――オーブ連合首長国 首都 オロファト
現オーブ代表首長であるカガリは、執務室にて現在の世界情勢と、オーブが如何動くべきかを考えていた。
「以上がファウンデーションのアウラ女帝からの申し出だ。プラントにも同じモノが届いていると思うが……」
「かの国は、ミケールの所在を正確に掴んでいるようです……この情報は非常に貴重なモノではないかと思いますが?」
「そうかも知れないがトーヤ、物事には必ず表と裏がある。」
『見返りはなんなのでしょうか?』
カガリは自身の後継者として考えているトーヤに『一局だけを見て考えるな』と言う事を教えると、モニター先のラクスと向き合う――カガリはラクスとのオンライン会合を行っていたのだ。
「コンパスへの参加、と言う話だ。」
『それを切っ掛けに、独立国として国際社会に認められようと言う?』
「恐らくな。
ファウンデーションは独立後、技術、経済共に目覚ましい発展をしているがユーラシアとの関係は良くない……なにせ、ユーラシア各地がそれを切っ掛けに独立の嵐だからな。」
ファウンデーション――其れは地球連合のユーラシア連邦から独立した組織であり、近年目覚ましい発展を遂げているのだが、ファウンデーションの独立を切っ掛けにユーラシア連邦からの独立の動きが加速し、ユーラシア連邦は大きく其の力を落とす事になったのだった。
『ファウンデーションショック』とも呼ばれる此の流れは連合を弱体化させる事になり、その弱体化した連合にミケール率いるブルーコスモスが入り込んで連合を実効支配する事になってしまったのだが。
『しかし、なぜそれほどまでの目覚ましい発展が可能だったのでしょう?』
「宰相のオルフェ・ラム・タオと、ゾルガ・ラム・タオの手腕と聞いている。」
『彼等が?……成程、それならば此の短期間での発展も納得だ。』
「デュランダル議長、何か知っているのか?」
この会合にはデュランダルも参加していたのだが、カガリが挙げた名前を聞いてファウンデーションの急速な発展に納得しているようだった。
『直接的な面識はないが、ファウンデーションの女帝であるアウラ女史の優秀な補佐官だと聞いているよ……政治的な手腕に優れているだけでなく、モビルスーツのパイロットとしても高い技量を持っているとか。
だが、ファウンデーションが台頭するとなると少し警戒しておいた方が良いかもしれないな?』
「警戒?其れは何故だ?」
『ラウラ女帝とは直接の面識があってね、何年か前に会った時、彼女は真の世界平和を実現するための計画を見せてくれたのだが……その内容は凡そ受け入れられるモノではなかったよ。』
「どんなモノだったんだ其れは?」
『人を遺伝子レベルで解析して、遺伝子に合った職に就かせる究極の管理社会だよ……『デスティニープラン』、確かそんな名称だった筈だ。』
ファウンデーションは連合から独立した後急成長を遂げているのだが、デュランダルは警戒するように言うと、アウラと最低限の面識があると明かし、アウラがある意味で最悪級の考えを持っている事も暴露してくれた。
この衝撃の事実を受け、ラクスはファウンデーションのコンパス参加に難色を示したのだが、カガリは『半年前のフリーダム強奪事件ではファウンデーションに借りがある』と言って無碍に不参加とする事は出来ないと言い、最終的にはラクスが『少し時間をください』と言って、結論は先延ばしにされたのだった。
機動戦士ガンダムSEED INFINITY PHASE102
『動き始めた世界~The world has begun to move~』
――アプリリウス市・宇宙港
地上での任務を終えたミレニアムは、コンパスの部隊を回収後、宇宙に上がって宇宙港にて整備を行う事となっていた。
コンパスの部隊も、アークエンジェルからミレニアムに移り、シンとルナマリアはミレニアムのロビーエリアでポケモンの通信対戦を行っていた……僅かな休息の時間に趣味を楽しむのは悪くないだろう。
「此れで終わりよシン!喰らえ、はかいこうせん!!」
「此処でまさかのリザードンの破壊光線!?
なんでリザードンにはかいこうせんなんだよルナ?ねっぷう、じしん、ドラゴンクローと来たら普通はつばめがえしかきりさくだろ?」
「ドラゴンは口からビームでしょう?」
「ぐ……確かに其れは納得だ。
にしてもさぁ、俺って隊長からの信頼無いのかなぁ?」
そんな中でシンは隊長であるキラからの信頼がないのではないかと感じていた。
此れまでにもブルーコスモスとの戦闘は何度も行われているのだが、基本的にイチカとキラがブルーコスモスの部隊と戦闘を行い、シン達は市民の避難経路の確保と避難誘導を行っていたので、シン的には戦闘面で信頼されていないのではないかと思ってしまったのだ。
「何でそう思うの?」
「いっつも隊長とイチカさんの二人だけで戦ってさ。」
「でも、それで被害が抑えられてるって。」
「そうなんだけどさ、じゃあ俺達はなんなんだよって……」
「それは……でも、シンはジャスティス任されてるでしょ?信頼されてないなんて事は……」
「信頼なんてされてる筈ないじゃない、アンタ程度の奴がさ。」
「「!!」」
ルナマリアはシンに『信頼されてないなんて事は無い』と言うが、其れを真っ向から否定する声が入って来た。
その声の主はアグネスだ。
「そもそもおかしいと思ったのよねぇ?
なんでアンタなんかがアカデミアをトップの成績で卒業して赤服になって、ミネルバ隊に配属されたのか……アタシの方が絶対にアンタよりも上なのに。
ねぇ、アタシに譲りなさいよジャスティス。アンタが持っていても宝の持ち腐れよ。」
「アグネス……お前こそ察しろよ。
アスランがターミナルに出向する事になって空位になったジャスティスのパイロットにお前じゃなくて俺が選ばれたのは何でかってな。
俺に言わせればお前がギャンに乗ってる方が不思議だぜ?お前程度にはザクでも贅沢だ――そもそもにして、何でお前なんかがコンパスに居るんだよ。」
「山猿の分際で言うじゃない……喧嘩売ってるなら買うわよ?」
「やんのか駄犬?」
挑発的な事を言うアグネスに対してシンも負けじとカタナ仕込みの毒舌で応戦し一触即発の状況に。
「はい、そこまで~~。」
「あ、イチカさん!」
「副隊長……」
其れに待ったをかけたのはイチカだった。
「競い合うのは悪くないが喧嘩はダメだ。
と言うか要らん煽りをするなアグネス……それとシンがアカデミアをトップ成績で卒業したのをオカシイと思ったとか抜かしていたが、其れは俺がシンの師と知っての事か?
悪いが俺は自分の弟子を馬鹿にされて黙ってられる位に人間出来てねぇぞ?」
「え?あ……」
「其れに俺とキラがシン達に市民の安全確保を任せてるのは信頼しているからだ。
敵を倒すよりも非戦闘員を護る事の方が遥かに難しい……その難しい事を任せられるのがシンなんだ――そもそもにして不殺で戦闘不能に出来ないお前と不殺で戦闘不能に出来るシンとじゃ其の実力は月と鼈、太陽とビー玉だ。
自信があるのは良い事だが、過信は見苦しいと覚えておけよ。」
「あの、イチカさんその辺で……アグネスのライフはもうゼロです。」
イチカは凄まじい言葉のラッシュでアグネスを攻め立て、アグネスは精神的にフルボッコにされて気絶し、口からは魂が抜け掛けていた……にも拘らず、暇さえあればイチカやキラに猛烈にアプローチをしているのだから厚顔無恥と言うか盗人猛々しいと言うか、そもそも常識ってモノが備わっていないのかもしれない。
「そう言えばアグネスは何でコンパスに?」
「お前とルナマリア、マドカとレイが確定で、残る一人をAIに選出させたらアグネスが選ばれたから……イザークやディアッカが赤服だったらアグネスは選ばれてねぇよ……其れでもシホの事を考えると、なんでアグネスだったのか疑問が残るけどな。
コイツはパイロットとしての腕前は間違いなく赤服相当なんだが、他人の恋人略奪したりとか問題行動が多すぎるからな……若しかしたら、タバネさんが『これも必要な事だから』って、データ操作してアグネスをコンパスに加入させたのかもだぜ。」
「流石に其れは無い……って断言できないのが怖いっすね。」
「其れがタバネさんだからな。
其れは其れとして、食堂に追加しようと思ってる新作メニューの試作品が出来たからあとで試食しに来てくれよシン、ルナマリア。」
「イチカさんの新作メニューですか!?其れは楽しみです!」
「キラさんがコンパスのモビルスーツ部隊の隊長なら、イチカさんはコンパスのモビルスーツ隊副隊長にして料理長ですね……因みに、新メニューって何ですか?」
「新作は麺だ。
其れもオーブが世界に誇る最強の麺類『ラーメン』の新作だ!!」
「「絶対に食べに行きます!!」」
イチカは精神的にKOされたアグネスを担ぎ上げて其の場を後にすると、アグネスを割り当てれらた部屋に放り込んでから食堂の厨房にて新作のラーメンを作って食堂にやって来たシンとルナマリアに振る舞った。
その新作ラーメンは世にも珍しい『透き通った濃厚な塩とんこつスープ』のラーメンで、とんこつの濃厚な旨味は感じても、後味はスッキリで、トッピングのチャーシューと味玉、ピリ辛白髪ねぎ、明太ザーサイも良い感じであった。
「「ごちそうさまでした~~!!」」
「美味しかった~~。ステララーメン大好き。」
シンとルナマリアだけでなく、移動中に出会ったステラも誘って新メニューを試食したのだが、その反応は上々だったので、イチカは此の澄んだスープのとんこつラーメンを食堂の新メニューとして採用し、其れは瞬く間に大人気メニューとなるのだった。
――――――
数日後、アプリリウス市;イチカとカタナの邸宅。
その日、カタナはラジオを聞きながら料理をしていた。
ラジオのニュースは今の世界情勢を伝える気が滅入るモノだったので、チャンネルを変えてミーアのライブをリアルタイムで放送しているモノを聞く事にした。
先の大戦後、イチカとカタナはアプリリウス市に戸建ての家を建てて同棲生活を送っている。
そしてカタナは約一カ月ぶりにイチカに会えるとの事で料理にも気合が入っていた。
既にテーブルの上にはアジの南蛮漬け、コールスローサラダ、バラエティに富んだ具材のサンドウィッチ、そして巨大な塩の塊が。
「お取り寄せしたダチョウのもも肉を丸ごと塩釜焼にするのは少し無理があったかしらね……」
なにやらとんでもない料理を作っていたようだが、此処で電話が着信を告げた。
相手はイチカだ。
それを見たカタナは嬉しそうに受話器を取ったのだが……
「イチカ!…………そう、なのね……うん、分かってるわ、大丈夫。無理はしないでね。」
次の瞬間には表情が曇ってしまった――コンパス部隊の方で何か問題が起きたらしく、イチカが帰ってこれなくなってしまったのだ。
これでは折角作った料理も無駄になってしまうのでカタナも如何したモノかと考え、考えた末に先の大戦後フリージャーナリストに戻ったミリアリアに連絡を入れて自宅に招き、女性二人の飲み会が開催されて大いに盛り上がったのだった。
なお、同じくアプリリウス市にあるキラとラクスとフレイの邸宅でも同じことが起きており、ラクスとフレイも女性二人の飲み会で盛り上がったのであった。
――――――
カタナとの通信を終えたイチカはキラと共にコンパスのモビルスーツ格納庫に居た。
其処にはコンパスのモビルスーツだけでなく、タバネが設計開発を行った『プラウドディフェンダー』と『タイラントオフェンサー』も格納されており、其の二機の最終調整も行われていた。
「フェルミオン誘導方式はまだ使い物になりません。
マイクロメーターサイズの障害物でドッキングシステムにエラーが出るなんてありえませんよ。」
「なんとかなりませんか、ハインライン大尉?」
「なんとかするしかないでしょう。
マッタクもって世紀の大天才の設計は完璧で精密であるがゆえに僅かな障害が致命傷になりかねない……フリーダムへのセットアップにアジャストも必要なのに自立制御のプログラムのバグまでとは頭が痛い。」
「このバグが出るのもタバネさんの予想の範疇なんだろうなぁ……恐らくはそうなるように設計したんだろうぜ。
だが其れはあくまでも俺達で如何にか出来るレベルの問題……タバネさんが本気を出せばマッタクもって問題のないモノを作り出す事は可能だが、其れは俺達の為にならないか……」
「きっとそうんだろうね。
大尉、プログラムは僕が担当しますので、大尉はセンサーをお願いします。」
「申し訳ありません、准将。」
技術大尉のハインラインはキラとイチカに敬礼すると作業に戻って行った。
「んで、お前は帰らなくて良いのかキラ?ラクスとフレイが待ってるんじゃねぇの?」
「其れは君もだろイチカ?カタナが待ってるんじゃないのかな?」
「其れはそうなんだが……今の世界情勢を考えたら、コイツ等を完成させる事の方が先だ……嫌な話だが、結局のところは相手を圧倒する力が無ければ情勢を変える事は出来ないからな。」
「そうじゃない……と言いたいところだけど、君の言う通りだよイチカ。
其れに、僕達は何も護れていないんだから。」
「護る為には力が必要だが、力があれば其れが新たな争いの火種となるか……コイツは永遠に正解が出ない問題なのかもな……ったく、正解があるなら教えてくれよタバネさん。」
――ピロリン
此処でイチカのスマホにメールが入り、送り主はタバネだったのだが……
『正解は教えられない。精々頑張り給え青年達よ。』
そう記されており、其れを見た瞬間イチカはスマホを握り潰した。
「正解知ってんなら教えろよ駄兎……つっても無駄なんだろうなぁ……タバネさんが正解を教えないって事は俺達が自分の力で正解に辿り着かなきゃ意味がないって事だろうからな。」
「だろうけど、イチカ……スマホどうするの?」
「タバネさんに修理費請求するわ。
尤もあの人なら、修理費払うより自作した超高性能のスマホ送って来そうだけどな。」
「確かにね。」
そんな事を言いながら、イチカとキラはプラウドディフェンダーとタイラントオフェンサーを実戦投入できるようにすべく調整に勤しむのであった。
――――――
アプリリウス市の自宅で眠っていたカタナは不思議な夢を見ていた。
其処は四方が混沌として何処に何があるのかも分からない空間で、カタナは一人其処に立っていた。
「イチカ?」
其処でカタナはイチカの姿を見付け、手を伸ばしたのだが……イチカに触れる寸前で見覚えのない黒髪の青年の姿がイチカに重なり、イチカに触れる事は叶わなかった。
それでもカタナはイチカに手を伸ばし……
「俺がお前の手を放すかよ……俺とお前は一蓮托生、離れる事は出来ないし離れる心算も毛頭ない、だから死ぬまで一緒だぜ、カタナ。今度こそな。」
「イチカ……そうね、そうありたいわね。」
その手をイチカが取り、抱擁を交わして唇を重ねた。
それは結局はカタナの夢でしかないのだが、現実ではイチカが深夜に帰宅し、ソファーで寝ているカタナに毛布を掛けていた……そして、大量に空けられた缶ビールの缶と見事に空になった大量の皿を見て『飲み会が行われたな』と察し、その後片付けを行うのだった。
その後イチカは自宅の高性能PCにて自身の機体に搭載予定の『タイラントオフェンサー』のプログラム修正を行う事にした。
元々イチカはそちらの方面の知識には明るくないのだが、数え切れないほどに行われた前世でのカンザシとの専用機開発の知識がプログラミング能力を大きく向上させており、今では一からプログラムの開発が出来るレベルになっていた。
「シェルユニットが組み込まれたウィング、日本刀型の対艦刀が二振り……そんでもって核エンジンとは異なる試作型の『太陽炉』を搭載したバックパックか。
そう言えばアルバートの旦那はこれもプラウドディフェンダーもフリーダムとのドッキングがどうとか言ってたよな?……タイラントオフェンサーは俺の専用機の追加装備だった筈だが、今の俺の機体はキャリバーンフリーダムじゃなくてZストライクだ。
まさかとは思うが、キャリバーンフリーダムが出なきゃならない事態を予想したのかタバネさんは?……だとしたらこの先に何が待ってるのか、警戒しておくに越した事はないな。」
そう呟いたイチカはタイラントオフェンサーのプログラムを鬼のブラインドタッチで修正し、時にはカンザシにメールでヘルプを要請して最適なプログラムを構築していくのだった。
アプリリウス市があるコロニーは深夜だが、現在カンザシが居るコロニーはまだ夕方なのでメールをしても問題ないので心配無用だ。
そしてそれから数時間後の日付が変わった頃にカタナは目を覚まし、PCの前で寝落ちたイチカに気付き、今度はカタナがイチカに毛布を掛け……そして隣に椅子を持って来てイチカに寄りかかって毛布を纏い、再び夢の世界に旅立ったのだった。
――――――
翌日、目覚めたイチカとカタナはお互いに毛布に包まって椅子で寝ていたという状況に少し照れながらも『おはよう』と朝の挨拶を済ますと、シャワーを浴びてから朝食を済ませ、それから二人で弁当を作ってバイクでアプリリウス市郊外に出かけて行った。
海岸線を走った後に、桜が咲く小高い丘で昼食タイムに。
本日の弁当はイチカ作のサンドウィッチ(スモークサーモン&クリームチーズ&スライスオニオン、生ハム&トマト、ハムカツ&タマゴサラダ)と、カタナ作の副菜(自家製パンチェッタと野菜の生春巻き、鶏もも肉の唐揚げ二種、出汁巻き卵、しめさば入りタラモサラダ、キンピラゴボウ)である。
「ミケール大佐はユーラシア国境付近のエルドアに潜んでいるようね。」
「エルドアに奴が……」
「その逮捕に協力したいと、ファウンデーションのアウラ女帝からコンパスに親書が届いたわ――普通ならば有り難い申し出だから受けるのだろうけど……」
「議長の言うデスティニープランとやらの提唱者となると、そう簡単に首を縦には振れないか……それでラクスも悩んでるってか?」
「そう、正にその通りよ。
ラクス様も其れに悩んでらっしゃるから私もなんとかしたいのだけれど……副総裁になって分かる補佐の難しさよ!……きっと虚ちゃんは此れ以上の苦労をしていたのよねぇ……天国に向かって土下座モノね此れは。」
「虚さんは……まぁ、弾が居るから大丈夫だったろうさ。
だけどそんなに悩む事でもないのかもしれないな?」
「どうして?」
「アウラ女帝の申し出が本物だったら全てが丸く収まるし、そうでなかったらファウンデーションをブルーコスモス諸共ブッ飛ばして其れで終いだ。
ファウンデーションが最悪の場合俺達をハメようとしてるって前提で行動すりゃ、コンパス全滅って最悪の事態だけは避けられるだろうしな……俺達と敵対する意思を示した奴等は容赦なくぶっ潰す、今もこれからも其れは変わらねぇよ。」
「そう、だったわね。」
ミケールの逮捕に協力する旨を示したファウンデーションだが、デュランダルの話を聞いていたラクスとカタナ、そして其れを伝え聞いたコンパスの面々はファウンデーションの事を真っ向から信頼する事は出来なかったのだが、ミケールを捕らえる事が出来れば此の戦いを終息に向かわせる事も出来るので、ラクスの最終決定に委ねる事になったのだった。
そしてコンパス総裁のラクスが下した最終決定は――
「此れよりコンパスはファウンデーションへと向かいます。」
アウラの提案を受け入れ、共にミケールの捕縛に乗り出すと言う事だった。
こうしてコンパス部隊はミレニアムで地球に向かい、地球到達後はアークエンジェルでファウンデーションの本拠地に向かうのであった。
To Be Continued 
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