遂に始まったKOF。
先ずは個人戦の一回戦が行われ、白熱したバトルが展開されたのだが、その注目を一番に持って行ったのは最年少出場者であるレーシャだ――『子供では所詮ヒット&アウェイでの判定勝ちが良いトコだろう』と多くの者が思っていた中で、なんとレーシャは自分の倍はあろうかと言う大男をまさかのキン肉バスターで完全KOして見せたのだから注目されるなってのが無理と言うモノだろう。


「なのはさん、私は完全にレーシャちゃんの事を見誤っていました……KO勝ちは無理でも判定勝ちは出来るだろうと言ったのを撤回します――人は本当に見かけによらないモノですね?
 あの小さな体でまさか難易度Aランクと言われている『超人五処蹂躙絡み』を完璧に極めて見せるとは驚きました。」

「其れは私もだクローゼ……しかも超人五処蹂躙絡み、俗称『キン肉バスター』は完全に相手の自由を奪っているように見えて、実は首のフックが甘く、両腕は自由が利くので『6を9にするキン肉バスター返し』をはじめとした多数の返し技が存在し、技を掛けられた側が掛けた側よりも体格で勝れば勝るほど返し易くなるのだが、其れを許さずに完璧に極めて見せた。
 レーシャのキン肉バスターは、相手にそんな事を考えさせる暇がない程の気迫に満ちたモノだったと言う事だろうな……そもそもにして、あの小柄な体格で如何低く見積もって150㎏はあるであろう相手を持ち上げたと言う事実に驚きだよ。」

「気や魔法による身体強化を使ったとしても、強化率を相当に上げないと無理だと思うのですが……何れにしても、個人戦は彼女が台風の目になりそうですね?」

「あぁ……レーシャの次の相手は魔王であるルガール――普通ならば人間の少女が魔王に勝つのはルールのある試合であっても不可能に近いのだが、彼女ならば何かしらトンデモナイ事をしてくれるような気がしてならん。」

「期待大ですね。」


其れはなのはとクローゼも同じだったようで、KOF個人戦はレーシャが台風の目になるだろうと予想していた――そのレーシャの二回戦の相手は魔王の一人であるルガールだと言うのは普通ならば絶望的なモノなのだが、レーシャの一回戦の豪快なKO勝ちを考えると何かやってくれるのではないかと期待もしてしまうモノだろう。


「く……こんな凄い戦いを見る事しか出来ないとは……覆面をして名前を偽って参加エントリーをすればよかった……!『ベルカマスク』とか如何だろう?」

「止めて下さい兄さん、そもそもネーミングがダサ過ぎます。其れに試合で覆面剥がされたら如何するんですか?」

「その対策として、覆面の下にペイントを施しておく!此れならば覆面を剝がされても顔バレする事は無いだろう?」

「試合中に汗でペイント剥がれます……と言うかそもそもにして兄さんはベルカの王なのですから他国の格闘技大会に出場出来る筈がないでしょう?武闘家としての血が騒ぐのは分かりますが、今は王として観戦する事で満足して下さい。」

「今ほど自分が王である事を恨んだ事は無いな。」


一方で、ベルカから主賓として招かれているクラウスとアインハルトは貴賓席にてこんな会話をしていた……クラウスは政の能力も高く、また民と近い王として国民からの支持も高いのだが、其の一方で武闘家であるために強い相手を見ると如何しても戦いたくなってしまい、其れを抑えきれずに王と言う立場でありながらストリートファイトの大会にお忍びで参加したりするのが珠に瑕と言えるだろう。
その度にアインハルトやシグナムから盛大に怒られているのだが、其れでもマッタク持って改まる事がないと言うのはある意味でクラウスが真の武闘家であると言えるのかもしれない……だからと言って他国の格闘技の大会に出場しようと考えるのは如何かと思うが。


そして、十五分間のインターバルが終わり、KOF個人戦の二回戦が幕を開けるのだった。











黒き星と白き翼 Chapter47
『熱戦!熱闘!!大激闘!!~限界突破の試合~』










KOFはトーナメント形式だが、実は通常のトーナメントとは一つだけ決定的に異なる要素があった――其れは、二回戦以降は毎回試合順がシャッフルされると言うモノである。
通常のトーナメントは試合順は完全固定であり、先の対戦予想がある程度出来るのだが、毎回試合順がシャッフルされるとそうは行かない――三回戦は二回戦の勝者同士の組み合わせにはなるが、その後はまた試合順がシャッフルされるので観客からしたら予想が出来ないドキドキ感が大きくなるのだ。
なのはが『毎回試合順をシャッフルしたら面白くないか?』と思って導入したモノだが、其れは思いのほか観客を盛り上げる要素として作用しているようだ。

其の二回戦、カポエラ使いとキャミィの試合は、キャミィが錐揉み回転したスライディングキックや、バック転しながらの鋭い蹴り上げ、アリーナの壁を使った壁ジャンプからの縦横無尽な連続攻撃でカポエラ使いを圧倒し、ノーヴェとボクサーの試合は、ノーヴェが自己流のアレンジを加えた草薙流古武術でボクサーを圧倒し、最後は荒咬み→八錆→鵺摘みの連携で強引に相手のガードを弾いてから琴月 陽を叩き込んでターンエンド……荒咬み→八錆→鵺摘みは本来草薙流には存在しない連携であり、そもそも鵺摘みは相手の攻撃を捌く『守りの型』なのだが、振り上げた肘の部分を攻撃として使用したノーヴェの格闘センスは可成り高いと言えるだろう。

そして二回戦の第三試合は、二回戦最注目の試合となった――二回戦の第三試合はレーシャ対ルガールなのだ。


「一回戦の豪快なKO勝ちは実に素晴らしかった……お手並み拝見と行こうか?」

「初っ端からフルパワーのエンジン全開で行くよ!」

「良かろう、存分に掛かって来るが良い!」


人間の少女と魔王では圧倒的に力の差があるが、レーシャは其れに怯む事無く闘気を爆発させ、ルガールもレーシャを一流の武闘家と認識して一切の油断をせずに対峙する……この時点で、レーシャは魔王に認められた実力を持っていると言えるだろう。


『二回戦大注目の一戦!不動レーシャvsルガール・バーンシュタイン!
 一回戦で豪快なKO勝ちを見せてくれたレーシャは果たして魔王であるルガールに何処まで食い下がる事が出来るのか!或は、若しかしたら魔王を倒してしまうんじゃないかって思ってる俺が居るのは否めないぞ~~!!
 大注目のレーシャvsルガール!Ready……Go!!』



MCさんが高らかに試合開始を宣言し、其れと同時に動いたのはレーシャだった。
鋭い踏み込みから強烈な横蹴りを放つがルガールは其れを難なくガードする……が、レーシャの攻撃は其れで終わらず、其処から上段回し蹴り、中段後回し蹴り、裏拳、ストレートのコンボを叩き込む。
上段回し蹴り以降のコンボは円運動で行われ、回転の遠心力も加わり次弾の威力が増して行くと言うおまけ付きだ――しかもレーシャの連撃は、上段回し蹴りは頭に、中段後回し蹴りは横腹に、裏拳は蟀谷に、ストレートは顔面に炸裂しているので、普通ならば大ダメージなのだが……


「ふむ、実に良い攻撃だった……特に最後のストレートは的確に顎をとらえていたので私でなかったら脳を揺らされて行動不能になっていただろう……マッタク持って恐ろしいお嬢さんだ。」

「略ノーダメージで言われても説得力は欠片も無いんだけどね。」


其れでもルガールはマッタク持って無傷!それどころか、試合開始位置から動いていないのだ……その時点でレーシャとルガールの間には圧倒的な力の差があるのだが、だからと言って諦めるレーシャではない。


「此れも効かないか……だったらこれは如何かな?喰らえ、ウォタガ!」

「むぅ!」


此処でレーシャは水属性の最強魔法であるウォタガをルガールに放つ……水属性の魔法は殺傷能力は低いが、無形の水の属性を持っている事で、様々な搦め手として使う事が出来る――鬼の子供達の一人である刀奈も、水を使った搦め手は大得意なのだから。

レーシャの放ったウォタガは、ルガールの全身をくまなく濡らしたが、だからと言って大ダメージを与えた訳ではなさそうだが……


「まさか、水属性の最大魔法を使って来るとはね……だが、此の程度では私は倒せんよ?」

「其れは分かってる……でも、私の目的は貴方をびしょ濡れにする事――其れだけ確り濡れてれば電気は良く通るよね?だから、此れでも喰らえ!サンダァァァァァレェェェェェェジ!!」

「みぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

「え~~~~!それはおかーさんのわざだぞ~~~~!!」

「落ち着きなよレヴィ?この前のライトロードとの戦いで、私が使ったサンダーレイジをあの子が見てただけかもしれないじゃない?連発は兎も角、単発で使うなら其処まで難しい魔法でもないし。」

「む~~~?」


全身がずぶ濡れになって、電気伝導率が200%になったルガールに対して、レーシャは情け無用のサンダーレイジを叩き込んでルガールに大ダメージを与える……ルガールのLPは可成りぶっ飛んだ数値なのだが、レーシャのこのコンボで一気にその数値を減らす事になったのだ。
レーシャがサンダーレイジを使った事に、技の開祖であるプレシアの娘であるレヴィは観客席で驚き、そしてフィイトがなぜ使えるのか予測してレヴィを納得させていたりしたが。


「実に、実に良い攻撃だった……ならば、今度は私が其れに応えなければなるまい!」


だが、ルガールのLPは尽きず、爆炎が晴れると同時にカイザーウェイブを放って来た。
レーシャは其れをギリギリで躱すが、躱した先にはルガールが先回りしており、ジェノサイド・カッターを叩き込むと、レーシャの首を掴んでアリーナの壁に叩き付け、更に追撃として気の柱での攻撃を加える――普通ならば此れで勝負ありなのだが……


「まだまだぁ!!」

「ギガンテックプレッシャーを喰らって尚立ち上がるか……見上げた根性だと評価しておこう……絶望的状況であっても諦めない、此れが士郎殿が言っていた『人間の強さ』と言うモノか……」


レーシャは直ぐに立ち上がって飛び膝蹴りでルガールを強襲する、と見せかけてルガールの頭上を取り、ルガールの頭に両手を付くと其のまま頭上で鞍馬運動を開始する――一見すると全く意味のない行動に思えるが、実は此れは有効な攻撃だったりする。
此の状況、ルガールは首の力だけでレーシャの体重を支える事になり、更には鞍馬運動の激しい動きは首にダメージを与えると同時に頭に何度も手を叩き付けられる事で衝撃が脳に響いて来るのだ。
これぞ一回戦で使ったキン肉バスターと同様に伝説の格闘家が編み出した百の必殺技の一つ、『グローバル・ブレイン・スピン』である!
レーシャの格闘技は自己流で、誰かに師事した事もないが、格闘技に関するありとあらゆる書物を読み漁り、この百の必殺技の他に『気の練り方』、『気を使った身体能力の向上法』等も自力で覚えてしまい、『魔法と気の両方が使えるハイブリットファイター』となっているのだ……僅か十歳で此処までやるとは恐るべき才能と言えるだろう。不動兄妹は長男と長女だけでなく次女も色々とぶっ飛んでいるらしい。


「此れで……如何だぁ!!」


散々頭の上で鞍馬運動を行ったレーシャは、その状態から倒立して遠心力を加えた両膝をルガールの顔面に叩き込んでから離脱……したのだが、此の攻撃を喰らってルガールのLPは尽きず、それどころかダウンすらしていないと来た。
流石に顔面に膝を喰らった事で鼻血程度は出てしまった様だが。


「嘘、全然効いてない!?」

「いやいや、流石は伝説の格闘家が編み出した技と言う事で首には其れなりの負荷が掛かったし、最後の膝蹴りも強烈だったが……悲しいかな、グローバル・ブレイン・スピンを使うには君は些か体重が軽過ぎたようだ。
 君の体重があと30㎏あったならば流石の私も大ダメージを受けていただろうがね?……否、此れは今の攻撃だけでなく君の全ての攻撃に言える事かな?攻撃の鋭さ、タイミング、スピード、威力は申し分ないが如何せん体重が軽いせいで重さに欠ける。
 其れでも関節などをピンポイントで狙えば一回戦の様に大男も倒せるだろうが、そうでなければ私の様な巨漢には思った程のダメージは与えらえんよ――とは言え、君の才能には正直舌を巻いた……よもや此処まで私に食い下がるとは正直思っていなかった。」

「え~っと、其れはどうも?」

「人間の格闘技の大会が如何程のモノかと思って参加してみたが、此れほどの逸材に出会う事が出来るとは……実に最高の気分だ――この出会いに感謝し、私の最高の技を持ってして感謝の意を示すとしよう!
 君も己の最高の技で挑んで来るが良い!!」

「……上等!」


小柄なレーシャでは攻撃に重さが足りず、打撃は関節などをピンポイントで狙わない限り決定打になり得ないのだが、其れでもルガールはレーシャの才能に心底感心し、其れほどの逸材と出会えた事に対する感謝として己の最高の技を放つと言い、レーシャにも『最高の技で来い』と言えば、レーシャも其れに応えてルガールから距離を取って、両手を腰の辺りで構えて気を集中させる。
ルガールもまた両手を大きく広げて気を高めて行く。


「むぅぅぅぅぅぅん……!カイザァァ……フェニックゥス!!!」

「10倍……かめはめ波ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


ルガールが放ったのは極大気功波のカイザーフェニックスだが、レーシャが放ったのはなんと今からおよそ七百年前に存在し、三百歳を超えてなお『最強』として名を馳せたと言う『伝説の武神』が編み出した必殺技『かめはめ波』だった。
『山を破壊した』、『月をふっ飛ばした』、『射程は太陽まで届くほど』との伝説がある技を、レーシャはその伝説をもとに独学で身に付け、更には十倍の威力で放つ事が出来るようになっていたのだ……伝説では『青白い』とされている気功波が、レーシャの『10倍かめはめ波』では真っ赤に染まっているのでその威力は計り知れないだろう。
その二つの強大な気功波はフィールドの中央でぶつかり合うと、互いに退かない完全なる拮抗状態に……その余波は観客保護の為の不可視のシールドを震わせる程に強い。
だが、この押し合いはレーシャの方が不利だ……長引けば長引くほど体力で劣るレーシャが圧し負けるようになるのだから。


「10倍でダメなら……更に20倍だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


此処でレーシャは気を限界まで高めて十倍の威力となっているかめはめ波を更に二十倍に強化すると言うトンデモナイ一手を打って来た――其れはつまり通常のかめはめ波の二百倍の破壊力と言う事になり、此れだけのトンデモ強化を行った事でカイザーフェニックスを押し返し、そして遂にルガールを呑み込む!
普通ならば此れでKOは確実だが……


「うむ、実に見事!」


ルガールはLPがレッドゾーンに突入したとは言えいまだ健在だった……服はボロボロになっているが。
対するレーシャはLPはイエローゾーンだが今の攻撃で全てを出し切ってしまい、辛うじて立ってはいるが此れ以上の攻撃は出来そうにない状態だ――となれば、何方が勝ちであるかは火を見るより明らかなのだが……


「降参だ。此の試合、私の負けだ。」

「え……?」


なんとここでルガールが降参を宣言して自ら敗北を選んだのだ。


「ど、如何して?」

「君が果たして何処まで勝ち進む事が出来るのか、其れを見てみたくなったのと、全力を出し尽くして尚立ち続けるその不屈の闘志に敬意を表して……此れほどの楽しい戦いをさせてくれた君へのプレゼントと思ってくれたまえ。
 よもや、なのは君となたね君をも上回るであろう可能性を持つ少女と出会うとは思っても居なかったよ――次の試合も頑張りたまえ。」


其れはルガールからレーシャへのプレゼントだった。
体格で圧倒的に劣っていながら、其れでも真正面から相手に挑み、全力を出し尽くしても膝を折る事なく立ち続ける不屈の闘志がルガールの琴線に触れたのだろう。
レーシャからしたら勝ちを譲られた形になるのだが、だが嫌な気分ではなかった。
魔王として名を馳せるルガールに己の力を認められたと言うのは嬉しい事であったのだから……だからレーシャはこの勝利を受け入れ、次の試合も全力で戦って勝つと心に誓ってフィールドを後にした。


「レーシャ、良い試合だったな。」

「ナイスファイトだったわよ♪」

「お兄ちゃん、お姉ちゃん……へへ、全力出し切ったよ。」


控室には兄の遊星と姉の遊里がやって来ていてレーシャの事を労ってくれた……其れを見たレーシャは糸が切れた人形の様に倒れ、其れをギリギリで遊里が抱き留めたが、レーシャは限界が来て眠ってしまったようだった。
試合が終わればダメージエミュレートは解除され身体へのダメージはゼロになるのだが、疲労は回復出来ないので全力を出し尽くしたレーシャが眠ってしまったのは仕方ないだろう――だが、睡眠は体力の回復に大きな役割を果たすので、次の準々決勝で己の試合が回ってくるギリギリまで寝ておいた方が良いだろう。


其の後の二回戦の試合は、第四試合のさくらvsザンギエフは、さくらの波動拳に距離を詰める事が出来ずにいたザンギエフが、己の身体を鋼鉄化する技『アイアン・ボディ』を使って防御力を底上げした上であらゆる攻撃に対して仰け反らないようにして強引にさくらに近付き、豪快な『ファイナル・アトミックバスター』を決めて一撃KOをした――試合後、さくらは稼津斗から『その技を何処で覚えた?』と聞かれ、『憧れの人の見様見真似です。』と答えて稼津斗を戦慄させていた……弟子を取る事は無かった稼津斗だが、『教えないが見たければ見ていろ』と言った相手は其れなりに居るので、己の技が後世に伝えられているであろう事は予想していたが、だからと言って其れを見様見真似でやってのける存在が居るとは思わなかっただろう――試合には負けたモノの、春日野さくら恐るべし。
続く第五試合、エレナvsエドモンド本田はエレナが長いリーチを生かした足技で本田を圧倒した。
本田の格闘スタイルは東方のある国の国技である『相撲』であり、その一撃は全てが必殺となるのだが、逆に言えば当たらなければ怖くないモノでもある上に、相撲の間合いの外から攻撃されたのでは相撲の真価を発揮する事は出来ない。
エレナは十七歳の少女でありながら身長は180cmを越え、更には身体の半分以上が足と言うクッソ長いリーチの持ち主なのだ……必殺の張り手が届かないのではどうしようもないだけでなく、相撲は転がされたら負けである事が沁みついていた本田は、ダウンすると一切の抵抗をする気配がなくエレナの追撃をバッチリ喰らってしまって結果としてKOされてしまったのだ。

そして第六試合……此れもまた第三試合のレーシャvsルガールに匹敵する注目カードだった。


「……滅殺!」

「郁島空、行きます!」


其れは郁島流の正統後継者でありロレントの自警団『BLAZE』の一員である郁島空と、『鬼』である稼津斗のぶつかり合いなのである……武を極めんとする少女と、武を極めた末に鬼となった男の戦いは激戦必至と言えるだろう。









 To Be Continued 







補足説明