Side:京(地球)
此処は……KOFⅩⅣの会場か?……無事だったのか俺達は?
いや、そんな筈はねぇ……アレは間違いなく次元震だった――其れがあんな至近距離で発生して無事で済む筈がねぇからな……なのに、俺
もテリーもロックも、此処に居るって事は――コイツは『世界が書き換えられた』のかも知れねぇな。
俺達が次元震に巻き込まれた瞬間に、もう一組の俺達がこの世界に作り出されて、この世界から俺達が居なく成らないように辻褄合わせたっ
て訳か……まぁ、オロチの抑止力である草薙と、サウスタウンをギースの支配から解放したテリー、そしてそのギースの血を受け継ぎながらも
テリーの魂を受け継いでるロック……この世界から消えるには、余りもデカすぎる存在だからな。
だが、この事は次元震に巻き込まれた『俺』も知ってる事だから、きっと飛ばされた『俺』がこっちに戻って来る事は無いんだろうな。
まぁ、こっちの事は俺に任せといて、お前はお前で飛ばされた先でうまくやってくれよな?出来る筈だろ、『俺』なんだから――だがまぁ、俺が
飛ばされた以上、コイツも飛ばされてるんだろうけどな。
「茶番は終わったようだな京……死ぬ覚悟は出来たか?」
「ったく、大概テメェも諦めが悪いな八神?けどな、何べんやっても結果は同じだぜ?」
「ほざけ……貴様の全てを灰に変えてやる――血染めの真っ赤な灰にな!」
「言ってな――灰になんのはテメェの方だぜ八神!!」
向こうは向こうで、決着をつけるんだろうが、こっちはこっちで、そろそろケリを付けようじゃねぇか八神?――尤も、テメェの生き甲斐を奪うの
は可哀相だから、負けてやる心算は全くねぇけどな!
んでこの戦い、結果だけを言うなら、引き分けだった――戦いの途中で、オロチの気配を感じ取ったんで、其れを叩きのめしに行ったからな。
……まさか、『俺』が飛ばされた先でも『草薙』の存在理由の為に、オロチが………まぁ、それでも多分何とかなんだろうな。『俺』が居ればな。
リリカルなのは×THE KING OF FIGHTERS~紅蓮の炎~ Round3
『隊長と親父と草薙京と………』
Side:京(ミッドチルダ)
こっちに飛ばされて、スバルと再会して、そんでもって趣味の悪いロボットをフルボッコにして、今は管理局のヘリで移動中なんだが……ちょっ
とくっつき過ぎじゃないかスバル?
「だって、5年ぶりの再会なんだから仕方ないよお兄ちゃん!ギン姉だって、此処に居たら私と同じ事をすると思うよ?
其れに、5年間ずっとお兄ちゃんの無事を信じてたんだから……此れ位しても、罰は当たらないと思うんだけど……ダメかな?」
「……ま、確かに5年てのは長かっただろうから、別に駄目じゃねぇよ――見知った相手の安否が分からないってのは、物凄く不安になるモン
だからな。」
俺も、親父がルガールと共に爆炎の中に消えちまった時には、死んでねぇって思う反面、本当は死んじまったんじゃないかって不安が一杯だ
ったからな……まさか、ルガールに洗脳された状態で現れるとは思ってなかったけどよ。
時にスバル、あの赤毛……ノーヴェって言ったか?アイツはお前の姉妹なのか?髪と目の色が違うけど、基本的な顔の作りは同じだから、無
関係じゃないだろ流石に?
けど、前に俺がこっちに来た時には居なかったよな?
「あぁ、ノーヴェは確かに私の妹なんだけど、お兄ちゃんが消息不明になった後で、お母さんが『連れて来た』んだよ。」
「そうかも知れないとは思ったがヤッパリか!てか、クイントさん的に、家族は『連れて来る』のがデフォなのか!?マジでそうなのかオイ!?」
「其れは、否定できないかなぁ?」
「そりゃ一体如何言う事だ?」
あ~~~……まぁ、別に隠す事でもねぇんだけど、俺は10歳の時にもこっちに来てんだ。
で、その時に次元漂流者として保護されて、クイント・ナカジマって人の保護下に入る事に成ったんだが、クイントさんに連れられてナカジマ家
に行った時が衝撃だったんだよ。
なんせ扉を開けて、そして開口一番『ギンガ、スバル、お兄ちゃん連れて来たわよ♪』だったからな?果たして、兄は連れてくる物なのかって、
思わず心の中で突っ込んじまったからな……其れを踏まえると、ノーヴェの事は思い切り納得しちまうぜ。
まぁ、幾ら何でも戸惑いはあったとは思うけどな?
「戸惑うどころじゃねぇっての……行き成り姉が2人も出来たんだからな。
だけど、今は母さんに保護されてよかったって思えるよ――保護されたおかげで、ギンガとスバルって言う姉が出来たし、それに今は……」
「ん?如何した?」
「な、なんでもねーよ!!」
「?」
変な奴だな――まぁ、良いや。
そんじゃまぁ、管理局に付くまでにお互いに自己紹介と行こうぜ?相手の事を知っておくに越したことはねぇからな?――俺は草薙京。スバル
の反応から分かるかも知れないが、この世界におけるスバルの兄貴分だ。
次元震に巻き込まれてこっちに来ちまった……ま、宜しくな。
んで、こっちの2人が……
「テリー・ボガード。京の格闘仲間って所だ、宜しくな!」
「ロック・ハワードだ……まぁ、宜しく頼むぜ。」
「機動六課、スターズ分隊隊長の高町なのはです。」
「同じく機動六課、ライトニング分隊隊長の、フェイト・T・ハラオウンです。」
「えと、ノーヴェ・ナカジマだ。スバルの……一応妹だ。宜しく。」
「ティアナ・ランスターです。」
「エリオ・モンディアルです。さっきは助かりました。」
「キャロ・ル・ルシエです。其れとこっちが飛竜のフリードです。」
『キュクル~~。』
……あぁ、そう言えば其れのデカくなった奴が居たなさっき。普段は小さい訳か。
にしても、ドラゴンなんてモンが本当に存在してるとはな?何も知らねぇ地球のテレビ局員とかがこの世界に来ちまったら、写真とか動画とかと
りまくって、戻ったらそれ等を使って特番組みそうだぜマッタク。
「にしても、クイントさんが連れて来たなら、スバルと似てるのは他人の空似って事だよな?」
「あ~~~……実はそうじゃないんだよお兄ちゃん。
確かにノーヴェはお母さんが連れて来たんだけど、遺伝子的な事を言うなら私とノーヴェって双子って言える存在なんだ。」
「まぁ、ティアナ達も知ってる事だから隠す事でもねーんだけど、アタシは母さんの遺伝子をクローン培養技術を応用して作られたデザイナーベ
イビーで、何かの実験の被験体だったらしいんだ。
で、アタシが保管されてた研究所に、母さん達がカチコミかけて、研究員全員しょっ引いて、培養ポットの中に居た被験体の中で、唯一生存
してたアタシを保護して、家族にしてくれたんだよ。」
そう言う事だったのか……お前も大変だったんだな。
俺にも覚えがあるが、テメェの身体を色々弄られるってのは、気持ちのいいモンじゃねぇ……ネスツに捕らわれた時は、マジで不快な気分しか
しなかったからな。
おまけに、目が覚めたら覚めたで、辺り一面に『俺』の死骸が転がってたってんだから冗談じゃねぇ――ネスツそのものは打っ潰したとは言え
今思い出しても本気でムカついて来るぜ。
「お兄ちゃん苦労人?」
「自分の死骸って……つまりクローンだろ?……あり得ねぇだろ流石に。」
少なくとも、普通の人生は送ってねぇな。
尤も、そんな事がなくても、日常的に目付きの悪い三白眼の赤毛野郎に『死ね』『殺す』とか言われながら付きまとわれてるからよ……何度倒
しても、懲りずに挑んでくるんだから、ある意味で感心するぜ。
さてと、そろそろ管理局に到着するみたいだな?
見えてきた建物も――10年前とあんまり変わってねぇみたいで安心したぜ。
管理局に到着したら、多分お偉いさんの所に行って、色々と事情聴取みたいなことをするんだろうな。10年前の時もそうだったし。
10年前の時は、厳ついおっさんが取調官で参ったぜ……あまりにも高圧的に言葉発するモンだから、クイントさんがフルボッコにした上で取
調官を強制交代させたからな――まぁ、クイントさんがやらなかったら、俺がブチ切れて派手に燃やしてたろうけど。
今回はあのおっさんみてぇのは勘弁願いたいぜ。ま、此の部隊の面子を見る限り、大丈夫だとは思うけどな。
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んで、ヘリから降りて、今はなのはとフェイトに連れられて機動六課の部隊長さんにして総司令様の元へと向かってる訳だ。
スバル達は別室で待機って事に成ったが……結局スバルは、ヘリから降りるその時まで俺から離れなかったな。まぁ、別に迷惑でもないし、5
年ぶりに再会した兄貴分に甘えたい気持ちってのも分からないじゃねぇからな。
だが、思った以上に『成長』してたのには驚いたぜ。――んで如何したロック、なんか緊張してねぇか?
「そりゃするぜ……スバル達は、ほたると同じかそれより年下だったから兎も角、今は俺よりも年上の女しか居ないだろ?
どうしても緊張しちまうんだよ……大分慣れてきたとはいえ、ヤッパリ女は苦手だぜ……」
「え?ロック君、女の人が苦手なの?」
「あ~~……其れは大体俺のせいだな。
俺と一緒に世界中飛び回ってたんだが、基本野郎の中でしか生活した事がなかったから、ちょいと女性に対しての免疫が低くてな……同世
代か、其れよりも下なら大丈夫なんだが、自分よりも年上の女性は苦手みたいなんだ。」
その辺りも直さないとだよなロックは……キングのチームと当たった時は、結局俺とテリーで戦う事に成ったしな。
で、此処が隊長室か。
「着きました、此方です。」
なのはが開けてくれた扉の向こうには、茶髪のショートヘアーの女性が居た。
って、まさかコイツが部隊長で総司令!?――冗談だろ?幾ら何でも若すぎるだろ此れは!てっきりハイデルン位の歳の奴が出て来ると思っ
てたから、此れは驚きだぜ。
多分歳は俺と同じか、少し下位だろうが、それで総司令なんて役職についてるとは恐れ入るぜ――よっぽど優秀なんだなコイツは。
「ようこそ機動六課へ。私が、機動六課の部隊長にして総司令の、八神はやてです。」
「「「!!!」」」
「如何しました?なんや、驚いてるみたいですけど……」
「そりゃまあ……」
「驚くよな……八神姓には……」
初対面で悪いんだが、総司令さん、アンタ親戚筋に目付きの悪い三白眼の赤毛バンドマンは居ないよな?……いや、いない筈だよな絶対!
此処は異世界なんだ、まさかアイツの親戚が居る筈がねぇ!!
「目付きの悪い三白眼の赤毛……其れって、庵さんの事かいな?」
「!!」
その、まさかだった!?
まさかと思うが、アンタ八神庵の血縁者なのか!?
「あ~~、ちゃうちゃう。名字は同じやけど、血縁関係は無いで?
今から10年前やったかなぁ?行き成り家の庭先に男の子が現れて、そんで色々あって一緒に暮らしとったんよ5年ほどな――5年前に、元
の世界に戻ったんやけどね。
出会った当初は物静かやったんやけど、歳を重ねるごとに言動が荒くなって凶暴化して、遂に15歳の時に重度の厨二病発症してもうたから
ねぇ?……髪の毛真っ赤に染めて、青い炎て、厨二丸出しやん。」
……まさか、野郎が俺と同じ時期に、こっちに来てたとはな――トコトン、俺と八神の因縁は繋がってるって事か。
だが、そうなると八神がこっちに来てる可能性は十分にある――と言うか、間違いなくこっちに来てやがるだろうな……まぁ、喧嘩吹っかけて
来たら相手になってやるだけだけどよ。
「なんや、あの人色々やってるみたいやなぁ……まぁ、今は其れはおいとこ。
先ずは、お礼を言わせて下さい。私の部隊の子達を助けてくれておおきに……状況を聞く限り、貴方達が来てくれなかったら、フォワードの
子達は全滅してたかも知れへんからね。」
「礼を言われるような事はしてねぇよ――妹を助けるのは、兄貴として当然の事だしな。」
「ヒーローってのは、無償で働くもんだろ?」
「誰かを助けるのに理由は要らないだろ?……少なくとも俺は、テリーからそう教わったぜ。」
「そうかも知れへんけど、それでもや。」
分かった、ならどういたしましてと言っておくぜ。あぁ、其れと巻き込んだ事への謝罪は要らねぇからな?寧ろ進んであのポンコツに挑んだのは
俺達の方だからよ。
其れよりも、俺達に聞きたい事があるんだろ?俺達としても、アンタ等に聞きたい事があるからな。
最低限、俺達が今どんな状況にあるのかって事位は把握しておきたいからな。
「其れに付いては……」
『マイスター、到着したです。』
「ツヴァイ……お通しして。」
『はいです。』
何だ?外部と連絡を取ってたみたいだが……誰かお偉いさんでも到着したのかよ?
しかも、お通ししてって事は、ソイツは此の部屋に来るって事だよな?……一体誰が来るってんだよ?悪いが、厄介事は御免だぜ?それと、
偉そうな奴との対面もな。
「おう、邪魔するぜ八神の嬢ちゃん。」
「待ってましたで、師匠♪」
って、入って来たのは……アンタだったのか、ゲンヤの親父――!!!
「さてと……お前さん――『京』だな?」
まさか、アンタが出て来るとは思わなかったぜ。
5年間、俺を保護してくれた家の『親父』で、スバルの親父――ナカジマ家の大黒柱『ゲンヤ・ナカジマ』……俺にとっては、親父以上の『親父』
が、其処に居た。
ま、元気そうで安心したぜ『親父殿』。
――――――
Side:ゲンヤ
八神の嬢ちゃんから連絡を貰って、んでもって本局に来てみたら驚いたぜ――5年前に行方不明になった『長男』が其処に居たんだからな。
背も可成り伸びて、顔つきも大人になってたが、だからと言って見間違い様はねぇ……コイツは間違いなく草薙京だ。
5年間、一緒に暮らしたナカジマ家の長男だ……其れは自信を持って言えるぜ。
「アンタ……ゲンヤのオヤジか?」
「オウよ……お前さんは『京』だな?」
まさか、こんな形で再会する事に成るとは思ってなかったが、お前さんが生きてたって事だけでも充分だぜ京――またお前さんと会えたって事
に関しては、運命ってのに感謝だな。
もう一度会えるとは思ってなかったが、こうして再会できたのは嬉しいこった。――クイントにも、京が生きてたって事を教えてやらないとだな。
何にしても、よく戻って来たな京――歓迎するぜ。
To Be Continued… 
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