シティのトップ2とまで言われている遊星とジャックのライバル対決。

 互いに1ターン目からエースのドラゴンを召喚し、ジャックの攻撃でデュエルは本格化!

 と、思われたが、スターダストとレッド・デーモンズの2体は遊星のトラップ『スター・エクスカージョン』でフィールドから消えた。


 「スターダストと、レッド・デーモンズが消えた…?」

 「あぁ、2体は夫々の未来へと消えた!俺はこのデュエルで未来を見つける!」

 其れは遊星の思い。
 まだ見えぬ未来の道を決めるための一手だったのだ。


 「…未来か…カードを1枚伏せてターンエンド!」

 ジャックもまた加減は無い。
 モンスターが居ない状況でも確りリバースを伏せ、遊星の攻撃に備えている。


 「俺のターン!」


 遊星:SC1→2
 ジャック:SC1→2



 兎も角、このデュエルは只のライバル対決で終わるという事だけは無さそうだ。












  遊戯王×リリカルなのは  絆の決闘者と夜天の主 クロス73
 『FATAL DUEL』











 互いにフィールドにモンスターは無い今の状況。
 遊星からすれば一気に大ダメージを与える絶好の機会だ。


 「リバースカードオープン、永続トラップ『シンクロ・トレジャー』
  フィールドにモンスターがシンクロ召喚される度に俺はカードを1枚ドローする。
  この効果は3回まで発動し、3回目の効果を発動した後このカードは破壊される。」

 「手札強化のカードか?悪くない戦術だ。」

 先ずは手札の損失を補うカード。
 此れで遊星は、シンクロ召喚が成されるたびに3回まで手札の増強が出来る事になった。

 勿論、只ドロー強化を狙ったわけでは無い。

 「手札のモンスターを墓地に送り、『クイック・シンクロン』を特殊召喚!」
 クイック・シンクロン:DEF1400


 「相手フィールドに『トライアングルトークン』2体を守備表示で特殊召喚し、『トライアングル・ウォリアー』を特殊召喚!」
 トライアングル・ウォリアー:DEF500


 「俺のフィールドにトークンを…」
 トライアングルトークン(星4・地・戦士):DEF1000/ATK1200(×2)


 狙いはシンクロ。
 ジャックのフィールドにトークンを召喚したのにも意味が有るのだ。

 「レベル2のトライアングル・ウォリアーに、レベル5のクイックシンクロンをチューニング!
  集いし意志の焔が、新たな道を指し示す。光射す道となれ!シンクロ召喚、燃えよ『ニトロ・セイバー』!!」

 『ハァァァァァァァァァ!!』
 ニトロ・セイバー:ATK2800



 呼び出されたのは紺碧鎧を纏った剣士。
 身の丈を超える細身の長剣を装備し、見る者を圧倒する。

 勿論見た目の迫力だけでは無い。


 「!!これは――お前が生み出したトークンが…!」
 トライアングルトークン:DEF1000→ATK1200(×2)


 「ニトロ・セイバーはシンクロ召喚に成功した時、フィールド上の守備表示モンスターを全て攻撃表示にする!
  更に、ニトロ・セイバーは相手モンスターを戦闘で破壊した場合、続けてもう1度攻撃が出来る」

 「なんだと…!」

 溢れる力は守備モンスターを強制的に攻撃表示に変更!
 更に連続攻撃も可能となれば、このターンの攻撃で大きくライフを削れるだろう。


 「シンクロ・トレジャーの効果で1枚ドローし……此れは…成程な。」

 更に1枚ドロー。
 そして引いたカードは、遊星的にはとても『良いもの』だったらしい。


 「手札の『チャージ・インパクター』の効果発動。
  このカードを手札から捨て、俺の場のシンクロモンスター1体の攻撃力をエンドフェイズまで800ポイントアップする!
  これで、ニトロ・セイバーの攻撃力を800ポイントアップする!」
 ニトロ・セイバー:ATK2800→3600


 其れはシンクロモンスターを強化するモンスターだった。
 此れで攻撃力は3600――2体のトークンを攻撃すれば、戦闘ダメージは合計4800。
 1ターンキルの完成だ。

 「行くぞジャック!1体目のトライアングルトークンに攻撃!『ナパーム・カリバーン』!」

 「フン…トラップ発動『ブレイク・チューン』
  相手モンスターの攻撃時に、手札からチューナーを特殊召喚して攻撃を無効にする!
  手札から『インフルーエンス・ドラゴン』を守備表示で特殊召喚し、其の攻撃を無効にする!」
 インフルーエンス・ドラゴン:DEF900


 だが、ジャックとて早々簡単に決着を付けさせはしない。
 トラップで攻撃を無効にし、更にチューナーまで召喚して来た。
 攻撃を無効にするのみならず、シンクロに繋がる一手とは流石は『キング』を名乗っただけはある。

 「驕るな遊星!俺達のデュエルがたった一撃で終ると思うか!
  デュエルは主役が最後のセリフを言うまでは終らん!そして、主役はこの俺、ジャック・アトラスだ!!」

 「流石だなジャック!ターンエンドだ。」
 ニトロ・セイバー:ATK3600→2800


 如何にもジャックらしい物言いに、思わず遊星も笑みがこぼれる。
 久しく感じていないデュエルの雰囲気に気分が高揚しているようだ。

 「俺のターン!」


 遊星:SC2→3
 ジャック:SC2→3



 「インフルーエンス・ドラゴンはシンクロ素材となるとき、他のシンクロ素材をドラゴン族とすることができる!
  此れにより、お前が俺のフィールドに呼び出したトークン2体はドラゴン族となる!」
 トライアングルトークン:戦士→ドラゴン


 「俺のトークンを利用するか…」

 「相手の戦術を真正面から受け、そして其れを打ち破ってこそのデュエル!
  ドラゴン族となったトライアングルトークン2体に、インフルーエンス・ドラゴンをチューニング!
  王者の叫びが木霊する!勝利の鉄槌よ、大地を砕け!シンクロ召喚、羽ばたけ『エクスプロード・ウィング・ドラゴン』!」

 『ガァァァァ!!』
 エクスプロード・ウィング・ドラゴン:ATK2400



 今度はジャックの番。
 遊星の呼び出したトークン2体を利用しての上級シンクロモンスターの召喚。
 此方も一切出し惜しみはしないらしい。

 「やるなジャック!だが、お前がシンクロ召喚を行った事でシンクロ・トレジャーの効果で1枚ドロー。
  それに、攻撃力はニトロ・セイバーの方が上だぞ?」

 「承知。『パワー・サプライヤー』を召喚!」
 パワー・サプライヤー:DEF400


 「パワー・サプライヤーの効果で、エクスプロード・ウィング・ドラゴンの攻撃力を400ポイントアップさせる。」
 エクスプロード・ウィング・ドラゴン:ATK2400→2800


 攻撃力で劣るならば其の攻撃力を底上げすれば良いだけの事。
 此れで攻撃力は互角だが…

 「行くぞ!エクスプロード・ウィング・ドラゴンで、ニトロ・セイバーに攻撃!『キング・ストーム』!!」

 此処で攻撃!
 相打ち狙いか――いや、そうではない。


 ――ドガァァン!!


 「く…うぁぁぁ!」
 遊星:LP4000→1200


 ニトロ・セイバーのみが一方的に破壊され、エクスプロード・ウィング・ドラゴンは無傷。
 しかも遊星が2800ポイントものダメージまで受けている。

 此れには観戦していた龍可と龍亞が驚く。


 「なんで?攻撃力は同じなのに…」

 「遊星だけがダメージを受けちゃった…」

 「…エクスプロード・ウィング・ドラゴンは自身の攻撃力以下のモンスターを攻撃した場合、
  ダメージ計算を行わずに相手モンスターを破壊して其のモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える効果があるわ。」

 「ダメージ計算がねぇからエクスプロード・ウィング・ドラゴンは無傷で、遊星だけがダメージを受けたんだ。」

 其れに答えたのはアキとクロウの年長組。
 攻撃力以下のモンスターと言う事は、互角の攻撃力ならば一方的な破壊が出来るのだ。

 「ジャックには一切迷いがねぇ、全力の全力だ……遊星は、如何応える?」




 クロウの呟きに呼応するように、レーンを疾走する2台のDホイールはますます加速している。
 急に空が曇って雨が降りだしたが、そんな事は一切関係ないようだ。

 「遊星!お前が剣なら俺は斧!荒々しく振り下ろし、叩き潰すのみ!
  お前の手札はたった1枚、万策尽きただろう!」

 圧倒的有利に立ち、ジャックは吠える。
 並の相手なら、この状況とジャックの放つデュエリストの闘気に萎縮するだろう。

 だが、ジャックと相対しているのは遊星だ。
 異世界で真に命を懸けた戦いを2度も経験し、更にコピーとは言え初代デュエルキングの遊戯にまで勝った遊星なのだ。
 退く筈が無い。

 突然、レーンが分かれる部分で別の道に入り、ジャックとの走行レーンが上下並行状態に。

 「悪いが俺とお前の道は違う。
  俺の道は風と共にある、その馬鹿でかい斧では、捕らえる事は出来ないぞ!」

 「ふん、言うな遊星!」

 「お前がそうさせる――このデュエル、勝利は譲らない!」

 「否!勝利とは奪い取るもの!!」

 ジャックが吠えれば遊星も吠える。
 いや、ジャックが相手だからこそ、生涯のライバルが相手だからこそ吠える。

 この2人のデュエルは何時だって限界突破だったのだ。
 今回のデュエルもまた然り!

 「俺のターン!」


 遊星:SC3→4
 ジャック:SC3→4



 「相手フィールドにのみモンスターが存在する時、墓地のレベル1のモンスターを特殊召喚する事で『スニーク・ジャイアント』をリリース無しで召喚出来る。
  俺は墓地の『ターボ・シンクロン』を特殊召喚し、『スニーク・ジャイアント』を召喚!」
 ターボ・シンクロン:ATK100
 スニーク・ジャイアント:ATK0



 圧倒的に不利な状況からシンクロの素材をそろえてしまうのも遊星の強さ。
 此れでレベル6のモンスターが呼べるが、狙いは其処に留まらない。

 「俺の場にチューナーが存在する時、『ブースト・ウォリアー』を特殊召喚出来る!」
 ブースト・ウォリアー:ATK300→600
 スニーク・ジャイアント:ATK0→300



 狙いはレベル7のシンクロ!
 もう如何にも止まらないのだろう。

 「ブースト・ウォリアーとスニーク・ジャイアントに、ターボ・シンクロンをチューニング!
  集いし風が、新たな世界を駆け巡る。光射す道となれ!シンクロ召喚、唸れ『ターボ・パニッシャー』!」

 『フゥゥウ…トゥァァ!!』
 ターボ・パニッシャー:ATK2500



 呼び出した蒼白の戦士は雄叫びを上げながら、爆炎の竜に相対する。
 其の迫力はどちらも凄まじく、まるで遊星とジャックの闘気をそのまま身に纏っているかのように感じる位だ。

 「シンクロ・トレジャーの効果で1枚ドロー、そして3回目の効果を発動したことでシンクロ・トレジャーは破壊される。
  今度はこっちから行くぞジャック!
  ターボ・パニッシャーは相手モンスターを攻撃するとき、攻撃する相手モンスターの攻撃力の半分を自分の攻撃力に加える。
  エクスプロード・ウィング・ドラゴンの攻撃力は2800、其の半分の1400ポイントを攻撃力に加える!」
 ターボ・パニッシャー:ATK2500→3900


 「ここで、攻撃力3900だと…!」

 「ターボ・パニッシャーで、エクスプロード・ウィング・ドラゴンを攻撃!『ジェット・エッジ』!!」

 『トゥアァァ!!』


 ――ザシュゥゥ!!



 今度は遊星のモンスターがジャックのモンスターを粉砕!
 ジャックのライフも大きく削る事ができた。


 ジャック:LP4000→2900
 「ぐ…やるな遊星!」

 「言っただろ?お前がそうさせる!攻撃が終わった事でターボ・パニッシャーの攻撃力は元に戻る。ターンエンドだ。」
 ターボ・パニッシャー:ATK3900→2500


 フィールドアドバンテージは、今度は遊星が有利に。
 だが、ジャックの場にも下級モンスターが1体残っている、まだ二転三転するだろう。


 「俺のターン!」


 遊星:SC4→5
 ジャック:SC4→5



 「相手フィールドにシンクロモンスターが存在する時、手札の『スター・リゾネーター』を特殊召喚出来る。」
 スター・リゾネーター:ATK0


 「この方法で特殊召喚したスター・リゾネーターのレベルは、相手フィールド上の最もレベルの高いモンスターのレベルから1引いた数になる。
  お前のフィールドにはレベル7のターボ・パニッシャーのみ、よってスター・リゾネーターのレベルは6となる!」
 スター・リゾネーター:Lv1→6


 もしもこのデュエルをデュエルファンが見ていたら大興奮だろう。
 一進一退――否、互いに退かない一進一進!
 最高のデュエルタクティクスのぶつかり合い、記録映像が無いのが勿体無いくらいだ。


 「レベル2のパワー・サプライヤーに、レベル6となったスター・リゾネーターをチューニング!
  王者の決断、今闇色の炎を宿す漆黒の刃となる。暗黒の波導を超え現れよ!シンクロ召喚、漆黒の断罪者『死兆皇 ダーク・ハイランダー』!」

 『ヌオォォォォ…!』
 死兆皇 ダーク・ハイランダー:ATK2800



 今度呼び出したのは、死神の大鎌を思わせる装飾が成された剣を携えた漆黒の断罪者。
 其の死の剣は既にターボ・パニッシャーの喉元に向けられている。

 「レベル8のシンクロをこうも簡単に…此れが修行の成果か?」

 「如何にも。力を最大に生かすためにあらゆる技巧を駆使した…理想の完成は近い!
  バトル!ダーク・ハイランダーで、ターボ・パニッシャーに攻撃!『ヘル・ポーラ・スレイ』!!」


 ――ドシュゥゥ!


 すれ違い様に一刀両断!
 ターボ・パニッシャーは一撃で真っ二つにされてしまった。


 遊星:LP1200→900


 同時に遊星のライフも、ライディングデュエルのセーフティゾーンを突破。
 所謂『赤ライフ』だ。

 「ダーク・ハイランダーが相手のレベル4以上のモンスターを戦闘で破壊した場合、
  相手は次のターンレベル4以下のモンスターの召喚及びシンクロ召喚を行えない!
  カードを1枚伏せてターンエンドだ!」

 更にダメ押しの効果。
 この状況で下級モンスターの召喚とシンクロ召喚を封じられるのは痛い。
 特に、下級モンスターの展開からシンクロに繋ぐ遊星には天敵とも言える効果だろう。

 正に絶体絶命。

 其れにも拘らず遊星は笑っていた。


 楽しんでいるのだ、この状況を、ライバルとのぶつかり合いを!


 「この状況に於いて、其の目……そう来なくてはな!
  其れでこそ遊星だ!見せてみろ、お前の力を!」

 「言われるまでもないぜジャック!俺のターン!!」


 遊星:SC5→6
 ジャック:SC5→6



 「スピードスペル『Sp−エンジェルバトン』を発動!
  スピードカウンターが2個以上あるとき、デッキからカードを2枚ドローしその後手札を1枚捨てる!」

 「ほう、手札1枚のお前には願っても無いカードを引いたか――だが、其のドローが己の命運を分けると知れ!」

 この状況でドロー強化を引いたのは流石の引きの強さだ。
 が、同時にジャックが言うようにこのドローがそのまま遊星の運命を決める、正に『デスティニードロー』だ。

 「…ドロー!」
 ――……モンスターを引き当てたか…だがどのみち召喚は出来ないから俺のフィールドのモンスターは0のまま。
    どちらを墓地に送るか…


 引いたカードはモンスターと罠が1枚ずつ。
 しかもモンスターはレベル1の『フェイクガードナー』であるため召喚は出来ない。
 結局の所モンスター0でジャックにターンを渡す事に変わりは無いようだ。

 「俺は、フェイクガードナーを墓地に送る。…カードを2枚伏せてターンエンドだ。」

 「折角引いたモンスターも、召喚出来なければ墓地に行くしかないか!?」

 「さぁな?…読めるかジャック、俺の考えが!」

 「ふん、知れたこと!今墓地に送ったフェイクガードナーは、ダイレクトアタックを受けるとき墓地から特殊召喚出来るカード。
  それで次の俺の攻撃を防ぐつもりだろう!貴様らしいせせこましい戦術だ!」


 まぁ、カード効果が分るならば此れくらいの読みは当然だろう。
 事実、遊星もフェイクガードナーの効果は狙っているのだから。

 それでも其の通りに行かないのも又デュエルだ。
 此処はジャックが読み勝つのか、遊星が其の上を行くのかと言う所だろう。

 「俺のターン!」


 遊星:SC6→7
 ジャック:SC6→7


 「遊星、お前は言ったな、このターンの俺のバトルフェイズが終了した後でレッド・デーモンズとスターダストが戻ってくると!」

 そして此れは未来へと消えた2体の龍が戻ってくるターンでもある。
 だが、あくまで其れはジャックのバトルフェイズが終了し、そして互いにライフが有る場合のみだ。

 そう、このターンの攻防如何では2体の龍は舞い戻らない可能性もあるのだ。

 「だが、俺は其れを待たずこのターンで決着を付けてやる!
  行け、死兆皇 ダーク・ハイランダーよ!遊星にダイレクトアタック、『ヘル・ポーラ・スレイ』!」

 ジャックもこのターンでの決着を目してダイレクトアタック!
 断罪の剣が遊星に迫るが…

 「墓地の『フェイクガードナー』の効果!ダイレクトアタックを受けるとき、墓地のこのカードを特殊召喚出来る!」
 フェイクガードナー:DEF0


 此処は定石通りにフェイクガードナーを蘇生。
 此れならば攻撃を防げるだろう。

 「甘いぞ遊星!トラップ発動防壁突破(ブレイク・スルー)!バトルフェイズ中に特殊召喚されたモンスターを破壊する!」

 しかしジャックも其れは予想済みゆえに罠で対処。
 フェイクガードナーは役目を果たせずに消滅する結果となった。




 「やばいぜ此れは!」

 「フェイクガードナーは自身の効果で特殊召喚した場合、フィールドを離れる時に除外される――もう、攻撃は防げないわ…!」

 「「遊星!!」」

 観戦しているクロウ、アキ、龍亞と龍可も遊星の絶対ピンチに思わず顔が強張る。



 だが!!

 「トラップ発動、『トゥルース・リインフォース』
  俺のデッキからレベル2以下の戦士族モンスターを特殊召喚する!
  この効果で、俺はデッキから『祝福の風リインフォース』を特殊召喚!頼むぞ、リインフォース!!」

 『遊星のライフは削らせはしない…!
 祝福の風リインフォース:DEF100


 此処でデッキからの召喚で、リインフォースを呼び出す。
 呼び出されたリインフォースは、ダーク・ハイランダーの断罪の剣を…なんと白刃取りして阻止!

 尤も此れは、『新たにモンスターが現れたことによる攻撃リセット』の演出であり、リインフォースが攻撃された訳では無いのだが…


 「其のモンスターは…!」

 「あぁ、異世界での俺の仲間、リインフォースだ。守備力は僅かに100だが、リインフォースは戦闘では破壊されない!
  更に、俺の場の戦士族、魔法使い族、ドラゴン族のシンクロモンスターの攻撃力は300ポイントアップする!」

 「成程な、フェイクガードナーは囮に過ぎなかったと言う訳か。
  真の狙いは、其の破壊できないモンスターだったか…」

 此処での戦闘耐性効果は非常にありがたい。
 貫通効果でもなければ、遊星のライフを戦闘で削ることはできないのだ。

 「あぁ、だが俺の狙いはそれだけじゃない!トラップ発動『シンクロ覚醒』
  俺のライフが1000ポイント以下の時、墓地からチューナーとチューナー以外のモンスターを1体ずつ除外してモンスターをシンクロ召喚する!」

 「な、この状況でシンクロ召喚だと!」

 「見せてやるぜジャック!異世界で紡いだ俺の絆の証しを!
  墓地のニトロ・セイバーと、ターボ・シンクロンをゲームから除外してチューニング!
  友との絆が集うとき、其の絆は逆境を切り開く。光射す道となれ!シンクロ召喚、飛来せよ『閃滅龍 スターブレイカー』!!」

 『グオォォォォォ…!!』
 閃滅龍 スターブレイカー:ATK2500→2800



 更にはシンクロ召喚!
 呼び出したのはゲイルから託された漆黒の龍だ。

 「閃滅龍だと…?…だが召喚タイミングを間違えたな遊星!其のモンスターではダーク・ハイランダーと相討ちにしかならん!」

 しかしながらステータス的には強化されてもダーク・ハイランダーと互角。
 このターンの展開を考えれば相討ちになるために出てきたようなものだろう。

 「…其れは如何かな?」

 「なに?」

 「スターブレイカーは、シンクロ召喚に成功した時、相手の手札かフィールド上のカード1枚を除外できる!
  俺はこの効果で、死兆皇 ダーク・ハイランダーをゲームから除外する!」

 狙いは其の先だった。
 シンクロ成立時の効果での除外こそが目的だったのだ。

 「此れが真の狙いか…!」

 ダーク・ハイランダーは異次元に消え、今度はジャックの場ががら空きに。
 此れでは、攻撃は出来ない。

 「バトルフェイズを終了!
  そしてこの瞬間、俺達のドラゴンが舞い戻る!…舞い戻れ『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!」

 『バオォォォォ!!』
 レッド・デーモンズ・ドラゴン:ATK3000




 「頼むぞ『スターダスト・ドラゴン』!!」

 『クァァァァァ!!』
 スターダスト・ドラゴン:ATK2500→2800



 バトルが終り、そして帰還した2体の龍。

 長いトンネルを抜ければ雨は上がって晴天。




 デュエルはクライマックスに向けて加速して行く…















   To Be Continued… 






 *登場カード補足



 死兆皇 ダーク・ハイランダー
 レベル8    闇属性
 悪魔族・シンクロ/効果
 チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
 このカードが相手のレベル5以上のモンスターを戦闘で破壊し、墓地に送った時、
 相手は次のターンレベル4以下のモンスターの召喚、反転召喚及び、シンクロモンスターのシンクロ召喚を行うことが出来ない。
 ATK2800    DEF2300



 スター・リゾネーター
 レベル1    光属性
 悪魔族・チューナー
 相手フィールドにシンクロモンスターが表側表示で存在する時、このカードは特殊召喚出来る。
 この方法で特殊召喚した場合、このカードのレベルは相手フィールド上の最もレベルの高いモンスターのレベルより1つ低いレベルになる。
 ATK0    DEF0



 シンクロ覚醒
 通常罠
 自分のライフが1000ポイント以下の時に発動できる。
 自分の墓地からチューナー1体とチューナー以外のモンスター1体を除外し、
 除外したモンスターのレベル合計と等しいレベルのシンクロモンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する。
 (この特殊召喚はシンクロ召喚扱いとする。)



 ブレイク・チューン
 通常罠
 相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
 手札のチューナーモンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚し、相手モンスター1体の攻撃を無効にする。



 防壁突破
 通常罠
 相手がバトルフェイズ中にモンスターを特殊召喚した時に発動できる。
 特殊召喚されたモンスターを破壊する。



 シンクロ・トレジャー
 永続罠
 フィールド上にシンクロモンスターがシンクロ召喚される度に自分はカードを1枚ドローする。
 此の効果を3回発動後、此のカードを破壊する。