「レッド・デーモンズとスターダストが舞い戻ったか…勝負は此処からだぞ遊星!」
 ジャック:LP2900   SC7
 レッド・デーモンズ・ドラゴン:ATK3000



 「あぁ、全力でやろうジャック!」
 遊星:LP900   SC7
 スターダスト・ドラゴン:ATK2800(リインフォース効果)
 閃滅龍 スターブレイカー:ATK2800(リインフォース効果)
 祝福の風リインフォース:DEF100



 全力のライバル対決もいよいよ佳境に入ってきた。
 互いにエースが帰還し、自然と気持ちも昂ぶる。

 ライフはジャックが優勢だが、フィールドアド的には遊星に分があるだろう。



 「す、スゲェ……」

 「えぇ…遊星も全力でこのデュエルを楽しんでいるわ。」

 観戦組も目まぐるしいデュエル展開に言葉も少ない。
 だが、恐らくデュエル組も観戦組も、昂ぶる気持ちだけは同じなのだろう…












  遊戯王×リリカルなのは  絆の決闘者と夜天の主 クロス74
 『明日への道〜Going My Way〜











 「俺のモンスターを除外したのは見事だが…其の程度では俺は止まらん!
  手札から『ディメンジョン・リゾネーター』を捨てて効果発動!
  ゲームから除外されている俺のシンクロモンスター1体を帰還させる!舞い戻れ『死兆皇 ダーク・ハイランダー』!」

 『コォォォォォ…!』
 死兆皇 ダーク・ハイランダー:ATK2800



 スターブレイカーの効果で除外されたダーク・ハイランダーも即時帰還。
 ジャックも相当に抜かりが無い。

 「折角除外したのに戻ってきたか…」

 「フン、お前がどんな戦術で来ようとも、俺は其れを真っ向から受けて粉砕するのみだ!」

 「其れは俺も同じだぜジャック!さぁ来い!」

 ライバル故に、ライバルだからこそ全力が出せる。
 只の対戦相手では感じられないデュエルの興奮があるのだろう。

 「スピードワールド2の効果!スピードカウンターを7つ取り除いて1枚ドロー!
  そして、チューナーモンスター『チェーン・リゾネーター』を召喚!」
 ジャック:SC7→0
 チェーン・リゾネーター:DEF100


 「チェーン・リゾネーターの召喚に成功した時、デッキから『リゾネーター』と名の付くモンスター1体を特殊召喚できる!
  現れよ、『ダーク・リゾネーター』!」
 ダーク・リゾネーター:ATK1300


 其の興奮に呼応するように、ジャックも2体のチューナーを召喚。
 レッド・デーモンズと2体のチューナー……ジャックのデッキ最強モンスターが降臨する準備は万端整ったようだ。

 「荒ぶる…荒ぶるぞ、この俺の魂が!!」


 ――轟!!


 ジャックの闘気がそのまま真紅の炎となる――荒ぶる魂『バーニングソウル』が発動した証しだ。

 「荒ぶる魂、バーニングソウル!!
  レベル8のレッド・デーモンズ・ドラゴンに、レベル1のチェーン・リゾネーターとレベル3のダーク・リゾネーターをダブルチューニング!」

 2体のチューナーが炎の輪となり、レッド・デーモンズを包み込む。
 荒ぶる進化の始まりだ!

 「王者と悪魔、今此処に交わる。荒ぶる魂よ、天地創造の叫びを上げよ!シンクロ召喚、現れろ『スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン』!!」

 『バオアァァァァァ!!』
 スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン:ATK3500



 真紅の炎を撒き散らし、『紅蓮の悪魔』が降臨!

 「スカーレッド・ノヴァの攻撃力は、俺の墓地のチューナー1体つき500ポイントアップする。
  俺の墓地に眠るチューナーは6体!よって攻撃力は3000ポイントアップ!」

 『バォォォォ!!』
 スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン:ATK3500→6500



 更にこの攻撃力。
 『パワーデュエル』を己の真髄とするジャックらしいモンスターと言えるだろう。

 「我が荒ぶる魂を受けられるか遊星!カードを2枚伏せてターンエンド!」

 ジャックが己の最強戦術と来れば遊星だって黙っていない。

 「俺のターン!」


 遊星:SC7→8
 ジャック:SC0→1



 「スピードワールド2の効果で、スピードカウンターを7個取り除いてカードを1枚ドローする。
  …『マッハ・シンクロン』を召喚!」
 遊星:SC8→1
 マッハ・シンクロン:DEF0



 「そして、手札の『レベルアッパー』の効果発動!
  このカードを手札から捨て、フィールド上のモンスター1体のレベルをこのカードのレベル分アップする!
  レベルアッパーのレベルは4、俺はこの効果でリインフォースのレベルを4つ上げる!」

 『成程、準備は万端だな?
 祝福の風リインフォース:Lv1→5


 先ずは手札補充とリインフォースのレベル変動。
 此れでリインフォースはレベル5、更にレベル1のチューナーが居る――祝福の風が進化する刻だ。

 「レベル5になったリインフォースに、レベル1のマッハ・シンクロンをチューニング!
  集いし祈りが、此処に新たな希望となる。光射す道となれ!シンクロ召喚!!祝福の風、シンクロチューナー『リインフォース・アインス』!」

 『さぁ、私達も全力で行こう!
 リインフォース・アインス:ATK2500


 「リインフォースを素材にアインスをシンクロ召喚したとき、俺はカードを2枚ドロー出来る!
  更に、マッハ・シンクロンがシンクロ素材になった時、マッハ・シンクロン以外のシンクロ素材1体を手札に戻す!」

 自身の最強戦術に必要なシンクロチューナー。
 其れを呼び出し、更に手札も増強――遊星もいよいよだ。

 「シンクロチューナー…だが遊星、それでは貴様の最強モンスターを呼び為のレベルが合わんぞ!」

 「分ってるさ、だがシンクロチューナーとなったリインフォースには更なる効果がある。
  1ターンに1度、自分以外のモンスターを任意の選択し、選択したモンスターのレベル合計が6以下になるようにレベルを変更できる!
  俺はこの効果で、スターダストとスターブレイカーのレベルを3にする!!」
 スターダスト・ドラゴン:Lv8→3
 閃滅龍 スターブレイカー:Lv8→3



 「レベル変動…だが其れでも奴を呼ぶにはレベルが合わんぞ!」

 「…あぁ、だが俺が呼ぶのはシューティング・スターじゃない!」

 「何だと!?」

 明らかにアクセルシンクロを狙う布陣ながらも、ジャック達が知る遊星の切り札を呼ぶにはレベルが合わない。
 だが、遊星は『違うものを呼ぶ』と言う――そう、異世界で会得した新たな境地をお披露目するつもりなのだ。

 「此れが俺が異世界で辿り着いた新たな境地!トップクリアマインド!!」

 「「「「「トップクリアマインド!?」」」」」

 驚くジャックやクロウ達を余所目に、遊星から銀色のオーラが弾け進化の道を作り出す。


 「レベル3となったスターダスト・ドラゴンと閃滅龍 スターブレイカーに、リインフォース・アインスをチューニング!」

 『行こう、龍達よ…

 『クァァァァ…!』

 『ゴォォォォ…!』


 リインフォースが6つの銀の輪となり白銀の星龍と漆黒の星龍の2体を包み込む。

 「集いし希望の結晶が、更なる進化を照らし出す。光射す道となれ!デルタ・アァァクセルシンクロォォォ!!」


 ――キィィィィ……バシュゥゥン!!


 「消えた!?…其れに、デルタ・アクセルシンクロだと!?…む!?」

 「降誕せよ、『コズミック・ブレイザー・ドラゴン』!!」

 『コアァァァァァァァ!!』
 コズミック・ブレイザー・ドラゴン:ATK3800



 降臨した宇宙龍『コズミック・ブレイザー・ドラゴン』。
 白銀の身体は淡く輝き、スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンの威圧感に一歩も引けを取らない迫力だ。

 「デルタ・アクセル、コズミック・ブレイザー・ドラゴン……此れがお前が得た力か遊星!
  狙いはダーク・ハイランダーだろうが、我がスカーレッド・ノヴァ・ドラゴンは自身を除外する事で相手の攻撃を無効に出来る!」

 「だが、其の効果は1度のみ!
  コズミック・ブレイザー・ドラゴンはデッキの上から5枚を確認し、其の中のチューナーの数だけ通常の攻撃とは別に攻撃できる!
  ドロー!……俺が引いたチューナーは3体!よってこのターンは4回の攻撃が可能になる!」

 そして連続攻撃も成立。
 確認したカードには『デブリ・ドラゴン』『ドリル・シンクロン』『ニトロ・シンクロン』が有ったのだ。

 コズミック・ブレイザーに力が集中し、ダーク・ハイランダーに狙いを定める。

 「コズミック・ブレイザー・ドラゴンで、死兆皇 ダーク・ハイランダーに攻撃!『ギャラクシー・フォース・ブレイカー』!!」

 『カァァァァ!!』

 大宇宙の波動が放たれ、ダーク・ハイランダーを一撃滅殺!
 死兆の執行官も大宇宙の力を宿す龍に抗う事はできない。


 ジャック:LP2900→1900
 「く…やるな遊星――さぁ残る3回の攻撃をしてみろ……我が魂を砕く事ができるならな!!」

 ダメージは受けてもジャックは退かない。
 それどころか更なる攻撃を要求する始末。
 スカーレッド・ノヴァの攻撃力は6500、コズミック・ブレイザーの攻撃力は3800…流石に無茶と言うものだ。

 「…カードを2枚伏せてターンエンドだ。」

 なので遊星もターンエンド。
 こうなるとどちらに軍配が上がるのかまるで分らないが…逆にそれがいい。
 結果の分りきったデュエルなどつまらない事この上ないのだから。

 「俺のターン!」


 遊星:SC1→2
 ジャック:SC1→2



 「トラップ発動『スカーレッド・コクーン』
  このカードは発動後スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンの装備カードとなる。
  そして装備モンスターと戦闘を行うモンスターの効果は無効になる!」

 此処でトラップ装備。
 この効果が適応されれば、遊星はコズミック・ブレイザーの効果は発動できず攻撃は無効に出来ない。

 「効果を…」
 ――コズミック・ブレイザーの効果を使えば無効に出来るが、そうしたら俺の場はがら空き…このカードが頼りか…


 しかも無効にしたらしたでダイレクトを喰らってしまう。
 伏せたカードで対応するしかないのだ。

 「更にトラップ発動『スカーレッド・インパクト』
  スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンが存在する時、エンドフェイズまで相手は罠以外の効果を発動できない!」

 更に魔法効果の発動まで封じてきた。
 スピードスペルの中には特定条件化で速攻発動できるものも有るので悪い手では無い。

 一気に決めるつもりだろう。

 「行くぞ遊星!スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンで、コズミック・ブレイザー・ドラゴンに攻撃!『バーニング・ソウル』!!」

 パワーデュエルの集大成ともいえる必殺の一撃が迫る。
 決まればそのままデュエルエンドの一発だ。

 「トラップ発動『ハイ・アンド・ロー』
  俺のモンスターが戦闘を行う時に発動できる。
  デッキの一番上のカードを確認し、其れがモンスターなら墓地に送り其のモンスターの攻撃力を戦闘を行う俺のモンスターに加える。
  この効果は3回まで発動でき、対象モンスターの攻撃力が戦闘を行う相手モンスターの攻撃力を超えた場合、そのモンスターを破壊する!」

 其れもトラップで何とかかわそうとする。
 巧くすればダメージは大幅に減らせるだろう。

 「其れでダメージを軽減するつもりか?」

 「どうかな?1枚目!…ソニック・ウォリアーの攻撃力は1000!」

 『カァァァァァ!』
 コズミック・ブレイザー・ドラゴン:ATK3800→4800



 「2度目の効果!……スピード・ウォリアーの攻撃力は900!!」

 『クァァァァァ!!』
 コズミック・ブレイザー・ドラゴン:ATK4800→5700


 此れでスカーレッド・ノヴァとの攻撃力差は800。
 攻撃が成立しても遊星のライフは100だけ残ることになる。

 「此れで貴様のライフは100残るが、コズミック・ブレイザーは消滅だな!」

 だが…

 「俺は『ハイ・アンド・ロー』の3回目の効果を使う!」

 「な!?此処で攻撃力が800より高いモンスターを引いたら自滅だぞ!!」

 遊星は更に効果を発動。
 ジャックの言う様に下手をすれば其処で終りの大博打だ。
 だが、遊星の顔に恐れも迷いも無い――いや、それどころか楽しんでさえ居る。

 「お前は何のリスクもなく勝てる相手じゃない。俺はこのドローで未来を切り開く!!」

 何時の間にかデュエルレーンを降りて、デュエルの場は製鉄工場の内部に。
 並行して走る2人の前には煮えたぎる溶鉱炉が!

 ジャックの走る道は問題ないが、遊星の走る道は溶鉱炉の上で道が途切れている。
 止まらなければ、もしむこう岸まで届かなければ命は無い。

 「諦めろ遊星!もう貴様の先に道は無い!」

 「……カード達よ、応えてくれ…!!」

 ジャックの静止も聞かずに遊星はトップスピードでジャンプ…と同時にドロー!

 「…ボルト・ヘッジホッグの攻撃力は800!よってコズミック・ブレイザー・ドラゴンの攻撃力は6500!!」

 『コァァァァァァァァァ!!!』
 コズミック・ブレイザー・ドラゴン:ATK5700→6500



 此処で攻撃力800のモンスターを引き当て、攻撃力を互角に!
 遊星も見事に溶鉱炉を飛び越えた。

 『バオォォオォォォ!!』

 『クァァァァァァァァ!!』


 ――ゴォォォ…!バキン、バキ!ガシィィィィィ………バガァァァァン!!!



 攻撃力が互角ならば互いにモンスターは消えてしまう。
 白銀の宇宙龍と、紅蓮の悪魔龍はブレスを打ち合い、殴り合い、そして爆散!

 「此処で…!だが、スカーレッド・コクーンが破壊されたとき、エンドフェイズにレッド・デーモンズが蘇る!」

 「なら俺もトラップ発動『クラッシュ・スター』
  俺のシンクロモンスターが破壊されたとき、手札と墓地から攻撃力1000以下のモンスターを1体ずつ特殊召喚する!
  頼むぞ、『祝福の風リインフォース』『ソニック・ウォリアー』!!」
 祝福の風リインフォース:DEF100
 ソニック・ウォリアー:DEF0



 モンスターが居なくなろうともその先もキッチリ用意している。
 遊星は2体の下級モンスターを展開し、ジャックはエンドフェイズにレッド・デーモンズの蘇生ときた。

 「ターンエンド。そしてレッド・デーモンズが蘇る!」

 『バオォォォォ…!』
 レッド・デーモンズ・ドラゴン:ATK3000



 これほどハイレベルなデュエルが果たしてシティで展開された事が有っただろうか?
 少なくともWRGPの全デュエルを見ても此処までのデュエルは無かっただろう。

 不動遊星とジャック・アトラス……生涯の友でありライバルである2人ならではの限界突破デュエルなのだ。

 「遊星、我がレッド・デーモンズの前にはそんな雑魚を幾ら並べようとも無意味だぞ!」

 「ふ、俺のデッキの仲間は雑魚じゃないぜジャック!俺のターン!」


 遊星:SC2→3
 ジャック:SC2→3


 「チューナーモンスター『ジャンク・シンクロン』を召喚!」

 『ハア!!』
 ジャンク・シンクロン:ATK1300


 其の最高のデュエル、此処で遊星が呼び出したのはエースチューナー『ジャンク・シンクロン』。
 どうやら、今度は遊星からデュエルの幕引きを行うようだ。

 「ジャンク・シンクロンの召喚に成功した時、墓地からレベル2以下のモンスターを守備表示で特殊召喚出来る!
  蘇れ『スピード・ウォリアー』!」

 『トゥァァ!!』
 スピード・ウォリアー:DEF400



 「俺の場にチューナーが存在する時、墓地の『ボルト・ヘッジホッグ』を特殊召喚出来る!」

 『ヂュ!』
 ボルト・ヘッジホッグ:DEF800



 効果を駆使して一基のモンスターを大量展開。
 しかもこの布陣は、5体のうち3体がずっと遊星と共に戦ってきた掛替えの無い仲間達。
 更に2体は新たな仲間――遊星の大切な仲間が揃ったのだ。

 「此れは…」

 「ジャック、俺は漸く見えてきたぜ!俺の進む道が!」

 「フン…やっとか――ならば見せてみろ遊星!その道を!!」

 デュエルをしたのは大正解。
 遊星は見つけたのだ、己の道を…未来へ続くその道を!

 「行くぜジャック!レベル2のソニック・ウォリアーに、レベル3のジャンク・シンクロンをチューニング!
  集いし星が、新たな力を呼び起こす。光射す道となれ!シンクロ召喚、出でよ『ジャンク・ウォリアー』!!」

 『フゥゥゥ…トゥアァァ!!』
 ジャンク・ウォリアー:ATK2300


 「此処で、ジャンク・ウォリアーだと!?」

 遊星が呼び出したのは長らくエースとして、そして切り込み隊長として活躍してきたジャンク・ウォリアー。
 ある意味でこの状況では最高のモンスターだ。

 「リインフォースが存在する時、俺の場の戦士族、魔法使い族、ドラゴン族のシンクロモンスターの攻撃力は300ポイントアップする。」

 『さぁ、全力を出そう!

 『オォォォォ!!』
 ジャンク・ウォリアー:ATK2300→2600



 「更にソニック・ウォリアーが墓地に送られた時、俺の場のレベル2以下のモンスターの攻撃力は500ポイントアップする!」
 祝福の風リインフォース:ATK100→600
 スピード・ウォリアー:ATK900→1400
 ボルト・ヘッジホッグ:ATK800→1300



 「そして、ジャンク・ウォリアーはシンクロ召喚に成功した時、俺の場のレベル2以下のモンスターの攻撃力の合計値分攻撃力がアップする!
  『パワー・オブ・フェローズ』!!」

 『私達の力を使ってくれ!

 『ウオォォォォォォ!!!』
 ジャンク・ウォリアー:ATK2600→5900


 此処で攻撃力5900!
 ジャックの場に伏せカードは無く、レッド・デーモンズは攻撃表示。
 このバトルがラストバトルだろう。

 「ジャック……俺は、この街に残る!そしてこの街と海鳴を繋ぐ!」

 「!!!」

 遊星の選択はシティへの残留。
 そして海鳴とシティを繋ぐ技術の開発だった。

 其れは決して簡単では無いだろうし困難も多いだろう。
 だが、だからと言って其の選択は後悔はしない。


 だって自分で選んだ道なのだから。


 「ジャンク・ウォリアーで、レッド・デーモンズ・ドラゴンに攻撃!『スクラップ……フィストォォォォォ』!!!!」

 『ウオォォォォォ…デァァァァァァァ!!』

 全力全壊一撃必殺!
 遥か上空から放たれた一撃は、レッド・デーモンズを殴殺!


 「ぐおぉぉぉお!!」
 ジャック:LP1900→0


 ジャックのライフも尽き、激闘此処に決着!
 Dホイールが強制停止し、2人ともマシンから降りて向かい合う。

 「まさか負けてしまうとはな……此れで此処に戻ってくる理由が出来たな…」

 「何時でも戻って来いよ、俺は待ってる!」

 「遊星、この世界に不要なものなど無い…お前の一撃、確かに我が魂に届いたぞ!…次は負けん!」

 「あぁ、今度も全力を尽くそう!」

 拳をあわせ、最高のライバル対決に幕が降りる。
 更に!

 「「「「遊星!!」」」」

 観戦組のクロウ達も合流。
 皆晴れやかな顔をしている。

 「俺は決めたよ遊星!お父さんとお母さんの所に行って来る!」

 「毎週お手紙書くね!」

 「私も、一生懸命医者になるために勉強してくる!」

 龍亞と龍可、アキは自分の道を決めたようだ。

 「…俺はまだ決められねぇ…けど、どうせだったら本気で悩みぬいて、其れで道を見つけるぜ。
  今までは迷う自分に迷ってたが、今度は悩む事にも全力で取り組めそうだぜ。」

 クロウもクロウで、まだ決まらないものの、如何するかだけは道筋が立ったようだ。


 期せずして、ライバル対決は遊星のみならず、皆の未来への道を照らしたようだ。





 そしてそれから4ヵ月後。
 アキがアカデミアを卒業し――いよいよ夫々の旅立ちの時がやってこようとしていた…
















   To Be Continued… 






 *登場カード補足



 ディメンジョン・リゾネーター
 レベル2    闇属性
 悪魔族・チューナー
 手札からこのカードを捨てて発動する。
 ゲームから除外されている自分のシンクロモンスター1体を選択して自分フィールド上に特殊召喚する。
 この効果はデュエル中に1度だけ発動できる。
 ATK500    DEF500



 チェーン・リゾネーター
 レベル1    地属性
 悪魔族・チューナー
 このカードの召喚に成功した時、デッキから「リゾネーター」と名の付くモンスター1体を選択して特殊召喚出来る。
 ATK100    DEF100



 ハイ・アンド・ロー
 通常罠
 自分のモンスターが相手モンスターと戦闘を行う時に発動できる。
 自分のデッキの一番上のカードを確認し、其れがモンスターカードだった場合墓地に送り、
 其のモンスターの攻撃力を戦闘を行う自分のモンスターに加える(モンスターでない場合はデッキに戻してシャッフルする。)
 この効果は3回まで発動できる。
 この効果で自分のモンスターが戦闘を行う相手モンスターの攻撃力を超えた場合、効果対象となった自分のモンスターを破壊する。



 クラッシュ・スター
 通常罠
 自分のシンクロモンスターが破壊された時に発動できる。
 手札と墓地から攻撃力1000以下のモンスターを1体ずつ自分フィールド上に特殊召喚する。



 スカーレッド・インパクト
 通常罠
 自分フィールド上に「スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン」が表側表示で存在する時に発動できる。
 エンドフェイズまで、相手はモンスター効果と魔法効果を発動できない。



 スカーレッド・コクーン
 永続罠
 このカードは発動後装備カードとなり自分フィールド上の「スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン」に装備される。
 装備モンスターが相手モンスターを攻撃する場合、攻撃対象になったモンスターの効果は無効になる。
 装備モンスターが破壊されることでこのカードが破壊された時、エンドフェイズに自分の墓地の「レッド・デーモンズ・ドラゴン」1体を特殊召喚する。