Side:遊里


と、言う訳でやってきました、南西地区に在る街――フュージョニストタウンに!!
街の名前の通りに、住人の多くが、デュエルモンスターズの融合モンスターって言うのは、ある意味お約束であって、滅茶苦茶しっくりくるのよね。

まぁ、先ずはブリザードを超える為の手段を考えないとなんだけど……其れよりも前に、折角街に着いたわけだから、ブランは服を変えた方が良いかも。
流石に、そのバーサーカースタイルは如何かと思うし、装備品とか売ってるショップで、アタシとアインでコーディネートしてあげるわよ。


「其れは助かるぜ……流石に、この格好はねえからな……」


だよね。
まぁ、あくまでもコーディネートはおまけに過ぎないわ……先ずは、重要なアイテムの入手をしないとだわ。


あの猛吹雪の雪原を超えない限りは、ゲームを進行させる事は出来ないみたいだからね――!











異聞・遊戯王5D's Turn99
『雪原を越えるには……?』










だけど、取り敢えずはブランの服が先って言う事で、街中のショップで、今現在色々試行錯誤中――よし、こんな感じなら如何だろう?
白を基調としたエプロンドレスタイプの魔導師衣装とか、結構似合ってると思うんだけど、如何かしらブラン?


「さっきの毛皮と比べりゃ、万倍良くなった……しかも結構良いモンみたいだからな――礼を言うぜ遊里。」


気に入ってくれたのなら良かったわ。
何て言うか、店に入ってそれを見た瞬間に、此れは絶対にブランに似合うと思ったから、思い切って踏み込んだ甲斐も有ったって言うのものだよね♪


だけどまぁ、服が何とかなったら、今度はあの雪原をどうやって超えるかを考えないとだわ……普通に突っ込んで超えられるモノじゃないからね?
取り敢えずは、地道に街で情報収集と行きましょうか?この手のゲームでは、取り敢えず街のNPCに話しかければ何処かでゲーム進行の助けになる
情報が得られるモノだからね。

でもって、そう言う情報が転がってるのは、街中よりも酒場みたいな場所って言うのが大体のお約束って相場が決まってる物よ。


「アンタ詳しいな?
 若しかして、デュエル以外のゲームも得意なのか?」

「ゲーム全般、割と得意な方かな?それこそテレビゲームからボードゲームまでジャンルを問わずにね。まぁ、一番はデュエルなのは間違いないけど。
 兎に角、聞き込み開始よ。
 酒場みたいな物がなくても、その時は見た目が特徴的なNPCに話しかければ、大抵何かしらの情報をくれる物だからね。」

「Jawohl(了解だ)遊里、頑張ってやってみよう。」


うん、ミスティを助ける為にもね!!
って、如何したのブラン?アインを見て不思議そうな顔して?


「いや……アインてドイツ人なのか?ドイツ語話してたみたいだけどさ……」

「あ~~~~……其れはアタシにも分からないわね。
 って言うか、アインに言わせると、アレは『ドイツ語』じゃなくて『ベルカ語』ってモノらしいから、きっと凄く良く似てるけど限りなく違う物なんだと思うわ。」

「???」

「まぁ、あんまり気にしないで……アインの事はアタシも良く分からないから。」

其れでも、頼りになる仲間である事には全く全然変わりはないけどね。
ま、其れは其れとして、情報持ってそうなNPCは………居た。グラフィックの使い回しじゃない、あの外見は間違いなく何らかの情報持ってるキャラよ!

って言うか、一般人NPCに紛れ込んでる『マスター・モンク』が只のNPCである訳がないわ!!

という訳で、ちょいと宜しいですかマスター・モンク?


「ウム、何か御用かな?」


→《街の事について聞く。》
  《雪原を越える方法を聞く。》
  《デュエル》



……うん、選択肢が出る辺り当たりだったみたいだけど、選択肢が出て来るとこの世界がゲームの世界だって言う事を実感させられるわね。
普段だったらデュエルを選びたい所だけど、今は先を急ぐ訳だし、此処は《雪原を越える方法を聞く》一択ね。――はい、選択と。


「ふむ……あの猛吹雪の雪原を越えるには『アイスブリザード・マスター』のカードが必要だ。」


アイスブリザード・マスターのカードが……って言う事は、先ずはそのカードを何とかして手に入れないとよね?
多分イベントアイテムみたいな感じだろうから、街のショップで買う事が出来るカードではない――少なくともこの街では購入できないでしょうね。

よし、次はカードの入手方法を調べるわよ!!


「え?マスター・モンクからもっと聞けるんじゃないのか?」

「其れは無理よアイン。
 恐らくもう一度話掛けた所で、同じ選択肢が出て、同じ事を聞くだけで終わるだろうから、マスター・モンクとのお話しは此れでお終いな訳なのよ。」



「ふむ……あの猛吹雪の雪原を越えるには『アイスブリザード・マスター』のカードが必要だ。」

「如何やら、そうみたいだな。」


ね、言った通りでしょ?
だから次に行くわよ次!!アイスブリザード・マスターを入手しないとミスティを助け出しに行く事すら出来ないんだから。


「だな!――と、アイツとか如何だ遊里?
 顔を弩派手に塗って、更に金髪を四方八方に尖らせてるアイツは、如何見ても只者じゃねぇと思うんだけどさ?」


其れは確かに只者じゃないわね……って、何で居るの『デーモン閣下』!?え、ゲスト出演?御年10万59歳にしてゲーム出演ですか!?幾ら何でも
此れは驚くっての……まぁ、明らかに何か知ってるとは思うんだけど……あの、少し宜しいですか閣下?


「ふはははは、何か御用かな?」


→《アイスブリザード・マスターは何処で手に入れられる?》
  《ご機嫌麗しゅう閣下》
  《デュエル》



……選択肢にデュエルが現れるのは仕様か?仕様なのか?
閣下がどんなデッキを使うのかはものすご~~~~~~く興味があるけど、今は目的が先決!!アイスブリザード・マスターは何処で手に入るの?


「雪原を越える心算か?……ならば教えてやろう。
 アイスブリザード・マスターは、街の中心部にある『デュエル・コロッセオ』でチャンピオンチームを倒せば手に入れる事が出来るぞ。
 だが、チャンピオンチームは相当の手練れ……挑むのならば、相応の準備をしておくが良い。」


成程、雪原を越える為にはデュエルイベントを熟さないといけない訳か。
だけど、デュエルで道が開けるって言うなら、其れほど簡単な事は無いわ――誰が相手だろうと、デュエルで負ける心算は毛頭ないからね!!

ありがとう閣下、助かったわ♪


「ふははははは、また来るが良い!」


それじゃあ、早速デュエル・コロッセオに向かうわよ!!
チャンピオンチームって言うのがドレだけ強いのかは知らないけど、アタシ達3人なら負ける事はあり得ない!サクッとクリアして先に進んじゃいましょ!








――――――








Side:ブランシュ


なんつーか、遊里がデュエル以外のゲームにも精通してたおかげで、思った以上に事がサクサク進んでる感じだな。
最初の関門も、このデュエルイベントをクリアすれば突破できるだろうしな――しかし、スゲェデカさだなデュエル・コロッセオってのは?東京ドームなんざ
目じゃねぇ大きさだぜ……ゲームの正式サービスが始まったら、此処でプレイヤー同士のデュエル大会とかも行われるのかも知れねぇな。


「OK、イベント登録完了。アタシとアインとブランの3人で、チャンピオンチームに挑む登録を済ませて来たわ。
 ただ、このデュエルは私達全員が勝たないとアイスブリザード・マスターのカードは入手できないから、気合い入れて行くわよ?
 負けても再挑戦出来るとは言え、余計な時間はかけてられる状態じゃないからね。」

「そうだな……全力で叩きのめすか。」

「設定されたNPCデュエリストなんざ俺達の敵じゃねぇ……速攻で終わらせてやるぜ!!」

デュエルの順番はどうなってるんだ遊里?


「先鋒がアインで、中堅がアタシ。そして大将が貴女よブラン。
 アタシが大将を務めようかとも思ったんだけど、ミスティを助け出すなら、彼女のマネージャーを務めてる貴女が大将って言うのが筋ってモノでしょ?」


俺が大将かよ!?……だがまぁ、確かにミスティのマネージャーたる俺が、トリを務めるのも役目なのかも知れねぇな。
良いぜ、やってやろうじゃねぇか!!

だが、俺の出番が来る前に負けるなよな?


「アタシが、やられると思ってるの?
 絶対王者唯一のライバルと称され、解錠覇王であるアタシが、ゲームのNPCに後れを取る筈がないでしょう?即時撃滅してやるわよ!!」

「私も、負ける気はないな。
 此のゲームの世界に捕らわれたミスティ・ローラを助け出せなかったとなれば、祝福の風の名折れだからね――全力でやらせて貰うさ。」


――!!ったく、本気で頼りになるぜアンタ等は。
まぁ、俺だって負ける気は元よりねぇからな?……大将として、キッチリ仕事を熟してやるぜ!!!




んで、会話イベントなんかを経て、デュエル本戦!



『盛り上がっているか皆の衆~~~~!!今宵、久々にコロッセオのチャンピオンチームに挑むデュエリスト達が現れてくれたー!!
 今宵チャンピオンチームに挑むのは『アイン』『ユウリ』『ブランシュ』の、見目麗しい美少女3人のチーム!何とも華があるチームだーーーー!!
 だが、此のチームに立ちはだかるのはコロッセオのチャンピオン!!『アマゾネス三姉妹』だ~~~~!!!』


相手は『アマゾネスの剣士』『アマゾネスの格闘戦士』『アマゾネスの鎖使い』の3人か。
アマゾネスデッキの中核を成すと言っても過言じゃない下級モンスター故に、醸し出されてるオーラはハンパじゃねぇな?……コイツは、思った以上に手
応えのある相手みたいだぜ。

だけど、敢えて言わせて貰う――アンタ等、今回は相手が悪かったってな。
早速、先方のデュエルでアインvs鎖使いのデュエルが始まったんだけど、ハッキリ言って実力が違いすぎるぜ此れは。


「私は手札より、儀式魔法『超戦士の儀式』を発動。フィールドの白夜の騎士ガイアと、極夜の騎士ガイアをリリース!
 白き魂は光を導き、黒き魂は闇を誘う。そして二つの魂は、カオスの力を顕現する!儀式召喚、現れろ『超戦士カオス・ソルジャー』!!」

『ムゥゥゥゥン!!』
超戦士カオス・ソルジャー:ATK3000


「更に墓地の白夜の騎士ガイアと極夜の騎士ガイアをゲームから除外し、『カオス・ソルジャー~開闢の使者~』を特殊召喚する!!」

『ハァァァァァァァァ!!』
カオス・ソルジャー~開闢の使者~:ATK3000



「開闢の使者の効果で、アマゾネスペットタイガーを除外!
 そしてバトル!!超戦士カオス・ソルジャーでダイレクトアタック!!『オーバー・カオス・ブレード』!!」


――ドガァァァァァァン!!


「うわぁぁぁぁぁぁ!!」
アマゾネスの鎖使い:LP2800→0



余裕の勝利だしな。
加えて格闘戦士を相手にした遊里も……


「プリンセス・ヴァルキリアの効果発動!手札を1枚捨て、墓地から『有翼幻獣 キマイラ・ガイスト』を特殊召喚!」
有翼幻獣 キマイラ・ガイスト:ATK2100


「レベル6のキマイラ・ガイストに、レベル2のギガ・クリボーをチューニング!
 集いし願いが、天空(そら)を駆け抜ける疾風(かぜ)となる。光射す道となれ!シンクロ召喚、飛翔せよ『輝天龍 シルバー・ウィンド』!!」

覚悟は良いか、アマゾネスの戦士よ?
輝天龍 シルバー・ウィンド:ATK2500


「プリンセス・ヴァルキリア、ダーク・マジシャン・ガール、輝天龍 シルバー・ウィンドの3体で『アマゾネスの女王』に攻撃!
 そしてこの瞬間に速攻魔法、『シンクロ・リミットオフ』を発動!エンドフェイズまで、アタシのシンクロモンスターの攻撃力は800ポイントアップ!
 更に、シルバー・ウィンドの効果を、シルバー・ウィンド自身に発動し、攻撃力を500ポイントアップさせ、破壊耐性を付与するわ!!」


輝天龍 シルバー・ウィンド:ATK2500→3300→3800
プリンセス・ヴァルキリア:ATK2500→3300
ダーク・マジシャン・ガール:ATK2500→3300



「これで、終わりだぁぁぁ!!」



――ドゴォォォォォォォォン!!



「イッテレボアァ!?」
アマゾネスの格闘戦士:ATK3000→1600→700→0



マッタク持って問題なく大勝利!
つーか、1ターンにレベル8のシンクロモンスターを3体も呼び出すなんて、相変わらずトンでもねぇな?俺と戦った時よりも強くなってるじゃねぇか此れ!

まぁ、結果論になるけど、遊里とアインを呼んだのは間違いじゃなかったみたいだぜ。



「そう言って貰えるなら、来た甲斐も有ったってモノだわ。」

「だが、私と遊里が勝ったとは言え、お前が負けてしまえば水の泡だからな――大将戦もキッチリ決めて来てくれブラン。」


おうよ、言われるまでも無いぜ!!――元より勝ちに行く訳だからな!!


『な~~んと、此処までチャンピオンチームが2連敗!?
 次のデュエルに挑戦者が勝てば、新たな伝説の幕開けになるのかも知れないぜ~~~!!さぁ、大将戦デュエリストCome on!!』



で、会場入りしたんだが、予想通りチャンピオンチームへの声援が圧倒的に多いな?――こうなると俺達は悪役だが……上等だぜこら。
寧ろ悪者見参って言ってやるぜ!!――だから覚悟しておけよそっちの大将『アマゾネスの剣士』?

今の俺は最高にノッてるから簡単に勝つ事は出来ないぜ?……其れでも良いって言うなら掛かって来いよ――返り討ちにしてやるぜ!!!


「無論挑ませて貰おう……妹の仇もとらねばならんからな。」


なら始めようぜ?――俺の力を思い知らせてやるぜ!!
俺のデッキマスターは『鎧殻龍 シェルアーマー』だ!!


「私のデッキマスターは『アマゾネスペット虎』だ!」


お互いにデッキマスターも出そろったところで、行くぜ!!


「「デュエル!!」」


ブランシュ:LP4000
アマゾネスの剣士:LP4000



だから、待っててくれミスティ――必ずアンタを、助け出して見せるからな!!!














 To Be Continued… 






登場カード補足




シンクロ・リミットオフ
速攻魔法
エンドフェイズまで、自分フィールド上に表側表示で存在するシンクロモンスターの攻撃力を800ポイントアップする。
この効果を発動した次のターン、自分はシンクロモンスター以外のモンスターを特殊召喚する事が出来ない。