「其れじゃあ行きます!無影・月詠!!


――シュゥゥン…


祭壇突入組は、のどかの瞬間移動で目的地に向かった――恐らくはもう祭壇に着いているだろう。

「行ったか…やれやれ、アイツ等が失敗したら私等も一巻の終わりだってのに、今一実感が湧かねぇな…」

其れを見送りながら、千雨はそんな事を呟きつつ、しかし突入組が失敗するとは微塵にも思ってはいなかった。
以前ならば拒否して否定し、絶対に受け入れる事のなかった自分の常識の範囲から漏れた存在……だからこそ、逆に信じる事が出来たのだろう。

己の常識を超えた存在達ならば、この絶対不利な状況も完全に覆すまでには至らなくとも、必ず好転させてくれると。


「さてと…んじゃまぁ、先生達の回復のお手伝いと行くか…つっても私が手を握った所でドンだけ効果があるか分からねぇが…」

「へ?意外と効果あるんと違うの?」

「長谷川、稼津斗さんとネギ君に恋愛感情は持ってなくても、お兄さんや弟みたいに思ってる部分あるんやないの?」

で、回復を手伝おうとしたらこれである。
稼津斗とネギの回復には、2人への思いが深い者がその身体に触れる方がより回復効果が大きい。
そう言う意味では、この場に残った亜子とアキラは稼津斗の、木乃香と古菲は適任と言えるだろうが……其処に千雨である。

「んな!?……いや、まぁ否定はしねぇよ今更。
 私は1人っ子だからな…稼津斗先生みたいな頼れるアニキと、ネギ先生みたいなちっとばかし手のかかる弟ってのが欲しかったのかも知れねぇよ。」

他のメンバーとはベクトルは違えど、千雨もまた『兄妹愛』的な感情を、稼津斗とネギに持っていたのだ。
それならば回復に一役買ってくれるだろう……事実、千雨が2人に触れた途端に、少しだけ回復速度が上がったのだから。

「くっくっく…その2人は魂魄まで闇に侵されたレベルだ…その程度で回復するとは思えんな。
 よしんば回復したとして、目を覚ますには…まぁ、数週間から数か月はかかるだろうよ。」

其処に水を注すようなデュナミスのセリフだが、しかし千雨はいたって冷静だった。

「は、良くしゃべる大幹部様だな?なんだよ、半身ブッ飛ばされて消滅待つまでの間に話し相手でも欲しくなったか?
 ……いいぜ、どうせ今はこうしてお互いに結果を待つしかねえ状態だし、私も――私等もテメェに聞きてぇ事があるからな。
 アンタ等一体何なんだ?……いや、そもそもアンタ等のボス――アイツは一体何者だ?」

「…強気な娘だな…良いだろう、暇つぶしに話してやろう…」











ネギま Story Of XX 121時間目
『難攻不落を落とせ、砕け!』











同刻――小太郎達は祭壇に到達し、物陰に隠れて機会を窺っていた。
夏美のステルスはまだ大丈夫だ……ならば、のどか達が来るまでに少しでも祭壇の状況を把握しておくべきだろう。

「うん、居るな…フェイトとセクスドゥムや――チビ助、まだ夏美姉ちゃんのステルスは…」

「はい、有効です。」

此処で頼りになるのがユエだ。
基本魔法を応用し、己の指先と『有線』で繋いだ『魔力感知用の精霊』を先行させ、夏美のアーティファクトの有効限界距離を測っている。

『その精霊は発見されないのか?』と思うだろうが、其処は探求心の塊であるユエならではの逆転の発想で事態を解決だ。

確かに手を繋いでいても、魔法無効効果範囲内に近付けばその効果は薄れてしまう。
だが、其れは同時に、魔力体である精霊の存在をも薄くしてしまうので、結果として気付かれる可能性は極めて低いのである。

「もっとも相手が相手ですので、100%安全とは言い切れませんが――計算には自身があるです。」

「…言うやないか…見違えたで?分かった、信じるでチビ助!」

「どうもです…欲を言うなら、その『チビ助』と言うのを止めてもらえると更にありがたいのですが…」

小太郎の素直ではない称賛に、律儀に対応しているところを見ると、実は意外と余裕があるのかもしれない。



――シュン!…がっ!!!



それと同時にのどか達がこの場に転移し、即座に全員が手を繋いでステルス状態を共有する。
此れで全ての準備が整った。


「よし…此れで全員集合やな?いよいよ大詰めや。絶対手をはなすなや?
 良いか?兄ちゃんとネギのヤローがダメな以上、俺等で何とかせなアカン…此処まで来たからには覚悟決めてもらうで?」

小太郎の言葉に全員が頷く。急ごしらえの作戦だが、此処からが大詰めの本番なのだ。

「まだ1時間もあるんや、焦る事はない。
 ゆ〜〜っくり、慎重に歩いて、近づけるとこまで近づいて、夏美姉ちゃんのステルスに限界が来た段階で最終作戦発動や。」

作戦の大まかな説明を聞きながら、此れはある意味で当然かもしれないが、夏美は若干顔色が悪い。



無理もないだろう、夏美は『アノ』3−Aの中では極めて真面な一般人であるのだ。
それが、こんなトンでも事態に巻き込まれて、世界の危機に直面した戦いの場に立ち、挙句には作戦の要となるのは自分――緊張するのは当然だ。

「夏美姉ちゃん…ま、無理もないな。
 気休めになるか分からんけど、アイツ等が俺等を殺すのは禁止されとるみたいやし、仮に失敗してもあのお気楽な夢の世界が待ってるだけや。」

そんな夏美の緊張を解すように小太郎は言う。
死ぬ事だけは絶対にない――其れだけでも緊張を解すには充分だろう。

「あの世界…」

尤も、夏美はポヨに取り込まれた際の夢世界を思い出したようだが…其れがどのような世界だったかは、真っ赤な顔から察すべきだろう。

「アンタ、今ちょっといいかもって思ったでしょ?」

「思ってない!全然思ってないです!!」

其処に喰いつくは和美。
ジャーナリストの嗅覚は美味しいネタを逃がさないモノである。なんか違う気もするがそうなのだ。
其処から、夫々の夢世界の話題になり、ステルスが効いてなければ速攻でばれているような大騒ぎに――まぁ、此れが3−Aの基本だろう。

だが、此れで緊張は解れたのは間違いない。
後は作戦通りに―――


「………」

「…気のせい?」

と思ったところで目の前にフェイトとセクスドゥムが!
気付かれた……訳ではない。

だが、一気に緊張が走る。


「離すな!絶対に手ぇ離すなよ!!?」

小太郎の叫びに、全員が手に力を込める。
見つかってはない…だが、2人は確実に此方に向かって来ている―――そして歩を止めた…あろうことか夏美の前で。

「あ…ひ……」

堪った物ではない。
さっき廊下ですれ違った時でさえトンでもない恐怖を感じたと言うのに、今度は其れが本当に数センチ前の距離に居るのだから。


「!!跳べ、右だ!!」

更にイクサが何かを感じとり、其れに従い全員が右に跳んだ瞬間――祭壇の一部が見る影もなく破壊されたのだ、フェイトとセクスドゥムによって。

何とか攻撃は避けたが、夏美はもう限界だった。
顔は青ざめ、膝は震え、その目には恐怖が宿っている……そして、遂に力が抜け腰砕け状態に――


――アカン!!


同時に、アーティファクト展開時の衣装の一部である帽子が頭から外れてしまう。
夏美の身体から離れた物は相手に認識される――だが、此処は小太郎が唯一の漢としてど根性を発揮し、口で其れを咥えて事無きを得た。

「君の言う通り気のせいだったみたいだね?」

「だから言ったでしょう?…今更彼等が隠れて近づくなんて真似はしないと思うわ。」

その甲斐あってか、フェイトとセクドゥムはそれ以上の事はせずに、祭壇中央に戻る……取り敢えず助かったようだ。


「…如何やら拙者等が転移して来たときの僅かな気配を感じ取られたようでござるな…」

「ったく厄介な…其れよりも大丈夫か夏美姉ちゃん!!
 あんなギリギリ状態で、ようアーティファクトを離さんかったな!偉いで、見直した!!!」

だが、其れも此れも恐怖に飲まれながらも、夏美がアーティファクトを離さなかったこそだろう。
離していたら、其処で全てが終わっていたはずなのだから。

「大丈夫か?立てるか?」

「ふぇ…待って…今……………だ、だめ…ごめんコタ…力…入らない…」

だが、もう限界だった。
いや、寧ろここまでよく持ったと言うべきだろう――彼女はあくまで一般人なのだから…

「…分かった、大丈夫や――夏美姉ちゃんはようやった!あとは別の作戦考える!」

「ふえ?」

これ以上は危険…小太郎もそう判断したのだろう――或は、大事な人にこれ以上の恐怖を味わわせる訳には行かないと思ったのかもしれない。

「さてと、そうなると如何したモンやろか?何か妙案あるか楓姉ちゃん?」

「少しばかり遠いが此処から攻めるか…」

「私の空間攻撃を陽動に使えば少しは……だが、此処からだと佐々木のリボンの射程が問題だな…」

すぐさま別作戦が練られていく。
だが、夏美は……

「小太郎君!!」

「はい!?なんや、吃驚したぁ!!」

「だ、大丈夫なんかじゃないよね?私がしっかりしなきゃだめだよね?」

「……正直な事言えばそうやな……。
 夏美姉ちゃんが居ないと成功率は格段に落ちるんは確実や……せやけど、其処までは頼めん…無理したらアカン…」

「うん、分かった…やるよ。」

自ら立つ事を決めた。
未だ震えが止まらない膝に無理矢理力を込めて立ち上がる。

「大丈夫だよ…折角手にした『主役』だもん…!」

村上夏美と言う少女は、果たしてどこまで心が強いのだろうか?
普通ならば、2度も限界を超えた恐怖を味わえば、其処から立ち上がる事など不可能に近い。

だが、其れでも夏美は立ち上がった。
目に涙を浮かべながらも、2度目の恐怖を乗り越えた。
普段は目立たない地味な少女は、今この時はどんなトップスターにも負けない、本物の『主役』であった。

「…上等!」

その夏美の奮起に、小太郎も獰猛とも思える笑みを浮かべ―――いざ作戦開始。








――――――








「状況は如何だい?」

「はい、リライトまで残り30分を切りました…すべて順調です。」

「下からの連絡は?」

「ありません。」

祭壇中央では、儀式の準備が着々と進み、リライト発動まであと30分を切っている状態――小太郎達は相当慎重に近づいているようだ。

全ては順調…だが、フェイトとセクスドゥムは其れが少し腑に落ちなかった。

下からの連絡が無いと言う事は稼津斗とネギ達が勝ったと言う事になる。
それならば、既に祭壇に到着していてもおかしくないが、その姿は何処にもない。

『デュナミスと相討ちに?』とも思ったが、2人の技量を考えればその可能性は万が一にも…いや、兆に一つもないだろう。

「…このまま――このまま終わるって言うのは、少しつまらないわね…」

だが、奇しくもセクスドゥムがそう呟いたその瞬間に、事態が動いた。

「!!此れは…フェイト様、セクスドゥム様…何か巨大な力が収束中!魔力溜まりの遥か上から――魔法?違う、遥か上空から来ます!!!」

同時に降り注ぐ天空からの一筋の閃光!
其れは祭壇に放たれ、しかしフェイトとセクスドゥムは難なくそれを防ぎきる。


――この程度か?…いや、陽動か。


だが、だからこそ気付けなかった――本命の奇襲に。


「「!?」」

――犬上小太郎!?


――リインフォース・イクサ…!!


気付いた時にはもう遅い。
フェイトには小太郎が、セクスドゥムにはイクサが肉薄し、重爆拳打で先ずは一発!!


――馬鹿な…彼等だけではない…一体どういう事だ?
   アレはネギ君達の仲間――アレだけの人数が僕達に気付かれる事なくこの近距離まで……!!
   …アレは!あのアーティファクトは……この280年世に出る事のなかった!!!


フェイト達の疑問と驚愕はよそに、事態は大きく動く。

調がアーティファクトを展開するより速く、裕奈が魔力弾で調を撃ち抜いて昏倒させる。
更にまき絵がリボンを伸ばして最後の鍵を捕捉し、同時に楓がアスナを解放!

「ふざけないで…!」

「君達風情に!!!」

だが、フェイトとセクスドゥムとて黙ってはいない。
水の刃と石化の針を大量展開して一斉掃射!!

そうはさせまいとイクサと小太郎は、2人をブッ飛ばすが、既に攻撃は放たれてしまっている。

圧倒的な物量は脅威だが…

「「アリアドネ―九八式、瞬時絶対対物小隊結界『戦乙女の花楯』!!」」

此処はユエとベアトリクスが騎士団伝統の防御魔法で対処する。

だが、其れでも圧倒的物量は防ぎきれない。
防御をすり抜けた石化の針が、ユエに…!

「ユエさん!!」

刺さる前に、ベアトリクスがユエの前に躍り出て、代わりに針をその身に受けた…。

「び…ビーさ……ベアトリクス!!!」

其れを受ければ石化は免れない――友をかばい、ベアトリクスは石と化したのだ…
そしてさらに針はと剣はまだ飛んでくる。

「此れってやばくない!?喰らったら一たまりも…」


――パリィィン!!


だが、その危機的状況に置かれて、裕奈の中で何かが『弾け』た。


――はい?


突如視界と思考がクリアーになり、それどころが全ての動きがスローモーションになっている。
理由など分からないし、土壇場で未知の力が覚醒したとしか言いようが無いだろうが――此れはありがたい。

攻撃の軌道が見えるならば、其れを叩き落とすなど朝飯前なのだから。

「何だか良く分かんねーけど……最大の見せ場なら暴れさせてもらうよ!!」

XX2ndを解放し、キアー・ストレイトの魔力弾を有り得ない速さで連射し、次々と針と剣を射ち落としていく。
その射撃の何たる正確な事か、裕奈がトリガーを引く度にフェイトとセクスドゥムの攻撃は叩き落とされていく。

更に、撃ち漏らしがでても、其れは即座に和美が気弾で対処してくれるので無問題だ。


「冗談ではない…」

「彼方達風情に、計画が邪魔されるなど…あってはならない事だわ…!」

反対に面白くないのはフェイト達だ。
己の望んだ相手でない者がこの場に現れ、あまつさえ其れによって計画が阻害されようとしている――認められるものではないだろう。

その怒りがそうさせたのか、イクサは水の槍で胸や腹を貫かれ、小太郎は石の杭で腹を貫かれている。
普通なら即死だろうが、生憎とこの2人に限ってはこの程度では死ぬ事はない。


「お前達を倒すのが稼津斗とネギでなくて悪かったな……だが、此れで私達の勝ちだ!!」

「「?」」

「座標固定!!今だよ!!」

『了解!!』

イクサと小太郎の攻撃すら陽動に過ぎない。
本命は茶々丸のアーティファクトのリミッター解除状態での一撃!!全ては此れを決める為だ。


光が放たれると同時に、のどかは全員をこの場から瞬間移動で離脱。
だが、墓所までの移動は出来ず、離れた場所のバルコニーの様な所に出てしまった。

「やっつけた?」

「いや、此れで倒せる相手ではござらぬ……小太郎、イクサ殿…大丈夫か!?」

「へへ…ちっと腹に穴開いただけや…獣化すりゃ問題ない…」

「私も大丈夫だ…だが、可也ダメージは受けたがな…」

だが、鍵とアスナの奪還+フェイトとセクスドゥムへの極大攻撃の代償は大きかった――少なくともイクサと小太郎にこれ以上の戦闘は無理だろう。
更にこの距離も問題だ。

アスナが居たからか、それとも祭壇に近かったからか…兎に角目的地に到達できなかったのだから。

尤も、のどかが速攻でもう一度瞬間移動の準備はしているのだが…






とは言えこの状況は好機に他ならない。
フェイトとセクスドゥムを撃破できたかどうかは不明だが、少なくとも目的のアスナと最後の鍵は手に入れたのだから作戦は概ね成功だろう。

ならばあとは離脱するのみ。


飛空艇で待機中のハルナも、茶々丸から状況を聞き、すぐさま離脱準備。
修理はとっくに終わっているので問題ない。

見張りを中に戻し、後は残るメンバーが転移してくれば即発進できるだろう。





だが、早々簡単に終わらないのは世の常なのだろうか?


――ガシャァァン!!


船内に戻ろうとした茶々丸が、突然その身体を両断されたのだ。

「「「「「!?」」」」」

「ぐ…」

ガイノイドである茶々丸故に、上半身と下半身が切り離されても死ぬ事はない――が、行動不能は免れない。

「茶々丸さん!?」

「の…誰だアンタは!!!!」

それをやった犯人は、デッキの手すりに音もなく現れていたらしい。
フェイトと同じ詰襟を着込んだ、獰猛にして加虐的な目をした少年が其処には居た。

「4…炎のアーウェルンクスを襲名。」







更に祭壇でも…

「此れなら行けます!無影…」


――ガシャァァッァアァン!!!


「きゃぁぁぁ!!?」

再度瞬間移動を試みたのどかに落雷が直撃!!
其れは稼津斗の気功波と同等の威力の一撃故に、のどかも一発で失神し…手にした最後の鍵は、落雷を放った存在に。

「5…風のアーウェルンクスを拝命…」

其れは、フェイトとやセクスドゥムよりも更に冷徹な目をした少年だった…







――――――








「其れじゃあつまりは…造物主…言葉通りの意味って訳か…」

「そうだ、故に計画の完遂は我々の責務だ。」

墓所では、千雨があらかたの事情をデュナミスから聞きだしていた。
完全なる世界、造物主、造物主の掟――それらの秘密を全てだ。

同時にそれを聞いた千雨は一種納得していた…造物主の力を使えば、確かに『世界の創造』は出来ると。

「時に…君達の作戦は実に素晴らしかった。
 特にあの少女のアーティファクト…アレはミヤザキ・ノドカのアーティファクトに匹敵する逸品だ…あれならば2人を出し抜けるかもしれん。
 ただし、そう…我々のカードが、テルティウムとセクスドゥムの2枚のみであったならばな。」

「なに?」

其れとは別に、デュナミスは未だ余裕だった。
何やら含んだ物言いをしてくるのは更なるカードがあるからだろう。

「彼の英雄に倒された人形を復活させたのは誰だと思う?…この私だ。」


――コツ…コツ…


そして聞こえてくる不吉の足音…

「鍵の力で残りの連中の稼働も間に合ったようだ…いやはや、保険はかけておくに限る。」


――コツ…


足音が止まり、現れたのはセクスドゥムとは違う女性型が2人…

「7、重力のアーウェルンクスを拝命。」

「8、氷のアーウェルンクスを拝命…」


「おいコラ…冗談じゃねぇぞ…!!」

事態は一気に最悪の状況に陥ってしまった。



だが、だからこそ誰も気づかなかった――石膏像と化した稼津斗とネギが、この時僅かに…本当に僅かに反応していたと言う事には…












 To Be Continued…