Side：テリー 一点集中攻撃ってのは、思った通り効果があったみたいだな？俺とヴィータの集中攻撃を受けて、動力炉も大分ガタついてきたみたいだ からな？……ここらで一丁決めるかヴィータ！！ 「へっ、言われるまでもねぇ！！ブッ飛ばしてやらぁ！！喰らいやがれ、ラケーテンハンマー！！」 『Raketenhammer。』 「そう来なくっちゃな！！ 　Get down！１、２、Barbed wire！！」 俺のトリプルゲイザーと、ヴィータのラケーテンハンマーが直撃して、遂に動力炉のシールドがぶっ壊れたが、まだ止まってはいない…… だから、コイツでトドメだ！ Are You OK？Buster Wolf！！ 「ぶっ壊れた所に、駄目押しのバスターウルフかよ？やるなテリー！」 「ダメ押しってのは、ここぞって時に力を発揮するからな。」 ともあれ、此れでゆりかごの動力は停止した……後は、京達がラスボスを何とかするだけだが、其れに付いては不安は無いな――京と シグナムのタッグなら、恐らくギース１００人を相手にしても勝てるだろうからな。 リリカルなのは×THE KING OF FIGHTERS～紅蓮の炎～　Round49 『J.S事件決着～Last Dance～』 Side：京 殺意の波動とオロチの力、確かにトンでもなかったが、俺の敵じゃなかったな――正直言うと、リュウと力を合わせて倒した豪鬼の方がず っと強かったぜ。 多分それが、拳を極めし者と、力に固執した者の違いなんだろうな。――ともあれ、勝って来たぜシグナム、ヴィヴィオ！！ 「パパ！！」 「心配させよって馬鹿者が！……一瞬、本気でやられてしまったと思ってしまったぞ！！」 「そりゃ、悪かったな。 　……だが、俺は生きてただろ？……だから安心しろ、お前とヴィヴィオ、其れに妹達を残して死んだりはしねぇからよ。」 つっても、しんどい事に変わりはねぇか……ルガールのアホっ垂れの連続コンボは結構効いたし、大蛇薙から無式と、奥義を連発したせ いで、パワーも殆ど空になっちまったからな。 つっても、動く事は出来るから、此処から脱出する事は、別に難しくはねぇけどよ。 さて、ラスボスはぶっ倒したし、皆の所に帰ろうぜ？エンジンが止まったって事は、テリーとヴィータも、テメェのやる事やって、脱出しただ ろうからな。 「うむ……と、言いたい所だが、如何やら未だ終わりではないようだぞ京？……MAX大蛇薙と無式を真面に喰らって、まだ動く事が出来 　るとは、呆れた頑丈さだな。」 「……マッタクだ。生命力だけは、ゴキブリ以上だなルガール？」 「むふぁはははははは……ずぃつに見事だぁ草薙京！ 　オロチの暗黒プワァとぅお、殺意の波動をこぉの身に宿したわぁたしを退けるとぅはなぁ？……正直、敵ながら天晴といっておくぉ……！」 そりゃどうも。テメェに褒められても嬉しかねぇがな。 そんで？何を如何する心算だテメェは？――生きてたのには驚いたが、まだやるってのかオイ？ 悪いがな、俺も大分消耗してるとは言え、テメェにゃ負けねぇぞルガール？――てか、さっきの大蛇薙でオロチの力を、無式で殺意の波 動を消し飛ばしてやったからな……其の２つの力を失ったテメェじゃ、消耗した俺の足元にも及ばないぜ！ 「確かぬぃ、殺意の波動とオロチの暗黒パワァーを持ってしてむぉ、勝てなかった相手ぬぃ、素のじゅおうたいぬぉ私では、勝つのは無理 　どぅあろう。 　だが、勝てずとむぉ、負けない方法ならば存在しているぅ！！」 「勝てなくとも、負けない方法だと？……貴様、何を考えているルガール？」 「ふわっはっはっは！そう、怖い顔をするぬぁ、麗しき剣騎士よぉ……すうぉだぬぁ……わぁたしが、誰であるかを考えれば、おのずと答え 　も見えて来るのではないくぁ？ 　ぬぁ、草薙京よぉ？」 テメェが誰かなんて……ルガール以外の何だってんだよ？ 余裕かまして戦い挑んで来たくせに、負けたら自爆して吹っ飛んで、復活したらしたで、オロチに呑み込まれて消滅した大馬鹿野郎だろ うがテメェは。 そんな奴の策なんて……って、待てよオイ？テメェ、まさか！！！ 「ふわぁっはっはっは！気が付いたか！くおれずぉ、わぁが最後の一手ぇ……ルガール流最終奥義……自爆！！」 ――カチッ！！ 「どわぁぁぁぁぁ！やっぱりかこの野郎！ 　つーか、何がルガール流最終奥義だ！ワンパにも程があんぞテメェ！！！」 ――ウー！ウー！ 『自爆装置が作動しました。聖王の間はあと１分で爆破され、ゆりかごはその５分後に完全爆破されます。』 脱出時間の猶予があるってのが、何とも映画みてぇだが……兎に角脱出するぞシグナム！ヴィヴィオは、俺が担いでくから！！ 「何とか５分以内に脱出せねばな……悪いがアギト、ユニゾン状態は維持したままでいてくれ。 　融合状態を解いてしまっては、私も可成り厳しいのでな……」 『了解！』 「行くぜヴィヴィオ、確り掴まってろよ！」 「うん！」 行くぜ！っておい、入り口の扉、隔壁が下りて開ける事が出来なくなってるじゃねぇか！！……聖王の間に侵入した相手を確実に、自爆 で仕留める為の処置って事かよ――！ 此れ位の隔壁、俺とシグナムのパワーが十全の状態だったら何て事無くぶっ壊せるんだが、今はちょっときついぜ……１分以内に、隔壁 を破壊するのはな。 クソ、如何する！！どうすれば―― ――バガァァァァァァァン！！ って、隔壁が吹っ飛んだ！？ 「助けに来たよ京兄！」 「無事かアニキ！シグナムさん！！」 「如何やら間に合ったみたいですね？」 「可成りギリギリだったけどな。」 お前等……スバルにノーヴェにティアナにロック！……助けに来てくれたってのかよ？ って事は、隔壁を吹っ飛ばしたのは、スバルとノーヴェか？……ったく、美味しい所持ってくじゃねぇか？――まぁ、ギリギリの局面で、妹 と、その仲間が助っ人に来てくれるってのは兄貴冥利に尽きるかもだけどな。 てかロック、お前が乗ってるそのバイク、俺のじゃねぇか？何で、お前が乗ってんだよ？ 「クイントに持って行ってくれって言われてな……まぁ、アンタに脱出用の足を届けろって事だったんだろ。 　帰りは、俺はティアナのバイクに乗れば良いし、シグナムとヴィヴィオは、アンタのバイクにタンデムすりゃいいだけの話だからな？」 「お袋が寄越したのか……」 全くやってくれる……元の世界でもそうだったが、お袋は本当に俺の為に色々やってくれるし、俺に必要なモンを必ず用意してくれるから 頭が上がらねぇよ。――親父に関しては、こっちの世界の方が良いかもだがな。 だが、コイツがあるのは助かるぜ。バイクがあれば、走るよりも何倍も速く脱出できるからな――つっても、シグナムがヴィヴィオを抱っこ してタンデムするのはあぶねぇから、スバルかノーヴェがヴィヴィオを預かってくれよ？ 「OK、任せなアニキ！ゆりかごから脱出するまでの間だけ、アタシに引っ付いてなヴィヴィオ。――大丈夫だ、ノーヴェ叔母さんとスバル 　叔母さんが、お前を守ってやるからな。」 「うん……」 叔母さんって……いや、ヴィヴィオは俺の娘で、お前等は俺の妹だから間違ってないんだろうが、１５歳で叔母さんってのは如何よ？ ……いや、明治や大正の世だったら、珍しくもなかったかも知れねぇけどよ？聞いた事がある話だが、テメェの姉よりも甥っ子の方が歳が 近いなんて事は結構あったみたいだからな。 ま、その辺はあんまし考えないようにしとくか……とにかく今は、ゆりかごからの脱出が第一だからな！！――時にロック、テリーとヴィー タは如何した？ 「エンジンぶっ壊して、脱出したみたいだぜ？……可成り力使ったみたいだから、今頃は迎えに来たヘリの中で寝てるかもだけどな。」 「まぁ、其れなら逆に安心だな。」 其れじゃあ行くぜ！！ ――ブオォォォォォォン！！ ――ゴォォォォォォォ！！ おぉっと、発進したと同時に、聖王の間が制限時間を迎えて爆発しやがった！……この爆発じゃ、ルガールの野郎は間違いなく爆死した だろうな……ったく、もう甦るんじゃねぇぞ？色々面倒だからな！！ って、爆炎が滅茶苦茶な勢いで迫ってるじゃねぇか！！全員、ギアをマックスまで上げろ！呑み込まれたら、只じゃ済まねぇぞ！！ 「「「了解！！」」」 この爆炎の勢いは、連鎖的に爆発が起こってやがるな？……ルガールの自爆だけじゃなくて、スカリエッティの野郎もゆりかごに自爆機 能をつけてたって事かよ……ったく、悪役ってのはドイツもコイツも！！ 時によ、ゆりかご内部はバイクでOKだが、脱出したらどうすんだ？流石に、このバイクじゃ空は飛べぇだろ？ 「心配すんなよアニキ。 　出口の所に、アタシのエアライナーと、スバルのウィングロード繋げてあるから、其処から降りりゃ良いだろ？」 「抜かりなしって訳か。頼りになるぜ。」 ――ドガァァァァァァァァァァァン！！ だが、出口目前にして、真後ろで大爆発が起きるってのはお約束か！？……エンジン全開で爆炎を撒いたと思ったが……いや、出口は すぐそこだ、此のまま突っ込めばギリギリ間に合う筈だ！！ 突っ込めぇぇぇ！！！！ ――ギュオォォォォォォォォォォォォン！！ ――ドガァァァァァァァァァァァァァ！！！ だ、脱出した瞬間に、出口から爆炎とか笑えねぇぞ流石に！つか、爆炎以上に爆風がやべぇだろ此れは！！ 此の爆風に煽られながら、空中に作られた道を走るって、結構無茶なアクションシーンだよな？……映画の演出なら兎も角、リアルの世 界じゃあ、ジャッキー・チェンだってこんな無茶な事はしねぇだろうよ。 だがまぁ、何とか地上に到着だ……あ～～～……死ぬかと思ったぜ。 「……ふん、くたばり損なったか京。」 「はぁ、はぁ……テメェの都合で生きちゃいねぇよ。」 「マッタク持って、京の言う通りだな……と言うか、貴様はもう少し気の利いた事が言えんのか庵よ……」 「ふん、其れだけの口が利けるのならば心配はない様だが……京、ゆりかごの中にアレはあったか？」 テメェはマジでどんな神経構造してんのか疑いたくなるが……隅々まで見た訳じゃねぇから確実な事は言えねぇが、少なくとも聖王の間 に至るまでの間にはなかったぜ？ レオナの方も、スカリエッティのアジトには無かったんだろ？ 「無かったし、スカリエッティ自身が、此処には無いと言っていたから、そうなると考えられるのはゆりかごだけ。」 「だよな。」 となると、アレには相当に厳重なプロテクトが掛けられてた筈だよな？それこそ、ゆりかごの自爆でもぶっ壊れない程の――つまり、まだ 終わりじゃねぇって事か。 「アレって何やの？スカリエッティは逮捕したし、ゆりかごも爆発四散してぶっ壊れたやろ？――これで、万事解決とちゃうん？」 「普通ならそうなんだが、今回に限ってはそうも行かねぇんだよ……最後の後始末を、此れからしなきゃならねぇだろうからな。」 ――ヒュゥゥゥゥ……ドォォォォォォォォン！！！ 「な、何？ゆりかごから、何か落ちて来た！？」 「しかも、何や嫌な予感がすんで此れは……！」 「うふふふふ……何が来ても全力全壊で叩きのめすだけなの。」 ……なのはの言う事は聞かなかった事にするとして、はやてが感じた嫌な予感てのは、決して気のせいじゃないぜ？――見てみれば分 かるぜ……落下の衝撃で出来たクレータの中をな。 「な……何だコイツは！？」 「京兄、此れって……まさか！！！」 『ぐが……我は……オ……ロチ……』 オロチ……正確には、スカリエッティが作り出そうとしていたオロチのコピーさ。 培養ポッドは、あの爆発じゃ壊れなかったが、爆発＋落下の衝撃には耐えられずにぶっ壊れて、中身が出て来ちまったみたいだがな。 つっても、依り代がないせいで、上手く顕現出来ねぇみたいだが……さて、如何するよ八神？ 「知れた事、コピーであろうとなかろうとオロチは気に入らん……滅するまでだ。」 「……珍しく意見が一致したじゃねぇか八神？――なら、１８００年前の再現と行こうぜ！！」 「ふん……下らん。 　だが、其れも良かろう。ごぉぉあぁぁ……楽には死ねんぞ！！」 「テメェなんぞ、この世の終わりまで眠ってな！！おぉぉぉぉぉぉぉ……これで決まりだぁぁぁぁ！！！」 ――ゴォォォォォォォォォォォォ！！！ 紅い炎とは、八神の奴、本気でオロチをぶっ倒しに来やがったか……青い炎はオロチの証だが、紅い炎は八神の人としての力が強く現 れた証だからな。 でもって、此れで伝承の再現はなったぜ――『オロチは八尺瓊の紅き炎で封じられ、草薙によって薙ぎ払われた』だからな。 八神の八酒杯でコピーオロチの動きを止めて、俺の大蛇薙でトドメだ……本来なら、封印を施す神楽の力が必要になるんだが、コピー相 手なら其れも必要ない……所詮はコピーのオロチじゃ、燃え尽きて終わりだからな。 『ぐが……ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！』 ――ドォォォォォォォォォン！！ 「……髑髏のオーラを放って消えた……だが、これで全てが終わったのだな京？……私はクシナダの転生体との事だから、オロチに乗っ 　取られるかと思ったが、そんな事にはならなったか……」 「そんな事はさせねぇよ……ま、不完全なコピーじゃ、お前を乗っ取る事なんて出来なかっただろうけどよ。」 だが、これで後始末も済んだから、本当の意味で事件解決だぜ。――俺達の、勝ちだ！！ 　Ｔｏ　Ｂｅ　Ｃｏｎｔｉｎｕｅｄ…