Side:夏姫


夏休み2日目は、一夏の部屋の防音工事を行った……完全防音処理を施さないと、アタシ達の精神が色々と持たないし、此方の欲求不満が溜ま
りかねないからな。
と言うか、あの場に刀奈が此処に居たら、間違いなくアタシも一線を超えてたんじゃないかと思うわ。
取り敢えず、束さんに頼んで防音工事に必要な部材を送って貰ったんだが、『防音工事』で察したのか、一夏宛にお手製の精力ドリンクを一緒に
送って来ると言うのは予想してなかった。
しかも、その精力ドリンクの名前が『超絶毒マムシ』って……普通に有り得ないだろう。



「でも、凄く効きそうだよね?」

「実際に効いたんじゃないかしら……2日目は箒が訪ねて来て、そのまま一夏の部屋で一晩を過ごしたみたいだし。」

「間違いなく効いたな。」

まさか、鈴と一線を超えた翌日に箒とも一線を超えるとは思ってなかったが……それ程までに我慢していたという事なんだろうな。
自分以外は全て女子と言う環境だけでも可成り辛いのに、更に鈴と箒と言うタイプの異なる美少女が嫁であるにも拘らず禁欲生活を3ヶ月以上も
強いられていたのだから、その反動なんだろうけれど。

まぁ、アタシは取り立てて何か言う心算は無いが程々にな?



「うむ……分かっている。程々にせねば此方の身が持たん……まさか、5回も達するとは思わなかったぞ……」

「嘘?箒、アンタ5回で済んだの?……アタシは8回よ!?」

「ゴメン2人とも、何つーかもう色々我慢が効かなかった……兎に角ヤバかった。」



……『何の回数だ?』、『何がヤバかった?』とは敢えて聞かんが、如何やら一夏は色々と凄い様だな。色々とな。
一夏が搾り取られて衰弱していくんじゃないかと危惧したが、これならばその心配は杞憂に過ぎんだろうね……まぁ、避妊だけはしてくれよ?アタ
シは16歳で叔母さんになる心算は無いからな。



「「「…………」」」

「其処で沈黙しないでくれ、不安になるから。」

此れは、束さんに頼んで強力な避妊薬か何かを作って貰った方が良いかも知れないな?……束さんに頼んだら、逆に排卵誘発剤の強力なのを
開発して送ってくる可能性がゼロじゃないのが何とも言えないけどね。
取り敢えず、今夜の晩飯のメニューは赤飯を炊いて鯛の尾頭付きの刺身で決定したな。――少し古風だが、『大人になったお祝い』ってやつだ。
なんにせよ、一夏は此れまで以上に鈴と箒に責任を持たないとだ。男として、な。










Infinite Breakers Break48
『夏休み~大型レジャー施設を楽しもう』











開始早々にそんな事があった夏休みだったが、その後は至って普通に過ごしていたりする。
で、今日は如何しているかと言うと、本日オープンの大型レジャー施設に来てる訳だ。
新聞の折り込みチラシで本日オープンのチラシが入って来て、更にそのチラシには本日限定での30%オフクーポンも付いていたから、ここを利用
しない手は無いからね。

で、刀奈達も誘ったんだが、如何やら刀奈もアタシ達を誘う心算だったらしく、一時帰国したラウラ達を除く何時もの面子が此処に揃った訳だ。



「其れにしても凄い施設よね此処って?
 メインはプールやスパなんだけど、超大型の屋内施設には、他にもジェットコースターや天井をぶち抜いた超大型観覧車なんかのアトラクション
 もあって、しかも全てのアトラクションが水着のままで乗れるって言うんだから驚きよね。」

「まぁ、其れがこの施設の売りみたいだからな。」

確かコンセプトは『レジャープールとスパと遊園地の融合』だったか。
勿論アタシ達も全員水着。のほほんさんも、今日は水着の謎装甲(着ぐるみ部分)をキャストオフしてるみたいだね。
『全ての施設を水着で利用できるから一々着替える手間がない』と謳っていたが、一般的なテーマパークでは服を着て歩く場所を水着で歩くと言
うのは、少々変な感じがするな。



「あら、開放的で良いんじゃないかしら?ハワイに来たと思えば大した事じゃないわよ♪」

「楯無さん、其れはちょっと無理が……いや、無くはないか。
 旅番組とかで見るハワイって、観光地を撮ってるからかもしれないけど道を水着で歩いてる人が普通にいるし、海パン+アロハの男の人も少な
 くないからな?」

「加えてハワイには日系人が多いからな……丁度今のお前が、旅番組なんかに出てくる奴だろ一夏。」

柄物のトランクスタイプの海パンに派手なアロハを羽織って、サングラスにネックレス。しかも、良い感じに肌が焼けてるからね。
そして、そんなちょっとファンキーな格好のスカーフェイスのイケメンが、これだけタイプの違う美女と一緒に居る訳だから、周囲の男共から嫉妬と
羨望の視線を向けられてるのは仕方ないな。



「そうね?一夏君の彼女は鈴ちゃんと箒ちゃんだけど、これだけの美少女に囲まれてる美少年は滅多に居ないと思うわ夏姫。」

「まぁ、今や一夏は世界で唯一の『IS男性操縦者』で、学園で唯一の男子だから、女子との交友関係を広げて行けば本人が意図せずともこうなる
 んじゃないか楯無?」

「まぁ、確かに其れはそうかも知れないけれどね。
 でも私達が注目されてるのは一夏君が居るからだけじゃなく、貴女が居るからでもあると思うわよ?……そのお腹と胸の傷痕は、水着だと如何
 しても目立ってしまうし。
 スポーツタイプの水着で隠した方が良かったんじゃないのかしら?」



まぁ、そうかも知れないけれど、アタシの身体に合うのだとあまり好みのデザインが無くてな。
其れにだ、お前とお揃いの水着じゃなくなると言うのも如何かと思ったからね。ペアルックは恋人の基本、だろう?



「アラアラ、これは一本取られたわねぇ?
 でも、だったらせめてその傷痕は消したら?今の整形の技術だったら完璧に消す事は出来る筈よ?」

「かも知れないが、その心算は無いな。
 此れは、アタシの油断が招いたモノだからね……自分への戒めとして一生身体に刻んでおく心算だ。」

「夏姫……強い。」

「かんちゃん、ナッキーが強いのは今更だよ~~!
 勉強も運動も、ISも無手の格闘もお嬢様と同じ位強い訳なんだし~~~♪」

「いや、そう言う意味じゃあないと思うよ本音?

「うん、知ってるよキヨキヨ♪」

「本音ったら……でも、取り敢えず夏姫の身体の傷痕に関しては此処までにしようか?
 折角遊びに来たんだから、ここを思い切り楽しまないとでしょう?――って、あれ?此れって……雪?」



何だと静寐、雪だって?……本当だ。人工雪か此れ?
と言うか、それ以外に有り得ないか――夏場に屋内施設で自然雪が降りましたなんて事になったら、其れは一体どんな超常現象かって言う事に
なってしまうからね。





「メリークリスマース!」





「だけど、人工雪だけじゃなくてサンタって、季節外れが過ぎない?サンタが水着来てるわよ?」



確かに奇妙な感じかも知れないが、南半球のオーストラリアでは、北半球とは季節が反転するから12月は真夏なんだ。
だから向こうでは、真夏にクリスマスを祝うんだ。サマークリスマスって言ってね――恐らくは、あのサンタとこの人工雪も其れをイメージしての事
なのかも知れないな。



「季節が逆転するのか……って事は夏姫姉、今のオーストラリアって……」

「冬だな。其れもバリバリ氷点下になる真冬だ。」

「夏休みにオーストラリア旅行する時は、コートとかを持って行った方が良い訳ね……めんどくさそう。」

「確かに、其れは言えてるな鈴。」

さて、其れじゃあまずは何処から行こうか?
プールで泳ぐも良し、アトラクションを楽しむもよし、温泉を楽しむのもアリだし、女子にはエステもアリかも知れないが――矢張り此処のメインは超
大型のプールだから其れから楽しむとしようか?
このプールには、国内最大級と言われる程のウォータースライダーも設置されているからね。……高低差300m、スライダーの総延長1.5km、最
大傾斜70度は些かやりすぎな気がしなくもないが、其れは其れで楽しめそうだしな。



で、そのウォータースライダーなんだが、スタート地点までエレベーターを使わないとならないって、色々と間違ってないか?
いや、300mもの高さを階段で登るのは流石にキツイから、エレベーターの設置は有り難いけど、世界中何処を探してもスタート地点までエレベー
ターが設置されてるウォータースライダーなんて存在していないだろうから、申請したらギネス認定されるな、此のウォータースライダーは。

しかし、流石に国内最大級のウォータースライダーと言う事も有って人が多いな?スマホ片手に滑り始めた奴は、一部始終を動画に収めてYou T
ubeにアップするのかも知れない。1人称視点での動画は迫力があるしね。

そして、其れは癒子も同様だな。
SNSに写真やらコメントやらを多数投稿している癒子だが、調べてみると実は結構な人気のあるSNSユーザーだったみたいだからね……と、なれ
ば大迫力の映像が撮れる上に『映える』であろう、此のウォータースライダーを見逃す手は無いからね。



「そうね……癒子ちゃんってば、スマホを片手に滑って行ったわ。」

「まぁ、ある意味予想通りだがな。」

そして予想通り、一夏と鈴と箒は一緒にだな――一夏が鈴を後ろから抱きしめ、その一夏に箒が後ろから抱き付く感じで滑って行った事に、男共
からは色々な声が上がっていたな。
まぁ、一夏を羨む暇があるなら己を磨くべきだ――其れが出来ないようでは、一生彼女など出来ないだろうさ。



「言うわね夏姫?まぁ、マッタク持ってその通りだと思うわ――面倒なナンパ男とかには、一夏君の爪の赤を煎じて飲ませてあげたい気分だし。」

「其れを飲ませた所で改善は見込めないがな。」

其れで、アタシ達の番なんだが、アタシとお前何方が前になる?アタシは何方でも良い。
前か後かで此のウォータースライダーの面白さが変わる訳でもないし、重要なのはお前と一緒にと言う事だと思うからね。



「あら、嬉しい事を言ってくれるわね?
 なら、私が前で良いかしら?さっき、一夏君が鈴ちゃんにやったみたいに、後から抱きしめてくれると嬉しいわね♪」

「お前……まぁ、其れ位なら構わんさ。――此れで良いか?」

「うん、バッチリ♪」



「んな、さっきのスカーフェイルのガキもだったが、今度は女同士でかよ!!」

「何ぃ、美少女同士だとぉ!」

「此処にキマシタワーを建てよう!設立しよう!!建造しよう!!!美少女×美少女マジ尊い!百合カプ最高!!いやっほーーーーーーい!!」

「青髪赤目の美少女に、切れ長な目の眼鏡美人の組み合わせか……此れを基にして本を造れば、今年の夏は100冊は堅いわね。」



……何やら外野が五月蠅いようだが、ここは無視するのが妥当だろうな。一々取り合っていたらキリがなくなりそうだしね。――まぁ、アタシと刀奈
をネタにしようとしてた奴には、後でO・HA・NA・SHIが必要かも知れないけどな。
其れじゃあ、行くぞ刀奈!!



レッツゴー!!

「蓮杖夏姫……行きます!」

刀奈を後ろから抱きしめながら発進したんだが、此れは行き成り凄いな?スタート直後に45度の急降下で一気に外のクリアパイプまで落とされ、
そこからは景色を一望できるクリアパイプを通りながらアップダウンや回転を繰り返し、ロングストレートの後に連続スパイラル!!

「此れは何とも迫力があるな?楽しんでるか刀奈?」

「もう、最高よ♪夏姫と一緒だから尚更だわ♪」

「そうか、其れなら良かったよ。」

さてと、この先に待ち受けてるのは、此のウォータースライダー最大の目玉である70度の傾斜だ――殆ど垂直落下に近い傾斜だから確り掴まっ
ていてくれよ刀奈?勿論、アタシもちゃんとお前の事を抱えている心算だけれどな。



「了解よ夏姫……其れじゃあ声を出す準備は良いかしら?」

「まぁ、準備は出来ているとだけ言っておこう。」

遂に70度の傾斜に……って、これは本気で洒落にならん!!何と言うか落下速度がハンパじゃない!!
パイプに入っているから大丈夫だが、此れがハーフパイプだったら間違いなく落下途中で吹き飛んで、下手すれば死人が出るレベルの速度だ!
だからフルパイプなんだと言われたら何も言えないが、これは確かにオープン前からネットで話題になっていたと言う話も頷けるな……此れだけ
の迫力が味わえるウォータースライダーは、他の何処にもないだろうからな。



「はぁ、スッゴクドキドキだったわ!!夏姫は?」

「後ろから抱きかかえてるんだ、其れ位察してくれ。」

「そうね、ドキドキ言ってるわね。」

「今ので心臓がドキドキしない奴は、多分ゾンビだ。」

「あは、其れは言えてるかも♪」



まぁ、ゾンビだったらこの激しい道中でバラバラになるだろうがな。
最大の傾斜が終わった後は、高速カーブやこれまた連続スパイラルを経由し、いよ最後のバックストレート――傾斜35度で40mとなると、可成り
の速度でプールに突っ込む事になるんだが、大丈夫か?



「大丈夫じゃない?出口は少し上に向いてるみたいだし。」

「いや、それはそれで問題だろ!」

少し上に向いているという事は、上に投げ出されると言う事だからな――そして案の定投げ出された訳だが、其れでも刀奈を離さなかったアタシ
は大したモノだと思っても悪くないな。



――ドッパーン!!!



そして、2人仲良くプールにダイブだ。
ぷはぁ!!中々に刺激的なウォータースライダーだったが、楽しめたか刀奈?



「其れはもう、最高にスリリングでエキサイティングだったわよ夏姫♪
 此のウォータースライダーが体験出来ただけでも、ここに来た甲斐があったってものだわ――ふふ、未だドキドキしてるわね。」

「ふ、其れはアタシもだ。」

まさか、此処まで迫力のあるモノだとは思わなかったからね。
其の後も、マリアと静寐、清香と癒子とのほほんさんの組み合わせで次々とウォータースライダーを滑って来たみたいだが……のほほんさん、此
のウォータースライダーを頭から滑り降りてくるのは色々と間違っていると思うぞ?



「楽しかったから問題ないのだ~~♪」

「そう言われては、アタシは何も言えないな。」

楽しかったなら問題ないしね。ただ、危ないから良い子は絶対に真似しては駄目だ。
其れで、此のウォータースライダーを皮切りに、リミッターを解除して思い切り遊ぶのは決定だ――波の出るプールでサーフィンを楽しんだり、水着
姿のゾンビが襲って来る謎のホラーハウスに入ったりとな。
で、今は普通にプールを楽しんでるんだが、一夏と楯無が何やら言い争ってるみたいだね?



「一夏君も分からない子ね?私が可愛いって言ったら可愛いのよ!分からず屋は、お姉さん好きじゃないわよ?」

「いえ、其れでも敢えて言わせて貰います!俺の美的センスの方が確かだって!!」



「ったく何を言い争ってるのよ一夏も楯姐さんも……」

「此れは、楯無さんは夏姫の方が可愛いと譲らないのか?」

「なら、一夏は箒と鈴の方が魅力的だと譲らないんだろうね。」



「いいえ、鈴ちゃんと箒ちゃんの方が可愛い。」

「ふざけんな、夏姫姉の方が魅力的だ!!」



って、そう来たか。
此れは予想外だったが……取り敢えず、2人ともいい加減にしろだな。――マッタク、何処の世界に自分の恋人よりも相手の恋人を褒める奴が居
るって言うんだ。『此処に居る』と言うのは全開で無視だからね。



「「其れは分かってるけど、美的センスの彼是はまた別問題!!」」

「そう来たか。」

まぁ、不毛な争いは其処までにしておけ。
アタシも鈴も箒も、それぞれに違う魅力がある訳だから、比べる事がナンセンスだと思うぞ?間違いなくな。



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さてと、午前中を思い切り楽しんだ後は、お楽しみのランチだ。
この施設は、多種多様な店が入っているから、色んなランチが楽しめるんだが、此処は矢張りこの施設に作られた人工浜辺でのバーベキュー一
択だろう。

夏の浜辺でのバーベキューは最高だからね。
良い感じに肉が焼けて来たし、其れじゃあ始めようか――Cheers!(乾杯!)


「「「「「「「「「「Cheers!!(乾杯!!)」」」」」」」」」」



――カチン!



夫々手にした瓶の飲み物で乾杯してバーベキューパーティの始まりだ。
因みに飲み物は、アタシと刀奈がノンアルコールのカクテルのストロベリージンジャーで、一夏と鈴と箒はグレープタイザー、簪はノンアルコールの
中国茶カクテルのマンゴー烏龍、のほほんさんはコーラ、静寐はノンアルコールカクテルのライチトニック、清香は辛口ジンジャーエール、癒子はノ
ンアルコールのキャラメルミルクだ。

まぁ、何れもバーベキューにはよく合うと思うよ。
実際に、飲み物と一緒だと食が止まらなかったからね――と言うか、アレだけの厚みのある肉を思い切りかぶりつく事が出来ると言うのは物凄く
贅沢だと思っても間違いじゃないだろうね。
まさか、3cmの厚切りステーキがあるとは思ってなかったから少しばかり驚かされてしまったけどな――その極厚ステーキを3枚ペロリと平らげた
一夏は矢張り凄いんだろうとしか思えんよ。
しかもその3枚にはバッチリとガーリックスライスをふんだんにトッピングしていたからね……取り敢えず鈴と箒は、今夜もまた覚悟をするべきかも
知れないね……まぁ、予想はしているだろうけどな。

「なぁ楯無、お前の塩ハラミくれないか?卑しいようだが好物なんだ其れ。」

「良いわよ?
 但し、無償じゃないわ――夏姫の牛タン頂戴。」

「あぁ、別にいいぞ。」

と、そんなこんなで、楽しいランチタイムを過ごした訳だ。

そして午後の部は、観覧車やジェットコースターって言うアトラクションを楽しんだ――天井をぶち抜いて建造された観覧車は、最高点に達した所
で、街を一望する事が出来たからね。

更に、飛び入り参加OKの水着コンテストでは、刀奈に誘われて飛び入りしたアタシと刀奈がワンツーフィニッシュして、3位はこれまた飛び入りの
静寐だったか。……此れは流石に意外だったな。
まぁ、少々恥ずかしい気はしたが景品も貰えた事だし、此れもまた貴重な体験で思い出だ。――但し、写真を撮りまくってた連中には、勝手にネッ
トにアップしないように釘を刺しておかねばだけれどね。

さて、午後の部も後僅かだから、最後まで楽しむとしようか。



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・・・



そして午後の部も思い切り楽しませて貰ったよ――超高速ジェットコースターに、各種アミューズメント施設も楽しむ事が出来たからな。
で、夜の最終パレードを見て、アタシ達は夫々の部屋に。
部屋割りは、一夏と鈴と箒、マリアと静寐、虚さんとのほほんさん、清香と癒子と簪と言った組み合わせだ。
シャワーを浴びて、後は寝るだけなんだが……刀奈、下着一枚で何してるんだお前は?



「うふふ、私にします、私にします?それともワ・タ・シ?」

「相変わらず選択肢が無いな。」

「あるわよ。一択なだけで。」

「其れは選択肢とは言わない思うぞアタシは。」

「其れは言っちゃダメよ夏姫。
 でもダメ?一夏君にはOK出したんでしょう?……だったら、ね?」

「お前、相変わらず耳聡いと言うか、情報を得るのが早いなマッタク。」

だが、そう来たのなら、お前を貰うとしようかな刀奈?
と言うか、其処までされて何もしないと言うのも如何かと思うのでな――お前を選ばせて貰う……只、最終確認をさせて貰うけれど、アタシが初め
てで後悔は無いのか?



「あら、そう来るとは予想外だったわねぇ?
 だけど、夏姫が初めてなら、後悔するどころか、寧ろ望んでいたわ……だから、今宵はこの身体の全てを貴女に捧げるわ夏姫。」

「そう言われたら、何も言う事は出来ないじゃないか……覚悟を決めるかアタシも。」

まさか、こんな事になるとは思わなかったが、これもまた一夏の風物詩なのかも知れないな。――だが、優しく出来る自信がないから、其処は覚
悟しておいてくれよ刀奈?



「別に激しくても構わないわよ?――まぁ、痛いのは嫌だけど。」

「まぁ、痛くないように善処はするよ。」

だが、前提問題として、女同士の場合は如何すれば良いんだ?アタシは全く分からないんだが……お前は分かるか刀奈?



「えへ、実は私も知らない♪」

「其れで良いのかオイ。」

「まぁ、其処は手探りで覚えて行けばいいんじゃない?夏姫……来て。」

「何とも締まらない感じがするが、其れしかないか。……其れじゃあ刀奈、仰せのままに。」

その後も、アタシと刀奈は愛し合った……此れは一夏の事をとやかく言う事は出来ないな――アタシもまた、刀奈との一線を越えてしまったのだ
からね。
――こんな言い方をするのは間違ってるのかもしれないが、今日は夏休み最高の日になった――そう思っても罰は当たらないだろうね。

だが、夏休みは未だ前半戦だから、お楽しみは此れからだ――其れを、忘れないようにしなくてはだな。








――――――








Side:???


さてと、これで準備は済んだ――後は頃合いを見て彼等を此方に連れ込むだけなんだが……何を厳しい顔をしているのかな○○?



「アイツ等を取り込むとか本気か?……アイツ等は我が強くて使い物にならないと思うんだが?」

「其れは使いようだろう――尤も、彼らが主人公になる事は無い訳なのだが……まぁ、精々我々の計画の駒になって貰うとしようじゃないか。」

「マッタク、相変わらず良い趣味だ――いや、アナタの場合は最早病気だな。」



其れは最高の褒め言葉と受け取っておくとしよう。
――ふふ、果たして君達は私達にとって最高のカードとなれるのか、或いはそれ以上になれるのか……さて、如何なるモノやらだね。
織斑一秋君。そして篠ノ之散君――フフフ、実に楽しみだ。
既に彼等の専用機も出来ているから、後はその機体を十全に動かせるように彼等を最適化してやれば良いだけの事だ。……まぁ、完全に馴染ま
せるには少々時間がかかるかも知れないがね。

其れと、彼等が君を見たらどんな顔をするのか実に楽しみだ。――そうは、思わないかね○○?



「私としては、アイツ等が殴りかかって来るんじゃないかと危惧してるんだがな……まぁ、そうなったらそうなったで返り討ちだけれど。」

「ならば問題ないだろう?あぁ、くれぐれも壊さないでくれたまえ。彼等は貴重なサンプルなのだからね。」

「……善処しよう。」

「ならば宜しい。」

では、そろそろ彼等を迎えに行くとしようか……余り待たせてしまっても気の毒だからね。――フフフ、楽しみに待っていてくれたまえ。















 To Be Continued… 





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