補給と改修を終えたアークエンジェルはオーブを発つ事になり、オーブのドッグにはカガリやエリカをはじめとした多くの人間が集まっていた――中立国として出来る事を最大限に行ったが故に、アークエンジェルには特別な思いがあったのだろう。
エリカは個人的に量産機である『M1アストレイ』のOSを開発して『ナチュラルでもコーディネーターでも操縦出来る最強クラスの量産機』にしてくれたキラには感謝とやり過ぎちゃったかなとの両方の思いがあるようだが。
「キラ、イチカ、如何か無事でいてくれ。
本音を言えば私も一緒に行きたいのだがお父様に『戦争の根を学べ』と言われてしまってな、一緒に行く事は出来ないんだ――レジスタンスに参加した事で戦争の事を知った気になっていたが、まだまだ私は知らない事の方が多いと言う事を学んだからな。」
「カガリ……うん、其れが良いと思う。
オーブの代表首長の一人娘が戦場に出るって言うのも如何かと思うからね。」
「俺もキラも早々簡単には死なねぇから安心しろよカガリ……新しいストライカーパックもあるから戦力は少しだけ強化されたからな――本音を言うなら何人かオーブ軍から連れて行きたいんだが、其れは流石に無理だからな。」
「お前の連合への出向と言うのも可成りギリギリのラインではあるからな……イチカもキラも、そしてアークエンジェルの皆が無事で居る事を祈っている。」
カガリはイチカとキラ、そしてアークエンジェルのクルーと別れ際の抱擁を交わすと、其れに続いてオーブ軍を代表してやって来ていたクラリッサがイチカに何かを手渡した。
其れは『安全祈願』のお守りであり、クラリッサは言外にイチカに『生きて帰ってこい』と伝えていたのだった。
「……その心遣いに感謝しますハルフォーフ一尉。
無事に帰ってきた其の時は、一緒に映画でも見に行きましょうか?ハルフォーフ一尉の大好きなアニメ映画とかどうです?」
「其れは実に魅力的な提案ではあるが……其れはある意味で死亡フラグではないかオリムラ三尉?」
「あ~~、其れなら心配ご無用ですわ。俺って究極のフラグクラッシャーって軍内であだ名されてた事あるんで。種類は問わずにあらゆるフラグを圧し折る俺にとっては死亡フラグなんぞ問題じゃないんですわ。」
「其れは……ある意味で頼もしい……のか?」
イチカとクラリッサの遣り取りは少しばかり微妙な感じになってしまったが、出港準備を整えたアークエンジェルはオーブ軍艦隊のカモフラージュを受けてオーブから出港して行った。
そして同じ頃、アスラン率いるザラ隊は、オーブの領海の外で網を張って待ち構えていた。
「イチカ、ビャクシキ……うふふ、今度こそ逃がさないわ♪」
「カタナがこえぇ……おーい、なんとかしろイザーク。」
「ディアッカ、何故俺に言う!此処は隊長であるアスランに言うべきだろう!と言う訳で何とかしろアスラン!」
「何とかしろと言われてもな……あの状態のカタナを何とか出来ると思うか?」
「思わん!」
五機のモビルスーツは何時でも出撃る状態になってはいたが、イチカがビャクシキのパイロットである事を知ったカタナは此れまで以上にビャクシキに対しての執着心が増しており、イザークはおろかザラ隊の隊長であるアスランですらも声を掛けるのを躊躇う状態となっていた。
「ビャクシキは私が相手をするから……邪魔したら、分かってるわよね?」
「「「「イエス、マム!!」」」」
取り敢えずビャクシキはカタナに任せる事にして、アスランとニコルとイザークとディアッカは、オーブ領海から出たアークエンジェルを落とす事に集中するのだった。
機動戦士ガンダムSEED INFINITY PHASE28
『さだめの楔~運命と宿命と必然~』
オーブを出港して直ぐに、イチカはスマートフォンである人物に連絡を入れていた。
連絡相手はオーブでジャンク屋を営んでいる、自称『宇宙一のジャンク屋』である『ロウ・ギュール』だ――イチカとロウはプライベートでの付き合いがあり、其の繋がりでオーブ軍にロウ製のモビルスーツ用の装備が提供された事もあるのだ。
『もしもーし。お前が連絡入れて来るとは珍しいなイチカ?』
「久しぶりだなロウの旦那。少しばかり聞きたい事があったんでね。
単刀直入に聞くけど、セブンソードストライカーってロウの旦那が開発に携わってたりする?」
『如何してそう思うんだ?』
「シュベルトゲベール、両腕の追加アーマーに搭載されてるビームブレード、ストライカーパックに搭載されてる二本のビームサーベル、肩部の追加アーマーに搭載されてるビームショートブレードだけなら兎も角として、セブンソードストライカーには『モビルスーツ用の刀』が搭載されてたからさ。
前に店に行ったときにロウの旦那が自慢げに見せてくれた『モビルスーツ用の刀』がな。」
『おぉっと、そいつに気付いたか。
確かに俺はセブンソードストライカーパックの開発には携わってるが、あくまでも俺がやったのはモビルスーツ用の刀の製造ノウハウの提供だけだ。
因みに、其の刀は『クラウド・オブ・ヘブン』って名前だ。』
「和訳すると『天の叢雲』か……大層な名前だが、其れだけに斬れ味には自信ありか?」
『俺のレッドフレームの『ガーベラストレート』に負けないレベルでの斬れ味を約束するぜ――少なくともPS化されてない装甲なら何でも斬れる筈だ。』
「そりゃ凄いな……取り敢えず、コイツを作ってくれた事には礼を言うぜロウの旦那。俺もキラも、戦術の選択肢が増えたからな。」
『なら結構だが……死ぬなよ、イチカ?』
「其れに付いては大丈夫だロウの旦那……俺は死神には見放されてるだろうからな――ガキの頃に海に落ちて岩に頭ごっつんこしても、自転車で転んだところに車が突っ込んで来ても、有休消化で訪れたヘリオポリスでザフトのモビルスーツ強奪現場に居合わせてもこうして生きてんだからな。
寧ろ俺を殺す事が出来るならやってみろって感じだぜ。」
『お前、本気で不死身だな。』
「まぁな……とりあえず聞きたい事は聞けたから、またなロウの旦那。」
新たにアークエンジェルに搬入された『セブンソードストライカーパック』で一際目を引く『日本刀型の武装』が気になってイチカはロウに連絡を入れたのだが、イチカの予想通り、セブンソードストライカーパックにはロウが一枚噛んでいたのだった。
とは言え、刀型の武装はPS装甲には無力であるが、PS装甲以外であれば如何なる装甲をも切り裂く事が出来るので、PS装甲に対して使用した場合は機体のエネルギーを大きく削る事が出来るだろう。
そんなこんなでアークエンジェルは無事にオーブの領海から出たのだが――
――ビー!ビー!
此処で艦内に『コンディションレッド』の警報が鳴り響いた。理由は単純明快――オーブの領海を出たところでザフトのザラ隊が仕掛けて来たのだ。
そして、この警報を聞いたイチカとキラは即座にパイロットスーツに着替えるとドッグルームに向かって夫々のモビルスーツに搭乗すると、カタパルトに移動して出撃準備を整える。
『ストライク発進スタンバイ。
ストライカーパックはライトニングを装備します。進路クリア。ストライク、発進どうぞ。』
「キラ・ヤマト。ストライク、行きます!」
『続いて、ビャクシキ発進スタンバイ。
バックパックはセブンソードを装備します。進路クリア。ビャクシキ、発進どうぞ。』
「イチカ・オリムラ。ビャクシキ、行くぜ!」
アークエンジェルからイチカのビャクシキとキラのストライクが新たなストライカーパックを装備して出撃し、其れに続いてムウとトールのもスカイグラスパーで出撃する。
ムウのスカイグラスパーにはオオタカが、トールのスカイグラスパーにはソードストライカーが装備されているので、この二機のスカイグラスパーは単純な戦力の他にビャクシキとストライクのエネルギー補給の役目も有しているのだ。
ビャクシキもストライクもバックパックの換装によってエネルギー補充が出来る機体なので、戦場に於いてはストライカーパックを搭載して戦う事の出来る支援機の存在は必須なのだ。
「うふふ、会いたかった……会いたかったわ……抱きしめたいわねビャクシキィィィィィィ!!」
「グラディエーター……そして此の感じ、パイロットはカタナか?
だとしたら俺に執着してる相手が美少女だって事にちょっとばかし安堵しましたとさ!むさっ苦しいオッサンや、ある意味で性別超越生物の『おネエ』に執着されてたんだとしたら堪ったもんじゃないからな!」
そして出撃したビャクシキには速攻でグラディエーターが仕掛けて来た。
セブンソードストライカーを装備したビャクシキと、ミスティストライカーを装備したグラディエーターは互いに近接戦闘特化型なので戦いは凄まじい斬り合いに発展して、シュベルトゲベールとクラウド・オブ・ヘブンの大剣二刀流のビャクシキに、グラディエーターもミステリアス・レイディの大剣二刀流で応戦する。
ミステリアス・レイディは大剣とは言ってもモビルスーツの三分の二ほどの大きさなのだがシュベルトゲベールとクラウド・オブ・ヘブンはモビルスーツ以上の大きさがあるので、其れで二刀流を熟すイチカの操縦技術は相当に高いと言えるだろう。
一方でキラは、高機動射撃型のライトニングストライカーを装備してザラ隊のメンバーと遣り合っていた。
砲撃特化のランチャーストライカーならば少しばかり分が悪かったかもしれないが、ライトニングストライカーはランチャーストライカーほどの火力が無い代わりに機動力があり、大気圏内での飛行能力も得られるので、支援機なしには飛行能力を得られないザラ隊のモビルスーツ相手には機動力で有利が取れていたのだ。
ブリッツはミラージュコロイドステルスを使用しているのか姿が見えないが、其れは逆に言うなら『グゥル』による飛行能力を有していないとも言えるので、空中戦を行っている限りは脅威にはなりえないだろう。
如何に姿が見えなくとも、攻撃が地上からしか来ないと分かっていれば其処まで恐れる相手でもないのだから。
「ムウさん、トール、先ずはイージス、デュエル、バスターの支援機の破壊を。彼等から飛行能力を奪って制空権を取る!」
『数で負けてるなら状況で有利を取るってか……悪くない案だぜ坊主!』
『簡単じゃないけど、やってみるよキラ。』
此処でキラは先ずはザラ隊から飛行能力を奪うと言う手段に出た。
支援機である『グゥル』を破壊してしまえば、ザラ隊で飛行能力を有しているのはストライカーパックを装備したグラディエーターとイージスのみとなり、更にイージスの飛行能力はモビルアーマー形態限定なので制空権を取る事が出来るのだ。
キラはイージス、ムウはデュエル、トールはバスターに向かい、グゥルを狙って攻撃を行う。
ライトニングストライカーのメイン武装であるビームランチャーと、ムウのスカイグラスパーに搭載されたランチャーストライカーのアグニの高威力ビームは触れただけでも大ダメージとなるので、イージスとデュエルのグゥルは思った以上にアッサリと破壊出来たのだが、ソードストライカーを搭載したトールのスカイグラスパーはバスター相手にやや苦戦する展開に。
「なら、此れでどうだ!」
「うぉぉ!?」
其れでもトールは擦れ違いざまに機体を急転回させてシュベルトゲベールの実体剣部分でバスターのグゥルを破壊して飛行能力を奪って見せた――此の咄嗟の判断力、トールもまた非凡の才の持ち主と言えるだろう。
だが飛行能力を奪われたからと言って其れで終わるザラ隊のメンバーではない。
アスランはイージスをモビルアーマー形態にするとストライクに向かい、デュエルとバスターは地上からの射撃と砲撃でイージスを支援すると同時に、ブリッツもミラージュコロイドステルスで姿を隠した状態で支援を行う。
其れに対してキラはイージスと遣り合い、ムウとトールは空からの攻撃で地上の相手を牽制して何方も一歩も譲らない展開となっている。
そして其れはイチカとカタナもだ。
「おぉぉぉらぁぁぁぁ!!」
「せぇぇぇい!!」
大剣二刀流同士の戦いは巨大な刀剣が火花を散らし、剣戟の合間には体術も混ざる――PS装甲には体術攻撃は無力なのだが、其れでも機体エネルギーを削る事は出来るので決して無駄な攻撃ではないのだ。
イチカとカタナは完全なタイマン状態となっている反面、キラの方は目まぐるしく相手が変わる戦いになり、しかし制空権を取っているキラの方が有利を戦闘に進めていたのだが、飛行と射撃によって機体エネルギーが半分を切る状態となっていた。
飛行しながらの戦闘ならばエールストライカーでも行っているのだが、ライトニングストライカーに搭載されている専用のビームライフルはエールストライカー装備時に使用するビームライフルよりも高威力長射程でありながら連射性能も有しているのだが、その分消費エネルギーも大きいのだ。
「機体エネルギーが半分を切ったか……PS装甲の為のエネルギーを考えるとこの辺で補給した方が良いかな?トール!」
『あぁ、受け取れキラ!』
此処でキラはライトニングストライカーをパージすると、トール機がパージしたソードストライカーに換装し、逆にトールはライトニングストライカーをスカイグラスパーで受け取り、一度アークエンジェルに帰還して行った。
ソードストライカーに換装した事で飛行能力を失ったが、ムウのスカイグラスパーは戦場に残っているので制空権を失ったとは言えず、キラはムウから空からの支援を受けてザラ隊のメンバーに近接戦闘を仕掛けて行く。
先ずキラが狙ったのはデュエルだった。
グゥルを装備して飛行していた際はデュエルも其れなりに機敏に動いていたのだが、グゥルを破壊されて飛行能力を失った後は、追加装甲である『アサルト・シュラウド』の重量が仇となり、目に見えて動きが悪くなっていたのだ――アサルト・シュラウドをパージすれば機動力は確保出来るのだが、其れを行うと武装が貧弱になると言う弱点がある為、イザークはアサルト・シュラウドを簡単にパージする事が出来なかった。
窮地に陥ったデュエルをカバーするようにバスターが割って入って来たが、バスターは近距離武装を一切搭載していないので此処に割り込んでくるのは悪手である――逆に言えば機体相性が不利であってもディアッカは仲間の窮地に黙ってられる性格ではないと言う事なのだが。
「此れで、どうだぁ!!」
状況的には二対一になったモノの、ストライクはシュベルトゲベールでデュエルの右腕を斬り落とすと、バスターを蹴り飛ばしてダメージを与える――此の蹴りを受けたバスターは機体の燃費の悪さも相まってPSダウン状態なり、右腕を失ったデュエルと共に撤退する事となった。
そして此処からはストライクとイージス、つまりキラとアスランの直接対決が幕を開けた。
「く……更に腕を上げているだと?」
「アスラン……君が立ち塞がると言うのなら、僕は……!」
嘗ての親友同士の戦いは熾烈を極め、正に一進一退の攻防が繰り広げられる。
近接戦闘型のソードストライカーではあるが、其のメイン武装のシュベルトゲベールはその大きさ故に取り回しが良いとは言えず、逆にイージスはビームサーベルが腕部と一体型になっているので近接戦闘での取り回しでは勝る。
しかしキラはシュベルトゲベールの攻撃の隙の大きさをビームブーメランの『マイダスメッサー』をビームショートブレードとして使用する事で補い、正に拮抗した戦いとなっていたのだ。
一方でイチカとカタナの戦いは、拮抗していた近距離戦から一転してイチカが優勢となっていた。
と言うのも、一度アークエンジェルに戻ったトールが、今度はビャクシキの専用装備である『オオタカ』を装備して出撃してビャクシキの装備をセブンソードストライカーから換装してエネルギー補給を行ったからだ。
エネルギーが補給されたビャクシキは、雪片を双刃式で展開するとバトン運動でミステリアス・レイディ二刀流に対処し、至近距離からの電磁リニアランチャーを喰らわせて、遂にグラディエーターをPSダウンに追い込み、其のままストライクとイージスが戦っている孤島に蹴り落とし、自身も孤島に着陸する。
そしてビャクシキから降りたイチカは、岩壁に横たわるグラディエーターによじ登ると、コックピットをノックし、カタナは其れに応えてコックピットを開く――此の状況での抵抗は良くないと考えたのだろう。
「……投降してくれるよな、カタナ?」
「えぇ、そうさせて貰うわ、イチカ。」
拳銃を向けて来たイチカに対して、カタナは大人しく投降するとビャクシキのコックピットに連れて行かれ、イチカはカタナと共にビャクシキに乗り込むと、グラディエーターを回収してアークエンジェルへと戻って行った。
「ミリィ、此のお客様丁重にもてなしてくれ。」
「はいはーい。イチカはまた出撃?」
「相棒が戦ってるのに、俺だけお疲れ様とは行かないからな。」
カタナをミリアリアに任せたイチカは再出撃すると、ビームが発射された場所からミラージュコロイドステルスを展開したブリッツの位置を割り出して雪片を一閃する――其の攻撃はコックピットは直撃しなかったが、ブリッツの右腕を斬り落とすに至っていた。
ビャクシキの攻撃を受けたブリッツは、『もうステルスは意味がない』と判断してミラージュコロイドステルスを解除してPS装甲を起動し、斬り落とされた右腕のトリケロスからランサーダートを左手で引き抜くと其れでビャクシキと戦おうとする。
本来ならば撤退するのが正しいのだろうが、此の場で撤退したら戦場にはアスランだけが残る事になるので、其れは避けたかったのだろう。
そのアスランも、キラとの激しい戦闘の末に遂にイージスがPSダウンを起こしてしまった。
PS装甲はアクティブ状態ならば物理攻撃を無効にし、ビーム攻撃に対してもノーマル装甲と比べると高い防御力を有しているが、ディアクティブ状態での防御力はノーマル装甲以下なので、PSダウン状態になると言うのは文字通りの命取りなのだ。
そんなイージスにストライクは斬りかかったのだが、其処にブリッツが割って入った――アスランを守るために、ニコルが自らを盾にしたのだ。
「!!」
突然の事にキラは驚いたが、ストライクは既に攻撃モーションに入っていたので急な操作でそれを止める事は出来ず、シュベルトゲベールの一撃はブリッツのコックピットに炸裂した。
「アスラン……僕は……少しでも役に立ったかな?」
そして無情にもシュベルトゲベールはブリッツのコックピットを斬り裂き、コックピットごと両断されたブリッツは直後に爆発四散し、戦場の藻屑と化した。
「ニコル……ニコルーーーー!!」
直後にイージスには撤退したイザークから『状況が悪過ぎるから一度戻れ』との通信が入った事で、アスランは戦場から離脱し、イチカとキラ、ムウとトールもアークエンジェルへと帰還したのだが、此度の戦闘でキラとアスランの関係には決定的な楔が打ち込まれた――打ち込まれてしまったのだった。
To Be Continued 
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