Side:はやて


ふむ……『彼女』からの情報によると、奴さんは『オロチ』のクローニングを行ってるみたいやね?其れのみならず、トンでもない危険人物をも
再生したみたいやから、此れは油断できへん――って、思うのが普通なんやろうな。

だけど、なんぼクローンオロチが居たとしても、六課にはオロチをブッ飛ばした草薙と八尺瓊の末裔が居るんやで?――オロチの高レベルク
ローンを持ってきた所で京さんと庵さんに撃滅されてKOやろ?場合によっては、レオナちゃんも加わるやろうからね。
再生したトンでない奴かて、六課のフォワードとロック君とテリーさんが出張れば何とかなるやろうし、万が一の場合が起きた時でも、最終的
になのはちゃんが出撃すれば、ドーン!で、終わるからなぁ?……何か負ける気が全然せんわ此れ。

時にシグナム、京さんと出来てるってホンマなん?



「ぶふっ!!あ、主はやて、一体何処からその様な不確定かつゴシップ上等な情報を手に入れているのですか!?」

「まぁ、其処は顔が広い事を生かして色々とな?
 せやけどシグナム、1週間前に京さんを飲みに誘って以来、週3で京さんを飲みに誘ってるのは既にネタが上がって居るんやから、大人しく
 白状せいや!!」

「何を誤解しているのかは分かり兼ねますが、私も草薙も、酒の飲み方は心得ていますから、前後不覚になるまで飲む事はありませんよ?
 まぁ、草薙が思いのほかフェミニストで、私を自宅まで送ってくれる事はありましたけれど、それ以上の事はマッタクもってありません!!!」



え~~?そうなん?……其れは其れで、ちょう問題やないかなぁ?
京さんが、物凄い理性の持ち主だったとしても、男やったらほろ酔いのシグナムを『お持ち帰り』しない選択肢はあり得へんて!いや、滅茶苦
茶な偏見が入ってるのは否定せんけどね?

京さんはめっちゃ強いから、シグナムが一目置くんは当然やけど、シグナムは京さんの強さにだけ惹かれとる訳やないのは間違いないで?
本人が気づいてないだけでな?

此れは、今度の六課の全体休日に、京さんとの距離を縮めて貰おかな?――此れは、面白い事になりそうや!!











リリカルなのは×THE KING OF FIGHTERS~紅蓮の炎~ Round20
『Present Holiday~六課の休日~』











Side:ノーヴェ


くあ~~~~、明日は六課全員がお休みか~~~!ったく、身体が凝ってしょうがねぇな。
ティアナの一件が収束して以降、六課の訓練は今まで通りの厳しさを残しながらも、なのはさんが訓練中も訓練後も色々と助言してくれる事
が増えたな。まぁ、そのお陰で厳しさに見合ったレベルアップを実感出来るってモンだけどな。

その効果を発揮する意味でも、今回の休みは有り難いモンだ!!



「それで、明日はアタシはティアとロックさんと出掛けるんだけど――ノーヴェは京兄と一緒に過ごしてね?」

「って、ちょっと待てえぇぇぇ!!
 何でアタシが京と一緒に過ごさないとならねぇんだよ!?京の事は家族として好きだけど、ぶっちゃけどう接して良いか分からねぇってのに、
 そのミッションは難易度が高いだろ!アタシに死ねっつってんのかオイ!」

「大丈夫だよ、ノーヴェなら何とかなるって思ってるから♪」



身も蓋もねぇなオイ!?
訓練校時代から分かって事だが、アタシの姉ながら、スバルの脳味噌はお花畑になってんじゃねぇだろうな?……いや、間違いないく特定の
状況下では、コイツの頭の中はお花畑になってる。きっと蝶も舞ってる、絶対にそうだ。
それにしても、京と出掛けるか……スバルやギンガと違って、アタシは京の事あんまり知らないから、京の事を知る良い機会かもな。

「ま、良いか。
 アタシも京の事を『兄貴』って呼ぼうと思ったんだけど、中々踏み出せないで居たから、此れを期に、京の事を『兄貴』って呼んでやる!!」

「おー、頑張ってねノーヴェ!!」



おー!って、何を頑張るんだ、何を。……あ、京の事を『兄貴』って呼べるように頑張るのか。
何にしても、先ずは京に明日一緒に出掛ける約束取りつけないとな?……下手したら、あの赤毛野郎が京に『明日は俺と戦え!』とか言いか
ねねぇし。

この時間だと、多分ロビーで一服してるよな?
何時もこの時間は、大抵そうだからなぁ。……母さんに『煙草は身体に悪い』って言われても『分かってるけど、止められねぇって。』って言い
ながら吸ってるんだもんな。
1日5本程度だから、重度の喫煙者じゃねぇけどさ。

と、居た居た。思った通り、ロビーで一服してた。おーい、京!



「草薙。」

「ん?如何したノーヴェ、其れにシグナムも。」



と、シグナムさんも京に用があったんですか?――まさかとは思いますけど、明日の休日、京と一緒に出掛けようと思ったとかじゃないですよ
ねぇ?



「!?……ノーヴェ、ちょっとこっちに来い。悪いが少しばかりお前の妹を借りるぞ草薙。」

「ん?あぁ、別に良いぜ?てか、俺に何か用があったんじゃないのかお前等?」

「確かに用はあったんだけど、其れはちょいと待っててくれ京。
 如何やらシグナムさんが、アタシと話したい事があるみたいだからさ?――此れはアレだ、女子だけの会議って奴だから京は気にしないで
 くれ。つーか気にしないでくれると助かるマジで。」

「そう言われると気にするなってのが無理なんだが、人の内緒話を聞くって言う悪趣味はねぇから安心しな。
 終わったら改めて声かけてくれ。」

「分かった、そうする。」

そんでシグナムさん、まさかマジで京を明日誘う心算だったんですか?



「私はその心算は無かったのだが、主はやてに『明日は京さんと出掛けるように。出掛けて京さんとの距離を縮めて来るようにな?因みに主
 命令やから拒否権無いで♪』と言われてしまってな。
 まぁ、私自身草薙と出掛けるのは悪くないと思うので、其れを遂行する事にしたのだ……もしも、やらなかったら、主から一体どんな罰を喰ら
 うか分かった物ではないからな。――所詮はイタズラの延長的なモノとは言え、結構堪える物があるからな主の罰は。」

「其れじゃあしょうがないっすね……まぁ、アタシも似たようなもんですけど。
 スバルに明日は京とお出掛けするように言われちまいましたから――アタシと京の兄妹としての距離を縮めてこいって事なんでしょうけど。」

「つまり、お互いに譲れる状況ではない訳か。
 ……ならば、明日はいっその事3人で出掛けるか?其れならば、私もお前も目的は果たせるだろうし、草薙もどちらか一方だけを選ぶと言う
 事をしなくて済むだろう?」



其れが一番すねシグナムさん。
つー訳で京、待たせたな。



「別に、煙草1本も吸い終わってないさ。
 んで、2人とも何の用だったんだ?」

「「京(草薙)、明日アタシ(私)と出掛けないか?」」

「明日?あぁ、休日だからか。
 なんだ、2人共俺と出掛けようと思ってて、誘いに来た所で鉢合わせになっちまって、そんでどうするかを相談してたって事か?」

「あ、あぁそんな所だ。
 2人一緒ならば、どちらか1人だけを選ばなくてもいいだろう?」

「確かにな。
 紅丸なら『どっちかを選ぶなんて出来ないな。だから2人一緒にどうだい。』ってな事を言うんだろうが、俺はそう言うキャラじゃねぇからな。」



ぶはっ、気障なセリフ!
聞いてる方が恥ずかしくなるっての……京の話でしか知らないからアレだけど、その紅丸ってのはきっと相当な誑しなんだろうな。
まぁ、其れは其れとして、明日はアタシとシグナムさんと一緒に出掛けるって言う事で良いか京?他に予定が入ってるってんなら無理にとは
言わないけどさ。



「いや、適当にツーリングでも行こうかと考えてたくらいだから大丈夫だ。
 寧ろ、お前達と先に予定が入ってて良かったぜ?先に予定が入ってれば、八神が何か言ってきても断る理由があるからな――つーか、正
 式に六課隊員になった事で、連日のようにバトルしてるってのに、休日までアイツと戦いたくはねぇっての。」

「連日僅差で負けながらも、諦めずに挑む庵の不屈の精神には恐れ入るがな。」

「いや、アイツの場合は不屈じゃなくて只の執念だろ。」



確かに。
そう言えば、京以外の京の世界から来た人達はどう過ごすんだろ?ロックはスバルとティアナと出掛けるらしいけど……其れについては何か
聞いてる京?



「テリーは、エリオとキャロと出掛けるらしいぜ?何でもフェイトに頼まれたんだと。
 レオナは何をするか知らねぇが、八神の奴は市街地のライブハウスに出没するかもな?あの野郎は、バンドマンとしても超一流だからな。」



へ~~、意外だな。アイツは只の危険人物かと思ってた。
そんじゃあ京、明日はそう言う事で!10時に、此のロビーに集合って事で如何かな?シグナムさんも其れで良いっすかね?



「あぁ、構わん。」

「10時な、了解したぜ。
 偶の休日なんだ、明日は思い切り楽しむとしようぜ2人とも。」

「オウよ!」

「至言だな草薙。」



スバルの思い付きから決まった京とのお出掛け。
シグナムさんも一緒にって言う予想外の展開になっちまったけど、ある意味で嬉しい誤算だったかな?京と二人きりだったら、変に緊張しちま
って、休日を楽しむ所じゃなかっただろうからな。

取り敢えず、明日のお出掛けプランを練るか。
多分だけど、京もシグナムさんもノープランだろうからな……スバル達と出掛ける時を基準に、其れをマイナーチェンジして考えるとすっか。








――――――








Side:京


さてと、服装は此れで良いか。
同デザインの服がこっちでも売ってるとは思わなかったが、此れを持ってたネスツの構成員は良いセンスしてると思うぜマジで。ネスツから
脱走する際にパクらせて貰ったが、結局そのあとは自分の物として着てたからなこのデザインの服は。

後は持ち物だが、財布よし、身分証明書よし、スマホよし。煙草は……今日はやめとくか。シグナムはあんまり煙草の煙が好きじゃないみた
いだったしな。

んでロビーだが、何だよノーヴェもシグナムももう居たのか?
5分前を考えて来たんだが、其れより早く来てたとは、若しかして待たせちまったか?



「いや、大丈夫だ草薙。
 思いのほか支度に手間取ってしまったので全速力で来たら10分前だっただけだ。」

「そんで、アタシは今来たとこだ。」



そうか?なら良かったぜ。
にしても、ノーヴェもシグナムも結構お洒落して来たな?
ノーヴェは七分丈のジーパンに黒のTシャツと、赤の袖なしベストって言うカジュアルマニッシュで、シグナムはロングスカートの部分にスリット
の入ったノースリーブのワンピースのウェスト部分を幅広のベルトで絞めて丈の短い上着を羽織ったクールなコーディネート(イメージは劇場
版アインスの騎士服の赤色バージョン+丈の短い白のジージャン)か。
2人ともよく似合ってると思うぜ?



「そう言って貰えると嬉しいかな?
 つってもお洒落には無頓着だから、スバルに色々聞きながら此れに決定したんだけど、案外センスは悪くなかったみたいだなうん。」

「こう言う事には慣れてないので苦労したが、その甲斐はあったようだな。
 だが草薙、お前の服装も中々良いと思うぞ?
 ブルージーンズに、十字模様の黒のインナーに、白のジャケットと言うのは何時もとは違っていて新鮮だ。腰のチェーンも普段とはデザイン
 が異なるからな。」



ま、何時もと同じじゃつまらねぇと思ったからな。
だが、そう言って貰えると嬉しいぜ?――そんで、先ずは何処に行く?俺はミッドの土地勘はねぇから、お前等に任せるしかねぇんだけどよ?



「其れについては任せてくれ京。
 多分そうなんじゃないかって思って、昨日の内にプランを練ってたんだ。午前中は、中心部の総合複合商業ビルで適当にウィンドウショッピ
 ングして、其の後でカラオケ。昼飯はカラオケ内のスナックで済ませて、午後はボーリング、バッティングセンター、ビリヤードの3番勝負。
 3番勝負の総合で最下位が、その日の晩飯奢るって事で。」

「お前、ガッツリ考えて来たんだな?……まぁ、それで行くか。お前も良いかシグナム?」

「うむ、異論はない。――だが午後の三番勝負は負けられんな?
 奢るのは吝かではないが、だからと言って負けるのは騎士の名折れ……絶対に負けんからな草薙、ノーヴェ!!」



俺だって負ける心算はねぇよ?
ま、其処までガチになるモンでもねぇから、適当に遊ばせて貰うけどよ――まぁ、俺としては、カラオケでシグナムが何を歌うのっかってのが興
味あるけどな。

そんじゃあまぁ、出掛けるとしようぜ!



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・



そんな訳で始まったノーヴェとシグナムとのお出掛けなんだが、コイツは予想以上に楽しいモンだな?
共通話題で『格闘技』ってのがあったのが大きいと思うんだが、ノーヴェは草薙流の事を色々聞いて来てくれたし、シグナムも草薙流には興
味があったみたいだから、取り敢えず話題には事欠かなかったから。

ウィンドウショッピングも、適当に店を冷やかしながら、服の試着とかするのは楽しかったからな。
尤も、服屋でゴシックロリータにコーディネートされたシグナムと、ギャル風にコーディネートされたノーヴェには思わず吹き出しちまったけど。
いや、似合ってなくはなかったけど、余りにも意外過ぎたからな。

んで、シルバーアクセサリ専門ショップでは、今日の記念て言う事で、お揃いのウォレットチェーンを購入して、更にはオプションで名前も入れ
て貰ってな。こいつは、良い宝物になるぜ。


そんなウィンドウショッピングを楽しんだ後で、今はカラオケの真最中だ。
ドリンクバー付けてのフリータイムで、適当に軽食頼んで、ちょっとしたパーティって感じだな此れは。――取り敢えず俺を含めて、この面子は
唐揚げにレモンは掛けない派だって言う事が分かったぜ。

にしても、ノーヴェもシグナムも意外と歌うまいな?
ボーイッシュな感じだから、あんまりそっちには明るくないだろうと持ってたノーヴェは、ガッチリとミッドで大人気のアイドル歌手の歌で高得点
叩きだしてたからな。



「あ~あ~~……津軽海峡、冬景色~~~~!!」



……シグナムが演歌派だってのは意外だったけどな。
でも、其れでも本業じゃないのかって位に巧いからな?今の『津軽海峡冬景色』も全国ランキングぶっちぎりの99点だしな。



「ふぅ、矢張り演歌は良いな。心に響く。
 時に草薙、お前も歌わないか?さっきから、私とノーヴェばかり歌っているからな……お前の歌をそろそろ聞きたいのだがな?」

「賛成!アタシも京の歌聞きたい!!」

「俺の歌か……まぁ、そう来るよな?
 OK、聞かせてやるぜ!」

取り敢えずデンモクを操作して……って、なんでこの曲がミッドのカラオケ店に有るんだ?
いや、俺がこっちに来たから、世界の修正力が働いてコイツがこの世界に追加されたのか?……だが、それならそれで問題ないぜ!この曲
は俺の持ち歌。って言うか、俺の歌だからな!

其れじゃ行くぜ?We are just Peace of the earth……All right?



「「おーーーーー!!!!」」



行くぜ!!


太陽が、陰るほど  熱く激しく燃えてる、情~熱!
限界に、期待する 俺は何を乗り越えて行ける?
Just The Piece of The Earth 訳もなく転がるだけ!Piece of The Earth永遠より遠い場所へ~!
込み上げる思い、終わりが見えな~~い……この胸に…


悔しさを、飲み込んで 苦く突き抜ける痛み、覚え~た。
足元の、石ころは 何時かデカくなる君と俺さ!
Just The Piece of The Earth ジタバタと転がるだけ!Piece of The Earth1人じゃない気付いたなら~~。
ちっぽけな未来は、潰すために有る……この腕で


Just The Piece of The Earth 訳もなく転がるだけ!Piece of The Earth永遠より遠い場所へ~!
込み上げる思い、終わりが見えな~~い……Just The!
Piece of The Earth ジタバタと転がるだけ!Piece of The Earth1人じゃない気付いたなら~~。
ちっぽけな未来は、潰すために有る……この腕で~~~!!




得点は……99点か。
本日の最高得点にして、此の歌での全国ランキングトップって所だ!――へへ、燃えたろ?



「ま、まさか兄貴が此処までの歌唱力を持ってたとは思わなかったぜ……格闘家としてじゃなく、歌手としても食ってけるだろ兄貴は。」

「うむ、見事な歌唱力だったぞ京。まさか、全国最高得点をたたき出すとは思わなかったからな。」



ま、趣味でバンドもやってたから歌に関しては自信があるぜ?――こっちに関しては、流石に本職の八神には負けちまうけどな。
って、ノーヴェ、お前いま俺の事『兄貴』つったか?其れにシグナムも、俺の事『京』って呼んだよな?



「あ、つい勢いで……だ、駄目だったか?」

「私も勢いで名前で呼んでしまったな。
 私が誰かを名前で呼ぶ事はあまりないのだが、お前に限っては主以外で名前を呼んでいいかも知れんな?庵は、八神だと主と被るからだ
 ったから名前呼びにしていたが、其れはあくまでも形式の上での事だ。
 名を呼んでも良いと思ったのはお前が初めてだ京。これからも、お前の事を京と呼んで構わんか?」



ダメな訳ないだろ?
名字で呼ばれるよりも京って呼ばれる方が慣れてるし、ノーヴェも俺の事を兄貴って呼びたいならそうすりゃいい。拒否する理由もねぇしな。
寧ろ、そっちの方が俺としては嬉しいぜ?



「なら、此れからは兄貴って呼ばせて貰うな♪」

「では、私も京と呼ばせて貰おう。」



そうしてくれ。
さっと、まだまだ頼んだ軽食は沢山あるから、適当につまみながら歌おうぜ?折角のフリータイムなんだから、歌わないと損てモンだからな?



「では私が歌おう。リクエストは有るか?」

「じゃあ、石川さゆりの『天城越え』で。」

「任せろ、十八番だ!」



マジか!?
こう言っちゃなんだが、シグナムは演歌歌手としてデビューしても生計立てられたんじゃないか?そう思っちまう位に、演歌は激うまだったか
らな。


だが、其れは其れとして妙な胸騒ぎがするな?
オロチ擬きが動くって訳じゃねぇだろうが、言いようのない物を感じるぜ………何か、大きな事が起こる――多分、間違いはねぇだろうな。








――――――








Side:???


はぁ、はぁ……も、もう少し、もう少しで外に出られる。
外に出る事が出来れば私は……あう!


――ドタンーーン!


く……痛い……痛いよ。でも、私は外に行かなきゃダメ……このままじゃ、何れ追い付かれて殺される――そうなる前に外に……外に出なき
ゃならない――でも、私の力じゃそれも……ダメ、もう力が入らない。


――ドタン


誰か、助けて………ママ……









 To Be Continued…