Side:アインス
碑文が完成した訳なんだが、此のまま夜見を討ちに行くのかどうかだな――碑文の内容的に、夜見は単純に滅すれば良いと言う
存在でもないみたいだが。
「お兄様……私はどうしても気になるのです――初代の王と夜見の間に、一体何があったのでしょう?
何故夜見は魔物になってしまったのか……何故王はあんな文をコッソリ残したのか。」
「正直、俺も気になるな。
まぁ、今となっては夜見に聞くほか確かめようもないが……」
「いや……そうとは限らない。若しかしたら……
お前達は、立ち入り禁止の遺跡を知っているか?」
「ああ。確か、三カ所あったよな。
行くと呪われるとか、二度と戻れないとか……いろんな噂を聞いた事がある。」
「過去の文献によると、神器をもってそこに行けば、何かが起こるらしい。
あの本は禁書なのか、多くの部分が黒く塗りつぶされていた――だから、それ以上の事は分からないが……」
その遺跡には、過去の王にとって都合の悪い秘密がある……その可能性が高いって事か。
ならば、多少の危険が有るにしろ行かねばなるまい――夜見を浄化するためにも、彼女の事を知っておかねばだからね。
討鬼伝×リリカルなのは~鬼討つ夜天~ 任務118
『残酷な術、操られし巫女』
で、遺跡の探索に行く予定だったんだが問題発生。
偵察に出ていた英雄達が小夜によって操られてしまったとの報せが舞い込んで来た――此のまま放置しておいたら必ず夜見の手
に落ちてしまうから、遺跡探索の前に英雄達を助けに来たんだが……
「操られた本物に加えて幻影まで出てくるとか、嫌がらせか!其れとも苛めか!!」
「そう言いながら仲間は峰打ちで気絶させて、幻影は的確に切り裂いている君に驚きだよアインス……だが、今ので操られた仲間
は最後みたいだ。」
「そうか……ならば遠慮はいらないな。
纏めて消え去れ……デストロイ・ギガ・レイズ!!又の名を内閣総辞職ビーム!!」
――ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!
「ぜ、全身からビームを出した!?やっぱり凄いなアインスさんは!
しかし、こんな残酷な事をするとは――叔母上は優しい人だったのに……夜見め、絶対に許さん!!」
あぁ、なぜ彼女が魔物になってしまったのかは分からないが、如何に理由が有るにしても此れは許してはいけない事だ。
まぁ、夜見との直接対決の時にお仕置きしてやるとして、今は小夜を何とかせねばだ――其処に居るんだろう小夜?
「ふふ、操られていたとは言え、仲間をそんなに簡単に倒してしまうなんて酷い人達ね。」
「叔母上……これ以上仲間を好きにされる訳には行かない。
だからせめて、倒した仲間の為にも今此処で貴女を倒す!!」
「刹那、貴方に憎まれるなんて残念だわ。
我が子のように大事にして来たのに。」
どの口がぬかすか。
心にもない事を言って言るのが見え見えだ……六爪流の錆になってみるか?
「アラアラ怖い。
でも、今日は久しぶりに楽しかったからここら辺で終わりにして上げる……では、御機嫌よう……うふふふ。」
「転移魔法!そんな物も使えるのか!!」
「クソ、逃げられてしまったか!
此れじゃ、仲間を操られ、叔母上と戦う悲劇は終わらない――!」
刹那……確かに、小夜を何とかしない限り今回の様な事はまた起こるだろう――小夜が完全に闇に落ちたのでなく、夜見に操ら
れているだけだと言うのならば浄化は出来る筈だが……?
取り敢えず、一度聖域に戻ってから対策を考えるとしよう。
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聖域に戻った刹那は王宮に。志貴や環と作戦会議と言った所だな。
で、私はソフィーと一緒に温泉に入って……そして、風呂上りと言えば牛乳だ!!――ぷはぁ、矢張り風呂上がりに冷えた牛乳は
格別だな♪
「はい、とっても美味しいです!
元の世界に戻ったら、温泉とお風呂上がりの牛乳を普及させてみようかな?」
「ふふ、其れは良いかも知れないね。」
錬金術を使えば温泉を掘り当てる事だって可能かもしれないしな。
其れで、慌てて宿舎に来たようだが、何かあったか刹那?
「拙い事になった!
偵察部隊が、叔母上に襲われているらしい!仲間を失う訳にはいかない。一緒に叔母上を止めてくれ!」
く、こうも連続で来るとはな……良いだろう、その挑戦受けてやる!!
偵察に出ていたのは、ダリウスと直虎だったな……ダリウスと直虎っと――見つけた!秘儀、瞬間移動!!
ってな訳で、当該領域に到着!
ふむ、何やら中世のヨーロッパを思わせる街並みだな?
「此処はルースワール?よく再現されてるね……」
「お前の故郷かアーナス。」
ともあれ、仲間を救わねばな。
既に操られてしまった場合には浄化が必要になるだろうが、そうならば必ず小夜が邪魔して来る筈だ――だからこそ、今度こそ小
夜を捕らえねばだ。
二度とこんな事をさせない為にもな!
だから、道を開けろ雑魚共!!餓鬼に何だかよく分からないモンスターに蛇人間にプニっとした何か!!
一々相手にするのも面倒だ……アーナス、一気に片付けるぞ!!
「アインスさん……了解だ。
ハァァァァァ……ヨルドの力、格の違いを教えてやろう。」
「おぉぉぉぉぉ……呪われし闇の破壊神、貴様等程度で止められると思うてか?」
アーナスはナイトメアに変身し、私は力を完全開放する。
破壊神と夜の王、正に最悪の組み合わせだ。どれくらい最悪かと言うとカシウスと黒騎士とアリアンロードのチームに匹敵する位に
最悪だ。
なので……
「遠き地にて深き闇に沈め……デアボリックエミッション!!」
「貴様はもう御終いだ!!」
ぶっちゃけ雑魚共なんぞ全く持って敵にならない。
此処になのはを加えたら本当に最強最悪のチームになっただろうな……まぁ、数多の世界を滅ぼして来た破壊神と、夜の王とタメ
張れるなのはは一体何者なんだって言う話なんだがな。
だが、此れで小夜の配下は全て滅した。
ダリウスと直虎も、操られる前に救い出す事が出来たからな――だから、残るはお前だけだ小夜!!
「うふふ、流石ね……其れじゃあそろそろサヨナラかしら?
身体に力が入らなくなってきたわ……神器の影響かしら――早く本体の所へ戻って回復しないと。」
「此れは……叔母上の呪縛が解けかかってるみたいだな。
浄化すれば、叔母上も元に戻るかも知れない。」
そうだな。
ならば、浄化する為にも小夜の意識を刈り取る!!行くぞ桜花!!
「あぁ、行くぞアインス!!」
「狼虎滅却……」
「破邪剣征……」
「「神形霊鳥、無形降神!!……絶技、百花斉放!!」」
私と桜花によるダブル鬼千切り極――峰打ちだから死にはしないが流石に効いただろう?
ウタカタのトップ2の合体技は、峰打ちでなければゴウエンマですら一撃で煉獄へと送り返す事が可能だからね。
「そんな!!
ダメ、意識が遠く……」
「今だ!叔母上を浄化する!!」
――カァァァァァァァァ!!!
天剣の光が此れまでよりも強く……刹那の思いに神器が応えたのか?
此れだけの強い力ならば、なのは以上に夜見の強い支配を受けていたであろう小夜も浄化できる筈だが……
「う……」
「叔母上……!?」
「刹那……?私は、如何して此処に……?――いえ、私は夜見に操られて!!私は……何と言う事を……!!」
小夜、元に戻ったのか!!
「英雄様……本当に申し訳ないわ。
操られていたとは言え、私は皆さまにとんでもない事をした……謝罪してもしきれない……ならばせめて、私は、命を懸けて夜見
を止めましょう。
そして、必ず皆様を元の世界にお返しするわ。――償いになどならないけれど、其れが最低限、私の果たす責任。
図々しいお願いだと分かっているのだけれど、如何か其れまで、もう少しだけ力を貸して貰えないかしら?」
如何やら本当に元に戻ったようだな。
力を貸せと言うのならば是非もないが、命を懸けてと言うのは頂けないな――何があってもお前は生きるべきだ、環の為にもな。
だから、私達が命を懸けずとも良いように夜見を何とかしてやるさ。
志貴が言っていた遺跡に、何らかのヒントがありそうだからね。
ふふ、異世界での戦いも佳境に入ってきたようだ。
小夜を取り戻した事で、夜見の手駒は全てなくなった――後は遺跡で謎を解けば其れで夜見を如何にかする手段も分かる筈だ。
故に、私達に負けはない。
夜見よ、今暫く待っていろ――貴様の事は、必ず私達が倒す!否、救い出してやるからな!!
To Be Continued… 
おまけ:本日の浴場
あ~~……力を解放すると流石に身体がカチコチだ。
お前もナイトメアを解放したから結構来てるだろうアーナス?
「うん、結構来てるかな。
でも、私の場合は何100年の凝りだからね……其れでも、温泉に浸かると良い感じだ。」
「100年単位の凝りか、其れは取るのが大変そうだ――まぁ、お前の場合は戦いだけでなく、私同様に胸にぶら下げてるモノが原
因かもだがな。」
「あぁ、其れはあるかも……因みにアインスさんはドレ位なの?」
95のHだ!!そう言うお前は如何なんだアーナス。
「少しだけ負けた。93のG。」
「何方にしても充分だな。」
この場にヴィータが居たら、間違いなく私もアーナスも揃って『乳魔神』認定されてるだろうなぁ……しかしあれだな、将もそうだった
が、如何やら私はピンク髪のダイナマイトボディの剣士と気が合うみたいだな。
ま、此れも私のキャラなのかもしれないね。
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