Side:遊里


出てこいって言われて大人しく出てく人は先ず居ないよねぇ?
それ以前にセキュリティの言う事に従うのは物凄く癪なのよね……アタシを冤罪逮捕したアンポンタンの言う事を聞く気にはなれないって言うかね。

「ん~~~……鬼柳はDホイール持ってるよね?」

「当然だろ?一緒に海を渡って、更に無理言ってバスに同乗して此処まで来たんだぜ?」


其れはある意味凄いよね!?……まぁDホイールがあるなら問題ないわ。
ところで爺ちゃん、裏に置いてあったライトバンてまだ動く?アタシとジャックと鬼柳以外のメンバーが乗っても大丈夫?


「心配無用じゃよ。
 見た目はぼろいが、エンジンと可動部分の整備は怠らずに行っておるから使う分には問題ない筈じゃ。」

「其れ聞いて安心した!」

それじゃあ、Dホイール持ってない人はライトバンに入ってね?此れからセキュリティ突破するから!


――ドウン!!


アタシとジャックと鬼柳のDホイールのエンジンが唸って、同時にライトバンのエンジンも唸りをあげる……牛尾が運転なら任せられるわね。
それじゃあ派手に行くわよ!!











異聞・遊戯王5D's Turn31
『超展開?寧ろデフォ展開!』










――ドバガァァァァァァアン!!


「!!!!!!!」


窓ぶち破っての登場には流石に驚いた?悪いけど、アタシ等はアンタ達に従う気は皆無だから、このまま逃走させてもらいま~す!


「な!逃がすかオラァ!!追いかけろぉ!!」


お~~、来た来た!!
アレは相当にスピード出してるよね~~~……アタシ等の敵じゃないけどね。


『無駄な逃走は止めなさい!今直ぐ停止すれば酌量の余地はある!大人しく止まりなさい!!』


そう言われて止まる馬鹿が何処に居るってのよ?居るなら紹介してよ、『特別天然記念物』として動物愛護団体に売りつけるから。
って言うかさ、セキュリティの車がアタシ等のDホイールとタメ張ろうなんてのはおこがましいにも程があると思わない?

所詮最高時速が120kmの車でアタシ等を捕らえようなんて……


「む…」(親指を首にあてる)

「り!」(首搔っ切り)

「じゃん?」(サムズダウン)

上からジャック、鬼柳、アタシの順でね……態々機体反転して思い切り挑発かましてみたんだけど……


『ぶち殺したるわ小娘と小僧があぁぁぁぁ!!』

「あらら効果抜群♪其れ逃げろ~~~~!!!」

「ノリノリだな遊里……尤もこれくらいの刺激とスリルが無きゃ大凡満足できないけどなぁ!!」

「所詮は中身無き正義を謳う馬鹿共だ……このまま引き離す!!」


勿論追いつかせはしないよ?……大体行き先は決まってるからね………目的地に着いたら、アイツ等どんな顔するのかしらね?
でも、どうせだからもっと遊んじゃおうか?矢薙の爺ちゃん、そのライトバンに拡声器か何か無い?あったら貸してほしいんだけど。


「あるよ~~♪ほい!」

「あんがと♪『あ~~~テステステス、ネオドミノシティの皆さま、ご覧下さい、只今セキュリティが何の罪も犯していない市民を追い回しています!
 更には、冤罪事件の謝罪もせずに権力を振りかざしての横暴としか思えないこの所業!こんなのが治安維持をしていていいのでしょうか!?』

『勝手な事を言うな~~!!お前達が、此方に従わないからだろう~~~!!』

『お聞きになられましたか!非は此方にあると言うこの暴言!』



「……冤罪を被せられた事に相当腹を立てているな此れは…」

「まぁ、無実の罪で豚箱にぶち込まれたんじゃ当然だぜ……」


サテライト送りになった事については、あっちの方が骨のあるデュエリストが多かったし、楽しい場所だから良いんだけどね。
でも、やっぱりやってもいない事でっち上げられた上に不当に拘束されたってのは我慢出来ないのよ。
しかも、冤罪が明らかになったって言うのに其れに対する謝罪やら何やらがないって如何言う事?無礼にも程があると思わない?


「確かに遊里の言う通りだな……満足には程遠い連中だぜ。」

「ふ…所詮は権力の犬に過ぎん――尤もやる気のようではあるみたいだが?」

『絶対王者が一緒とて、もう許さん!デュエルだ貴様等ぁ!!フィールド魔法『スピードワールド』セットオン!!』


あらら、こっちの了承得ずに強制ライディングデュエル?
……いいわ、デュエルを挑むって言うなら受ける!アタシ達はこの3人で相手するわ!良いわよね、ジャック、鬼柳?


「異論はない……誰にデュエルを挑んだかを教えてやるわ!」

「絶対王者と無敵女帝、そして無手札の鬼神にデュエルを挑んだ事を後悔させてやるぜ……精々俺達を満足させてくれよ!」

「ライフは互いに12000の6人タッグデュエル!……行くわよセキュリティ!!」


「「「デュエル!!」」」
『『『デュエル!!』』』



遊里&ジャック&鬼柳:LP12000   SC0
セキュリティ:LP12000   SC0


先攻はアタシから!手札を1枚捨て、『THE トリッキー』を攻撃表示で特殊召喚!


THE トリッキー:ATK2000


そして、チューナーモンスター『月夜のシルバー・フォング』を攻撃表示で召喚!


月夜のシルバー・フォング:ATK1200


「行き成り呼ぶか…お前のトリプルエースの一角を!」

「レベル8のシンクロ……遊里のエースか!」

「当然……出し惜しみ何て文字はアタシの辞書にはないのよ?
 レベル5のTHE トリッキーに、レベル3の月夜のシルバー・フォングをチューニング!
 集いし星の瞬きが、聖なる力を呼び覚ます。光射す道となれ!シンクロ召喚、切り込め『プリンセス・ヴァルキリア』!!」

さて……傲慢なる正義を切り刻みましょうか?
プリンセス・ヴァルキリア:ATK2500


頼むわよプリンセス!
先攻ターンは攻撃できない……カードを2枚セットしてターンエンド。



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さぁて、此れで終わりにしましょうか?プリンセス・ヴァルキリア!


「天刑王 ブラック・ハイランダー!」

「煉獄王 ベリアル!!」



「「「ダイレクトアタック!!!」」」

行きますよ、2人とも!!

『ムオォォォォォ!!!』

『ガァァァァァァァ!!!』


――ドガバァァァァァァァァァァァァァン!!



『『『たわらばぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』』』
セキュリティ:LP8200→0


極めて楽勝!……て言うか、アタシ達のライフは500ポイントしか減ってないんだけど、流石にヘッポコすぎやしないかセキュリティ?
この程度のデュエリストの集まりが治安維持で大丈夫か?……絶対大丈夫じゃない!!(断言)

まぁ、そんなこんなやってる内に目的地到着だけどね……それで、玄関口で何をしてるのゴドウィン?


「こうなる事は予想していましたので出迎えを……よもや、デュエルでねじ伏せながら現れるとは思いませんでしたけどね。」


正直言って相手じゃなかったけどね……さて、貴方がアタシ達を呼んだ理由は予想が付くわ。
こっちとしても貴方に聞きたい事が有るの……一切の誤魔化しは無しで答えて貰うわよ?


「えぇ、無論その心算です……その為に彼方達を呼んだのですからね。
 まぁ立ち話もなんですから、長官室に……アソコなら余計な邪魔も入りませんからね…」


OK、要らない邪魔が入ったら面倒だからね……其処で良いわ――聞かせてもらうわよ、貴方の目的をね。



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「シグナーとダークシグナーの戦争…」

爺ちゃんから聞いてはいたけど、やっぱり此れは事実なんだね。
ゴドウィンの目的は、5000年ぶりのシグナーとダークシグナーの戦いをシグナーの勝利で終わらせる事……その為にシグナーを探してたって。

だけど其れだけじゃダメ――ボマーが言ってた事は本当なの?貴方がボマーの故郷を滅ぼしたって言うのは…


「其れは真実であり真実ではないと言えます。
 ボマーの故郷を滅ぼしたのが『レクス・ゴドウィン』である事は間違いないでしょうが其れは天地神明に誓って私ではないと断言します。
 あくまで推測ですが、ダークシグナーの誰かが私の名を語って、ボマーの故郷を襲撃してダークシグナーを発掘しようとしたのでしょう。」


ふ~~ん……手放しで信じる事は出来ないけど、取り敢えずはそう言う事にしておくわね。
つまりは、アタシ達にダークシグナーを叩きのめせって事なんだろうけど……条件があるわ。


「何です?」

「貴方の話を包括すると、ゼロリバースはダークシグナーの誰かが起こしたモノで人為的な災害と言う事よね?
 なら、サテライトの住民が不当な弾圧や差別を受けるのはおかしい……アタシ達がダークシグナーを倒した暁にはその差別をなくして貰うわよ?
 シティとサテライトを繋いで、差別のない街を構築する……此れが絶対条件――出来る?」

「……良いでしょう、全てが終わった暁にはそうしましょう……何ならば誓約書を書いても構いません。」


なら早速誓約書を作ってくれる?悪いけど、貴方達との口約束は信用できないのよ。
自分に都合の悪い事が降って湧けば、保身第一で口約束なんて無かった事にするのが治安維持局だからね。


「此れは此れは……相当に嫌われて居るようですね――当然ですが。
 ですが、此れはある意味で運命と言えるかもしれませんね……ゼロリバースの数少ない生存者がダークシグナーに挑むとは……」


運命?………違うわよゴドウィン、此れはきっと宿命――如何生まれても、アタシ達はダークシグナーと戦っていたと思うわ。
仮にシグナーじゃなくても、デュエリストであるならばアイツ等と出会ってた可能性はゼロじゃないわ……まぁ来るなら全部叩くけどね。


「頼もしい言葉だ……ですが矢張り運命でしょう…貴女がシグナーであると言うのはね。
 ……貴女は立ち向かわなければならないのですよ、上条遊里―――いえ、モーメント開発技術部のチーフ、不動博士の娘『不動遊里』。」

「!!!」

そんな事まで知ってるの!?
この事は、殆ど知っている人は居ない筈なのに……幾ら治安維持局の長官とは言っても、其処まで知ってるとは予想外だわ…








――――――








Side:???


右腕が疼くわ……この忌むべき印が疼く……


「ぐ……こんな事して只で済むと思っているのか……!君は…」

「黙れよ変態前髪星人が……テメェ等に良い様に使われるはもうウンザリだ……此処からは俺のやりたいようにやらせてもらう…」

シグナーもダークシグナーも、全部皆叩きのめしてやるわ……其れを成し遂げてこそ俺は自分の存在を確固たるものに出来るんだからね。
まぁ、取り敢えず死になよディヴァイン……散々っぱら人を利用した報いを受けなさい……下衆が。


「や、止めろブランシュ……ぎやぁぁぁぁぁあぁぁあ!!!」


精々冥獄で閻魔の裁きを受けろ……お前には地獄すら生温いからな。

「まずはダークシグナーをどうにかするのが先決ね。でも、それが済んだ後は…容赦しないから。」

シグナーもダークシグナーも俺の敵だ……纏めて狩りつくしてやるから、精々覚悟しておきなさい忌むべき印を持つ者達よ…!!















 To Be Continued… 






登場カード補足