遊里:LP1400
輝天龍 シルバー・ウィンド:ATK2500
プリンセス・ヴァルキリア:ATK2500
冥天使 カイエン:ATK2500
雷光の魔王 スカル・デーモン:ATK2500


遊戯:LP1800
ブラック・マジシャン:ATK2500



Side:城之内


オイオイオイ、マジか此れは!
未来から来たって言うデュエリストの遊里と、遊戯のデュエルは、バトルシティの決勝戦よりも凄いんじゃねぇのかコイツは?『神』こそ存在し
てないが、攻撃力2500の上級モンスターを4体も従えた遊里に対して、遊戯も遂にエースであるブラック・マジシャンを召喚したぜ!
フィールドだけ見りゃあ、遊里の方が有利だが、遊戯だって簡単にはやられねぇ!コイツは、見物だぜ海馬ぁ!!



「ふん、貴様に言われずとも分かってるわ凡骨が。
 何よりも、奴が――上条遊里が使うシンクロ召喚は、確かにデュエルに大きな変革を齎す力となるだろうからな……このデュエルは、俺で
 あっても目を離す事は出来ん。目を離した瞬間に何が起こるか分からんからな。」



この野郎、また人の事を凡骨って言いやがったな?――いっその事、プロを目指す身としては『最強の凡骨』ってのを名乗るのも手かもな。
前に試験会場で偶然会ったデュエルプロモーターは『プロデュエルは心理学と戦略だ。売れる為には、デュエルの腕に加えて、強烈に客を引
きつけるモノがないとダメだ』って言ってたしな。

まぁ、其れは置いておくとして、遊戯と遊里のデュエルはマジで目が離せねぇぜ……遊戯のライフは残り1800だが、遊里から喰らったダメ
ージは200ポイントだけで、後はカードのコストだ。
逆に遊里の方は、大ダメージを喰らっても、其れを逆手にとって上級モンスターを揃えて来たからな……多分実力差は殆どねぇって所だ。

さて、此処からこのデュエルが如何動くのか、目が離せないぜ!!










異聞・遊戯王5D's Turn197
『一進一退の最高のデュエル』










Side:遊里


遂に現れたわね、遊戯さんを象徴するエースモンスターであるブラック・マジシャンが!
レベル7のバニラで攻撃力2500って言うのは決して強くないし、効果もないから平凡なレベルなんだけど、ブラック・マジシャンの恐ろしい所
は、豊富なサポートカードによるコンボ攻撃。
専用カードの『千本ナイフ』や『黒・魔・導』だけじゃなく、汎用魔法使い族サポートも充分に機能するし、融合召喚によって降臨する『超魔導
剣士-ブラック・パラディン』は、海馬社長とのデュエルに決着を付けたモンスターだからね。

さて、如何出て来るか遊戯さんは……



「僕は手札から魔法カード『貪欲な壺』を発動。墓地のモンスター5体をデッキに戻してシャッフルし、その後カードを2枚ドローする。
 僕は墓地の『幻獣王ガゼル』『バフォメット』『有翼幻獣キマイラ』『ブラック・デーモンズ・ドラゴン』『クリボー』をデッキに戻してシャッフルし、そ
 して2枚ドロー。
 ……カードを2枚セットしてターンエンドだ。」



む、墓地回収と手札増強をした上で、伏せカードが2枚か……此れは何とも怖い気がするけど、だからと言って此処で退く気は毛頭ないわ!
アタシのターン!!

さて、そうは言っても如何するか?
何時もならシルバー・ウィンドの効果を発動した上で総攻撃を仕掛ける所だけど、問題は遊戯さんのフィールドに伏せられたカードの1枚ね。
遊戯さんは、このデュエルで、まだミラーフォースを使ってない。
シルバー・ウィンドの効果を使えば、1体は護る事が出来るけど、一気にボードアドバンテージを失う事にも成りかねないし、もう1枚のカード
が、ブラック・マジシャンの攻撃力を500ポイント以上上げるカードだったら、こっちがダメージを受けるなんて事も有る。
……今は、このカードに託すのが吉ね。

「アタシは手札から、魔法カード『リセットボタン』を発動。
 互いのプレイヤーは、墓地のモンスターカードと手札を全てデッキに戻してシャフルし、新たに5枚の手札を得る。」

「墓地回収と、手札の入れ替え……?
 でも此れで、僕と君の手札は5枚になった。さぁ、手札が潤沢になった所で、如何来る遊里?」



行きますよ?手札から、魔法カード『シルバー・コントレイル』を発動!
エンドフェイズまで、アタシのフィールド上の風属性モンスターの攻撃力を1000ポイントアップします!この効果により、シルバー・ウィンドの
攻撃力は1000ポイントアップ!



輝天龍 シルバー・ウィンド:ATK2500→3500



これで、攻撃力はブラック・マジシャンを越えました!
バトル!輝天龍 シルバー・ウィンドで、ブラック・マジシャンに攻撃!『シューティング・ストリーム』!!



「そうはさせない!トラップ発動『聖なるバリア-ミラーフォース-』!!ミラーバリアが相手の攻撃を跳ね返す!
 このカードで、君のモンスターは全滅だ、遊里。」

「やっぱり伏せてましたかミラーフォースを。だけど、シルバー・ウィンドの効果は、ミラーフォースの少しだけ上を行きます!
 シルバー・ウィンドの効果発動!1ターンに1度カードを1枚選択し、選択したカードをこのターンあらゆる破壊から守る!
 この守護の力を、プリンセス・ヴァルキリアに対して発動!そして、この効果の対象になったモンスターの攻撃力はエンドフェイズまで500
 ポイントアップする!」


プリンセス・ヴァルキリア:ATK2500→3000


「成程、良い選択だね?
 プリンセスを残せば、効果でモンスターを蘇生する事が出来るから、メインフェイズ2でシルバー・ウィンドを蘇らせる事も可能だし、攻撃力も
 ブラック・マジシャンを越えたからね。」

「そう言う事です。
 破壊を免れたプリンセスで、ブラック・マジシャンに攻撃!」

「そうはさせないよ!トラップモンスター『メタモル・クレイ・フォートレス』
 ブラック・マジシャンと共にプレイヤーを守る城塞となれ!!」


メタモル・クレイ・フォートレス:DEF3500


此れは……巨大な城砦が目の前に現れて、その頂にブラック・マジシャンが?此れは一体なんでせう?



「トラップモンスター『メタモル・クレイ・フォートレス』は発動後、攻守1000ポイントの岩石族モンスターとなり、僕のフィールド上に特殊召喚
 され、僕のフィールド上のレベル4以上のモンスター1体を装備する。
 そして、メタモル・クレイ・フォートレスの攻守力は、装備したモンスターの攻撃力分だけアップするんだ。」

「って事は、攻撃力も3500って事っすね……此れは撃破出来ないので、攻撃を中断してメインフェイズ2に移行します。
 でもって、メインフェイズ2でプリンセスの効果発動!手札を1枚捨て、墓地から蘇れ『雷光の魔王 スカル・デーモン』!!」

『ガァァァァァァァァァァァ!!』
雷光の魔王 スカル・デーモン:ATK2500



「シルバー・ウィンドじゃない?」



シルバー・ウィンドを蘇生すると思いましたか?……確かに、何時もならそうする所なんですけど、攻撃力3500を相手にするにはちょっと足
りないんですよ。
だから、其れに対抗できるモンスターを呼ぶために、スカル・デーモンを召喚したんです。

「アタシはこのターン、まだモンスターを通常召喚してません。なので、チューナーモンスター『ワンフォース・シンクロン』を召喚!」


ワンフォース・シンクロン:ATK500


ワンフォース・シンクロンの効果発動!
このカードの召喚に成功した時、墓地のレベル1のモンスター1を特殊召喚出来る!来い『チューニング・サポーター』!!


チューニング・サポーター:DEF300


「何時の間にそのカードを……ってそうか、プリンセス・ヴァルキリアの効果の発動コストとして墓地に送っていたんだね?」

「そう言う事です♪」

そんでもって、此れで準備は整いました!
レベル1のチューニング・サポーターと、レベル6のスカル・デーモンに、レベル2のワンフォース・シンクロンをチューニング!
集いし願いの結晶が、今ここに新たな力となる!光射す道となれ!シンクロ召喚、全てを蹴散らせ、『覇龍皇-バハムート』!!」

『ゴォォォォォォォォォ!!』
覇龍皇-バハムート:ATK3800


「此処で攻撃力3800の上級モンスターか……流石だね遊里?『彼』が君の実力を高く評価してたのも頷けるよ。
 僕自身も、君の実力は生半可な物じゃないって実感してるからね。」

「そう言って貰えると光栄です――つっても、アタシが削った遊戯さんのライフって200ポイントだけなんですよね?残る2000ポイントはコス
 トとして払った物ですから。
 此れだけ展開しておいて200ポイントしか削れてないとか、伝説の力はハンパないって、絶賛実感中っすよ。
 チューニング・サポーターの効果で1枚ドローし、カードを2枚セットしてターンエンド。」

「僕のターン!『ホーリー・エルフ』を守備表示で召喚。」


ホーリー・エルフ:DEF2000


「そして、このホーリー・エルフの魂を使い、『沈黙の魔術師-サイレント・マジシャン』を攻撃表示で特殊召喚!」

『ハァァァァァァ!』
沈黙の魔術師-サイレント・マジシャン:ATK1000


「沈黙の魔術師-サイレント・マジシャンの攻撃力は、僕の手札1枚につき500ポイントアップする。
 僕の手札は4枚……よって、サイレント・マジシャンの攻撃力は2000ポイントアップする!」


沈黙の魔術師-サイレント・マジシャン:ATK1000→3000


「そして、メタモル・クレイ・フォートレス、攻撃態勢だ!」


メタモル・クレイ・フォートレス:DEF3500→ATK3500


攻撃力3000超が2体……此れは、蘇生効果を持ったプリンセスを潰す心算だよね?メタモルも、サイマジも間違いなくプリンセスを狙いだろ
うからね。


「バトルだ。メタモル・クレイ・フォートレスで、プリンセス・ヴァルキリアに攻撃!!」

「その攻撃は通さないっすよ遊戯さん!
 トラップ発動『ドレイン・シールド』!相手モンスターの攻撃を無効にし、そのモンスターの攻撃力分のライフを回復します!」
遊里:LP1400→4900


「躱された上に、ライフまで回復されちゃったか……メタモル・クレイ・フォートレスは攻撃後、守備表示となる。」


メタモル・クレイ・フォートレス:ATK3500→DEF3500


「だけど、まだサイレント・マジシャンの攻撃が残ってる!プリンセス・ヴァルキリアに攻撃だ!」



其れも通さないよ遊戯さん!トラップカード『ハーフorストップ』
相手はモンスターの攻撃力を半分にして攻撃を続行するか、其れとも攻撃を止めるかを選択する。さぁ、如何します遊戯さん?



「僕は攻撃を中断。カードを1枚セットしてターンエンド。」


沈黙の魔術師-サイレント・マジシャン:ATK3000→2500


「アタシのターン!」

プリンセスの効果発動!手札を1枚捨て、墓地のモンスターを蘇生する!蘇れ『輝天龍 シルバー・ウィンド』!!


今再び行くぞ!!
輝天龍 シルバー・ウィンド:ATK2500



まだまだぁ!!手札を1枚捨て、『THE トリッキー』を召喚!


THE トリッキー:ATK2000


そしてチューナーモンスター、『装甲魔導師パズー』を召喚!


装甲魔導師パズー:DEF1500


「凄い展開力だね?
 なら僕も、トラップ発動『生命力吸収魔術』!フィールド上に存在する、効果モンスターの数×400ポイントのライフを回復する!
 フィールド上に存在する効果モンスターの数は7体!よって僕のライフは2800ポイント回復する。」
遊戯:LP1800→4600


此処でライフ回復っすか。
なら、アタシは其れを越えますよ遊戯さん!
レベル5のTHE トリッキーに、レベル3の装甲魔導師パズーをチューニング!
集いし魔法の胎動が、新たな世界を切り開く。光射す道となれ!シンクロ召喚、突き進め『ダーク・マジシャン・ガール』!!


よっしゃー、頑張るぞーーー♪
ダーク・マジシャン・ガール:ATK2500



「こ、今度は8つ星以上のモンスターが4体だとぉ!?有り得ねぇ、普通に有り得ねぇ!!」

「こうも簡単に上級モンスターを飛び出すとは、此れがシンクロ召喚か。」



ま、そう言う事になるかな?――とくと味わって貰いますよ、シンクロの力を!
覇龍皇-バハムートで、メタモル・クレイ・フォートレスに攻撃!『インパルス・メガ・フレア』!!



――バガァァァァァァァン!!



メタモル・クレイ・フォートレスは守備表示だからバトルダメージは発生しませんけど、バハムートが相手モンスターを戦闘で破壊した場合、ア
タシのライフを700ポイント回復して、相手に1000ポイントのダメージを与えます!


「其れは、厄介な効果だね。」


遊戯:LP4600→3600
遊里:LP4900→5600



其れだけじゃないっすよ遊戯さん?
バハムートは、相手モンスターを戦闘で破壊した場合、続けてもう一度攻撃する事が出来るんです!連続攻撃は、サイレント・マジシャンを
襲いますよ!!


「なら僕は、手札から『クリボー』の効果を発動。
 手札からこのカードを捨てる事で、戦闘ダメージを0にする。」



リセットボタンの効果でデッキに戻したクリボーが手札に来てたか……でも、サイレント・マジシャンの戦闘破壊は防げない!!
よって、バハムートの効果で1000ポイントのダメージを受けて貰います!



遊戯:LP3600→2600
遊里:LP5600→6300



これで、ライフ的には大きく上回った訳だけど、遊戯さんが相手だと此れを有利と見る事も出来ない――遊戯さんは、アタシ達の予想の斜め
上を行くからね。



「沈黙の魔術師-サイレント・マジシャンが、破壊された時、手札化デッキから『沈黙の魔術師-サイレント・マジシャン』以外の『サイレント・
 マジシャン』を特殊召喚する!
 現れろ『サイレント・マジシャンLV8』!!

『ハァァァァァァァァァァ!!』
サイレント・マジシャンLV8:ATK3500




受けるダメージを軽減した上で、攻撃力3500の上級モンスターを召喚して来るなんて、流石は初代決闘王、楽しませてくれるじゃないの?
相手にとって不足なし!寧ろ、アタシの方が胸を借りてる感じだからね。

このデュエル、まだまだ分からないわね。











 To Be Continued… 






登場カード補足



シルバー・コントレイル
速攻魔法
エンドフェイズまで、自分フィールド上に表側表示で存在する風属性モンスターの攻撃力は1000ポイントアップする。