Side:京
「……きろ……起きろ。朝だぞ京。」
んん?何だよ……もう少し寝かせてくれよな?
昨日も略1日、あの戦いで派手にぶっ壊れた市街地の復旧作業に出ててかなり疲れてるんだ――回復の為にも、もう少し寝たって罰は
当たらねぇだろ?
特に昨日は、どさくさに紛れて窃盗働こうとした火事場泥棒をぶっ倒したんだからな。
「其れに関しては異論はないが、だからと言って今何時だと思っている!もう8時だぞ他の皆はとっくに起きている!
いい加減に起きろ!目が腐ってしまうぞ!」
「シグナム?」
そりゃ手遅れだ……多分、もう腐ってる。――だからもう少しだけ寝させてくれ……火事場泥棒共に、大蛇薙→天叢雲→百八拾弐式の
コンボブチかましたせいで、何時も以上に疲れちまった。
「……原因は、其れとは別に有る気もするのだがな……?」
「……其れについては否定しねぇ……だが、俺はもう少し寝坊する。」
「そうか……ならば切り札を切らせて貰う!――行け、ヴィヴィオ!!」
「起きてパパーーー!!」
――ドッスーーーーン!!
ぐえぇ!?………い、幾ら子供だからとは言え、腹の上に思いっきりダイブされたら、流石に堪えるぞヴィヴィオ?……だが、お蔭さんで
完全に目が覚めたぜ。
ボディが甘いぜって言いながら攻撃してるが、今回ばかりは、俺の方がボディが甘かったか……
リリカルなのは×THE KING OF FIGHTERS~紅蓮の炎~ Final Round
『Farewell Youth~夕陽と月~』
そんじゃまぁ、改めておはようさんだシグナム。其れからヴィヴィオもな。
「あぁ、おはよう京。」
「おはよー、パパ♪」
ったく、元気だなお前等は?
ヴィヴィオはあの戦いの後は聖王協会で過ごしてる事が多いが、シグナムは六課の一員として復興作業に駆り出されてるってのに一晩
で此処まで回復してるとは驚きだぜ……昨日の夜は、3回もやったってのにな……?
「ふん!!」
――バキィ!!
「いってぇ!!何しやがる!!」
「何しやがるではない馬鹿者が!子供の前で、そう言う直接的な表現をするな!!変な事を覚えたらどうする心算だお前は!!!」
「ナニをしたとは言ってねぇだろ!てか、お前だってさっき『原因は別に有る』って言ってるだろうが!!」
「其れこそ、何の事を言ってるか分からんだろうが!此れを聞いたヴィヴィオが、主はやてに何の事かを聞いてみろ……主はやては、間
違いなく、嬉々として子供に良くない事を吹き込むぞ?」
「……スマン、俺が悪かった。」
はやてなら確かにやりかねぇからな……こう言っちゃなんだが、アレが主で良いのかシグナム?お前の忠誠心は見事だが、ある意味で
アイツは、最も騎士が仕えるに値する存在とかけ離れてる気がするんだが、その辺は如何なんだ?
「……10年前は、純粋だったのだ主はやても……時の流れは残酷と言う事だ京――尤も、主はやての根幹の部分は何一つ変わって
はいないから、私は騎士としての務めを果たすだけだ。」
「一度誓った忠誠は、変わらねぇって事か……マジでお前は騎士の鑑だなシグナム。」
其れは其れとして、シグナムもヴィヴィオも部屋の外に出ててくれねぇか?……俺の着替えシーンを見たいってんなら話は別だがよ?
まぁ、見られて恥ずかしい身体はしてねぇから、見るなら好きなだけ見て良いぜ?……どうよ、此の腹筋のシックスパックは?
「見事だが、其れが如何した京!私とて、シックスパックとは行かないが腹筋位割れているぞ!――テスタロッサの使い魔であるアルフ
は私以上だがな。」
「そういやそうだったな……」
シグナムとアルフだけじゃなく、アインスも――ってか、六課の女性陣は、ルーキーを除いた全員が、『戦いに必要な筋肉』を備えてるん
だよな……フェイトも、足と腕には太くないが必要な筋肉がついてるし、はやてとなのはも、必要な筋肉はちゃんと付いてるからな?
……其れで居て、女性らしい曲線を失わないってんだから大したもんだぜ。
さてと、着替え終わり。朝飯を食いに行きますか。
「そうだな。」
「ゴハンゴハン~~~♪」
はぁ、平和だねぇ。……あの事件から、もう3ヶ月も経った訳か……早いモンだぜ。
事件の首謀者であるスカリエッティは逮捕され、ナンバーズのウーノ、トーレ、セッテも同様に逮捕されて投獄……フェイトから聞いた話
だと、全員が懲役1000年の刑が略確定してて、裁判も形式的なモノで終わるらしいな。
ナンバーズのクアットロはドゥーエ……もとい、ニ乃の手によって暗殺され、ギースはビルから転落して生死不明、ルガールはお約束の
自爆でお陀仏……ゆりかご内に居た俺のクローンも多分一緒に吹っ飛んだだろうな。
KUSANAGIについては消息不明で、今も捜索が続いてる状況だ……八神の野郎がちゃんとトドメ刺さなかったみたいでな。
ナンバーズの残りの面子だが、更正プログラム終了後に、セインは聖王協会のシスターになる予定で、オットーとディードも聖王協会の
スタッフになるって事なんだが、驚いたのはウェンディ、ディエチ、チンクの3人が何とナカジマ家の養子になるって事だぜ。
復興作業の合間に、スバルとギンガとノーヴェと時々お袋で説得に行ってたらしい……俺と親父には、吃驚させたかったって理由で、事
が確定するまでは黙ってたらしい……否、マジで驚いたがな。
これで妹が6人……どこぞのアニメの半分程度だが、一気に妹が増えたな。そして、ヴィヴィオには叔母さんが増えたな。
「京の妹達がヴィヴィオの叔母だとすると、私にとっては姉に当たるアインスもまた、ヴィヴィオの伯母と言う事になるのか?」
「そう言えなくもねぇんじゃねぇか?……どっちにしても、オバサンて呼称が似合う奴等じゃねぇけど。
……其れを言ったら、お袋が『お婆ちゃん』って呼ばれるのが一番似合わねぇけどな――つか、普通にスバル達の姉で通せるだろ、あ
の人は絶対に。」
「高町の母君や、リンディ提督やレティ提督も、40半ばを越えたとは思えんからな……」
「?パパもママもなんのお話し~~?」
ん~~?ヴィヴィオのお婆ちゃんは、若くてキレイだなって話だ。
さてと、食堂に到着だ――って、相変わらずスゲェ光景だな此れは?
スバルとギンガは丼飯なのは当然として、飯が山の様に盛られてる上に、おかずの鯖の塩焼きも計6枚で鯖3匹分のテラ盛メニューで、
八神の奴は朝っぱらから1ポンドステーキを3枚……見てる方が胸焼けして来るぜ。
「おはよー京兄!」
「おはようございます、兄さん。」
「少し寝坊だぜ、アニキ?」
「おはようさん。少し寝坊しちまった……シグナムが起こしてくれなかったらまだ寝てたぜ――いや、ヴィヴィオのダイビングボディアタック
が無かったらか……」
「……シグナムさんが、アタシ達の部屋に来て、ヴィヴィオを連れて行ったのは、京兄を起こす為だったんだ……」
「その通りだ。……揺すろうが、小突こうが、如何あっても起きなかったからなコイツは。」
自慢じゃないが、俺の眠りの深さは相当だぜ?
なんてったって、授業を1時限目から更けて屋上で寝て、其のまま起きる事なく放課後まで寝腐れてた事が有るからな!
「ふん、そんな事をしてるからダブるのだ貴様は。さっさと卒業せんか、此の恥さらし。――馬鹿には無理な話かも知れんがな。」
「サボりは偶にだからな?てか、俺は馬鹿じゃねぇし。
……そもそも、俺がダブった理由の大半は、テメェが学校にまで襲撃かけて来たからだからな?
テメェを撃退したら撃退したで、外部の者と問題を起こしたって事で停学喰らって、停学期間が試験期間で、追試の時期と合わせた様
に、神楽が出場辞退できない様にしてからKOF開催しやがったせいで、単位が足りなくてダブってるだけだから。」
その証拠に、お袋が見つけてくれた、ミッドの通信制高校の全過程をA判定で終わらせてやったからな?俺が本気を出せば、此れ位は
簡単な事なのさ。
そう言う訳で、テメェの襲撃と、神楽の嫌がらせのようなタイミングでのKOF開催が無ければ、俺はとっくに卒業してた訳だ。
「……そうなったらそうなったで、貴様の卒業式に乱入して、式をぶち壊していただろうな俺は。」
「……トコトンブレねぇなテメェは……」
ある意味で、八神らしいっちゃ、八神らしいけどよ。――そう言えば、なのはの姿が見えないが何処に行ったんだ?
まさか、俺みたいに寝坊したって訳じゃないだろ?
「なのはなら、はやてに連れて行かれたぜ~~?
昨日、お前がぶっ倒した火事場泥棒の仲間の別動隊にディバインバスターブチかまして、復興途中のビルをぶっ壊した事に対しての
始末書と説教でな。」
「あぁ、成程な……納得したぜヴィータ。」
何だってアイツは、周囲に被害を出さずに戦う事が出来ねぇんだろうな?
こう言っちゃなんだが、スカリエッティとの戦いで壊れた市街地の多くは、ガジェットとかよりも、なのはが砲撃でぶっ壊したんじゃねぇかっ
て思うぜ?……そして、其れが否定出来なさそうなのが怖い。
まぁ、深く考えるのは止めとくか。
さてと、御馳走さん。そんじゃまぁ、今日もミッドの復興の為に頑張るとするか!
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其れから更に3ヶ月後――つまりは事件から半年が経ち、本日は機動六課の解散式だ。
元々機動六課は、1年限りの試験運用の部隊で、今日がその期限て事か……こうしてみると、長かったようで案外短かったぜ――其れ
だけ充実した日々だったって事なんだろうけどな。
だがな、その解散式は……どうしてこうなった!?
「ほな、解散式の最後は、盛大な模擬戦で行こうか!!」
はやての演説が終わって、此れで終わりかと思ったら、まさかの模擬戦だと!?しかもチーム分けは、俺とフォワード陣とシグナムとロッ
クで、相手はシグナムを除いた隊長陣と、八神とレオナとテリーかよ!!……まぁ、シャマルが参戦してないだけ良いか。
シャマルが居るチームは、確実にKOされる事がなくなるからな。
全く持ってトンでも展開だが、ある意味で六課らしい最後って言えるかもしれないな此れは?――しんみりした解散式なんてモンは、此
の面子には似合わねぇからな!!
だから、本気で行かせて貰うぜ?……六課としての最後の戦い、派手に燃やして行こうじゃねぇか!!
「ほな、いくでぇ?」
「模擬戦開始!!」
へへ……行くぜ八神!
「炎が、お前を呼んでるぜ……!」
「なら燃え尽きろ、潔くな……!」
世界の修正力とやらで、俺はもう元の世界には戻る事は無いし、其れが少し寂しくはあるが、今の俺が生きるのはこの世界だから精々
楽しく生きてやろうじゃねぇか?
何よりも、大切な妹達や、大事な人がいるからな――
「この模擬戦が終わって、漸く終わりになるのかも知れんな色々な事が?」
「終わりだと?……いいや、違うぜシグナム――終わりじゃない……始まりだぜ。」
俺達の未来のな!
さぁ行こうぜ、この先に待ってるViVidな未来に――!!
Game clear Congratulation――Fin
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