遊里:LP1600
レジェンダリー カオス・ソルジャー:ATK3000


ルドガー:LP2800
縛られし神への闘争:地縛神カウンター2



Side:遊里


ルドガーのモンスターはゼロだけど、状況的には私の方が追い詰められてるわね…
此れが普通のデュエルで、地縛神も普通のモンスターだったらそれ程危なくはないんだけど、このデュエルはダークシグナーとのデュエル……

地縛神の召喚を許したら、多くの何の罪も無い人が地縛神の生贄になってしまう……其れだけは何としても阻止しないと――!!


「焦っているな、上条遊里……ククク、精々足掻け。貴様が足掻けば足掻くだけ、絶望は大きくなる。」

「悪いけど、絶望に屈する気は微塵もないのよね……
 アタシの頭の中に有るのは、どうやって貴方のそっ首討ち取るかって事だけよルドガー……貴方達の思い通りに何てさせて堪るもんですか!!」

「吠えるか……ならば、どうやって私の首を取るか見せて貰おうか!私のターン!!
 『スピリット・スパイダー』を守備表示で召喚!!このモンスターは戦闘で破壊されんモンスターだ。」
スピリット・スパイダー:DEF0


「更に永続魔法『攻撃誘発鱗粉剤』を発動!
 私のフィールド上の昆虫族モンスターが存在する時、相手は必ずバトルフェイズにモンスターでの攻撃をしなくてはならない!!」


!!戦闘耐性モンスター+攻撃強制のコンボ……此れで確実に地縛神カウンターを溜める腹積もりね?……だけど果たしてそう巧く行くかしら?


「カードを1枚セットし、ターンエンドだ。」


地縛神の召喚は絶対にさせない……その前に貴方を倒して終わりにするわルドガー!アタシのターン!!!













異聞・遊戯王5D's Turn44
『偽りのデュエル…悲劇の勝利』











「手札の『ジャンク・ブレーダー』を墓地に捨て、チューナーモンスター『ジャッキー・ジャンパー』を特殊召喚!」
ジャッキー・ジャンパー:DEF1200


そして、『チューニング・サポーター』を召喚!


チューニング・サポーター:DEF300


チューニング・サポーターは、シンクロ召喚の素材になる時、レベル2のモンスターとして使用する事が出来るわ。
此れにより、私はレベル5のシンクロが可能になる!!行くわよ、ルドガー!!

「レベル2となったチューニング・サポーターに、レベル3のジャッキー・ジャンパーをチューニング!
 集いし絆が、此処に新たな力を誘う。光射す道となれ!シンクロ召喚、羽ばたけ『ヘル・カースド・ドラゴン』!」

『キシャアァァァァァァァァ!!!』
ヘル・カースド・ドラゴン:ATK2000



「新たなシンクロモンスターか……だが、スピリット・スパイダーは戦闘では破壊されん!
 更に攻撃誘発鱗粉剤の効果で、お前は必ず攻撃しなくてはならない……無駄に地縛神カウンターを溜める結果になったなぁ?」


……其れは如何かな?
ヘル・カースド・ドラゴンは、ドラゴン以外のモンスターと戦闘を行う場合、その相手モンスターをダメージ計算を行わずに抹殺する殺戮龍よ?

幾ら戦闘で破壊できないとは言っても、効果破壊は有効な訳でしょ?……だったら其れを利用するわ。
加えて、カオス・ソルジャーも自身以外のシンクロが現れたおかげで完全効果破壊耐性を得た――このまま押し切らせてもらうわルドガー!!

「ヘル・カースド・ドラゴンで、スピリット・スパイダーを攻撃!!焼き尽くせ『カースド・フレイム』!!」

「そうはさせん、永続トラップ『鋼鉄の空蝉』を発動!
 このカードが存在する限り、私の場の昆虫族モンスターは1ターンに1度だけカード効果では破壊されん!!
 くくく……効果破壊を狙って、更にカオス・ソルジャーのダイレクトアタックを考えていたのだろうが、残念だったな?」
地縛神カウンター:2→3


「……其れは如何かな?」

「む?」


効果破壊を防いだのは見事だけど、アタシの戦術は常に隙を生じぬ二段構え!
カオス・ソルジャーで、スピリット・スパイダーに攻撃!そしてこの瞬間に、トラップ発動『ストライク・ショット』
攻撃モンスターの攻撃力を700ポイントアップし、貫通効果を付けるわ!!


レジェンダリー カオス・ソルジャー:ATK3000→3700


――ズバァァァァァァァァァア!!



「グオォォォォォォォ!!!………なんてなぁ。」

「へ?」

「その攻撃的な二段構えには驚いたが、残念だったなぁ?
 鋼鉄の空蝉には、昆虫族モンスターが戦闘を行う事によって発生する私への戦闘ダメージを0にする効果もあるのだ!よって私は無傷だ!!」
ルドガー:LP2800
地縛神カウンター:3→4



戦闘ダメージを0に!!
しかもこれでカウンターが4つに……次のターンで確実に地縛神が来る……!!
其れは兎も角、この戦いに関係ない人達の魂が喰われるのを防ぐ手立ては、何もないの!?………このままじゃ――!!

「カードを2枚セットしてターンエンド……!!」

「くはははは!!私のターン!!
 縛られし神への闘争の効果発動!地縛神カウンターが4つ乗ったこのカードを墓地に送り、デッキから『地縛神』を特殊召喚する!!!」


――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……ドクン、ドクン……


来たわね、石の心臓……く……人々の魂が……!!


「う、うわぁぁぁぁぁあ!!」

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


「「!?」」



あ、あの子達は!!マーサハウスの子供達!!何でこんな所に……!!


「ゴメン……遊里お姉ちゃんを応援しようと思って付いてきちゃったの……」

「だけど何で……何なんだよ此れ!!!」

「直ぐに逃げなさい!!魂を奪われるわよ!!!」

「全力で逃げろ!!今すぐにだ!!行け!!!!」

「無駄無駄無駄!!この結界内部に居ない者、シグナーでない者にこの瘴気を防ぐ手などないわぁ!!!」


そんな!!……アタシもジャックも、デュエルが終わるまではこの結界から出る事は出来ない……如何すれば良いのよ……!!!


「……物事には必ず例外と言うモノが存在すると知れ……撃ち貫け、ナイトメアハウル!!!」


――バガァァァァァァァァァン!!!


は?瘴気が吹き飛んだ?何が如何して!?……って言うか、今の声は……まさかアイン!!!


「この子達の事は私に任せろ遊里!
 この身の全てを掛けて、この子達の事は護ってやる………お前はさっさと地縛神とやらを倒してしまえ!!」

「アイン!!…分かったわ!!!」

闇の瘴気を吹き飛ばすとか、流石はアインと言うか何と言うか……だけど此れでデュエルに集中できるわ!
闇の瘴気だって無限じゃないんでしょう?……其れにシグナーなら防げるって事は、龍可や鬼柳が居る場所は絶対安全圏だからね。


「此れを吹き飛ばすとは奴は一体…?……まぁ良い、どの道地縛神は目覚めるのだからなぁ!!
 既に十分なほどの人の魂は喰らっただろう………現れよ、『地縛神 Uru』!!!」

『シャァァァァァァァァァァ!!!!』
地縛神 Uru:ATK3000



巨大な蜘蛛の地縛神……攻撃力はCcapac Apuと同等の3000ポイント……効果が違うって所かしら?


「地縛神 Uruの効果発動!私の場のモンスター1体をリリースし、相手モンスターのコントロールを得る!
 スピリット・スパイダーをリリースし、ヘル・カースド・ドラゴンを貰うぞ!!」

「コントロールの奪取………だけど、其れは不許可ね!速攻魔法『所有者の聖痕』
 全てのモンスターのコントロールは元々のコントローラーに戻る!!此れでヘル・カースドは返してもらうわルドガー!!!」

「ぐぬぅ……貴様の僕を全滅させてやる心算だったが…まぁ良い、地縛神は相手にダイレクトアタックが出来るモンスターだ!!
 この一撃で闇に沈め上条遊里!!フィールド魔法がある限り、Uruは相手のカード効果を受け付けん!死ね『ヘル・スレッド』!!」


そうは行かないわ!!トラップ発動『ガード・ブロック』
アタシに対して発動する戦闘ダメージを1度だけ0にしてカードを1枚ドローする!
そして此れは地縛神への効果じゃなくて『戦闘ダメージを0にする』と言うルール効果だから、地縛神相手でも関係ないわ!!


「むぅ……其処まで見越すか……カードを2枚セットしてターンエンド。」

「今度はこっちから行くわ!アタシのターン!!」

……!!このカードは……此れを使えばルドガーを一気に追い込める!!
このカードを使うには、貴方の力が必要だわ……!!チューナーモンスター『月夜のシルバー・フォング』を召喚!!!


月夜のシルバー・フォング:ATK1200


「押し通る!!レベル5のヘル・カースド・ドラゴンに、レベル3の月夜のシルバー・フォングをチューニング!!
 集いし願いが、天空(そら)を駆け抜ける疾風(かぜ)となる。光射す道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ『輝天龍 シルバー・ウィンド』!!」

地縛神……今回は負けぬぞ…!!
輝天龍 シルバー・ウィンド:ATK2500


行くわよシルバー・ウィンド!!
アタシは手札より魔法カード『シューティング・ストリーム』を発動!!
このターンのバトルフェイズを行わない代わりに、相手にシルバー・ウィンドの元々の攻撃力分のダメージを与える!!

シルバー・ウィンドの元々の攻撃力は2500!!その分のダメージを受けて貰うわ!!!!


滅せよ!!


――ゴォォォォっォォォォォォォ!!



「むおわぁぁぁぁ!!!」
ルドガー:LP2800→300


「カードを2枚セットしてターンエンド。」

今伏せたのは『シンクロ・バリア』と『シンクロ・リサイクルマジック』。
次のルドガーの攻撃をシンクロ・バリアで防いで、そしてシンクロ・リサイクルマジックで墓地のシューティング・ストリームを手札に戻せばそれで…!


「私のターン………此れは追いつめられたな……だが、果たしてお前が私を倒せるかなぁ?」

「?……状況はアタシの方が有利、負ける要素は無いわよ?」

「果たしてそうかなぁ?……よ~~~く、己の相手を見てみるが良い!!!」


相手をって………!!ちょ、此れ如何言う事!?何で宇里亜がアタシとデュエルしてるの!?
アタシはルドガーとデュエルをしてた筈なのに――!!


「遊里……ゴメン、アイツ等に捕まって手駒にされちゃった……だけどデュエルは終わらせないと結界が消えない……
 ……!!リバースカードオープン!永続トラップ『グラヴィティ・バインド-超重力の網』、『真実の眼』!!!
 そして、鋼鉄の空蝉、グラヴィティ・バインド、真実の眼の3枚の永続トラップを墓地に送り…出でよ『真炎皇-ウリア』!!!」

『ギシャァァァ!!』
真炎皇-ウリア:ATK0→3000



ウリア?…如何して此処で?


「手札から速攻魔法『サイクロン』!!此れでフィールド魔法を除去する……此れで地縛神への効果も有効になる。
 そして魔法カード『ハイパー・ブレイズ』!!私のフィールドに真炎皇-ウリアが存在する時に発動できる……!!」

「そのカードは!!」

「フィールド上のモンスター1体を破壊し、破壊したモンスターのコントローラーに1000ポイントのダメージを与える……!!」


宇里亜、貴女まさか!!!


「この効果で破壊するのは…地縛神 Uru!!!!」

「やっぱり…!!ダメよ、そんなのはダメ!!
 シルバー・ウィンドの効果発動、地縛神 Uruを護って!!此れが成立したら宇里亜は!!!」

委細承知、任せておけ!!!


「…速攻魔法『禁じられた聖杯』…此れでシルバー・ウィンドの効果を無効にして、攻撃力を400ポイントアップする…」


輝天龍 シルバー・ウィンド:ATK2500→2900(効果無効)


!!宇里亜、如何して!!此れが成立したら貴女は!!


「うん……だけど遊里が居なくなったら、ダークシグナーは倒せないから……だから少しの間だけバイバイ…遊里…」


――バガァァァァン!!!


「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」
宇里亜:LP300→0



――ズル……シュゥゥゥゥゥ……


宇里亜……そんな……こんな事って…!!!!!


「くははははは!!見事な茶番だったな上条遊里!!」

「お前の恐れが分かるわね……恐れてるんでしょ、私達ダークシグナーを?」


亜美……えぇ、確かに恐れているわ――貴方達を心底叩きのめしたいと思っている、私自身の怒りにね!!!














 To Be Continued… 






登場カード補足



地縛神 Uru
レベル10    闇属性
昆虫族・効果
フィールド魔法カードが表側表示で存在しない場合、このカードの以下の効果は無効になる。
●このカードは相手に直接攻撃出来る。
●このカードはこのカードよりもレベルの低いモンスターとランク10以下のエクシーズモンスターの効果を受けない。
●このカードは魔法・罠カードの効果を受けない。
●相手はこのカードを攻撃対象に指定できない。
●1ターンに1度、このカード以外の自分フィールド上のモンスター1体をリリースする事で、
相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、 エンドフェイズ時までコントロールを得る。
ATK3000    DEF3000



スピリット・スパイダー
レベル1    闇属性
昆虫族・効果
このカードは戦闘では破壊されない。
ATK0    DEF0



シューティング・ストリーム
通常魔法
自分フィールド上に「輝天龍 シルバー・ウィンド」が表側表示で存在する場合にのみ発動できる。
相手に「輝天龍 シルバー・ウィンド」の元々の攻撃力分のダメージを与える。
このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。



ハイパー・ブレイズ
通常魔法
自分フィールド上に「真炎皇-ウリア」が表側表示で存在する場合にのみ発動できる。
フィールド上のモンスター1体を選択して破壊し、そのモンスターのコントローラーに1000ポイントのダメージを与える。
このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。



所有者の聖痕
速攻魔法
全てのモンスターのコントロールは、元々のコントローラーに戻る。



攻撃誘発鱗粉剤
永続魔法
自分フィールド上に昆虫族モンスターが表側表示で存在する限り、相手は必ずバトルフェイズを行い、モンスターで攻撃しなくてはならない。



鋼鉄の空蝉
永続罠
このカードが表側表示で存在する限り、自分フィールド上の昆虫族モンスターは1ターンに1度だけ効果では破壊されない。
また自分の昆虫族モンスターが戦闘を行う事によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。