?」

「此れは鎖!?……まさか……!!」



やってくれるじゃねぇかオイ、流石に今のはちょいとばかし痛かったぜ?お前さんに、もう少しウェートがあったら、流石の俺もヤバかったな。
尤も、その場合でも、大ダメージは受けても戦闘不能にゃならねぇだろうがなぁ!!



「そんな、断空拳を喰らって無傷とは……」

「幾ら何でもそりゃないだろ!チートだバグだ反則だ!サイファーが『殺す心算で刺したのに剣が通らなかった』ってのは、マジだったんだ!」

『正に鋼の肉体……!』



……テメェ等も俺の事を人外扱いかよ。いい加減慣れたがな。
だがまぁ、此れでもうテメェ等は逃げる事は出来ねぇぜ?この鎖はマリーに頼んで作って貰った、相手を捉える事に特化した簡易デバイスで、
リインフォースの奴が本気を出しても、引き千切るのには10分もかかった頑丈さを誇る逸品だ。
お前等の力じゃ脱出は無理な上に、中途半端にもがけば、その分締め付けが強くなるからな?

「チェックメイトって所だな?」

「参りました、投了します。」

「こんなのどうしようもないじゃんかよぉ……俺もサレンダーだぜ。」

『志雄店長、途轍もなく強い……』



ま、こうなっちゃ其れしかねぇよな?
寧ろ、こうなっても未だ抵抗するようだったら困り物だったんだが、流石に身動きを完全に封じられちゃどうしようもないと思ってくれて助かった
ぜ……最悪の場合は、脳天に一発かましてKOする心算だったからな。
さてと、なのはの方もそろそろ終わりそうだな?

金髪オッドアイの娘――ヴィヴィオも多彩な格闘技でなのはを攻めるが、クロスレンジでは最強クラスのフェイトやシグナム、ヴィータと戦った
経験のあるなのはには、其の位じゃ通じねぇよ。
なのははクロスレンジは不得手だが、だからこそ誰よりもクロスレンジにはどう対処すればいいかを知ってるからな。



「見切った!フラッシュムーブ!」

「しまった!!」



技の一瞬の隙を突いて、フラッシュムーブで背後に回り、其処からシューターの段幕を張って距離を離したか……こうなったらもう、なのはの独
断場だな。
ヴィヴィオってのも、一応の射撃は出来るみたいだが、本領は格闘らしく、あんまし得意じゃなさそうだしな。



「く……なんて弾幕。――なら!!ディバイィィィン……バスター!!



弾幕に苦戦してると思ったら、まさかのディバインバスターだと!?なのはの必殺技を使うとは、少し驚いたぜ。
だが、そいつは良い手とは言えねぇな?弾幕を払うのが目的だったんだろうが、なのはがテメェで編み出した必殺技を、目の前で使われて黙
ってられる筈がねぇ。
一丁ブチかましてやれや、本家本元の元祖ってのをな!!



「どこで、其れを覚えたのか知らないけど、此れが本当の全力全壊!ディバイィィィィン……バスタァァァァァァァァァァァ!!

『Divine Buster.』


――ズガァァァァァァァァァァァン!!!



「うそ!こんな簡単に押し返されるなんて……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」



なのはの放った本家ディバインバスターが、ヴィヴィオの虹色のバスターを軽々と呑み込んで勝負ありだな。……一応、ヴィヴィオの方も鎖で
捕縛しとくか。



「……こう言ったらアレですけど、そうしてると、まるで人身売買のブローカーみたいですよ志雄さん?」

「否定できねぇのが悲しいな。」

だがまぁ、此れで全員確保できたから、取り敢えずアースラに戻るとすっか。
U-Dにマテリアル、其れとコイツ等の事も色々と考えねぇと行けねぇからな――まぁ、コイツ等に関しては、最終的にはU-D討伐隊に組み込ま
れるのは間違いねぇだろうがな。








――――――








Side:フェイト


リオンから、『プレシアさんの欠片が現れた』ってれんらくをうけたから、僕はただいま現場にむかってちょーとっきゅーでいどーちゅう!!
なんか、闇の欠片があらわれておそって来たけど、そんなのかんけーないし!っていうか、欠片ごときじゃ僕に勝つのなんて10兆万年はやい
ってんだよ~だ!!

あ~~っはっは!僕をとめられるものならとめてみろー!!



「いやぁ、欠片如きじゃフェイトを止めるのは無理じゃないかい?
 其れ以前に、10兆万年てどんな単位だい……10兆にゼロを4つ足したってんなら――10京かね?」

「うぅん、10兆万。」

「何だいその拘り!?」



だって、10京っていうよりも、10兆万のほーがすごくてつよそーじゃん?それに、こうゆーときの単位なんて、そのばのノリがだいじだから、た
だしいかどうかなんてのはどーでもいいんだよあるふ!



「一瞬納得しちまったアタシに驚きさね……と、如何やらついたみたいだよフェイト。」

「え、もう?……って、ほんとだ!ほんとにおかーさんだー!!」

おかーさーん♪



――ドッゴォォォォォン!!!



「ゲフアァ!?」

「「プレシアさん!?」」

「プレシアーーーーーー!?」



あれ?だいじょうぶおかーさん?



「ふ、ふふふ……此れ位は如何と言う事は無いわフェイト……ヒュドラの暴走を間近で喰らったのと比べれば、此の程度のダメージなど、蚊に
 刺されたようなものだわ。」

「良く分からないけど、おかーさんは強いんだね!!」

「こう見えて、現役時代は最強の大魔導師と言われていたからね。
 其れは其れとして、私は闇の欠片であるけれど、もう一度こうして貴女に会えて嬉しいわフェイト――貴女の事はリンディに任せたから不安
 は無いけれど、こうして会えたのは嬉しい事だわ。」

「うん、僕もスッゴクうれしーよおかーさん!!」

でも、なんでおかーさんが復活したんだろう?
僕のきおくをさいせーしたんなら、こーかくりつで、あのにせものがさいせーされる筈なのに、こうしてほんとーのおかーさんがさいせーされてる
って言う事は、きっとなにかいみがある筈だよね?

いったいなにが?あれかそれか、それともこれか、それともあっちがこっちで、こっちがあっちで、しゅれてぃんがーのねこのどっぷらーこーかと
せきおーへんいてーしのゆーのざわしんが……


――プシュー!!


うん、かんがえてもまったくわからない!!



「うわぉ、思い切り蹴り飛ばしたよフェイトちゃん………」

「流石っつーかなんつーか……フェイトちゃんは絶対に大物だと思うぜ俺……」

「志雄も言ってたけど、案外そうなのかも知れないねぇ……」

「ふふ、でも時として、頭で考えるよりも、感覚で行動すると言うのは大事な場合があるわ――フェイト、考えても全く分からなった貴女は、私を
 どうする心算?」



ん~~~……とりあえずいっしょにあーすらにいこう!
おかーさんは欠片だから、いつまでそんざいできるか分からないけど、偽物じゃなくて本物のおかーさんの力があれば、U-Dのことだってなん
とかできるかもしれないからさ。
コウとリオンとあるふもそれでいいでしょ?



「闇の欠片とは言えプレシアさんの戦闘力の高さは実証されてるからな……確かに、仲間になって貰えばこれ程頼もしいモノは無いぜ!」

「グッジョブフェイトちゃん!その発想は無かったよ!!」

「確かに本物のプレシアなら、欠片とは言え、志雄やリインフォースに匹敵する力があるだろうからね!」

「成程……私が再生された理由は、如何やら相当に凶悪な敵を倒す為だったみたいね?……そう言う事なら、貴女の提案は受け入れる以外
 の選択肢はないわ。
 ふふ、貴女の感覚は中々に良いものを持っているみたいね。」



えっへん!かんかくとパワーとスピードなら、僕はだれにもまけないもんね~~!
それじゃー、あーすらにもどろー!きっと、さくせんかいぎとかあるだろうからね!!だけど、それが終わったら、おかーさんといっぱい話がした
いな。
僕がたいけんしてきたいろんな事を、おかーさんには知ってほしいからね♪

でも、きっとそれはU-Dが居る限りはむりだろうから、ぜんりょくでU-Dをぶっ倒すだけだ!どこにいるかは分からないけど、みつけたら、バルデ
ィッシュのざんばーふぉーむでまっぷたつにきりさいてやる!!

せーぜー、かくごしてろーーーー!!











 To Be Continued…