Side:はやて


スカリエッティとの最終決戦の火蓋が切って落とされた訳で、激戦は避けられへんのやけど……



「ふわぁぁっはっは!!遊びは終わりだ!泣け!叫べ!!そして、死ねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!

ディバイィィィィィン……バスタァァァァァァァァァァ!!!



京さんのクローンを絶賛抹殺しとる庵さんと、ガジェットを粉砕・玉砕・大喝采しとるなのはちゃんを見ると、ドレだけマイナスな思考で考えて
も六課の負けが見えへんのやけど、此れっておかしくないかなリインフォース?
てか、なのはちゃんは兎も角、庵さんはKUSANAGIを相手にしながら、大量の京さんを倒してるってドンだけやねん……



「……負ける事は無いのだから良しとしておきましょう我が主。
 何より、エンジンがかかったあの二人を止めるのは無理と言う物でしょう?――下手に止めに入れば、止めに入った者が絶命しかねませ
 んので……」

「リインフォースでも無理なん?」

「……折角生き返ったのに、私はまた死にたくありません。」



うん、其れで庵さんとなのはちゃんのバトルがドンだけトンでもない事かって言う事が分かったわ~~。
でも、其れならロック君とティアナ以外の地上部隊は大丈夫やなあ――もしもの事があれば、なのはちゃんが全力全壊でブッ飛ばしてしま
うやろからな。
だから問題は、ロック君とティアナ、そしてゆりかごに突入した面々や――ナンボガジェットを倒しても、ゆりかごを止める事が出来なかった
ら其れまでやから、敵さんの戦力も潰さなアカンからな。

まぁ、最終的に勝つのは私等機動六課なのは決まっとるから、もう少し気合入れるだけやけどな!!
さぁて、もう一頑張りと行くで!!












リリカルなのは×THE KING OF FIGHTERS~紅蓮の炎~ Round38
『悪夢決戦~ギースにしょうゆ~』











Side:ロック


テリーですら手こずった相手だから、簡単に勝てるとは思ってなかったが、此処でナイトメア化を解放して来るとはやってくれるぜマジで。
肌は灰色になって髪は白髪、そんでもって顔には不気味な文様が浮かび上がるとは、見た目からして不気味だが、此れは決してコケ脅し
の変身じゃねぇ……其の力は、前回六課本部でたっぷりと味わったからな。



「ふふふ、本部の時以来の変身だが、如何かなこの姿は?
 不気味であると同時に、神々しさを感じるだろう?……或は、言いようのない恐怖を感じはしないか?――私はナイトメア・ギース。
 つまりは、悪夢そのものだと言っても過言ではない――そして、悪夢は払おうと思っても払える物ではない。故に、お前達は勝っても負
 けても私の存在は心に刻まれる事になるのだよ。」



悪夢は払拭できねぇって事を言いたいんだろうが、其れはそうとは限らないぜ?
確かに最悪の悪夢ってのは、1人で振り払うのは難しいモノが有るが、仲間が居ればその限りじゃないんだぜ?――まぁ、アンタに言って
も到底理解出来ねぇだろうけどな。



「フフフ、確かにその娘とのコンビネーションならば、私を倒す事も出来ようが、果たして私を倒すまでにお前が持つかなロックよ?
 先程までならいざ知らず、ナイトメアとなった事で増幅された、私の『悪の波動』を受け、血が更に騒ぐのではないか?
 ――何よりも、お前は、私の事を憎んでいる。その憎悪の感情が更に血を沸かせ、制御不能の怒りに昇華しようとしている筈……其れを
 抑えながら戦う事が出来るかなお前に?」



ちっ……気付いてやがったか。
確かに、アンタがナイトメア化した途端に、俺に中の力が暴れ出してる。正直言って、此れを抑えたまま戦うって言うのはキツイ――何とか
爆発する前に決着を付けないとだが……どうしたモンだろうな……



「出来るわよギース。」

「ほう?」

「ティアナ?」

「確かにロックは、アンタの血を引いてて、その身にはアンタと同じ悪の波動が眠ってるのかも知れない。
 だけどロックはロックよ。アンタじゃない。
 まして、ロックを育てたのはアンタじゃなくてテリーさんでしょ?なら、ロックに流れてるアンタの悪の波動は、テリーさんの手によって餓狼
 の魂に作り替えられてると言っても過言じゃない。
 アンタの悪の波動如きで折れる程、ロックは柔じゃないわ!」



……嬉しい事言ってくれるじゃないか。
俺の中のギースの血は、テリーのお陰で暗黒の力ではなくなったってか……そう考えるだけで、不思議と興奮が落ち着いて行く――俺は
何処までも、ギースの息子である事に負い目を感じてたって事か。

「サンキューティアナ、おかげで吹っ切れたぜ!!」

「どういたしまして。……悪夢に引導を渡しましょう!!」

「あぁ、そうだな!!」

「あくまでも抗うか……ならば存分にかかって来るが良い。格の違いと言う物を思い知らせてくれる。」



言われなくてもその心算だギース。
悪夢ってのは厄介だが、今のアンタはテリーに倒されたギース・ハワードの亡霊に過ぎない……だから、眠らせてやるよ。アンタも、眠ろう
としてた所を叩き起こされて辛いだろうからな。

此れは第2ラウンドじゃなくてファイナルラウンドだ……行くぜ!








――――――








No Side


「亡霊は、地獄で眠ってな!」

「塵は塵に、灰は灰に……亡霊は地獄に。」

「成程、言い得て妙だが、果たして私を地獄に送り返す事が出来るかな?Come on!!」


――推奨BGM『ギースにマスタード』


ロック&ティアナvsナイトメア・ギースの戦いでも、先に仕掛けたのはロック&ティアナのヤングコンビだ。
格闘戦をメインにするロックと、支援と射撃がメインのティアナのタッグは、理想的な前衛後衛コンビであり、ナイトメアと化す前のギースの
事は、此れで圧倒していた。

今回も、先ずはロックがレイジランType:シフトでギースの背後を取り、其処からハードエッジをがら空きの背中に叩き込み、その攻撃とサ
ンドイッチするかのように、ティアナのクロスファイヤーが突き刺さる。
完全に虚を突いた背後からの攻撃に加え、正面からの魔力弾の連携攻撃は、真面に喰らえば六課の隊長陣でも可成りのダメージになる
のは間違いないだろう。


「ふむ……矢張り、若い力と言うのは素晴らしいな。」


にも拘らず、ナイトメア・ギースは小動もせずに不敵な笑みを浮かべて仁王立ち。
ナイトメアと化した事で、攻撃力が大幅に上がっただけでなく、身体の頑丈さも凄まじく上がっているようだ――そして、其れだけでなく…


「フン!!」

「「!!!」」


気合を入れただけで、衝撃波が発生し、己に近付いていたロックを吹き飛ばしたのだ――無論、其れだけでも驚くべき事だが、その衝撃
波は、凡そ7m程離れたティアナでも怯み、防御姿勢を取らせる程の物だった。
ロックは喰らう瞬間に自分から後ろに飛んでダメージを逃がし、ティアナは距離があったせいで大したダメージにもならなかったが、気合を
入れた衝撃波で此れだけとは、本気の攻撃がドレだけなのか見当もつかない。
最悪の場合、六課本部を破壊した攻撃ですら『死者が出ない様に手加減した攻撃』であった可能性すらあるのだ――だとしたら、力の差
は余りにも大きいと言わざるを得ない。


「悪夢とはよく言ったもんだぜ……確かに、気合入れただけで此れだと、本気の攻撃は悪夢って所だな?」

「でも、退かないでしょう?」

「当然だ!ダブル烈風拳!!


だが、だからと言って退く気はロックもティアナも全く無い。
実力差が有るのは分かっているが、ロックもティアナも、不思議と目の前の相手を脅威に感じても、恐怖は感じなかった。手強い厄介な相
手とは認識したが、勝つ事の出来ない相手との認識はなかったと言う所だろう。


「フフフ、そう来なくてはな……ダブル烈風拳!


ナイトメア・ギースも、其れに満足そうに笑うと、ロックの放ったダブル烈風拳・改に対して、自身もダブル烈風拳を放つ!
が、気弾2発のダブル烈風拳・改を、ギースのダブル烈風拳はいとも容易く貫通し、ロックとティアナを襲う。――ナイトメア・ギースの気弾
攻撃は、並の気弾攻撃ならば貫通する程の威力があるようだ。


「こっちの飛び道具を一方的に潰してくるなんて、まるで極限流の覇王翔哮拳だぜ……!
 いや、気を溜める必要がない上に連射が出来る事を考えると、威力では大幅に劣るとは言え、こっちの方が遥かに厄介か!…なら!」


――轟!!


ギースの攻撃の厄介さを見抜いたロックは、ダブル烈風拳を避けると同時に、気を集中して、そして気を溜める。
気を溜め、高める事で己の力の底上げを図ったのだ――そして、其れは見事に成功し、ロックの身体の周りを白銀のオーラが包み込む。
気を限界まで高めた、通称『MAXモード』と呼ばれる状態にロックはなったのだ。


「ハァァァァァァァァァァ!!!」


そして、其れだけではなく、ティアナもまた魔力を溜めて地力の底上げを行い、その身に金色のオーラを纏ってMAXモードとなる。
纏うオーラが異なるのは、気と魔力の差と言う所だろう。

さて、そうなるとナイトメア・ギースもまたMAXモードが有るだろうと思うだろうが、実はナイトメア・ギースは気を溜める事は出来るが、其れ
は、次の技の威力を増すだけの物であって、自身の力の底上げにはならない。
と言うか、ナイトメア・ギースは常時気が解放されている、常時MAXモード状態とも言うべき状態なのだ――制限時間のある通常のMAXモ
ードと比べると、強化率は下がる物の、常時力が高められた状態と言うのは驚異だろう。

言うなれば、ロックとティアナがMAXモードになって漸く互角と言う所なのだが――


「セイヤ!ドリャァァァァァァァァァァ!!」

「其処だ!!」

「フハハハハハ!温いわ!!」


MAXモードとなったロックとティアナの連携を、ナイトメア・ギースは軽々と捌いていた。
決してゼロ被弾とは言わないが、決定打になるであろう攻撃は徹底的な防御で防いで、躱して、受けるダメージを最小限に留めているの
である。


「ちぃ……ハードエッジ!!

邪影拳!!


更には、ロックの攻撃に対して同系統の技を放ち、同時にティアナに対して気弾も飛ばすと言う攻撃を、ナイトメア・ギースは行っている。
サウスタウンの権力抗争と言う修羅場を勝ち抜き、テリーに倒されるその時までサウスタウンの帝王として君臨していたと言う、圧倒的な
経験の差がロックとティアナの攻撃に決定打を打たせていなかった。

だが、ロックとティアナは経験では劣っても、ギースにはない若さと言う武器が有る。


「取った!!」

「む?」


ハードエッジを邪影拳でカウンターしたナイトメア・ギースの身体が、突如としてオレンジ色の魔力で拘束される――ティアナが、カウンター
型のバインドを発動し、ナイトメア・ギースの動きを封じたのだ。
そして、この好機を逃すロックではない。


「All right!!」


動きの止まったナイトメア・ギースに対して二連続の跳び後ろ回し蹴り、『ダブルキック』を繰り出し、更に其処から、ハイキック→左裏拳→
右ストレートの顔面攻撃の連携に繋ぐ。
如何に、ナイトメア・ギースと言えど、顎を的確にとらえた3連撃を喰らえばノーダメージとは行かないだろう。
ロックもそう判断し、追撃のハードエッジを放つが……


「調子に乗るな、青二才が!」


ナイトメア・ギースは、其れを当て身投げでカウンターし、更に投げたロックを、雷鳴轟破投げで更に投げつけ、ダメージを与える。


「飛翔日輪斬!!」

「く!!!」


更に、其れだけではなく、ティアナを飛翔日輪斬で強襲して吹き飛ばす。
如何に、格闘技を身に付けたとは言え、基本はバックスであるティアナは、本格的な格闘技で攻められてしまっては勝てない――尤も、こ
れでKOされていないのは見事だが。


「ククク……小手先の技で私を倒せるとは思わぬことだ――私を倒したいのならば、貴様等の最高の一撃を放ってこい。
 そうでなくては、私を倒す事は出来ん。」


それとは反対に、ナイトメア・ギースは余裕綽々。全力の一撃を持ってしても、自分に勝つ事は出来ないと確信しているかのようだ。
だが、そんな態度を見せられて黙ってられるロックとティアナではない。
ロックもティアナも、普段はクールな印象だが、その実どちらも負けず嫌いで、こと戦いになるとクールな部分は身を潜めてホットな状態に
なるのだ。
そんな2人が、こう言われて黙っている筈がない。


「最高の一撃だと?……上等だ、とくと味わいな!!」

「此れがアンタに引導を渡すわ!!」


レイジング……ストォォォォォォォォォォォム!!!

ファントム……ブレイザーーーーーーーー!!



ナイトメア・ギースの挑発に乗る形で、ロックはレイジングストームを、ティアナはファントムブレイザーを放つ。
気の嵐と、純粋魔力砲のコンボはきわめて強力であり、その破壊力はなのはのスターライトブレイカーに勝るとも劣らないといっても誇張と
は言えないレベルだ。


レイジング……ストォォォォォォォォォォォォォォォム!!


だが、ナイトメア・ギースもまたレイジングストームを発動し、ロックとティアナの攻撃を完全相殺!!
この攻撃を相殺すると言うのは、正に悪夢でしかない――ギースのレイジングストームは、やろうと思えばなのなのスターライトブレイカー
をも相殺できるのかも知れないのだから。

しかし、此れだけの攻撃をしたのならば消耗が激しいのは道理であり、此れだけの大技は連発できる物ではない。
そう考えたロックはギースを強襲し、ティアナも其れをサポートするが……



サンダー……ブレイクゥゥゥゥ!!!

「んな!?」

「大技を連発できるなんて!!」


其れに合わせるかのように、ギースがカウンターのサンダーブレイクを発動し、強烈な落雷がロックとティアナに炸裂する!!
其れも、1発でも必殺になる落雷が複数回だ――此れは如何考えても試合終了だろう。実際に、ティアナは意識は保っているが、額から
は血が流れ、強烈な電撃のせいで全身が痺れているのだから。

だが――


「ロック……?」


ロックは、頭から血を流しながらも立っていた。
強烈な落雷を喰らいつつ、しかしその戦意は衰えず、寧ろ強烈な物となって放たれている――何よりも、光の消えた瞳が、まるで『闘神』
であるかのような印象を与える。


「ウオォォォォォォォォォォォォォ!!」

「此れは……究極の闘争本能か!!」


そしてその印象は間違っていない。
今のロックは、ナイトメア・ギースの一撃で意識を飛ばしながらも、闘争本能のみが残った、究極の戦闘態勢とも言うべき状態なのである。

この状態は、理性を失う代わりに己の潜在能力が100%解放される状態ゆえに――


――ガガガガガガガガガガ!!


ロックもナイトメア・ギースも、常人の理解を遥かに超えた攻防を展開する事になったのだ。
最も、このまま続けば泥仕合は否めないが、攻撃を繰り出すたびに、ロックの攻めは鋭く、そして重くなり、ナイトメア・ギースであっても捌く
のが難しくなってきている。


「この激しい攻めは……く、捌き切れん!!」

デッドリー……レェェェェェェェェェェェブ!!!


そして、その猛攻の中で放たれた、ロックの『デッドリーレイブ・ネオ』!
目にも留まらぬ速さで、拳と蹴りが繰り出され、その全てがナイトメア・ギースの鳩尾、頚椎、喉笛と、鍛えても鍛えようのない場所に突き
刺さる。

が、この攻撃は危険だ。其れこそ相手の命を奪いかねないのだ。――其れはつまり、最悪の場合、ロックは己の父を手にかける事になる
訳であり……


「ロック!だめーーーー!!!」


其れは絶対にダメだと、ティアナが叫ぶが、少しだけタイミングが遅く、ロックは既にデッドリーレイブの締めとなる気功波を放ってしまい、そ
れに吹き飛ばされたギースは最上階のガラスを突き破り、そのまま落下――


「ティアナ?
 ち、テメェを見失ってやり過ぎたか!!ギィィィィィス!!!」


する直前で、ロックが正気を取り戻して走りより、落ち行くギースの腕を掴んで落下を阻止する。何とかギリギリで間に合ったようだ。
だが――


「ロックよ、何故私を助ける?
 私を恨んでいたのだろう?……ならば、その手を離せ――憎き相手を、此処から突き落とし、己の憎しみを果たせ。お前には、その権利
 がある。」


ギースは、その手を離せと言う。
己を憎んでいるのなら、その憎しみを果たす為にも自分を殺せと――だが、ロックは首を横に振って、其れは駄目だと言う意を示す。


「確かにアンタの事は大嫌いだった。何で母さんを見捨てたのかって、本気で恨んだよ。
 だけど、死力を尽くして戦って分かった……アンタは母さんを助けなかったんじゃない。助ける事が出来なかったんだ。
 アンタが母さんを助けたら、アンタと母さん、引いては俺との関係が敵対勢力に知られる事になって、最悪の場合人質にされかねないか
 ら、だからアンタは母さんを斬り捨てたんだ――ガキだった俺を守るために。そうだろ、ギース。」


死力を尽くして戦った事で、ロックは図らずともギースがなぜ母を助けなかったのか、その理由を思い至ったらしく、その思いが土壇場で正
気を取り戻させて、ギースの落下を防いだのだ。


「ふ……下らん事を言うな――だが、そう思いたければそう思っているが良い!」


――バッ!!


にも拘らず、ギースは強引にその手を振りほどき、そして地面に向かって落下していく。――こうなっては、もう止める術はない。


「テリーに倒され、知らぬ土地にて蘇り、そして今度は息子によって討たれるか――敗北は好かぬが。こう言う終わり方もまた一興だ。
 だが、此れで良い。此れで良いのだ――忘れるなロックよ!お前は私の血を引き、そして其れはテリー・ボガードによって昇華された!
 お前は何れ、この私も、テリー・ボガードをも超える存在となる!!
 精々足掻いて見せるが良い……地獄の淵で、お前が歩む道を見届けさせて貰うぞ!!フフフ……フハハハハハハハハハハ!!!」

「そんな!!」

「ギーーーーーーーーース!!!」

「ハァーハッハッハッハッハ!!!」



ロックとティアナの叫びをも上回る形で、ギースの高笑いが響き渡り、その身体はミッドチルダの市街地に吸い込まれて行き、数秒の後に
見えなくなった。

悪夢として蘇った悪の帝王は、ミッドチルダの地にて、皮肉にも己の息子の手で、嘗てと同じ結末を辿って終わりを迎えたのだった。








――――――








Side:ティアナ


まさか、こんな事になるなんて……ロック……大丈夫?



「……ったく、最後の最後まで大馬鹿野郎だぜギースは……生きて罪を償う事無く、死を選びやがった――あの大馬鹿野郎が。」

「ロック……」

「まぁ、最後の最後まで大悪党で居ようとしたって事なのかもな――捕まって生き恥を曝す位なら、潔く死を選ぶって所だったのかもな?
 真相は分からないけどさ。
 まぁ、此れでギースは倒したんだから、もう脅威となる物はないから、一気にミッドにあふれたガジェット共を制圧しようぜ?――コイツ等
 が徒党を組むと結構厄介だからな。」



了解、そうしましょうロック。
憎んでいたとは言え、目の前で父親が死を選んでビルからダイブしたって言うのは相当にキツイモノが有る筈なのに、ロックは気にするな
とばかりに何時も通りに振る舞う――無理してるのは分かるけどね。

でも、野暮な事は言わないわ。
OK、ロック!ギースを倒した後は、ガジェットを掃討しましょう?――なのはさんが全力全壊してるから、私達の出番は無いかもしれないけ
ど、なのはさんでも撃ち漏らしは有るだろうから、其れを重点的に狩っていくわよ!!



「了解だ!」

「さぁ、もう一仕事と行きましょうか!!」

そうそう、アンタにはそう言う風に前に向かってる姿の方が似合ってるわよロック。――大丈夫、貴方の事は私が支えてあげるから。
兎に角、ミッドに現れたガジェットと京さんのクローンを倒すわよ!!コイツ等が蔓延ってる限り、ゆりかごを落としてもミッドに平和は訪れな
いからね!!


――この街は渡さないわ、絶対にね!












 To Be Continued…