フレイの転属はイチカ(とタバネ)の一手で阻止したが、ムウとナタルの転属は変える事が出来なかったのでアラスカ基地にてムウとナタルは此れまで苦楽を共にしたアークエンジェルから降りる事になってしまった。
其れだけならば軍令なので受け入れる事が出来たのだが、続いてアークエンジェルには所属転換命令が言い渡され、此れまでの第八艦隊所属からアラスカ本部の守備隊に移行すると言う事が告げられていた。
宇宙艦を地上部隊本部の守備隊に所属換えと言う、通常ならば有り得ない所属転換に対してアークエンジェルのクルー達は不審に思っていた。


「フラガ少佐が転属になった事でアークエンジェルはイチカ君とビャクシキしか出撃出来ない状態であるのに本部の守備隊に移行……そもそもにして宇宙艦のアークエンジェルと何故地上部隊に……本部の意図が読めないわね?」

「アークエンジェルだけならまだ苦しいが説明は出来る。
 アークエンジェルは単純な宇宙艦ってだけじゃなく大気圏内での単独飛行能力、水中&海中への潜水能力を備え、ビーム兵器も実弾兵器も両方搭載されてる万能艦だ。
 トップが戦死した事で事実上瓦解した第八艦隊所属にしておくよりも自分の手元に置いておきたいって考えるのは、まぁ分からなくもないさ。
 だが、其のアークエンジェルに俺が居る事を考えると此の所属転換は有り得ん。
 俺は連合の正規兵じゃなくてオーブからの出向でアークエンジェルに乗ってる訳で、ビャクシキだってオーブのモビルスーツだ――もしも俺が死んだり、ビャクシキが修理不能なほどにぶっ壊れる事になっちまったら連合はオーブに対しての賠償を行わなきゃならないだけじゃなく、オーブとの関係も悪くなって『プラントに加担はしないが連合からの要請は一切受け付けない』なんて事にもなり兼ねない。
 只でさえ切り札だった試作モビルスーツを強奪されて、PS装甲とモビルスーツ用のビーム兵器の技術がプラントに流れちまった状況でオーブからの技術提供が受けられなくなるってのは致命的だろ?ストライクの稼働データだけで新たなモビルスーツを作るのは限界がある訳だからな。」

「私が引っ掛かっていたのも正に其処なのよイチカ君。
 そして君だけでなく、フレイさん達もアークエンジェルのクルーであるとは言っても元はオーブのコロニーの学生であり、アラスカ基地も其れは知っている筈。
 其れなのに、民間人の協力者を乗せているアークエンジェルをアラスカ基地の守備隊にと言うのは解せない――アラスカ基地までの逃走劇は仕方ないとしても、通常民間人協力者は前線には出さないモノなのよ。」


可能性として万能艦であるアークエンジェルを自分の手元に置いておきたいと言うアラスカ本部の思惑は分からなくもないのだが、オーブから出港しているイチカと、同じくオーブのコロニーの学生であるフレイ達がアークエンジェルに乗っている事を考えると、此の所属転換は矢張り解せないモノがあった。
万が一、オーブの軍人と国民を死なせる事態となったら、連合はオーブに対して多額の賠償を行うのは不可避であり、最悪の場合は『オーブは中立の立場を貫きながらも連合には一切関わらない』と言うスタンスを取る事も考えられるからだ。


「正に意味が分からねぇんだが、かと言って何かあればタバネさんから俺のスマホに何らかの連絡が来る筈だから、其れがないって事は其れほど気にしなくても良いって事なのかもしれないけど……な~んか嫌な予感がするんだよな?
 具体的に言うと、マリメのトロールコースで頭上に思わせぶりなハテナブロックがある時と同じレベルで……」

「え~と、良く分からないのだけど、其れはつまり如何言う事なのかしら?」

「ハテナブロックを叩いたら高確率で死ぬ。そして出て来るのは高確率で……サカナ!ハナ!!ムキブツー!!」

「それって詰んでないかしら?」

「つってもあくまでも俺の勘だから、其処まで気にする事でもないのかもしれないけどな。
 ……いや、もう一つの可能性としてはカタナとディアッカ、ザフト兵の捕虜をアークエンジェル預かりにしたのは、アークエンジェルをアラスカ本部の守備隊にして、いざと言う時は捕虜を人質にザフトの攻撃を止める心算ってのがあるかもしれないな?」

「その可能性も確かにあったわね……尤も、相手が其れを信じてくれなければ効果は無いのだけれど。」


だからと言って今のアークエンジェルには現状をどうする事も出来ないので、アラスカ基地に次の命令があるまで待機する事になったのだった。
そしてその間にイチカはまたしても釣りを行い、1m越えのアラスカサーモン、通称『キングサーモン』を五匹釣り上げて、身は頭ごと燻製にし、オスの白子は身と同様に燻製にして、メスの卵は育っていたモノはイクラに、まだ育ち切っていなかったモノは筋子に加工し、アークエンジェルの保存食となるのだった。










機動戦士ガンダムSEED INFINITY PHASE33
『眼差しの先~The name of the new sword is freedom~』










其の一方でザフトは、地球の基地の戦力、海中の潜水艦、更には宇宙の軌道衛星上に戦力が続々と集結を完了しつつあった。
前プラント最高評議会の議長であった『シーゲル・クライン』を暗殺して新たに最高評議会の議長となったアスランの父、『パトリック・ザラ』は此度の戦争を終わらせるべく、地球連合に対しての一斉攻撃『オペレーション・スピットブレイク』の発動に踏み切ったのだ。
連合の主要基地に対して総攻撃を行って大ダメージを与え、連合の戦力を大幅に削った上で停戦協定に踏み切って、プラントにとって有利な条件で戦争を終結させるのが目的であるだけに、此の作戦には実にザフトの戦力の半分が投入されていたのである。


「当作戦の目的地は……アラスカ基地とする!」


更にプラントは、オペレーション・スピットブレイクの目的地が当初の予定であるパナマではなくアラスカ基地である事を告げる――パトリックは当初は予定通りパナマを攻める心算だったのだが、数日前に個人のアドレスに届いたメールに『狙い目はパナマじゃなくてアラスカ。信じるかどうかは君次第』と記されており、パトリックは妖しいと思ったモノの、第六感が『此のメールは無視できない』と告げた事もあって、目標をパナマからアラスカへと切り替えたのだった。


「そうそう、其れが正解。
 お前はプラント最高評議会の議長になってご満悦かも知れないけど、私からしたらイッ君とカタちゃんが平和な未来を得るための踏み台に過ぎねぇんだよ。
 其の為にもお前には後世に名を残す悪になってもらうよ……連合の黒幕と一緒にね。」


そのメールの送り主であるタバネは、モニターに映るパトリックの様を見て仄暗い笑みを浮かべていたのだった。









――――――








ザフトのオペレーション・スピットブレイクの対象となったアラスカ基地は……アークエンジェルを残してもぬけの殻となっていた。
アークエンジェルがアラスカ基地の守備隊に所属転換がされてから僅か数時間の間に、アラスカ基地の面々はアークエンジェルのクルーに気付かれる事なくアラスカ基地から居なくなっていたのだ。


「誰もいない?コイツは……」


そんなアラスカ基地に転属命令を無視して戻って来たムウは無人となったアラスカ基地を不審に思っていたのだが……


「こんなところで貴様と出会うとは、此れもまた運命か!」

「お前はクルーゼ!ザフトの白服がこんなところで何をしている!」


此処でムウは無人と化したアラスカ基地に潜入していたラウ・ル・クルーゼと遭遇し、其処から激しい銃撃戦が展開され、ムウもラウも互いに物陰に身を潜ませながら銃を撃ち、互いに決定打を与えられない状況の中、ラウは其の場を離脱して基地の別の場所に向かい、ムウもまたラウを逃した事を悔やみつつも基地内を移動していた。

そしてムウとの銃撃戦から離脱したラウは、アラスカ基地の地下にあるある独房へとやって来ると、其の独房のカギを拳銃で破壊し、その扉を開ける。
其の独房内には、両手足を鎖付きの手錠と足枷で拘束された少女が存在していた。


「……誰だ?」

「私の名はラウ・ル・クルーゼ。
 ザフト軍所属の兵士だ……君は、『マドカ・オリムラ』で間違いないかな?」


其の少女はラウが言った事を聞くと一様に驚いた素振りを見せ、鎖で拘束されているにも拘らず、動ける範囲で可能な限りラウと距離を取った上で其の身を自ら抱き抱える状態となってしまった。


「ザフトの兵士が、私に一体何の用だ!」

「なに、私も君と同じ存在なのでね、私と共に世界を壊さないかと、その提案に来たのだよ……君が『イチカ・オリムラ君』のドナー兼スペアとして誕生したのと同じく、私もまた『○○・〇・○○〇』のクローンとして誕生したのだが、クローン故に人よりも寿命が短い。
 私も君も、オリジナルのスペアとして生み出された存在だ……ならばせめて、其の存在意義を世界に示しても罰は当たるまい……君もイチカ君に思いの丈をぶつける権利があるからね。」

「其れはつまり私がイチカと戦う事が出来るかもしれないと言う事か?……其れは願ってもない事だ……良いだろう、貴様の提案を受けてやる。」


其れでもその少女――マドカは最終的にはラウから提示された条件を飲み込んでラウと共に行動する事になった……そして独房から出る際に僅かな明かりで照らされたマドカの顔は、男女の差はあれど、『イチカが女性だったらこんな感じなのかもしれない』と思うほどにイチカと瓜二つのモノであったのだった。

同じ頃、ラウとの銃撃戦から離脱したムウはアラスカ基地の地下に辿り着き、其処でとんでもないモノを目にしていた。
アラスカ基地の地下には、巨大な『人口マイクロ波発生装置』である『サイクロプス』が存在していたのだ――『人口マイクロ波発生装置』は言うなれば『超巨大な電子レンジ』であり、此れが発動したら、アラスカ基地は基地諸共周囲を巻き込んでの自爆攻撃を行い、サイクロプス周辺に居た人間は超強力な人口マイクロ波によって『殻のまま電子レンジで加熱した生卵』と同じ運命を辿って人生を終える事になるだろう。


「アラスカ基地に誰もいなかったのは、此処は意図的に放棄されたからか……って事はアークエンジェルはザフトを引き寄せるための餌にされたって事か!
 だとしたら拙い……此処にザフトが攻撃を仕掛けて来たらオーブの坊主しかモビルスーツパイロットが居ないアークエンジェルじゃ流石に凌ぎ切れねぇ!
 クソッ、せめてモビルアーマー一機でも残っていてくれよ……!」


アラスカ基地がアークエンジェルだけを残してもぬけの殻になっていたのは、アラスカ基地を放棄してサイクロプスを起動してアークエンジェル諸共ザフトの部隊を壊滅させる事が目的だったのだ。
実はアラスカ基地には極秘情報として『ザフトがアラスカ基地に一斉攻撃を仕掛けようとしている』との情報が入っており、その情報元は連合がプラントに潜伏させていた斥候からのモノだったので信頼性が高く、アラスカ基地のサザーランドは逆にザフトの大部隊を返り討ちにしてやろうと考え、タイミングよくアラスカ基地にやって来たアークエンジェルをザフトへの囮兼餌としてアラスカ基地の守備隊に所属変換をしたのだった。

その事実を知ったムウは、アラスカ基地内に使える機体が一機でも残っていないかと奔走するのだった。








――――――








ムウとラウがアラスカ基地で邂逅した直後、ザフトは『オペレーション・スピットブレイク』を発動し、大部隊がアラスカ基地へと攻め込み、攻撃を開始した。
其れに対しアラスカ基地の守備隊となったアークエンジェルも海上から飛び立ち、主砲のビーム砲『ゴッドフリート』、電磁レールガン『ヴァリアント』、ミサイルポッドと、搭載された武装を展開して迎え撃つも、戦艦とモビルスーツでは機動力に大きな差があり、更には戦艦側がモビルスーツを撃墜するのが『動き回る小型の的』を狙うのに対し、モビルスーツから戦艦への攻撃は『動きの遅い大きな的に当てる』と言う圧倒的な優位性の差があるのだ。


「キラもフラガの旦那も居ない、俺一人の状況でこの数を相手にしろってのは中々の無理ゲーなんだが、無理ゲーはクリアした時の達成感がハンパねぇ。
 だったらやってやるぜ……無理ゲー攻略も俺の趣味なんでな!」

『ビャクシキ発進スタンバイ。ストライカーパックは『オオタカ』を装備し、追加装備としてゲイボルグを装備します。
 進路クリア。ビャクシキ、発進どうぞ。』


「イチカ・オリムラ。ビャクシキ、行くぜ!」


此処でアークエンジェルからオオタカパックを装備したビャクシキが出撃してザフト軍に対抗する。
オオタカに搭載されている武装は『高エネルギービームキャノン』と『電磁リニアランチャー』で、其れ自体は射撃戦の武装なのだが、オオタカは高機動用のブースターとスラスターも搭載されており、ビャクシキ本体には双刃型のビームサーベル『雪片』とビームライフルの『ヒャクライ』が標準装備として搭載されているので、オオタカビャクシキは『あらゆる距離で戦える万能機』と言えるのだ。
加えて今回はヘリオポリスで回収した電磁リニアバズーカの『ゲイボルグ』も装備している――ゲイボルグは実弾兵器なのでPS装甲には無力なのだが、ザフトのモビルスーツは連合から強奪した機体以外にはPS装甲が搭載されていないので有効である上に、機体の消費エネルギーも抑える事が出来るので可成り良い装備と言えるだろう。


「大天使を簡単に落とせると思うなよ!」


出撃したビャクシキは雪片を展開すると近くに居た数体のジンを次々と斬り裂いて戦闘不能にすると、マルチロックオンを発動して、オオタカの高エネルギービームキャノン、電磁リニアランチャー、本体装備のヒャクライとゲイボルグを一斉に放つフルバーストでザフトのモビルスーツを沈黙させて行く――オーブ製のビャクシキの性能の高さは恐るべきだ。


「機体エネルギーが有限だと、フルバーストは回数制限があるのがキツイよな。」


とは言っても機体エネルギーが有限である以上はフルバーストのような攻撃を多用する事は出来ないので、結局は一対一を何度も繰り返すのが最適解であり、同時に多勢に無勢の状況は変わらないのだった。
加えてムウのスカイグラスパーによるバックパックの換装も行えないのでエネルギー補給も簡単ではない……圧倒的に不利な戦闘をアークエンジェル側は強いられる事を余儀なくされていたのだ。


「まぁ、泣き言言っても事態が好転する訳じゃないから、やるしかないよな!」


ビャクシキは左手にゲイボルグを持つと右手で『雪片』を双刃状態で展開してザフトの部隊に斬り込んで行き、雪片による斬撃とゲイボルグによる射撃でザフト部隊の主力である『ジン』を撃破して行くのだった。
其れでも圧倒的な数の暴力はアークエンジェルに少しずつだが確実にダメージを与えていた。








――――――








プラントのクライン邸で療養を続けて居たキラは驚異的な回復を見せ、身体の傷はほぼ完治した状態となっていた。
同時にクライン邸での穏やかな日々はキラの精神にも良い影響を与えたようで、『戦う意味』を見出す事は出来ずとも、『戦う意思』はキラの中で芽生え始めていた。
そんな中でクライン邸に、最高評議会のクライン派の人物からラクスに『オペレーション・スピットブレイクが発動され、地球のアラスカ基地が攻撃された』との情報が齎された――と同時に地球にいるクライン派の人物からは『アラスカ基地ではアークエンジェルが孤軍奮闘している』との情報も入って来た。
そして其れは勿論キラも聞く事になった。


「アークエンジェルが……なら、僕は行かないと。」

「キラ……此処に居れば戦わずに済みます。ですが、戦場に戻るのですか?……貴方は何故戦うのです?」

「大切なモノを守りたい……だけじゃない。
 僕が何故戦うのか、其れは分からないけど……此処で戦わなかったら僕はきっと一生後悔する……仲間を守る為、僕が戦う意味を見出す為にも、僕はアラスカに行かなきゃならない。」

「そう、ですか……分かりました。ならば私は貴方にあるモノを託します……着替えて付いて来て下さいキラ。」


此処でアラスカに向かう事を迷わずに決めたキラに、ラクスは何かを決意すると、使用人に何かを持ってこさせてキラに渡す。
其れはザフトの赤服の軍服と帽子……ラクスはキラに其れに着替えるように言うと、キラをどこかへと連れて行く――そうして辿り着いたのはザフトの基地のモビルスーツ格納庫だった。
格納庫には警備の兵もいたのだが、ラクスの姿を見るとアッサリと内部へと通した――パトリックが新たな最高評議会の議長になったとは言え、ラクスは『平和の歌姫』として派閥を問わずにプラントでの支持を得ているので、ラクスが来たとなれば無条件で格納庫内部に入れたとしても不思議ではないのだ。
そしてそのラクスと共にやって来たザフト軍兵士も『ラクスの護衛』と言う事で共に格納庫内部に入る事は容易だった。

そうして格納庫を進んで行くと、その先にはあるモビルスーツが姿を現した。
ツインアイと額のブレードアンテナが特徴的な其の機体はキラには馴染み深いモノであった。


「此れは……ガンダム?」

「少し違います。
 此れは『ZGMF X-10A フリーダム』です……ですがガンダムの方が強そうですわね――そしてこの機体にはNジャマーキャンセラーが搭載されています。
 ザラ議長は、核の力を使う事を決めたのです。」


其れはザフトが開発した最新鋭のモビルスーツである『フリーダム』。
ヘリオポリスで強奪した五機の『G兵器』から得たデータを最大限に利用し、PS装甲とモビルスーツ用のビーム兵器、そしてコーディネーターにとっては禁断とも言える核の力を搭載していた。
現在の地球圏にはザフトによって打ち込まれた『ニュートロンジャマー』の影響で核の力を使う事が出来なくなってしまっているのだが、プラントはニュートロンジャマーを無力化出来る『ニュートロンジャマーキャンセラー』、通称『Nジャマーキャンセラー』を開発しており、其れを使う事でモビルスーツにエネルギー切れのない『核エンジン』を搭載する事が可能になっていたのだ。


「思いだけでも、力だけでもダメなのです。
 だから、キラの願いに、行きたいと思う場所に、此れは不要ですか?」

「いや、今の僕には一番必要なモノだったかもしれない……ありがとう。……君は、誰?」

「ラクス・クラインですわ、キラ・ヤマト。」


核エンジン搭載のモビルスーツの性能は相当なモノであるのだが、キラは其れを受け取る事にした――改めてラクスに名を聞いたのは、自分の中での区切りをつける意味があったのだろう。
そしてキラはザフトの赤服のパイロットスーツに着替えるとフリーダムに乗り込み、機体を起動する。


――ピピ

・Generation
・Unsubdued
・Nuclear
・Drive
・Assault
・Module

――G・U・N・D・A・M



機体が起動するとPS装甲も起動してフリーダムは白を基調としたカラーリングに変わる。
更にフリーダムに繋がっていたケーブルもパージされ、同時に格納庫の複数層になっている天井が開き、其処からフリーダムが飛び立つ事が出来るようになっていた。


「思いだけでも、力だけでも……!」


キラはそう呟くとフリーダムのブースターを全開にして格納庫から飛び出して宇宙空間へ出る。
だが、フリーダムが格納庫から出たと言う事は直ぐにプラントも察知してフリーダムを止めるために二機のジンが現れてフリーダムを攻撃して来たのだが、フリーダムは其の攻撃を悉く回避するとビームサーベルを抜くと、擦れ違いざまにジンの頭部を切り落として戦闘不能にする。
そして其のままフリーダムは地球に向かい――


「アレは……?」


新型を受領する為にプラントに向かっていたアスランの乗るシャトルとすれ違っていた。
ともあれ、新たな剣を得たキラは仲間と恋人の窮地を救うために地球に向かうのだった――!











 To Be Continued