Side:遊里


『其れでは次のニュースです。
 昨夜、午後11時頃、シティの郊外でDホイールが盗まれる事件が起きました。犯人は複数のDホイーラーの集団であるようですが詳細は不明。
 セキュリティは、此れまでに発生したDホイールの窃盗事件の犯人グループと同一と見て捜査をして――』



またなの、Dホイールの窃盗事件?今月に入って何件目よ一体?


「今回で、目出度く50件目だ……マッタク持って、セキュリティの甘さが浮き彫りになっているな。」

「つーか、コイツ等にシティの治安任せて良いのかよ?
 ぶっちゃけ、牛尾の旦那を団長に於いて、旧サテライトの連中で『シティ自警団』を組織した方が、治安維持に役立つんじゃねぇか?割とマジでよ?」


その可能性が否定できないのが悲しいわねクロウ。
だけど、此の窃盗団を野放しに出来ないって言うのは事実だわ……Dホイーラーの魂とも言えるDホイールを盗むなんて事は絶対に許せないからね。


「ならば如何する?」

「決まってるでしょ?
 セキュリティが当てに成らない以上、アタシ達で犯人グループを特定して、そんでもってぶちのめす!!異論は有るかしら、ジャック、鬼柳、クロウ?」

「フン……異論など有る筈がない。
 Dホイールとは、デッキと並ぶDホイーラーの魂!其れを盗むような下衆は、絶対王者のフィールで叩きのめしてくれる!!」

「野放しにしたら満足出来ねぇ……ぶっ潰してやろうぜ?」

「相手が誰だろうと、俺達なら勝利は絶対だぜ!
 お前の事だ、ネットとかを駆使して犯人の目星はついてるんだろ?――だったら、そいつ等に一泡吹かせてやろうじゃねぇか!!」


まぁ、そう来るよね?クロウの言う通り、実を言うと犯人の目星はついてるからね。
犯人は中規模の窃盗団兼ギャングって言うと感じで、今日の深夜にドミノ埠頭から船で盗んだDホイールを運び出すみたいだわ……其処に乗り込む!

異論は?


「「「ない!」」」


それじゃあ今夜、Dホイール窃盗団の殲滅作戦を行うとしましょうか!!












異聞・遊戯王5D's Turn88
『Dホイール窃盗団撲滅作戦』











Side:ジャック


埠頭に停泊している大型貨物船……此れはまた何とも分かり易い物だな?如何にも『密輸してますから』と言わんばかりの見てくれだ。
こんなあからさまな船を使うとは、窃盗団のリーダーは相当に頭が悪いのか、其れとも深夜だから分からないと高を括っているのか…理解出来んぞ。

まぁ、Dホイールを盗み出す下衆に情けは不要ゆえ、叩きのめすだけだけれどな。

「其れは其れとしてだ、眠気覚ましのコーヒーは兎も角として、何を食している遊里?なんだ、その真っ赤なホットドックは?」

「此れ?これはねぇ……『絶!辛さ120%ハバネロソースのチリドック』だよ?
 ソースだけじゃなくて、パンとソーセージにもハバネロが練り込んである『辛さの限界』を追求した辛党には堪らない一品だよ?食べてみる?」


全力で遠慮しよう!眠気は吹き飛ぶかもしれんが、脳味噌の血管が切れるかもしれんのでな……如何して平気なんだろうか遊里は。


まぁ、其れは其れとしてだ、どうやって連中を抑える心算だ遊里よ?
恐らく、連中は船に乗り込んでいると見て間違いないと思うが、此のまま離岸されて沖に出られたら手の出しようがないだろう?如何する心算だ?


「そんなの、直接船に乗り込むに決まってるでしょ?其れ以外に何か策があるかしら?」

「「「無い。」」」


残念ながらな。
だが、確かに其れが一番確実な方法であるかも知れん――場合によってはデュエルで叩き潰せば良いだけだからな!!


「てか、其れが一番だからね?――窃盗団に一泡吹かせてやろうじゃない!!」

「絶対王者と無敵女帝が率いるデュエルチームの初デュエルだ……負ける事は出来んな!!」



――トン



等と言う事を言ってる内に、船の甲板に到着か。
遊里作の『アンカーワイヤー射出装置』のおかげで、楽に船に入る事が出来たな……しかし、トンでもない大きさだな此れは…一体どれだけ密輸する
心算だったのか……船の大きさから考えると、1000台は下らないと言ったところか……何とも胸糞の悪くなる話だ。

しかし、乗り込んだのは良いが此れから如何する?


「アタシは其処の通風孔から、機関室に降りて船のエンジンを解体するわ。離岸されたら厄介だからね。
 ジャック達は――この船の親玉をデュエルで叩きのめしてくれる?どうせ、言葉で言って聞く連中じゃないだろうから、デュエルで潰すが上策でしょ?」

「確かに、そっちの方がシンプルで分かり易いか……ならば、コイツ等の親玉は俺が叩きのめしてくれる!
 だが、お前も気を付けろよ遊里?如何に機関部とは言え、其処の守護者が居ないとも限らないからな?」

「其れに関しては大丈夫よ?こう見えても、牛尾からセキュリティ式の護身術を習ってるし、もしもの時の為に手製のスタンガンを装備してるからね。
 ……まぁ、大概の相手は卍固めで締め上げるか、ジャーマンで投げ殺すか、ドラゴンスクリューからのシャイニングウィザードでKO出来るんだけど。」


……女だてらに其れだけ出来れば上等だ……心配するだけ無駄だったな。

ならばエンジンの解体は任せるぞ?こっちはこっちで、コイツ等の親玉を撃滅してやろうではないか!!絶対王者のフィールで叩きのめしてくれるわ!


「まぁ、ジャック達ならこの船のチンピラデュエリストに負ける事は絶対に無いと思ってるわよ……そっちは任せるわ!!」

「あぁ、任された!!」

では行くか……Dホイーラーの魂を盗む外道に、鉄槌を下しにな!!



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程なくして、大きな倉庫部屋に辿り着いたのだが、この部屋には見渡す限りのDホイールが!……一体どれだけ盗んだのだコイツ等は?



「きっひっひ、コイツは珍しいお客さんだぜ……こんな船に何の用だい、絶対王者ジャック・アトラス様と……そのお仲間達よぉ?」

「む……貴様がこの船のリーダーか?」

「三下悪役全開だけどな。」

「こんなのがリーダーじゃ、満足出来ないぜ……」

「お供は黙ってろ!!如何にも!俺様が、この船のリーダこと『リッパー・アーノルド』だ!――そんで、何の用だい?
 まさかとは思うが、俺達の事を嗅ぎ付けて退治しに来たとか言わねぇよなぁ?――幾ら何でも、其れじゃあお笑いだぜ絶対王者様よぉ!!!」


フン、生憎とその『まさか』でな――貴様等が強奪したDホイールを奪い返しに来たのだ俺達は!!!
貴様等如きは俺だけでも充分なのだが、更に無手札の鬼神こと鬼柳と、黒き風を制するクロウが居るのだ……俺達が負ける事などありはしないぞ!


「絶対王者もトンだ馬鹿ってか?
 まぁ良い……俺とのデュエルに勝ったら、大人しく降参してやるよ。だが、負けた場合の覚悟は出来てるよなぁ?」

「誰にモノを言っている三下が。貴様が俺に勝つなど1000年は早い!其れを身をもって教えてやろう!!」

「交渉成立だな……なら始めようぜ?
 だが、只のデュエルってのも面白くねぇからなぁ……あのベルトコンベアの上で勝負ってのは如何だ?」


ベルトコンベアの上で、だと?


「あの2つのベルトコンベアは夫々でかいゴミを処理する為のモンでな、コンベアの先にある大型ごみ箱にゃ、ゴミを裁断処理するカッターがある。
 そんでだ、その上に乗り、ライフが減るとコンベアはゴミ箱方向に動き、ライフが0になったらゴミ箱に真っ逆さまの、命懸けのデュエルだ!
 どうだ、面白れぇだろ?其れとも、そんなデュエルは怖くて出来ねぇか?」


フン、その程度の脅しで俺が怯むとでも思っているのか?

良かろう!!望むところだ……この、ジャック・アトラスが本物のデュエルと言う物を教えてやろう!!
さぁ、デュエルだ!!!


「「デュエル!!」」


ジャック:LP4000
リッパー:LP4000



「先攻は貰うぜ絶対王者!!俺のターン!!
 手札から速攻魔法『手札断殺』を発動!互いに手札を2枚捨て、デッキからカードを2枚ドローする!」


モンスターを召喚せずに手札の入れ替えとは、手札事故でも起こしたか?――或は上級モンスターを落としての蘇生コンボか……まぁ、どんな戦術で
来ようとも、其れを真正面から粉砕してやるがな!


「そして俺は、『闇魔界の祈祷師』を守備表示で召喚!」
闇魔界の祈祷師:DEF1800


「ターンエンドだ。」

「命懸けのデュエルを仕掛けて来た割には、随分と貧弱なモノだな?その程度で、この俺と戦おうとは片腹痛い!
 貴様如きが絶対王者に勝てると思うな三下が!俺のターン!!」

相手フィールド上にのみモンスターが存在する場合、手札のチューナーモンスター『暗黒道化師のサギー』は特殊召喚できる!


『ギシシシシシシ……』
暗黒道化師のサギー:DEF1200


更に『ランスホーンズ・ドラゴン』を召喚!


ランスホーンズ・ドラゴン:ATK1500


「レベル3のランスホーンズ・ドラゴンに、レベル3の暗黒道化師のサギーをチューニング!
 天を焼くシリウス、孤狼の蒼き瞳よ、地に縛られた牙無き愚者を噛み砕け!シンクロ召喚、蒼き爪牙『天狼王 ブルー・セイリオス』!!」

『ウォォォォォォォォォン!』
天狼王 ブルー・セイリオス:ATK2400



「……流石は絶対王者、見事な速攻だぜ。」

「この程度、俺からすれば大した事ではないが、只の上級シンクロではないぞ?
 ランスホーンズ・ドラゴンを素材にして呼び出されたシンクロモンスターは貫通能力を得る!!」

「何だと!?」


モンスターを守備で出し、ダメージを回避しようとしたのだろうが、そんなせせこましい戦術が俺に通じると思っているのか?
俺は絶対王者!眼前の敵は、只只管に砕いて前に進むのみだ!!

バトル!やれ、ブルー・セイリオス!身の程知らずの下僕を噛み砕け!『天狼蒼牙』!!


――グバァァァァァァァァ!!!


リッパー:LP4000→3400
「どわぁぁぁああ!!……さ、流石は絶対王者……スタンディングデュエルだってのに凄まじいフィールだぜ。だが、俺だって簡単には終わらねぇ!
 闇魔界の祈祷師の効果発動!戦闘によって破壊された時、デッキからレベル4以下の闇属性モンスターを特殊召喚出来る!!
 俺がこの効果で呼び出すのは、レベル4の『デーモン・ソルジャー』だ!」
デーモン・ソルジャー:ATK1900


転んでも只では起きんか……カードを1枚セットしてターンエンドだ。


「俺のターン!!手札から永続魔法『闇魔界の施薬院』
 このカードが存在する限り、闇属性モンスターの効果を発動する際に必要となるライフコストは0になる!
 そして、俺はデーモン・ソルジャーをリリースし……来い、死者の魂を操る呪われた人形遣い『死霊操りしパペット・マスター』!!」

『アガバ……』
死霊操りしパペット・マスター:ATK0



「パペット・マスターの効果発動!コイツのアドバンス召喚に成功した時、ライフを2000払う事で墓地の悪魔を2体まで蘇生できる!
 だが、闇魔界の施薬院の効果で、俺はライフコストを支払わずにこの効果を使用できる!蘇れ『レジェンド・デビル』『軍神ガープ』!!」


レジェンド・デビル:ATK1500
軍神ガープ:ATK2200


一気に3体ものモンスター揃えるとはな……さっきの手札断殺は此れの布石だった訳か。
しかも、同レベルモンスターが3体と言う事は、狙いはランク6のエクシーズ召喚と見て間違いなかろうな……


「行くぜぇ……俺はパペット・マスター、レジェンド・デビル、軍神ガープ、3体のレベル6闇属性モンスターをオーバーレイ!
 深き闇ほど、闇の力は引き出される……闇魔界の力に恐怖しろ!エクシーズ召喚『闇魔界の覇王 カタストロフ』!!」

『ギシャァァァァァァァァァァ!!』
闇魔界の覇王 カタストロフ:ATK4000



そして、呼び出されたのは攻撃力4000のランク6の悪魔族エクシーズか……フン、相手にとって不足はないわ!


「カタストロフは、オーバーレイユニットがある限り相手のカード効果では破壊されねぇ、効果破壊に対して強い耐性を持ったモンスターだ!
 アンタが何を伏せてるかは知らねぇが、リバースカードなんざおそるるに足らねぇんだよ!!
 バトルだ!カタストロフで、ブルー・セイリオスに攻撃!!『邪王爆滅波』!!」


――バガァァァン!!


ジャック:LP4000→2400


ふん……これしきの事、如何と言う事は無い!!寧ろ今の攻撃が、貴様の敗北の呼び水となると知れ!
リバースカードオープン、トラップカード『王の逆鱗』

俺のシンクロモンスターが破壊されたとき、破壊されたモンスターよりもレベルが2つ高いシンクロモンスターを、エクストラデッキからシンクロ召喚する!
破壊されたブルー・セイリオスのレベルは6!よってレベル8のシンクロモンスターを、エクストラデッキからディメンジョンシンクロ!!

万物を焼き尽くす孤高の絶対王者よ、天地鳴動の力を揮うが良い!シンクロ召喚!降臨せよ『煌魔龍 レッド・デーモン』!!

『バオォォォォォォォォォ……!!』
煌魔龍 レッド・デーモン:ATK3000


「れ、レッド・デーモン!!」

「未だだ!俺のフィールド上のモンスターが破壊された時、手札の『執念深き復讐のソード・ストーカー』を特殊召喚出来る!
 そして、この効果で特殊召喚されたソード・ストーカーの攻撃力は次のオレのターン終了時まで500ポイントアップする!!」
執念深き復讐のソード・ストーカー:ATK2000→2500


「う、嘘だろ!?」

「此れが現実だ!そして其れだけではない!
 ブルー・セイリオスの効果で、カタストロフの攻撃力は2400ダウンし、逆にレッド・デーモンの攻撃力は『王の逆鱗』の効果によって、ブルー・セイリオ
 スの攻撃力の半分、1200ポイントをその身に加えているからな?」


煌魔龍 レッド・デーモン:ATK3000→4200
闇魔界の覇王 カタストロフ:ATK4000→1600


「く、クソッたれが!カードを1枚セットしてターンエンドだ!!」

「俺のターン!チューナーモンスター『フォース・リゾネーター』を召喚!」
フォース・リゾネーター:ATK500


覚悟は良いな、下衆が!
俺は、レベル6のソード・ストーカーに、レベル2のフォース・リゾネーターをチューニング!

「天を統べる暴君よ、その力を以ってして生者を統括せよ!シンクロ召喚、絶対支配者『暴龍王 タイラント・バースト』!」

『グギャァァァァァァァァァァアァァ!!』
暴龍王 タイラント・バースト:ATK2900



更に、タイラント・バーストの効果発動!
俺のフィールド上のモンスター1体を選択し、このカードを攻守400アップの装備カードとして選択したモンスターに装備する!

この効果の対象となるのは、当然『煌魔龍 レッド・デーモン』!!!


『バオォォォォォォォォォォ!!』
煌魔龍 レッド・デーモン:ATK4200→4600



「こ、攻撃力4600だとぉ!?」

「このターンで終わりだリッパー!煌魔龍 レッド・デーモンで、闇魔界の覇王 カタストロフに攻撃!燃え尽きろ『アブソリュート・ヘル・バーン』!」

「そうは行くかよ!トラップ発動『ライジング・エナジー』
 手札を1枚捨て、カタストロフの攻撃力を1500ポイントアップするぜ!!」
暗黒界の覇王 カタストロフ:ATK1600→3100


――バガァァァン!


リッパー:LP3400→1900



ダメージを軽減する手段を選んだか……


「其れだけじゃないぜ?カタストロフは破壊される場合、代わりにこのカードのオーバーレイユニットを取り除く事が出来る!
 このターンでアンタが俺を倒すのは不可能だぜ、絶対王者さんよぉ?」
闇魔界の覇王 カタストロフ:ORU3→2


「……そう思うか?」

「へ?」


甘いわ!タイラント・バーストを装備したモンスターは、バトルフェイズ中に3回攻撃する事が出来る!!
よって、レッド・デーモンは更に2回の攻撃が可能になるのだ!!


「そ、そんな!う、嘘だろぉぉぉぉぉ!!」

「Dホイーラーの魂とも言うべきDホイールを盗んで私腹を肥やしていた、己の悪事を今此処で悔いるが良い!!
 やれレッド・デーモン!!厄災の名を冠した悪魔を、その炎で焼き尽くせぇ!!!『アブソリュート・ヘル・バーン・オーバードライブ』!!」

『バオオォォォォォォォォォォォォォォォ!!!』


――バキッ!ベキィィィィィ!!



闇魔界の覇王 カタストロフ:ORU2→1→0


「ぶべらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
リッパー:LP1900→400→0


――ガクン!!


ふん……大体予想はしていたが、自分は命綱付とは『命懸けのデュエル』が聞いて呆れるわ!
命懸けのデュエルを仕掛けておきながら、自分だけは負けても助かろうなどと言うこの愚行――恥を知れ、愚か者が!!


「クソッタレ……予定より早いが離岸しろ!!コイツ等を海のど真ん中で孤立させてぶっ殺してやる!!」

「了解!!……って、船が起動しませんぜアニキ!!」

「なんだとぉ!?」



起動しないのは当然だろうな……この船のエンジンは、遊里が解体しているからな!!万に一つも起動する事など有り得んわ!!


「そう言う事よ……旧式の船だったからエンジンの解体は楽だったしね。」

「其れも、お前でなくては此れだけのスピードで解体は出来なかっただろうがな?」

エンジンを解体して此処に来たか――見事な仕事だったな遊里?


「ま、アレ位は余裕ですので……さて如何する外道共?
 エンジンは解体したから養生に逃げる事は出来ないし、もう直ぐ此処はセキュリティと『チーム・スカルフレイム』と『義村組』の面々が包囲するわよ?
 無駄な抵抗はしない方が身の為よ?……さもないと――

「死ねや小娘が!!」

「フン!!」


――バキィィィ!!!


「ぷべらあ!?」

「こ~~んな風になっちゃうからね?」


襲って来た雑魚を、裏拳一発でKOとは、凄いとしか言いようがないが……此れを見ても未だ掛かってくるか雑魚共よ?
俺も鬼柳もクロウも、純粋なパワーは遊里よりも上だが……其れでも反抗する気があるか?遊里に格闘で勝てない貴様等に!!


「お、俺等の負けだ……やられ損だけは勘弁だからな……」


小悪党が……最悪の場合に自らが傷つく覚悟のない奴が、悪事を働くなど笑止千万極まりない!
所詮、貴様は覚悟なき三流の悪役に過ぎん!精々、セキュリティの牢獄の中で囚人生活を送るが良い!!其れが貴様にはお似合いだからな!!


そして、Dホイール盗難等と言う軽挙妄動を働いた、己の愚かさを悔いるが良い!因果応報と言う言葉の意味を、牢屋でじっくりと考えるんだな!!


「ま、此れで一件落着かな?」

「この件に関しては、そうだろうな。」

願わくば、二度とこんな事件が起きないように……せめて、祈っておくか。






因みに、盗まれたDホイールは、全て元の持ち主に戻す事が出来た。――矢張り、Dホイールは本来の持ち主が使ってこそだな!















 To Be Continued… 






登場カード補足






闇魔界の覇王 カタストロフ
ランク6   闇属性
悪魔族・エクシーズ/効果
レベル6の闇属性モンスター×3
このカードにオーバーレイユニットがある限り、このカードは相手のカード効果によっては破壊されない。
このカードが破壊される場合、代わりにこのカードのオーバーレイユニットを1つ取り除く事が出来る。
ATK4000    DEF1500



闇魔界の祈祷師
レベル4    闇属性
悪魔族・効果
このカードが戦闘で破壊され墓地に送られた場合、自分のデッキからレベル4以下の闇属性モンスター1体を選択して特殊召喚出来る。
ATK1200    DEF1800



闇魔界の施薬院
永続魔法
このカードが表側表示で存在する限り、互いに闇属性のモンスターの効果を発動する際に支払うライフポイントは0になる。



王の逆鱗
通常罠
自分のシンクロモンスターが破壊された時に発動できる。
そのモンスターよりもレベルが2つ高いシンクロモンスターを、エクストラデッキからシンクロ召喚扱いで特殊召喚する。
この効果で召喚されたモンスターの攻撃力は、破壊されたモンスターの攻撃力の半分の数値分アップする。