Side:夏姫


学年別トーナメントから1週間――アタシと楯無は現在成田空港に来ていたりする。
本日はデュノアが祖国のフランスに帰る日だったので、護衛として生徒会長の楯無と副会長(どうしてそうなった?)であるアタシが見送りに来たと
言う訳だ……取り敢えず達者でなデュノア。



「うん、蓮杖さん達もお達者で――捕まっちゃったときは色々と思ったけど、最後にはお世話になっちゃったね。」

「次に会うその時はデュノアではないかも知れないが、お前はお前だ……今度は誰かの言いなりじゃなく、お前の魂に従って生きてみろ。」

「うん、うん、夏姫ちゃんの言う通り。
 己の魂に従って生きていれば、大きく道を見誤る事は無いと言うものよシャルロットちゃん。」

「はぁ?そう言うモノなのかな――時に蓮杖さん、僕を助けてくれるって言う事は、許して貰えたのかな僕は?」



……悪いが許してない。
怒りの感情は持続しないから、怒ってはいないが、お前のやった事は絶対に許される事ではない――ストレートに判決を下すのならば『死刑』の一
択だ。


が、無期限の執行猶予を付けてやる。
お前はフランスの新政府によって新たな名を送られ、ラファールリヴァイヴカスタムⅡを真の己の専用機として改めて受領し、ISを人々の役に立てる
事が出来たのなら、その罪はなかった事にしよう。



「分かった……頑張ってみるよ。」

「あぁ、頑張れデュノア――お前の事を応援してくれる人達の思い、絶対に裏切るなよ?」

「勿論、肝に銘じているよ。」



なら良いさ。次に会う時が、デュノア社の人形でも、スパイでもない本当のお前だと信じているよ。――シャルロット。










Infinite Breakers Break36
『臨海学校の準備。水着を買おう!』










デュノアを成田空港から見送って早1週間――そろそろ7月と言う事も有って、大分暑さが厳しくなってきたが、IS学園は全室エアコン完備だから快
適な事この上ない。

タッグトーナメント終了からは事件は起きていないから平和そのものだ。
ラウラのシュバルツェア・レーゲンは学園によって検査をされた後、アタシ達だけじゃなくクラスの有志も一緒に修理をしてスッカリ元通り――ではな
く、微妙に強化されたな。
特に追加武装がある訳じゃないが、既存の武装の性能が向上したと言う感じで、其れがラウラには逆に良かったみたいだけれどね。

それ以外にあった事と言えば、箒と一夏が所属している剣道部が、夏の総体で女子個人、女子団体、混合団体、男子個人で夫々優勝すると言う4
冠を達成!
ISRIは男性用のISの開発を本格的に始めようとしてるから、そうなればIS学園に入学してくる男子も増える――そうなったら、秋の大会か来年の大
会で男子団体優勝の5冠王も夢じゃないかも知れない。
因みに、一夏と箒は団体戦でも無敗だった――まぁ、龍槌閃とか九頭龍閃とか、反則に近い技を使ったと言うのもあるがね。……と言うか、何で出
来るんだろうか?

……千冬さんの弟と、束さんの妹だから、まだ開花してないだけで実は人外のスペックなのかも知れないな。


其れは其れとして、最近一秋と散(バカ2匹)が妙に大人しいのが少し不気味な感じがするわね?
箒とラウラのサンドイッチラリアートを喰らって懲りたとは思えないし、首輪付きになったから大人しくなったと言うのも到底考えられない――暫くおと
なしくしていて、何処かでトンでもない事をしでかす気がしてならないな。

まぁ、そんな事が起きたら起きたで、速攻で鎮圧して今度こそ厳罰に処してやるだけだけだ……今度は首輪に全ての記録が残されるから、証拠不
十分と言う事も無いしね。


さて、今日も今日とて午前中の授業を終えて、本日は食堂でランチだ。
流石にそろそろ陽の当たる屋上でのランチと言うのは厳しくなって来たからね――特に今日は、真夏がフライングしてしまったんじゃないかと思う位
の暑さだからな……外で食べるなど論外だよ。



「こんな日に、屋外でランチなんて言うのは、相当にCrazyな奴だけだぜ夏姫姉……」

「無駄に見事なクレイジーの発音をどうも、一夏。」

とっくに衣替えをして制服も夏服になってるが、今日の暑さは有り得んだろう流石に……確か天気予報で、埼玉の熊谷がこの時期としては観測史
上最高気温を記録していたとか言ってなかったか?



「言ってた。39度だって。」

「普通に有り得ない。」

「まだ7月になってないんだけど……」

「地球温暖化なのだ~~!!」



いやはや、行き成り真夏になってしまったみたいだな――そのせいか、今日のランチは一夏以外は皆冷たいメニューだからね。
アタシと楯無は冷やしタヌキうどん、鈴は冷やし塩ラーメン、箒は天ざる、マリアとメアリーはローストビーフの冷製を挟んだサンドイッチ、静寐と癒子
は冷やしぶっ掛けそうめん、簪と清香とのほほんさんは冷製豆乳担々麺、ラウラと虚さんは冷やしトマトパスタだからな。

「で、お前は愛妻弁当か一夏。」

「愛妻弁当って……微妙に違くないか?」

「いや、間違ってはいないだろう?」

鈴か箒か、どちらが作ったかは分からないが、お前の嫁が作ったのならば其れはもう立派な愛妻弁当だ――世の独身男性が見たら、血の涙を流
して羨むと思うぞ?

まぁ、そもそもにして元気系スレンダー美少女と、グラマラスな大和撫子のサムライガールが彼女だと言う時点で、お前は世の野郎共の敵であるの
は間違い無い……と言うか完全に敵だ。



「空恐ろしい事言わないでくれ夏姫姉……この事が弾に知られたら、次に会った時に問答無用で滅殺剛昇龍喰らわされちまうぜ。」

「……お前の親友は、殺意の波動に目覚めてるのか?」

「モテる男に対してだけな。
 アイツは割とワイルド系イケメンだからモテないとは思えないんだけどなぁ……少々がっつき過ぎなのがイケナイのかもだ。
 俺としては、アイツは彼女が出来れば一途なタイプだと思うから素敵な彼女が出来て欲しいとは思うんだけど――此ればっかりは俺じゃあ如何に
 も出来ないからな。」



その親友君がどんな奴かは知らないが、良い人が現れる事を願って居よう。
して一夏よ、今日の弁当はどんな感じだ?


ふむ……大きめのおにぎりが3つ――其れが主食で、おかずに鶏のから揚げ、見事な渦模様の卵焼き、そして野菜と薩摩揚げを煮付けた筑前煮
か――唐揚げは醤油ベースの和風の味付けみたいだから、今日の弁当を作ったのは箒かな?



「う、うむ……その、少し至らないかも知れないが、出来る限りやってみた。
 その、味は如何だろうか一夏?」

「……うん、美味い!美味いよ箒!
 唐揚げも卵焼きも筑前煮も、俺好みの味だし、何よりも此のおにぎりの具――刻み沢庵と縮緬雑魚、叩き梅と鰹節、明太高菜とバラエティに富ん
 でる上に、ドレも俺の好きなものだからな。
 若しかして、俺の好きな物を覚えていてくれたのか?」

「と、当然だ。
 お前は母さんが道場の子達に振る舞った握り飯の中でも、その3種類が特に好きだったからな……美味しかったのならば良かった――練習した
 甲斐があったと言うモノだ。」



矢張り箒だったか――一夏の好みを的確に押さえたメニューは見事と言うしかない。……こんな事を言ったらアレだが、アタシも是非とも食してみた
いと思ったからね。
はぁ、極上の美少女が彼女なだけじゃなく、料理スキルも最強クラスとか、本気でお前は果報者だぞ一夏――まぁ、それを是としたアタシ達も大概
なのかも知れないけどね。



「あはは……其れは否定出来ないよ。
 そう言えば、来週は臨海学校だったよね?――皆、準備は出来てる?……具体的に言うなら、新しい水着の準備って出来てる?」



唐突だな清香?
いや、アタシは他の物は兎も角、新しい水着は準備していないな――と言うか、そもそもにして水着など学園指定のスクール水着しか持っていない
ぞ?……此れでは幾ら何でもダメだと思うから、新し水着を買う心算では居たが、お前達は準備出来ているのか?



「「「「「「「「「出来てません!!」」」」」」」」」



だろうな――だが楯無、お前は言う必要はないだろ……お前は、別に臨海学校に行く訳でもないんだからね?



「あら、今年は私も一緒よ夏姫ちゃん?」

「は?お前は学年が違うだろう?」

「そうなんだけど、首輪付きの監視って言う名目で私も行く事になったのよ――最近は大人しくしてるみたいだけど、だからこそ開放的になる臨海
 学校でトンデモない事をする可能性が無きにしも非ずだから。」

「成程な、納得した。」

だが、そうなると学園の守りが薄くならないか?
楯無が此方に来たら、学園の防衛を担うのはダリルとその恋人のフォルテだ――虚さんが専用機を持っていれば違ったんだが、生憎と虚さんは専
用機を持っていないから、一抹の不安があるんだが……



「其れに関しても問題ないわ夏姫ちゃん。
 私が学園を離れている間は、ISRIが学園防衛の為の小隊を送ってくれるらしいから問題ないわ――その小隊を率いているのは、あのオータムさ
 んだしね?」

「あぁ、其れはマッタク持って不安も何もないわ。」

オータムさんならスコールさんレベルの実力者だし、一緒に来る小隊はアストレイ部隊だろうからな……万が一学園が襲撃されたとしても、襲撃者
がスクラップになってお終いだろうね。

あ~~……其れじゃあ、今度の日曜にでも水着を含めて臨海学校に必要な物を皆で買いに行こうか?
何なら、その日は朝から出掛けて、一日本土で遊んできても良いかも知れないしね?……正直、本土への用事があまり無いからとは言え、カレン
ダーの赤い日まで学園にばかり居ると言うのもつまらないしね。



「賛成~~!
 買い物だけじゃなくて、ウィンドウショッピングとか、ゲーセンとかカラオケとか、学園に居たんじゃ出来ない事を思い切りやっちゃいましょうよ!」

「ナッキーの案に大賛成なのだ~~!!」

「生徒会の仕事も特にないし、良いんじゃないかしら?ねぇ、虚ちゃん?」

「えぇ、夏姫さんが生徒会に入ってくれたおかげで、残業する事は無くなりましたからね。」

「……あの仕事量を2人でこなしていたとか、普通にブラック企業だと思った――と言うか、のほほんさんが仕事すれば良い話なんだがな?」

「私が居ても役に立たないんだよナッキー♪」



だよな……やれば出来ると思うんだが、やらないからなのほほんさんは。
まぁ、特に反対意見もないみたいだから、今度の日曜は臨海学校の為の買い出し兼外出日だ――久しぶりの外出だから、楽しまねばだね。








――――――








Side:一夏


でもって、やって来たぜ外出日!
俺とラウラはさっさと準備して校門で待ってるんだが……

「ラウラ、制服で行くのか?」

「おかしいだろうか?」

「いや、お前私服は持ってないのか?」

「学園の制服以外では軍服しか持っておらん。」



ラウラよぉ、其れは女の子としてどうなんだ?……此れは、今日の予定にラウラの私服購入も追加だろうな。
にしても、夏姫姉達はまだ来ないな……まぁ、野郎と違って女の子はお出かけの準備に時間が掛かるって事なのかも知れないな――実際俺の服
装は、ジーパンにTシャツ、その上にレザー風の半袖ジャケットって簡単な物で、持ち物もスマホと財布だけだし。
女の子は色々とお洒落とか、その辺に気を使うんだろうな。



「スマン、待ったか一夏?」

「アラアラ、既に待ってるとはお姉さん感心よ一夏君♪」

「一夏、待たせたな。」

「お待たせ~~!!」



と、此処でラウラ以外の女子全員到着か……うん、やっぱりこんだけ美女が揃うと華があるよな?――まぁ、その中でも鈴と箒がダントツに見えち
まうのは仕方ないよな、うん。
って言うか、のほほんさんは制服だけじゃなくて私服もダボダボなんだな?動き辛くないのか?



「平気だよイッチー!慣れてしまえば、如何って事ないし。」

「サイですかい。
 んで夏姫姉は、珍しく凝った服装じゃん?何時もは、ジーパンにTシャツとか、ジャージにランニングとかラフな格好なのに。」

「アタシだって偶にはお洒落位するぞ?
 其れにだ、皆がちゃんとお洒落してる中で、アタシだけラフな格好と言うのは幾ら何でも浮くだろうと思ってね――まぁ珍しくお洒落をしてみたって
 所だよ。」



成程な。
グレーのタイトな七分丈ジーンズに、白のハイネックの七分丈のシャツ……要するにへそ出しに青い半袖の上着を羽織って、膝下までのロングブー
ツで手には白の指空きグローブと、可成り気合入ってるのが分かるぜ。
でも、お洒落しても私服では絶対に夏姫姉はスカート穿かねぇのな……まぁ、其れは昔からだったけどよ。

で……



「ラウラ、制服で行くのか?私服は?」

「私は制服と軍服しか持ってないぞ姉上?」

「……よし、今日はお前の私服も買おうなラウラ。
 普段のアタシが言えた義理じゃないが、持ってる服が制服と軍服だけと言うのは幾ら何でも大問題だからね――あぁ、異論は認めないからな?」

「む……ならば、姉上に選んでもらうとしよう。」



予想通りラウラの私服購入が追加されたぜ。
取り敢えず、皆も其れに納得したみたいだし、そろそろ出かけようぜ?――本土へのモノレールも、来る頃だからな。



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・・・



で、モノレールで本土まで来て、駅から歩く事10分。やって来たのは大型ショッピングモール『レゾナンス』!
東京ドーム2個分の敷地に、衣料品から生活雑貨、ホビーに中古ショップにスーパーマーケット、様々な外食チェーンまで軒を連ねる一大商業施設
って奴だな。
ゲームセンターや映画館、カラオケボックスまで備わってるから、マジで此処で1日潰す事も可能だぜ。

取り敢えず、先ずは買い物って事で、一番の目的である水着だな。
俺はシンプルな柄のトランクスタイプに速攻で決めたんだが……まぁ、女の子は色々悩むよなぁ?――女尊男卑のご時世だけに、女性物のコーナ
ー、男性物の3倍以上で品揃えも豊富だし。

こりゃ、決まるまでは可成り時間が掛かりそうだぜ。俺と違って、試着とかもするだろうしな。



「ねぇ一夏、此れと此れ、どっちがアタシに似合うと思う。」

「鈴。……そうだな、鈴だとやっぱり赤の方が良いかな?」

自分の買い物を済ませたからと言って、俺の役目は其れで終わりじゃない――絶対に皆が俺に水着に対しての意見を聞いて来るに決まってる。
早速鈴が、同じデザインで色違いの水着を持って来て意見を聞きに来たからな。
シンプルなセパレートタイプだったが、青と赤なら、鈴は断然赤だ。何て言うか、イメージ的にも赤色のイメージだしな。



「なら、赤い方にするわね♪」

「おうよ。」

でもって、これを皮切りに次から次へと俺への意見が次々と!
って言うか、基本がビキニかセパレートだから目のやり場に困るぜ……特に箒!サイズが其れしかなかったって事で、否応なしに黒のセパレート
になったけど、アレだけのプロポーションだとビキニじゃなくても破壊力がハンパねぇわ。



「私は如何だ蓮杖一夏!」

「うん、スクール水着は止めておこうねラウラ。」

一部のコアなマニアには受けるかも知れないけど、そんな人達は色々と間違いまくってる人達だから。
……カメラ回してる野郎が居るから、通報しとくか。



「イッチー、私は?」

「……其れは水着なのかのほほんさん?」



更に、のほほんさんが着て来たのはどう見ても狐の着ぐるみパジャマ……此れは、誰がどう見ても水着じゃないだろ絶対に!其れで水に入って大
丈夫なのか!?――否、問題しかないだろ!!



「これね~、中に水着が入ってるんだ~~。
 其れで、外装をパージするとあっと言う間にワンピースタイプの水着に早変わりなのだ~~♪」

「何つーか、それはそれである意味凄いと思う。」

メーカーが何を思って其れを作ったのかは分からないが、取り敢えず色々とインパクトがあったのは事実だな。
っと、そうだ。鈴と箒の水着代は俺が払うよ――彼女の買い物位は払ってやるのが、男の甲斐性ってモンだと思うからさ。



「え、良いの一夏?」

「流石に其れは……」

「気にすんなって。
 ってか、カッコつけさせてくれよ――密かに憧れてたんだよ、彼女の買い物を払ってやるってのにさ。」

ガキっぽい憧れかもだけど、映画とかでハリウッドのスターが『此処は俺が払おう』って言うのはやっぱりカッコ良かったからな……男なら、差異は
有れど、誰もが憧れるモンだろ。
だから、此処は俺が払うよ。



「そう。ならアタシの分もアンタが払いなさい。」



……はい?
って、誰だこの厚化粧のケバイ姉ちゃんは?時代遅れの山姥ギャルかよ?
誰だよアンタ?――今のは何か?アンタの買い物の代金を俺に払えって言ったのか?



「そう聞こえなかった?
 アタシは女だからアンタよりも偉いのよ――そもそも、男であるアンタに拒否権なんて有る訳ないでしょう?ISを使える女性は、男よりも遥かに優
 れた存在なんだから。」



……ヤレヤレ、典型的な女尊男卑の奴か……見てるだけでムカつくが、少し懲らしめてやるか。

まぁ、確かに現行ではISは女性にしか扱えない……其処だけを考えれば野郎が女性より地位が下がってしまうのは仕方ないけど――アンタはISを
使う事が出来るのか?

其れだけ居張り散らすんだから、さぞかし立派にISを扱う事が出来るんだよな――若しかして、どっかの国の代表候補生だったりするのか?



「え?……否、アタシは……」

「なんだ、扱えないのか?
 にも拘らず、女だって事だけで野郎に、しかも未成年のガキにたかろうとするとは大した根性だなアンタ?――厚顔無恥の極みだぜ、マジでな。」

「く、男のくせに調子に乗るんじゃないわよ!!
 ISを起動する事も出来ない劣等種の分際で!!!」



ISも起動できないねぇ?
ところがどっこい、俺はISを起動できるんだよなぁ――世界初の男性IS操縦者『蓮杖一夏』、其れが俺の名だぜ、ケバイ姉ちゃんよぉ?……誰が劣
等種だって?



「お、お前が蓮杖一夏だと!?」

「あぁ、その通りだ――アタシの弟に因縁をつけるとは良い度胸だな貴様……」



大層驚いたケバイ姉ちゃんだが、直後に夏姫姉に捕まって、ボコられた挙げ句に警備員に通報されて連行されちまった――取り敢えず、女尊男卑
のクソッタレには相応しい末路だったな。

取り敢えず水着店での一件は此れで終いとなって、その後はラウラの私服選び。
夏姫姉と楯無さんと鈴に着せ替え人形にされていたラウラだったけど、満更でもなかったみたいで、其れを楽しんでいたみたいだ。――お陰様でラ
ウラの私服も大分増えたからな。

其の後は、適当にウィンドウショッピングをしつつ、ゲーセンでゲームを楽しんで、ハンバーガーショップでランチを済ませた後に、午後はカラオケだ。


皆が皆、プロなんじゃないかと思う位の美声を披露してくれたんだが、夏姫姉はまた格別だぜ。



「I've been watching you awhile
 Since you walked into my life
 Monday morning, when first I heard you speak to me
 I was too shy to let you know
 Much too scared to let my feelings show
 But you shielded me and that was the beginning……

 Now at last we can talk
 In another way
 And though I try, I love you,
 Is just so hard to say
 If I only could be strong
 And say the words I feel

 My bleeding heart begins to race
 When I turn to see your face
 I remember that sweet dream
 Which you told to me
 I wanted just to be with you
 So we could make the dream come true
 And you smiled at me and that was the beginning

 Now at last we can talk
 In another way
 And though I try, I love you,
 Is just so hard to say
 If I only could be strong
 And say the words I feel

 Tell me what you're thinking of
 Tell me if you love me not
 I have so much I long to ask you
 But now the chance has gone
 When your picture fades each day
 In my heart the memory stays
 Though we rant, you're always smiling
 And I will hold it long……」



英語の歌詞だから、意味は良く分からなかったけど、其れでも心に染み渡ったんだから、夏姫姉の歌唱力は、一流の歌手だけが備えてるって言わ
れてる魂に響く歌声の持ち主なのかもな――夏姫姉の歌声を聞いて、楯無さんですらちょっと涙目になってたからな。
夏姫姉の歌声は、マジで色々と最強なのかも知れないぜ。



っとまぁ、そんなこんなで一日を過ごし、あっという間に時は過ぎ――遂に臨海学校の日がやって来た。
だけど、どうしてもこの臨海学校が何もなく終わるとは思えないんだよなぁ……学園で色々起きた事で、そう思っちまってるのかも知れないが、これ
が俺の思い過ごしである事を願うぜ。

折角の臨海学校で問題が起きたなんて言うのは、流石にシャレにもならないからな。












 To Be Continued… 



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