KOFチーム戦の準決勝の第二試合は、此れまでの試合では最も盛り上がるであろう対戦となっていた。
準決勝第二試合を戦うのは、草薙京率いる『ロレントチーム』と、八神庵率いる『八神チーム』の激突なのだ――デュナン時代の武術大会でも京と庵は戦っているのだが、今のところは京が大会では庵に二連勝中だ。
だが、だからと言って庵が京より弱いかと言えば其れは否だ――過去の二戦は何れもチームメンバー全員がフィールドに出て戦う形式の試合だったので、京と庵は純粋なタイマン勝負ではなく、一回目は二階堂紅丸が庵に『エレクトリッガー』を喰らわせている所に、京が大蛇薙、アインスがナイトメア、エステルが金剛撃を喰らわせてKOし、二回目は真吾が捨て身特攻の『外式・駆け鳳麟』で突撃したのを庵が鬼焼きでカウンターした所に、京がカウンターのカウンターとなる百八拾弐式をブチかましてKOしているので、真のタイマン勝負ではどうなるかは未知数であり、だからこそ観客は盛り上がっていた。今回のKOFはチーム戦でも基本はタイマンになるからだ。
八神チームは既にフィールドに出て来ているのだが、それから少し遅れる形でロレントチームがフィールドに現れると、アリーナは大歓声に包まれる――ディフェンディングチャンピオンである京、アインス、エステルのチームの人気は凄まじいのである。
その観客の声援に応えるように、京は指先に宿した炎を振り払うようにして消し、アインスは右手に作った魔力球を握り潰し、エステルは棒術具で華麗なバトン回しをして見せて更に観客を湧かせる。
「いよいよ因縁の戦いか……草薙と八神、果たして勝つのは何方だろうな?」
「実力的には略互角と言えますが、其れだけに勝負は時の運と言う事になるのではないでしょうか?マッタク持って予想が出来ませんねこの試合は……貴方は如何見ますか覇王陛下?」
「うん、ぶっちゃけ予想出来ない!」
「堂々と言わないで下さい兄さん……」
百戦錬磨のクラウスでも、試合がどう転ぶかは予想出来ないみたいだが、だからこそ期待出来る試合になると言うモノだろう。
「よう、待たせたな八神?」
「ふん、あまりにも出てくるのが遅いのでな、怖くなって逃げだしたかと心配したぞ京?」
「大会のエントリーの時にも行ったが、主役ってのは遅れて登場するもんなんだよ――お前等の方が先にフィールドに現れりゃ、観客は俺達の登場を今か今かと待ち侘びる。
で、其の期待が最大に高まったところで登場してやる事で会場は盛り上がるのさ。こう言う大会には、エンタメ要素も必要だって覚えときな。」
「下らん……まぁ良い、今回のルールであれば余計な横槍が入る事もあるまい――貴様とサシで戦えると言う事に関しては、俺としても喜ばしい事だ!八つ裂きにしてやるぞ京!!」
「俺の顔みりゃ物騒な事しか言わねぇのなお前……やる気があるのは構わないが、テメェの生き甲斐を奪っちまうのも可哀想だから、今回も俺が勝たせて貰うぜ?」
そして、フィールド上では京と庵の舌戦が行われ、其れに乗じて闘気も高まっている……準決勝の第二試合も、凄まじい試合になるのは間違い無さそうである。
黒き星と白き翼 Chapter59
『因縁の対決~ロレントチームvs八神チーム~』
準決勝の第二試合、先ずはロレントチームはエステルが、八神チームはレンが先鋒として登場し、イキナリ因縁の対決となった。
今でこそ姉妹のエステルとレンだが、元々レンは死神の眷属としてエステルの純粋な魂を狩る目的で近付いたが、その純粋さに心を奪われた挙げ句に暴走してエステルと戦ったと言う過去がある。
結果はギリギリで負け、その後エステルの言葉で『死神の掟に従う事は無い』と自覚した果てにエステルに誘われてブライト家の三女になった経緯があるのだが、レンは暴走状態でエステルと戦ったと言う事が心残りであり、エステルもまた暴走状態でないレンがドレほどなのかを知りたいと思っていた――普段のトレーニングで模擬戦を行う事はあっても、模擬戦はあくまでも模擬戦であり互いにガチの本気は出していない……つまり、此の試合で二人は本当の意味で本気でぶつかる事になるのである。
数奇な巡り合わせの末に姉妹となった二人の美少女の本気の戦いとは、此れもまた因縁の対決と言えるだろう。
「うふふ、こうしてエステルと戦う事が出来るだなんて、大会に参加して良かったわ――其れこそ、庵を口説き落とした甲斐があったって言うモノね。」
「今更だけど、よくアイツを口説き落とせたわねレン?」
「其処は京をダシにさせて貰ったわ♪
『KOFに参加すれば京と戦える』と言ったら即決してくれたわ。意外とチョロかったわね♪」
「其れで即決って、アイツドンだけ京に固執してるってのよ……その固執っぷりって、下手したら世の腐女子の良いネタになり兼ねないと思うんだけど……?」
「エステル……既になってるわ。王立学園に通ってる子から聞いたんだけど、この前の学園祭で『京×庵』の薄い本を販売してるブースがあったらしいわよ?」
「手遅れだった!?」
試合前に若干のコントが発生してしまったが、しかしエステルもレンも此の試合に掛ける思いは変わらず、互いに手加減なしの本気を出す心算だった――エステルは三回戦のショーン戦はショーンを大怪我させないように加減し、レンは二回戦で判定勝ち狙いの戦いをしていたので、本当の意味で本気では戦っていなかった。
エステルは二回戦では本気だったが、其の時は相手がバグっていたのでノーカンだろう。
「前回はエステルの純粋過ぎる魂に心を奪われて暴走しちゃったけど、一緒に生活している内に其れにも慣れたからもう暴走はしないわ……行くわよ、エステル?」
「私も、お姉さんとして負ける訳にはいかないからね……来なさい、レン!」
『KOF準決勝第二試合!先ずはブライト家の美少女姉妹の対決だ~~!
勝つのは天真爛漫な姉か!其れともミステリアスな妹か!エステルvsレン!ラ~ウンド1!Ready……Go!!』
試合開始の合図と共に互いに飛び出し、棒術具と大鎌がぶつかり合って先ずは激しい鍔迫り合いだ。
其処から暫し膠着状態となったが、力比べでは分が悪いと見たレンは自ら退く事で点をずらしてエステルのバランスを崩し、大鎌でエステルの足元を狩る――が、エステルは其れをジャンプで躱すとレンの背後を取って棒術具を打ち下ろす。
しかしレンは其れを大鎌の柄で受け止めて防ぐ……この見事な攻防に観客からは拍手と歓声が送られるが、其れでは終わらずレンは大鎌をカチ上げると逆袈裟に斬り上げ、エステルも棒術具を袈裟斬りに振り下ろして対抗する。
そして繰り広げられる剣劇……互いに長物を使っているが、棒術具も大鎌もバトン運動での円運動による攻撃が出来るので至近距離での打ち合いも普通に出来るのである。
その打ち合いは互いに互角で、双方LPは無傷だったが、此処で先に動いたのはエステルだった。
「足元がお留守よレン!」
「!!」
ローキックを繰り出してレンの体制を崩すと、飛びついて両足で頭をホールドし、其処からフランケンシュタイナーで投げ飛ばし、追撃にエルボーを落とす。
此れでレンのLPの方が先に削られたのだが、レンも転んでは只では起きず、追撃のエルボーを喰らいながらもその腕を取ると其のままキーロックに極めてエステルにダメージを与える。
完璧に極まったキーロックから脱出するのは困難なのだが、エステルはキーロックを極められた状態から強引に立ち上がると、腕を極められたままレンを肩に担ぎ上げて、そして其のままデスバレー・ボムをブチかまして強制的にレンを引き剥がす!
「キーロックを極められたままデスバレー・ボムを使うだなんて、一歩間違ったら腕が折れるわよ?」
「毎日牛乳飲んでるし、魚は頭から骨ごとバリバリ食べてるから此の程度で折れるような柔な骨はしてないわよ!多分、アタシの骨は鋼鉄レベルの強度があるんじゃないかしら?」
「其れは、ちょっと否定出来ないわ。」
そして、其処からは互いにLPを削り合うような試合展開となり、互いに手の内を殆ど知っているが故に決定打を与える事が出来ずにフルタイム戦い切ってタイムオーバーとなってしまい、残りLPが同じだったのでタイムオーバーのドローと言う結果に。
「引き分けか~~……でも、いい試合だったわねレン。」
「うん、今回は暴走しないでエステルと思いきり戦えたから、其れだけで満足よ……本気で戦ってくれてありがとう、お姉ちゃん♪」
「レン、アンタ其れは反則だわ。」
試合結果は引き分けだったが、エステルもレンも満足そうだった。
引き分けでも、お互いに全力を尽くしたのだから、試合結果に悔いはないと言う所だろう――試合後に、レンが親愛の情を込めてエステルの頬にキスをした事で、会場は滅茶苦茶盛り上がる事になったのだが。
其れはさて置き、第二ラウンドはロレントチームはアインス、八神チームはシェンが登場だ。
「へ、女だからって手加減しないぜ?」
「当然だ。手加減などしてみろ、その魂を冥獄に送ってやる。」
ブライト家の長女であるアインスの実力はブライト三姉妹の中では最も高く、更には一度見た技は完璧に再現出来る才能が有るので、恋人である京や、京に挑んで来た庵の技も修得しているので技の引き出しは多い強者なのだが、対するシェンも武術の心得は無いが日々の喧嘩で実戦的な強さを得ており、更には生前の士郎に師事していた時期もあるので実力は可成り高いので、此の試合も何方も譲らない展開になるのは間違いないだろう。
試合開始と同時に、互いに踏み込み、互いに右の拳がぶつかり合う。
その拳打の威力は略互角で、ぶつかった拳のエネルギーがスパークして強制的に距離が僅かに離れるも、互いに踏み込んでからアインスは拳を打ち下ろし、シェンは拳を振り上げてまたしても拳がかち合う。
「俺の拳とタメ張るとは、そんな事が出来る奴は男でも早々居ねぇぞ?細腕の割りに中々の剛拳を放つじゃねぇか……気に入ったぜオイ!!」
「単純な拳打でお前と互角な筈がないだろう……体重を全て乗せ、拳速をマックスにして、更に拳の表面を魔力でコーティングして漸く互角だ……マッタク、鋼鉄で出来ているのかその拳は?」
「本気で固めた俺の拳は、金剛石よりも硬いんだよ!!」
基本的なパワーではシェンの方が上なので、此処はアインスが自ら後ろに飛ぶ形でシェンに押し切らせ、距離を取ってから仕切り直しに。
ブライト三姉妹は、パワーではエステルが、魔力ではレンがダントツに高いのだが、アインスはスピードと攻撃の択、戦闘IQがずば抜けており、瞬時に戦闘に於ける最適解を導き出す事も得意なのだ。
そんなアインスが圧倒的なパワーとタフネスを誇るシェンに対して『判定勝ち以外の最適解』として選んだのは……
「オラァ!!」
「凄まじいパワーだが、其れが仇になると知れ!」
「ごわ!?」
シェンのパワーを逆利用したカウンター攻撃だった。
しかもカウンターの打撃では効果が薄いと見たのか、シェンの凄まじい威力の拳打の勢いを利用した豪快な投げ技によるカウンターだ――打撃によるカウンターのダメージは打撃が当たった場所だけだが、投げならば全身を強烈に地面に叩き付ける事が出来るのでより広範囲にダメージを与える事が出来るのだ。
尤も、投げの場合は受け身によって打撃よりもダメージを軽減されやすいと言うデメリットもあるが、其れでも連続で投げ技を決めて行けば、投げられた方はダメージが蓄積して行きやがて平衡感覚を失ってしまうのだ……頑丈過ぎる相手には打撃よりも投げ技の方が最終的な効果は大きいのである。
其の後、三連続でシェンにカウンターの投げを決めたアインスはLPは上回る展開となり、此のまま行けばアインスが勝つだろう。
だが、シェンとて只者ではなく、喧嘩の実戦で鍛え上げられた勝負勘は相当に高く、五度目のカウンターの投げを仕掛けて来たアインスを強引に引き寄せると強烈なベアハッグで締め上げる!
シェンの剛腕に締め上げられてしまったら、細身のアインスでは脱出するのは難しいだろう……単純な締め技のベアハッグだが、この技は腕力の強さが其のまま威力になるだけでなく、極められた側も力で脱出しない限り背骨を傷めてしまう荒業なのだ。
「早いとこギブアップしないと、背骨が真っ二つになっちまうぜ?」
「それは、あくまでも一般論だろう……力での脱出は難しいだろうが、其れならば技を使って脱出するだけの事……技を借りるぞ二階堂!ベニマルコレダー!!」
強烈なベアハッグで締め上げられていたアインスだったが、自由の利く両手でシェンの頭を掴むと其処に強烈な電撃を炸裂させた。
一昨年の武術大会でチームを組んだ『二階堂紅丸』が使っていた、相手を掴んで電撃を喰らわせるガード不能技の『ベニマルコレダー』をシェンに喰らわせ、電撃のショックで緩んだ拘束から抜け出すと、シェンの頭に手を付いて、其れを起点にして一回転するとシェンの延髄に遠心力タップリの膝を叩き込み、更に首をホールドすると跳躍してから身体を捻って一気にシェンの頭をフィールドに叩き付けるスウィング式DDTをブチかます!
此れでシェンのLPは大幅に削られ、頭部に『裂傷』のダメージエミュレートが発生して流血状態となったのだが、シェンのLPは未だ尽きず、シェン自身もマダマダ戦う気は満々であり、直ぐに立ち上がってまたしても殴り掛かって来た。
それに対し、アインスは今度は投げずにカウンターの肘をブチかましてシェンの身体を反転させると腰をホールドして、其処からジャーマンスープレックス一閃!
しかも一発ではなく、起き上がり式の連続ジャーマンを三連発で決めた後に、渾身のラストライドでシェンをフィールドに叩き付けて大ダメージを与え、トドメに起き上がろうとした所にシャイニングウィザードを叩き込んでシェンのLPをゼロにした。
「ちぃ、LPがゼロになっちまったか……だが、久しぶりに楽しい喧嘩が出来たぜ!今度は試合じゃなくて、ルール無用の喧嘩で勝負しようじゃねぇか!」
「其れは出来ればお断りしたい所だな……お前とルール無用の喧嘩をしたら正直決着が付かない気がするのでね。」
LPがゼロになったにも拘らず、まだまだ元気なシェンのタフネスは相当なモノであると言えるだろう――なのはが頼りにしているのは伊達ではないのだ。
此れで八神チームは大将の庵のみとなったのだが、アインスは此処で京との交代を申し出て、庵との試合は京に任せる事にした。
「逃げるか女……俺が怖いのか?」
「そう言う訳では無いが、私は京と互角に戦えるだけの力があるのだ、その私と戦ったとなればお前とて無傷とは行かないだろうし、京だって消耗したお前と戦ったところでツマラナイだろうからな。
互いに全力で戦わせてやろうと思っただけだ。……邪魔の入らないサシの勝負で存分に遣り合えば良いさ――尤も、京がお前に負けるとは微塵も思わんがな。」
此処でアインスが戦っていれば、勝てずとも庵を相当に消耗させる事は出来た筈であり、チームの勝利を目指すのであればそうするべきだったのだが、アインスは敢えてこの場を京に託したのだ。
庵が消耗した状態で戦って勝っても京は面白くないと考え、更に『草薙京vs八神庵』の試合は観客の多くが期待していた対決なので、互いに万全の状態で戦ってこそ観客の期待に応える事が出来るとも思ったのだ。
「と言う訳だ、後は任せたぞ京?」
「了解……派手に燃やして来るぜ!」
控え場所に戻って来たアインスは京とハイタッチを交わして控え場所に座り、京は闘気マックスでフィールドに出陣し、庵も同じように闘気マックスで出陣して来た。
『準決勝第二試合は、遂に大将戦!
片や『猛る炎の伝承者』、『炎の貴公子』の異名を持つ草薙京!対するは『復讐の紫炎』こと八神庵!伝承によれば千八百年前にオロチを倒した一族ながら、草薙と八神は六百六十年前に志の相違から袂を分かち、以来現在まで歴史の裏で幾度となく激突して来たとされている~~!
そして、その因縁の対決が、このKOFの準決勝の大将戦で行われるとは、一体どんな巡り合わせだと言うのか~~!!』
「京、灰にしてやるぞ……血染めの真っ赤な灰にな!」
「灰になるのはテメェの方だ……炎が、お前を呼んでるぜ!」
「なら燃え尽きろ……潔くな!」
「行くぜ!」
『準決勝第二試合ファイナルラウンド!京vs庵!デュエル……スタートォ!!』
試合開始と同時に互いに踏み込み、先ずは近距離戦での軽い打撃の応酬となったのだが、此れは京が持ち前の格闘センスを発揮し、庵の攻撃を捌いた上で裏拳×2→踵落とし→アッパーのコンビネーションを叩き込んで先手を取る。
だが、庵も負けずに飛び蹴りをガードさせてから屑風で強制的にガードを崩した所に琴月 陰をブチかまして京のLPを削る。
其処からは互いに一歩も譲らないLPの削り合いの様な試合が展開され、観客を湧かせていた。
「京さん、流石に強いよなぁ……伊達に武術大会を二連覇してないってか……」
「京さんはバランスが良いですね……打撃技だけでなく、飛び道具も投げもバランス良く備わっているので、相手にしたら相当に厄介な相手ですよ。」
観客席では、既に敗退してしまった『リベリオンチーム』と『リベールギャルズ』の面々が観客として此の試合を観戦していた……手にポップコーンとコーラがあるのを見る完全に観客として見ているようだ。
そして試合に盛り上がっているのは別分悪い事ではないのだが……
――ドクン……!
「……!!」
「ん?如何したレオナ?」
「少しだけオロチの気配を感じた……暴走する事は無いけど、血が騒ぐ……この会場の何処かに、オロチの関係者が居る……私は大丈夫だけれど、彼は果たして大丈夫かしら?」
此処でレオナがオロチの存在を感じ取り、己の中に流れるオロチの血が騒いでいる事を実感していた。
とは言えレオナは、完全ではなくともオロチの力を制御する事に成功しているので暴走する事は無いが、其の力を制御し切れていない庵にとっては、己の中に流れるオロチの血が活性化したと言うのは可成り有り難くない状況であろう。
「グフ……!此れは……此の大会にもオロチが……舐めるなよ、俺は貴様等の力などに支配はされん……うぐ……ぐおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「八神……血の暴走か、ザマァねぇな。……来いよ八神、オロチの力なんぞに惑わされちまう三流に興味はねぇ!打っ倒してやんぜ!!」
「キョォォォォォォォォォォォ……!!!」
庵はギリギリまで頑張ったモノの、オロチ後に抗う事は出来ずに暴走し、その凶暴な本能を全開にして京と対峙し、京もまた暴走した庵には何の価値もないと言わんばかりに構えると、余裕の表情で暴走庵と対峙する。
「八神ぃぃぃ!!」
「キョォォォォォォォォォォォォォォ!!!」
そして次の瞬間には紅蓮の炎と暗蒼の炎が交錯して、大爆発を起こしたのだが、京も庵も怯む事無く、其処から大きく踏み込んで近接戦闘戦となり、互いに一歩も退かない凄まじい格闘戦が展開されるのだった。
To Be Continued 
補足説明
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