Side:はやて
そんな……こんな事有る筈が有らへん……あの子は、リインフォース・アインスは10年前のあの日に、雪の夜空に帰った筈なんやから。
でも、今私の目の前に立っているこの人は、アインスで間違いあらへん……ホンマに、アンタなの?
「貴女が疑うのも無理はありませんが、私は貴女の永遠の従者である夜天の魔導書の管制人格こと、リインフォースです。
貴女から賜ったこの名を再び名乗る時が来るとは思っていませんでしたが、私はこうして此処に居ます――暫く見ないうちに、大きくなり
ましたね、我が主。」
「アレから10年も経っとるんや……そら大きくもなるわ!
でも、何でアンタが此処に……消えた筈やろ?私の反対を押し切って消えた筈なのに、なのにどうして……」
「……非常に腹立たしい事ではありますが、貴女と対立する組織が戦力強化の為に、私を再生したようです。
ですが、私にとっては幸運な事に、再生と同時に目を覚ます事が出来たおかげで、連中の戦闘マシーンにされる前に脱出する事が出来
ました。
故に、この身は今再び貴女の従者となりましょう――何なりと御命令ください、我が主。」
なんとまぁ……もう二度と会えないと思ってただけに、この再会は感無量やで!!此の子を再生してくれた事に関しては、感謝したるでスカ
リエッティ。
でも、其れは其れ――アンタの行いを無視する事は出来へん!!――アインス、最初の命令や!この場に居る機械兵と、複製戦士を撃滅
せよ!!
「御意に……時に我が主、嘗ての小さき勇者は……」
「あっはっは!!その程度の力で私を倒す心算だったの?
無駄無駄無駄ぁ!その程度で私を倒そうなんて、烏滸がましいにも程があるの!――だから、大人しく吹っ飛びやがれなのぉ!」
「なんか、性格変わってませんか?」
「それは、言ったら負けやでアインス。」
なのはちゃんが如何してあぁなったのかは世界の謎やからね。
でも、其れだけにアインスの復活は有り難いで――公式チートのアインスと、成長値がバグってステータスがカンストしとるなのはちゃんが
いれば、どんな敵にも負けるとは思えへんからね。
ほな、一発かまそか!!
リリカルなのは×THE KING OF FIGHTERS~紅蓮の炎~ Round30
『Stormy scream~嵐のサキソフォン4~』
Side:京
へっ、やるじゃねぇかKUSANAGI?
スカリエッティに強化されたとか抜かしてたが、確かにコイツは並の格闘家じゃ勝つのは難しいレベルの力だって言う事は認めてやる…だ
が、俺に勝つにはまだまだ実力不足だぜ?
「喰らえ!ボディが、お留守だぜ?オォォォォォ……喰らいやがれぇ!!」
――轟!!
「此れで満足か、粗悪コピー?」
毒咬み→荒咬み→九傷→七瀬→大蛇薙のコンボは流石に効いただろ?八神ですら、このコンボを喰らったら最悪の場合はKOだったから
な。だから、クローン如きが耐えられる道理はねぇんだよ!
「クソっ垂れが……流石はオリジナルって所か――だが、何で勝てねぇんだオイ!
俺は他のクローンとは違うってのによぉ……気に入らねぇぜ!あぁ、気に入らねぇ!!1号と2号が、テメェの事が嫌いってのも納得だ!」
「テメェ等に好かれようなんざ思ってねぇよ。
まぁ、トドメは刺さないでおいてやるよ。コピーとは言え、テメェにトドメ刺しちまったら自分殺しになっちまうからな。」
俺に勝ちたいなら、修業して出直してきな。データのインストールじゃなくて、テメェ自身で鍛えてな。
其れと、コイツは忠告ってかアドバイスだ。テメェは確かに中々強くなったが、接近戦に持ち込まれると脆いぜ?相手との距離が、ある程度
離れてる場合は、闇払いでの牽制、琴月 陽での奇襲が中々強力だが、近距離戦だと基本技や轟斧位しか技がねぇからな。
後はテメェで考えな――其れと、動けるならさっさと撤退した方が良いぜ?
「フハハハハ……ハ~ッハッハッハ!!キョォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!」
「クローンが大量に現れたせいで、トリップしてる八神が居るからな……殺されちまうぞ?」
「……アイツは確かにヤバそうだぜ……ちっ、今回は俺の負けにしといてやるぜぇオリジナル!だが次は、真っ赤に燃やしてやらぁ!!
と、撤退前にさっきのアドバイスの礼に良い事を教えてやるぜ……テメェの妹、1匹足りねぇみたいだが、何処に行ったんだろうなぁ?」
「……なに?」
妹が1人居ないだと?
スバルとノーヴェは…居た。俺のクローンを倒したみたいだな――少し、複雑な顔してるがな。だが、ギンガは何処だ?何処に行った!?
「この建物には地下が有るらしいじゃねぇか?地下に戦力を転移させて、其処から襲ったらどうなるんだろうなぁ?
もしかしたら、テメェの妹は、其れに気付いて対処しに行ったのかも知れないぜぇ?――だが、果たして1人で行って無事で済むかぁ?」
「テメェ……!」
コイツの口振りからして、新たな戦力が地下から来るのは確実だが、其処にギンガを向かわせるために、ギンガのデバイス『だけ』に敵の
情報を掴ませやがったな?
普通なら無理だろうが、俺のクローンを作ったりルガールを再生するなんて事をするマッドサイエンティストなら、ギンガをピンポイントで狙う
なんてのは朝飯前だろうからな……ちぃ、嫌な予感がするぜ!!
「兄貴?」
「如何したの京兄?」
「ギンガが敵の罠に嵌った!
場所はこの建物の地下らしい……助けて来る!だから、お前等は俺のクローンとガジェットを何とかしてくれ。」
「なら、アタシとスバルも行くぜ兄貴!」
馬鹿言うな!お前達は此処に残れノーヴェ!
八神となのはが色々と凄いとは言え、俺のクローンやガジェット以上の存在が此処に来る可能性は0じゃねぇ――其れこそ、ルガールやギ
ースが現れたら苦戦は必至だ!
お前等は、まだまだ発展途上だが、戦力としては可成り頼りになるんだ……案外お前等2人が抜けた穴ってのは大きいんだよ!!
「ならばその穴は、私達が加入する事で補う事は出来ないモノか京?」
「娘達だけに働かせるのはアレだから、ハッスルしちゃうわよ!」
「シグナム?其れにお袋と……そのちびっこいのは何だ?」
「アギト……誇り高きベルカの騎士から託された私の新たな相棒だ。」
誇り高きベルカの騎士って、お前が戦ってたあのオッサンの事だよな?
其れから託されたって事は、シグナムが勝ったって事だろうが……其れはつまり、あのオッサンは……そう言う事になるんだよな多分?
「……あぁ、屈辱の生に終わりを告げ、誇り高き騎士として最期を迎え、逝った。
本来ならば、手厚く葬るべきなのだろうが、今は亡骸を保管しておく事も出来んし、あのまま放置してしまったらガジェットに回収されて、再
び望まぬ生を与えられる可能性が有ったのでな……私の炎で葬して弔った。」
「遺骨だけは、この戦いで吹き飛ばない様にガードして来たから、後で回収しないとだけれどね。
嘗ての上官であり、恩人の骨位は、ちゃんとした墓地に入れたいもの。
其れは兎も角、私達が加入すれば、スバルとノーヴェの穴は埋められるでしょう?」
あのオッサンも、色々有ったみたいだな。
つーか、お袋の上官だったのかよ、あのオッサン。
まぁ、良いや。
確かにシグナムとお袋が加わるなら、スバルとノーヴェが戦線を離れる穴を補って尚お釣りがくる感じだし、シグナムの新たなちっこい相棒
ってのも、ツヴァイと同等かそれ以上の力を持ってるみてぇだから、多分大丈夫だろ。
「へっ、任せたぜシグナム、お袋、ちびっ子!!」
「うむ、任せておけ京!」
「アタシはちびっ子じゃねぇ!アギトだ!!」
「あらあら♪……其れよりも京君、さっきから私の事『お袋』って……」
こっちの世界じゃ、俺のお袋はアンタだから、何時までも『クイントさん』てのは他人行儀過ぎるだろ?スバルとノーヴェとギンガを呼び捨て
にして、ゲンヤの事は『親父』って呼んでるから余計にな。
……若しかして、嫌だったか?
「嫌な訳ないでしょう?寧ろ嬉しいわよ。
……じゃあ、ギンガの事を頼むわね京。スバルとノーヴェも、お兄ちゃんを確りサポートするのよ?」
「うん!!」
「おう!!」
俺がお袋呼びしたのに対して、君付けなしと来るとは、意外と茶目っ気あるなお袋は。
まぁ、俺も家族から君付けされるのは慣れてねぇから、こっちの方がしっくり来ると言えば来るからな――へへ、少し気合が入って来たぜ!
行くぞスバル、ノーヴェ!!ギンガを助け出す!!
「「了解!!」」
地下に向かってる途中なのか、それとも地下に到着しちまったのかは分からねぇが、無事でいてくれギンガ!
アイツの実力なら、並の相手なら負けねぇだろうが、如何にも嫌な予感がする――此の俺の予感が、杞憂であってくれると嬉しんだがな…
――――――
Side:ロック
本部の方に現れたのは、大量のガジェット。……と、同じく大量の京のクローン。
前に現れた偽物とは違って、学ランじゃなくてツナギタイプのバトルスーツを着てるが、何て言うか同じ顔が此れだけ集まると不気味だな?
俺は事情は知らないが、京のクローンを回収した時もこんな感じだったのかレオナ?
「……こんな感じだった。
尤も、その時は未稼働状態のモノだったから、纏めて処分したけれど、今回は稼働しているから処分も少し面倒になるわ……」
ヤッパリか。
だが、確かに未稼働のクローンと、稼働してるクローンを処分するのは大分勝手が違うよな?
未稼働なら、一カ所に纏めてダイナマイトとかで爆破すりゃお終いだが、稼働してるのは1匹ずつ倒して行かないとならないから面倒な事な
のは間違いないからな。
とは言え、所詮は量産のクローンだから、本物の京には遠く及ばないぜ?
現れたクローン全部が、本物の京と同じ位の強さだったら相当にヤバかったが、量産型のクローン京の強さは、本物の30%程度って所だ
から、ハッキリ言って敵じゃないぜ。
何よりも……
「8時の方向から闇払いが3発、2時の方からガジェットが4体……各自迎撃!!」
「任せて下さい!紫電一閃!!」
「フリード!ヴォルテール!!」
こっちには未完の大器の指揮官であるティアナと竜騎士のエリオ、竜召喚士のキャロが居るし、伝説の狼のテリーと、ハイデルン流暗殺術
の正当後継者であるレオナが居るんだ、負ける筈がねぇ!
加えてヴィヴィオの護衛には最強の防御力を備えたザフィーラと、強固な結界を張れるシャマルが居るから不安もないさ。
「いい加減鬱陶しいぜ!此れでも喰らいな!レイジング……ストォォォォォム!!!」
「Power Geyser!1!2!!Live Wire!!」
「此れで終わり……はぁぁぁぁぁ!!」
――ドガァァァァァァァァァァン!!!
俺のレイジングストーム、テリーのトリプルゲイザー、レオナのVスラッシャーが炸裂して、クローン京とガジェットが弩派手に吹っ飛んだぜ。
力の差は明らかだ、これ以上はお前達が無駄に戦力を磨り潰す事になるから、退く事をお勧めするね。
アンタらの親玉は馬鹿じゃないんだろうから、退き際くらいは弁えてるんだろ?
「弁えているだろうな……尤も、其れが真に退くべき場面であればの話だが……」
「今はぁ、退くべき時ではぬわぁい……貴様等はぁ、ここどぇ朽ち果てるのどぁ!!」
!?
行き成り空から何かが……敵の援軍か!?着地時の砂埃のせいで姿は見えないが……少なくとも1人は、トンでもねぇ奴だ――若本ボイ
スだしな。
だが、もう1人の声も聞き覚えがある……否、忘れろって言われても忘れられるもんじゃないぜこの声は!!
「ふっふっふ……また会ったなテリー・ボガード。そして、久しぶりだな我が息子、ロックよ。」
「矢張り現れやがったな、ギース!そして、ルガール・バーンシュタイン!!」
貴様……良くノコノコと俺の前に現れる事が出来たなギース!
俺の願いを無視し、母さんを見捨てた事を、俺は絶対に忘れねぇ!!母さんを助けるだけの力があったのに、其れを使わずに見殺しにした
アンタの事を、俺は一生許さないぜギース!!
しかも、闇の武器商人だったルガールと一緒とは、尚の事胸糞悪いぜ!
悪魔の手で地獄から蘇ったらしいが、此処はお前等のような亡者がうろついて良い場所じゃないんだ……大人しく地獄に帰りな!!
「ふふふ……断ると言ったら、如何するねロックよ?」
「聞くまでもないだろ?……ぶっ倒して、強制送還するだけの事だ――大体にして、テリーにぶっ倒されたのに復活してんじゃねぇ!!
そして、其れは京に倒されたお前もだ自爆オチ野郎!!」
「ぶるぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「Silent!(黙れ!)」
「私達の前に現れたのならば狩るだけ……覚悟すると良い。」
「そんなに俺に倒されたいなら、望み通りにしてやるぜギース……地獄に送り返してやる!」
「出来るかな、貴様等に?……お手並み拝見と行こう。」
「ムッハァ………さぁ、見るが良い、我ぐぁ力るぁ!!」
ギース、ルガール……俺達の前に現れたのが間違いだったって教えてやるぜ。
復活してドンだけの力を身に付けてるかは知らないが、ボスキャラが復活するってのは、やられ役に降格した証なんだぜ?……少なくとも
日本に行った時に読んだバトル系のコミックでは、此れは覆せない不文律だったからな。
尤も、其れは其れとして、アンタと会えたのは僥倖だったぜギース。
テリーがアンタをぶっ倒した事で、俺の望みは永遠に閉ざされたと思ってたのに、まさか飛ばされた先の異世界でアンタと会うとは思ってな
かったからな……だから、覚悟しろよギース?
「ふっふっふ……Come on。」
「手加減なしだ……限界まで、飛ばすぜ!!」
お前は俺が此処で倒す!!
そして思い知れ、母さんが味わった苦しみを!!――母さんの苦しみと俺の怒り、全て貴様に叩き込んでやるぜギース!覚悟するんだな!
――轟!!
初っ端から、トップギアで行くぜ!!
――――――
Side:京
もうすぐ地下の最深部だな?此れまでの階層に居なかった事を考えると、ギンガは地下の最深部に居ると見て間違いねぇ……ったく、ブリ
ッツキャリバーを使ったとは言っても速過ぎだろ?
「マッハキャリバーを展開したアタシと、ジェットエッジを展開したノーヴェに、普通について来る京兄の脚力に驚きなんだけど……」
「此れについて来るって、ドンだけだよ兄貴……」
へっ、自慢じゃねぇが、元の世界では100m走の高校記録持ってるからな俺は。
つっても、お前等のデバイスに付いてくのは結構難しいから、パワーマックスを発動して、能力を底上げしてるのは否定しないけどな――な
んにしても、次が最深部――其処にギンガが居るのは間違いねぇ!
派手に行くぜスバル、ノーヴェ!!先ずは手始めに、あの扉をブッ飛ばす!!
「「了解!!ディバインバスターーーーーーーーーー!!」」
「コイツで、決まりだ!!」
でもって、スバルとノーヴェのダブルディバインバスターと、俺の百八拾弐式で扉を粉砕!
鋼鉄製の扉も、俺達の前にはビスケット程度の強度しかなかったみてぇだな?文字通りの木っ端微塵になっちまったからな――だが……
「コイツ等、何時の間に現れたっすか!?」
「分からない……だけど、敵なのは間違いない。」
其処に居たのは敵戦力と思われる奴等。
いや、其れだけなら未だいいが……問題は連中が持ってる物――おい、其れは一体なんだ?……血塗れの女性の身体の上半身は…!
「言わないと分からねぇっすか?――此れは、アンタの妹っすよ草薙京!!」
「なん……だと?」
アレがギンガだと?
首から下を殆ど失ったアレがギンガだって?……だとしたら、テメェ等は俺の妹を殺しやがったって事だよな?あんな状態で人が生きられる
筈はねぇからな。
よーく分かったぜ……テメェ等はぶっ倒す相手だってな!!
何よりも、テメェ等は絶対に踏み込んじゃならねぇ領域を土足で荒らしやがったんだ……覚悟は出来てんだろうなオイ!!
絶対に許さねぇ……纏めて消し炭にしてやるぜ!!
精々お祈りでもしてな――草薙の炎が許さないって言った以上、テメェ等の命運は決したと言っても過言じゃねえからな!!
燃やし尽くしてやるから、覚悟しやがれ!!
To Be Continued… 
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