Side:京
さてと、ヘリから飛び出したはいいが、ガジェット共がウザってぇ事この上ないぜ――単純な戦闘力なら俺達の方が絶対的に上なんだが、
雑兵であっても、圧倒的な物量ならそこそこの戦力になるぜ……まさに数の暴力って奴だ。
実際にガジェット共に阻まれて、ゆりかごへの突入は困難を極めてるからな――だが、此れで俺達を足止めできると思ったら大間違いだ!
「三下は消えてな!裏百弐拾壱式・天叢雲!!」
「消え失せろ!飛竜一閃!!」
「焼き尽くしてやる、ブレネン・クリューガー!!」
「うおらぁ!打っ飛べぇ!!ラケーテンハンマー!!」
「Are you OK?Buster Wolf!!」
俺の天叢雲、シグナムの飛竜一閃、アギトのブレネン・クリューガー、ヴィータのラケーテンハンマー、そしてテリーのバスターウルフが炸裂
して、ガジェット共を鎧袖一触だ。
とは言え、直ぐに補充されるだろうから、この機を逃さずにゆりかごに突入するぞ!!
「うむ、京の言う通りだな。――ゆりかごに乗り込まん事には、どうにもならないからな。」
「一気に突っ込もうぜ!」
「動力炉の破壊はアタシ等に任せとけ――必ずぶっ壊す!!」
「だから、お前等は安心して、ヴィヴィオを助け出して来な――お前さん達なら、出来るだろうからな京、シグナム、アギト。」
言われるまでもなくやってやる――必ずヴィヴィオを奪還してやる!――だから覚悟しときなスカリエッティ!俺の紅蓮の炎が、テメェを呼
んでるからな!!
リリカルなのは×THE KING OF FIGHTERS~紅蓮の炎~ Round35
『最終決戦の序章~龍虎と拳~』
そんな訳で、ガジェットを掃討してゆりかご内部に突入成功だな――外見は、SF映画とかに出て来そうな戦闘宇宙船って感じだったからも
しかしてとは思ってたが、中も大分近未来的だな?
こんなモンが1000年以上前に存在してたってのか……この世界の技術レベルは、俺が居た世界の100年先は行ってそうだ。尤も、内部
に関しては、スカリエッティが改造した可能性も十分あるんだが。
なんにせよ、こんだけの代物の中だ、何処にどんなトラップが張られているか分からねぇから気をつけながら進むとしようぜ。
「OK!途中までは同じ道のりだろうしな――」
――カチッ
……テリー、アンタの足元から物凄く不穏な音が聞こえて来たんだが……若しかして、お約束的に床に仕込まれてたトラップのスイッチを
踏んじまったとかじゃ……
――ヒュー……ズダァァァァァァン!!(目の前5cmにギロチンの刃が落下。)
「!!!!?????」
「お、オイ大丈夫か京!?」
あ、あぁ大丈夫だ……ギリギリで当たらなかったからな……とは言え、流石にビビったけど……(大汗)
床にトラップのスイッチを仕掛けるのは常套手段だし、其れを気付かずに踏んじまったテリーも、まぁ仕方ねぇが、一体なんつーモンを罠とし
て仕掛けてやがるんだスカリエッティの野郎は!!
突入して行き成りこれだと、更にとんでもねぇトラップが仕掛けられてんじゃねぇか?万能地雷グレイモヤとか破壊輪とか奈落の落とし穴と
か洒落にならねぇのが!!
「だから慎重に行こうぜ……間違っても、怪しいスイッチに触ったりは……」
「ん?何だ此れ。」
――ポチッ!
って、行った傍からアギトォォォォォ!見るからに怪しいスイッチ押してんじゃねぇ馬鹿野郎!!
今度は一体どんなトラップが……
――キラーン☆
――ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!(槍の雨)
「「「「「おわぁ!?」」」」」(緊急回避・前:A+B *コマンドはキャラクターが右向き(1P側)の場合)
――ダン!ダン!!ダン!!!(連続釣り天井)
「全力ダッシュだーーー!!」
「「「「おーーーーー!!」」」」(ダッシュ:素早く→→のあと→入れっぱなし)
――此処ですか?(床からの竜巻攻撃。ぶっちゃけゲーニッツのよのかぜ)
「「「「「のわぁ!?」」」」」(緊急回避・後:←+A+B)
はぁ、はぁ、はぁ……な、何とかシステムをフル活用して逃げ切る事が出来たぜ……って、何言ってんだ俺は?トンでもねぇ連続攻撃受け
たせいで、軽く混乱してんな此れは……
其れよりもアギト!怪しいスイッチとかに触るなって言った端から触ってんじゃねぇ!てか、触るだけなら兎も角思いっきり押すんじゃねぇ!
「いや、其れについてはゴメン。
実を言うと、ゆりかごの自爆装置かな~って思ってさ……ゆりかご自体が爆発しちまえば、万事解決すると思ってさ?」
「其れは其れで問題だぞアギト!?
ゆりかごが自爆してしまったらヴィヴィオを助け出す事が出来なくなってしまうではないか!ゆりかご諸共ヴィヴィオを吹き飛ばす気か!」
「あ……その事全然考えてなかった。」
……大丈夫かコイツ?
実力は申し分ないみたいだが、お頭の方が少々足りねぇみたいだな……或は、古代ベルカの時代から存在してたって事だから、色々と劣
化して、残念な事になってるのかもな。
まぁ、アギトのしたことは此れで水を流すとしてだ……水に流すどころが、コイツは逆に褒めるべき事かもな?
トラップを全力回避して辿り着いた先は、俺達が夫々目指す場所への分かれ道だったんだからな。――ご丁寧に『右:聖王の間 左:動力
炉』って札まで張られてたしよ?
てかよ、アホかスカリエッティは?普通内部に案内板とか設置するか?それとも何か、案内板設置しないと自分でも迷うほど複雑な構造を
してんのかゆりかごってのは!!
「……或は、余程自信があるのかも知れんぞ?
ゆりかご起動の鍵である聖王の位置と、起動したゆりかごの動力を司るエンジン部を教えても尚、己が敗北する事は無いと思っているの
かも知れん――お前のクローンの大量生産に、死者の蘇生まで成した事を考えると、ゆりかごもオリジナルより強化されている可能性が
否定できんからな……」
「Crazy Mad Scientistならやりかねないって事か……だが、だとしたら俺達を過小評価し過ぎだな?
この間は結果的に負けちまったが、六課本部には主戦力である隊長陣がNothingだった上に、ギースとルガールがトンデモナイPower U
Pをしてたんだ……そりゃ、六課をぶっ壊す事も出来ただろうが――」
「今度はそうは行かねぇ。
六課全員が最初っから出撃してるし、何よりもアタシ等がゆりかごに突入した上に、市街地の防衛線にはなのはが出張ってんだから、ど
う転んでもスカリエッティに勝ちはねぇ。
億に一つもねぇ事だが、アタシ等が此処でやられちまった時は、なのはがゆりかご撃ち抜いて、そんでゲームセット間違いなしだしな。」
「あの白服サイドテール、ゆりかご落とせんのかよ……人間か?」
「いや、魔王だろ普通に。」
なのはは色々アレだからな……てか、ガジェット共を嬉々として葬って無かったかアイツ?……考えんの止めとこ。
にしても、自信があるってかスカリエッティの野郎は……まぁ、誰しも自信がない状態で何かしようとは思わねぇもんだが、テメェの自信は、
自惚れの過信だって事を教えてやる!
テリー、ヴィータ、動力炉の方は頼むぜ?
「OK!任せな京!!」
「コイツのエンジンはぜってーぶっ壊す!だからお前等も必ずヴィヴィオを取り戻して来いよ!!」
「無論だ、言われるまでもない!!」
ま、そう言う事だからこっちは任せときな!
聖王の間には、ギースかルガールのどっちかが居るかも知れねぇが、そんなモンは蹴散らしてやるからよ!
だが、一つだけ気掛かりなのは、ヴィヴィオ=聖王って事だ――こんだけこの事してくれやがった腐れマッドサイエンティストの事だから、
ヴィヴィオの事も、ギンガ同様にテメェの駒にしてる可能性もゼロじゃねぇ。
そうなったら、ヴィヴィオとも戦わなくちゃならねぇだろうからな……最悪の場合の覚悟だけはしといた方が良さそうだぜ。
「そんじゃまぁ、行くかシグナム!アギト!!」
「うむ!烈火の将と、紅蓮の剣聖、そして草薙の炎……我等の紅蓮の炎の前に敵はない。」
「行こうぜ!スカリエッティをぶっ倒して、旦那にその報告をしないとだしな!」
ゆりかご突入のプロローグは消化して、今度は目的地までの第1幕って所だな。――待ってろよヴィヴィオ、直ぐに助けてやるからよ!!
――――――
Side:庵
ふん……雑魚共が、所詮は群れて戦う事しか出来ん屑か――その程度の力しか持たぬ分際で俺の前に立つな、反吐が出る。それ以前
に、京と同じ姿をしているにも拘らず、その程度の実力しか持たんとは万死に値する。
「遊びは終わりだ!泣け、叫べ、そして死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
――バガァァァァァァァァァァン!!!
ふん、準備運動にもならんな。
此の程度では興醒めも良い所だ……いっその事八酒杯で動きを止めて、纏めてなのはのスターライトブレイカーで殲滅するか?……ミッド
チルダ市街が無事である保証はないがな。
『庵さん、其れやったら、リミッター解除したなのはちゃんと模擬戦10連戦やで?』
「……とは言え、其れは危険が危ないので止めておいてやろう。」
リミッターを解除したなのはとの模擬戦など、命がいくつあっても足りん……生に固執している心算は無いが、アイツとの模擬戦を10回もす
るのならば、ライブハウスで半日休みなしで演奏する方が遥かに楽だからな……
とは言え、此のままで暴れ足りん……さて、如何したものか……ん?
「弩派手に暴れてやがるなぁ赤毛野郎!!オリジナルと戦えないのは不満だが、テメェで満足するとしようじゃねぇかオイ!!」
「貴様は……」
京のクローンの中でも特に強い力を持った、限りなく京に近い力を持ったKUSANAGIか。……態々殺されに出て来るとは、ご苦労な事だ。
如何に最も京に近い力を持っているとは言え、所詮は複製の紛い物に過ぎん――貴様程度では腹も膨れんが、精々糊口となるが良い!
「俺を止める気か?ならば死ね!!」
「灯蛾の如く燃え尽きろ!ビビってのか?あぁ!!?」
誰が貴様程度に恐れを感じるか、冗談も休み休み言えこのクズが。
貴様の他に、完成体の1号と2号も居る様だが、貴様等が束になった所で俺に勝つ事は出来ん――どれだけスカリエッティに強化を施され
ようとも、貴様等では絶対に京を越える事は出来ん。
そして、京を越えられないのならば俺に勝てる道理はない――この世で俺に勝つ事が出来るのは京だけなのだからな?
覚悟は良いな劣化コピー?茜色の炎を蒼く染め、この世から退けてやる……だが、楽には死ねんぞ!精々、俺の前に立った事を悔め!
――――――
Side:ロック
ちぃ、覚悟してはいたが、トンでもねぇ物量だな?……なのはが居なかったら、ミッドチルダは落とされてたのは間違いないぜマジで。
キャロが2体の巨竜を使役してくれてるが、其れでもガジェットと京のクローンの軍団は、面倒だからな……八神の奴が、京のクローンで死
体の山を築いてるのは無視するけどな。
ま、俺は俺のすべきことをするだけだぜ――邪魔だ、道を開けろ!ダブル烈風拳!!
「邪魔よ!ファントムブレイザー!!」
「……ナイスサポートだぜティアナ。
お前は指揮官としても優秀だが、前線に出ても其れなりに戦える――後方での最高指揮官も、現場での隊長もどっちも出来るんじゃない
のかお前?……マジ凄いと思うぜ?」
「兄さんの汚名を返上する為に頑張って来たから、其れが実を結んだのかも……だとしたら、悪い気分じゃないわ。――兄さんが、私の力
を引き出してくれたって言う事も出来るからね。」
確かにそうかもな?……だが、お前は、お前の兄貴にかけられた心無い汚名を返上するのに十分な力を持ってるぜティアナ?
こうして背中を安心して預けられる相手ってのは、テリーと京以外には居なかったし、女の子では初めてだからな――全力でミッドチルダを
護ろうぜティアナ!!
「言われなくてもその心算よロック!!――だけど、その為にはコイツを倒さないといけないんだしょうけど……」
「だな……」
俺達の前に現れたのは、ギースとナンバーズとか言う戦闘奇人――戦闘機人の何人かは、京が戦ったって言う奴等だろうな。外見的な特
徴が一致してるからな。
普通に考えたら、俺達の方が不利だが、そんなモンは如何でも良いぜ。有利不利なんてもんは、戦いの中で二転三転する物だからな。
それ以上に重要なのは、アイツが、ギースが俺の前に現れたって事だ!!
「一度勝ったからって、もう一度ノコノコと俺の前に現れるとはな……まぁ、勝てると思ったからこそなんだろうが、俺をこの前と同じだと思っ
たら大間違いだぜギース!
もう一度、貴様を地獄に叩き落としてやる!!!」
「フッフッフ……Come on!」
余裕かましやがって……その余裕を絶望に変えてやる!!
俺は絶対にアンタを許さねぇ!!助けられたのに、母さんを見捨てたアンタを許さない!!地獄で閻魔に土下座して命乞いしやがれ!!
俺にもアンタの血が流れてるのは否定できないが、俺は其れを否定する!俺とアンタは違うんだからな!……何処までも足掻いてやる!
覚悟しなギース……テリーに変わって、今度は俺がアンタを地獄に叩き落してやるぜ!!
――――――
Side:フェイト
此処がスカリエッティのアジト……ゆりかごに居ると思ったけど、如何やらスカリエッティ本人はアジトに居るみたいだから、必ず此処で確保
しないと――稀代のマッドサイエンティストを取り逃がしたら、逃げた先で何をしでかすか分からないからね。
「貴女の言うとおりねフェイト。
歪んだ野望を持つ者は、何をしでかすか分からない――私の居た世界で、京のクローンを大量に作り上げて世界の覇権を握ろうとしてい
たNESTSも、総帥であるイグニスが京達に討たれた時には、地球諸共破壊しようとしたから。
だから、スカリエッティは此処で討つべきだわ――諸悪の根源は、此処で立つわフェイト。」
「うん……そうだねレオナ!!」
「……その笑顔が出れば大丈夫ね?……貴女の笑顔はとても安心できる……その笑顔、無くさないで。」
ふえぇ!?……そ、そんな事言われたのは初めてだからちょっと照れちゃうよレオナ。
でも、だけど私の笑顔が誰かに安心感を与える事が出来てるのなら、其れは其れで悪い事じゃないのかな?――なのはも言ってたけど『
人を安心させられる笑顔は最強だよ!』って言う事だったからね。
なら行こうかレオナ?私達なら、きっと出来るよ!!――スカリエッティを討つ!!
「任務了解――レオナ・ハイデルン、必ずや任務を遂行します……行くわ。」
「ドライな対応だけど、空が逆に頼りになるよレオナ。」
私達の手でスカリエッティに引導を渡す――私とレオナが貴女の元に辿り着いたその時が、貴方の終わりの時だから、精々首を洗って待っ
ていると良いよスカリエッティ!
黒衣を纏った雷光の死神が貴女の首を狩る――其れは決定事項だからね。
――――――
Side:スバル
覚悟はしてた……してたけど、此れはやっぱりきついモンがあるかな……ギン姉が、こうして敵としてアタシ達の前に現れるって言うのは。
アタシ達の声は多分届かない……どうしたモンだろうねノーヴェ?
「如何したもこうしたもねぇ……倒すしかねぇだろ此れは?
スカリエッティのクソ野郎が再生したんなら、ちょっとやそっとの事じゃ洗脳が解除できるとも思わねぇからな……何とか隙を作って、アタシ
らの最強攻撃でギンガの目を覚ます以外の手はねぇだろ?」
「だよねヤッパリ……」
ギン姉を助け出すには戦うしかないみたい……本気で悪趣味だねスカリエッティは。
でも、割るけどこの戦いは、貴方達の思惑通りにはならない――なぜなら、私とノーヴェは絶対にギン姉を取り戻す為に動いてるからね!
だから、返してもらうよギン姉を。私達のお姉ちゃんを!!
To Be Continued… 
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