遊里:LP3900
雷光の魔王 スカル・デーモン:ATK2500


遊戯:LP3000
デーモンの召喚:ATK2500



Side:遊里


キマイラ・ガイストの効果と、緊急同調のコンボで、スカル・デーモンをシンクロ召喚して優位に立ったと思ったけど、遊戯さんもまた魂の綱で
上級モンスター召喚用のリリースを確保して、レベル6では最強クラスのデーモンの召喚を呼び出して来たか……

攻撃力は互角だけど、それにも拘らず遊戯さんがデーモンを召喚して来たって言う事は、スカル・デーモンを倒す手段が有るって言う事に他
ならない――果たしてどんなコンボを繰り出してくるのかしら?



「行くよ遊里。僕の持てる力の全てを懸けて、君に勝つ!」

「其れは光栄ですね――なら、アタシも持てる力の全てを持ってして貴方を倒します遊戯さん!!」

互いに従えてるモンスターはデーモン1体のみだけど、恐らくはその状況はこのターンで破られる――遊戯さんが、態々同じ攻撃力のモンス
ターを召喚して来たのには、必ず意味がある筈だと思うから。

見せて貰いますよ遊戯さん。初代決闘王と呼ばれた、アタシ達にとっては伝説となっている、貴方のデュエルを!!――本気で来てください
遊戯さん!!



「勿論、その心算だよ――君は、手加減して倒せるデュエリストじゃなないからね……此処からが、メインイベントだ!!」

「ですね!!」

つっても、負ける気は更々ないから、勝たせて貰いますよ遊戯さん!!










異聞・遊戯王5D's Turn196
『デュエルに手加減なんて有り得ない』










とは言え、状況は膠着状態なんだけど、先ずは此れをどうしたモンかな?



「心配しなくていいよ。
 僕は手札から魔法カード『クリボーを呼ぶ笛』を発動し、其の効果で、デッキから『クリボー』を守備表示で特殊召喚する!!」
クリボー:DEF200


っと、此処でクリボーの特殊召喚に来ましたか。――でも、クリボーは本来防御、手札に持っていてこそ最大の力を発揮できる……其れを
召喚して来たって言う事は、何かを狙っている?


「そして僕は、此処で魔法カード『天よりの宝札』を発動!
 このカードの効果で、互いに手札が6枚になるように、デッキからカードをドローする!!」



此処で天よりの宝札は有り難いわ――結構手札を使っちゃったから、手札を増やしたいって思ってた所だからね。
でも、此れで遊戯さんの手札も6枚になった……若しかして手札増強で、目的のカードを呼び込もうとしてるのかな?――遊戯さんだと、普
通に呼び込みそうで怖いわ



「僕は魔法カード『機雷化』を発動!
 僕のフィールド上のクリボーまたは、クリボートークンを破壊し、破壊したモンスターと同数の数まで、相手のカードを破壊する!
 僕はこの効果でクリボーを破壊し、其れをコストに君のスカル・デーモンを破壊する!」

「そう来たか!!」

機雷化は対象を選ばない効果だから、魔法と罠の効果の対象にならないスカル・デーモンの効果の穴を突く事が出来る――だけど、雷光
の魔王 スカル・デーモンは、1ターンに1度だけカード効果で破壊されません。



「うん。だけど、効果で破壊されないのは1ターンに1度――つまり、其の効果を行使したこのターンは、効果耐性はもう発動しない。
 だから、僕はこのカードを発動する!魔法カード『魔霧雨』
 このカードの効果で、デーモンの召喚の攻撃力よりも低い守備力を持つモンスターを破壊する!!」

「!!」

二重の効果破壊!!
スカル・デーモンの守備力は1200、デーモンの攻撃力は2500。魔霧雨の効果には耐える事が出来ない――だけど、魔霧雨を発動したタ
ーンはバトルフェイズを行えないから、次のターン、シンクロでペースを握る!!



「魔霧雨を発動したターンは攻撃出来ないから、モンスターは失ったけど次のターンで巻き返せる。そう考えてるよね、遊里?」

「……洞察力が鋭いのは、デュエリストとして当然ですけど、さも当たり前のように心読まんでいただけますか?」

「いや、大抵の人はそう考えるだろうから、君もそうなんだろうと思っただけなんだけど……まぁ、其れは良いや。
 確かに魔霧雨を発動したターン、僕はバトルフェイズを行えない。『発動したターン』は。」



うん、其れは分かってますよ?
だからこのターン、遊戯さんはバトルフェイズを行えない。アタシの考えは間違ってないですよね?



「其れは如何かな?このカードを使えば、そうとも言い切れないよ。手札から速攻魔法『時の飛躍-ターン・ジャンプ』を発動!
 このカードの効果で、フェイズを強制的に3ターン後のバトルフェイズに移行する。此れにより『魔霧雨を発動したターン』は終わり、僕は攻
 撃する事が可能になる!」



ターン・ジャンプ!そのカードがあったか!!
レベルモンスターのレベルアップに使うのが一般的なのに、遊戯さんの手にかかると、まるで別の使い道を持ったカードになる訳か。初代デ
ュエルキングの名は伊達じゃない。
パラドックスの時に一緒に戦った『もう1人の遊戯さん』とは違うけど、この遊戯さんも物凄く強い――若しかしたら、もう1人の遊戯さんよりも
デュエリストの腕は上かも知れないわね。



「バトルだ!デーモンの召喚で、遊里にダイレクトアタック!『魔降雷』!!」



リバースカード……いや、このカードは未だ使う時じゃない。
大ダメージは受けるけど、此処はダイレクトアタックを受けておくのが上策だわ。



『ウオォォォォォォォォォォ!!』


――バリィィィィィィィィィィ!!!




「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
遊里:LP3900→1400


な、何て衝撃……まだ、バーチャルソリッドフィールシステムは開発されてない筈なのに、ジャックのフィールを遥かに上回る衝撃を感じるな
んて……此れが、伝説のデュエリストの力……!!

でも、負けませんよ遊戯さん!
アタシがダイレクトアタックによって2000ポイント以上のダメージを受けた事により、冥府よりの使者が窮地を救う為に現れます!
エクストラデッキから出でよ、『冥剣士 ゴーズ』『冥天使 カイエン』!!


『デリャァァァァァ!!』
冥剣士 ゴーズ:ATK2700


『ハァァァ!!』
冥天使 カイエン:ATK2500



そして、この方法でゴーズを特殊召喚した時、アタシのフィールドに『冥剣士トークン』(星3、闇、悪魔、攻守500)を2体特殊召喚する!


冥剣士トークン:DEF500×2


「ほう?ダイレクトアタックで大ダメージを受けながらも、7つ星モンスター2体を呼び出して、更にトークンを2体も呼び出してフィールドアドバ
 ンテージを得て来るとは、見事だと褒めてやるぞ遊里よ。」

「……褒める時も、滅茶苦茶上から目線すね社長……取り敢えず、あざーす。」

「ハハハ……でも、これは僕も驚いたよ。
 一気にライフを削って押し切る心算だったんだけど、まさか大ダメージを逆手に取られるとは思わなかった。
 カードを1枚セットして、ターンエンド。」



今度はこっちから行きますよ遊戯さん!アタシのターン!
チューナーモンスター『トゲクリボー』を召喚!


トゲクリボー:ATK300


レベル3の冥剣士トークン2体に、レベル2のトゲクリボーをチューニング!
集いし星の瞬きが、聖なる力を呼び覚ます。光射す道となれ!シンクロ召喚、切り込め『プリンセス・ヴァルキリア』!!


いざ、尋常に勝負です!
プリンセス・ヴァルキリア:ATK2500



「プリンセス・ヴァルキリア……君のエースの一体だったね。相手にとって不足はないよ。」

「覚えててくれたんですね遊戯さん!其れだけで感激です!
 でも、其れなら当然、プリンセスの効果は知ってますよね?」

「手札1枚をコストに、墓地のモンスターを特殊召喚する。言うなれば、毎ターン手札1枚が『死者蘇生』になるって言う所かな?」



その通りです!
アタシは、プリンセスの効果発動!手札の『ディメンジョン・シンクロン』を墓地に送り、墓地から『雷光の魔王 スカル・デーモン』を特殊召喚
します!



雷光の魔王 スカル・デーモン:ATK2500



「待て待て待て!攻撃力2500以上の上級モンスターが一気に4体ってどう言うこった!?
 大ダメージを受けた上での、7つ星モンスター2体のカウンター召喚にもビビったが、其処から8つ星モンスターをシンクロ召喚とやらで召喚
 した上に、そのモンスターの効果で6つ星モンスターを蘇生とか、明らかにおかしいだろ!」

「あ~~~……この時代と、此れだけの高速展開は異例かも知れねっすね城之内さん。
 だけど、未来だと此れ位普通っすよ?アタシのダチ公の1人は、手札0枚の状況から、レベル8以上のシンクロモンスターをポンポン召喚し
 ますからねぇ?」

「マジかオイ!!」



マジです。本気と書いてマジです。
てか、なんぼ『手札0』がコンセプトになってるからと言って、手札0状態であの展開力はないわぁ。手札0でインフェルニティ・デーモンを引き
当てた後の展開力は、『BF』を使ってたクロウが引くレベルだったからね。

でも、此れでアタシが俄然有利になりましたよ遊戯さん。
遊戯さんのフィールドのモンスターはデーモン1体だけど、アタシのフィールドには此れだけのモンスターが居る上に、其の内の1体はデーモ
ンの攻撃力を上回ってる。

今度はこっちから行きますよ遊戯さん!
冥剣士 ゴーズで、デーモンの召喚に攻撃!



「やっぱり攻撃して来たね?
 だけど、そう簡単にはやらせない!トラップ発動『ディメンジョン・ガーディアン』!このカードの効果で、モンスターを破壊から守る!!」

「でも、ダメージは受けて貰います!」

「く……」
遊戯:LP3000→2800


漸く200ポイントだけライフを削る事が出来たけど、これ以上の攻撃をする事は出来ない……アタシは、此れでターンエンドです。


「僕のターン!僕は手札から、魔法カード『融合』を発動!
 この効果で、手札の『融合呪印生物-闇』とフィールドの『デーモンの召喚』を融合!現れろ悪魔竜、『ブラック・デーモンズ・ドラゴン』!」

『グオォォォォォォォォォ!!』
ブラック・デーモンズ・ドラゴン:ATK3200




んな、こうも簡単に強力なモンスターを召喚して来るなんて……シンクロ召喚を使うアタシが、全くアドバンテージを取れてないじゃない!
此れが、武藤遊戯って言うデュエリストの実力……!!



「行くよ遊里!ブラック・デーモンズ・ドラゴンで、冥剣士 ゴーズに攻撃!『メテオ・フレア』!!」

「く……リバースカードオープン『ガード・ブロック』
 アタシが受ける戦闘ダメージを0にし、デッキからカードを1枚ドローする!」

あ、あっぶねー……さっきのターンで発動しなかったのは正解だったわ。



「躱されちゃったか……なら、僕はカードを1枚セットしてターンエンドだ。」



アタシのターン!
墓地のディメンジョン・シンクロンの効果発動!墓地の此のカードと、チューナー以外のモンスター1体をゲームから除外して、モンスターをシ
ンクロ召喚する!
アタシは、レベル1のディメンジョン・シンクロンと、レベル7の冥剣士 ゴーズをゲームから除外して、ディメンジョンチューニング!

「集いし願いが、天空(そら)を駆け抜ける疾風(かぜ)となる。光射す道となれ!シンクロ召喚、飛翔せよ『輝天龍 シルバー・ウィンド』!」

『一手、願おうか遊戯殿!』
輝天龍 シルバー・ウィンド:ATK2500



まだまだぁ!プリンセスの効果発動!
手札を1枚捨て、墓地の有翼幻獣キマイラ・ガイストを特殊召喚する!



「其れはさせないよ遊里。
 トラップ発動『ロスト』!相手の墓地のカード1枚を除外する!
 この効果で、墓地の有翼幻獣キマイラ・ガイストを除外する――これで、プリンセス・ヴァルキリアの効果は対象を失って無効となる。」



ゴーズにシルバー・ウィンドの効果を使って、ブラック・デーモンズ・ドラゴンを葬った上で総攻撃を仕掛ける心算だったんだけど、其れは潰さ
れちゃったか。
だけど、手は他にもあるわ!魔法カード『ユニオン・アタック』
このカードの効果で、シルバー・ウィンドに、アタシの他のモンスターの攻撃力を集中する!戦闘ダメージこそ発生しないけど、ブラック・デー
モンズ・ドラゴンの攻撃力を上回る事は出来るわ!!
シルバー・ウィンドよ、仲間の力を得ろ!!


力が漲って来る……此れならばいけるぞ!!
輝天龍 シルバー・ウィンド:ATK2500→10000



バトル!輝天龍 シルバー・ウィンドで、ブラック・デーモンズ・ドラゴンに攻撃!響け『シューティング・ストリーム』!!


――バガァァァン!!


ブラック・デーモンズ・ドラゴン撃破!!
ユニオン・アタックの効果でバトルダメージこそなかったけど、此れでアタシの方が俄然有利になったのは間違いない――カードを1枚セット
してターンエンド。



輝天龍 シルバー・ウィンド:ATK10000→2500



「僕のターン。
 僕は手札から魔法カード『黒魔術のヴェール』を発動!
 ライフを1000ポイント払い、手札か墓地から、闇属性の魔法使い族モンスターを特殊召喚する!!来い、『ブラック・マジシャン』!!」
遊戯:LP2800→1800


『フゥゥゥゥゥ……ハァ!!』
ブラック・マジシャン:ATK2500




来たわねブラック・マジシャン!!遊戯さんのエースカード!!
是非とも、戦ってみたかったモンスターを召喚して来てくれた事に、感謝ですよ遊戯さん――でも、だからって負ける心算は在りません!!
全力で行かせて貰います!!

何よりも、伝説のブラック・マジシャンを前にして無様なデュエルは出来ないからね!!

まだまだこのデュエルは、どうなるのか分からないわね。










 To Be Continued… 






登場カード補足



時の飛躍-ターン・ジャンプ
速攻魔法
発動したターンのターンプレイヤーのターンで数えて3ターン後のバトルフェイズまで全てのフェイズをスキップする。
その後、フィールド上に表側表示の「LV」を持つモンスターが存在する場合、そのモンスターを墓地へ送る事でデッキまたは手札からそのカ
ードに記されているモンスターを召喚条件を無視して特殊召喚する。