Side:遊里


「この局面で、新たなシンクロ召喚を披露して来るとは、流石だな遊里?それでこそ、俺のライバルに相応しいと言える!」
ジャック:LP2900   SC8
紅蓮魔龍 スカーレッド・デーモン:ATK7500
ツインヘッド・サンダー・ドラゴン:ATK2800




「此れ位しないと、貴方に勝つ事は出来ないでしょうジャック?だから超えさせて貰ったわ私の限界をね!」
遊里:LP1300   SC1
輝天龍皇 プラチナ・ストーム:ATK4000



先ずはナインテール・フォックスの効果でカードを1枚ドロー!……よし、良い引きだわ!
このターンで攻勢に出るわよジャック――アタシのフィールを受け止められるモノなら受け止めてみなさい?今のアタシのフィールは、ダイヤ
モンドですら粉砕する勢いよ!

デルタアクセル生まれた、プラチナ・ストームの力、その身で味わって貰うわ!!



「良かろう!お前の本気のフィール、存分に俺に叩きつけてこい!!」

「ゲップが出る程喰らわせてあげるわジャック!!」

全力のフィールは、言葉以上にデュエリストの魂に響く物だから、アタシの魂を貴方にぶつけるわジャック!!さぁ、行くわよ!!










異聞・遊戯王5D's Turn192
『無敵女帝と絶対王者の決着戦』











「この局面で新たなシンクロ召喚に開眼したのは見事だが、其れだけでは俺を倒す事は出来ん!
 狙いはツインヘッド・サンダー・ドラゴンだろうが、スカーレッド・デーモンには、己を除外する事で相手の攻撃を無効にする効果がある!」

「其れは勿論分かってるわジャック。
 だけどその効果で攻撃を防ぐ事が出来るのは1度だけ……複数回の攻撃に対してはあまり意味を成さないわ!」

プラチナ・ストームは、通常の攻撃に加えシンクロ素材となったチューナー以外のモンスターの数だけ攻撃する事が出来る!
プラチナ・ストームの召喚に使われたチューナー以外のモンスターの数は2体!よって、プラチナ・ストームは3回の攻撃が可能になるわ!

「バトル!輝天龍皇 プラチナ・ストームで、ツインヘッド・サンダー・ドラゴンに攻撃!『殲滅のプラチナム・バスター』!!」

喰らえ!!



――ドガァァァァァァン!!



ジャック:LP2900→1700
「ぐぅぅ……見事だ遊里。素晴らしいフィールだった!
 だが、俺は未だくたばって居ない!さぁ、残る2度の攻撃をするが良い!出来る物ならばな!!」

「プラチナ・ストームの攻撃力は4000なのに対して、スカーレッド・デーモンの攻撃力は7500……無茶言うなっての!
 アタシはカードを2枚セットしてターンエンド!」

「俺のターン!」


遊里:SC1→2
ジャック:SC8→9



「スピードワールド2の効果発動!スピードカウンターを7個取り除き、カードを1枚ドローする。」
ジャック:SC9→2


「リバースカードオープン。トラップカード『スカーレッド・フォース』
 このカードは発動後装備カードとなり、『レッド・デーモン』の名を持つドラゴン族シンクロモンスターに装備される。
 そして、装備モンスターの攻撃対象になったモンスターの効果は無効にされるのだ!」



……流石はジャック、良い勘してるわ。
シルバー・ストームの攻撃無効能力を読んで伏せていたんだろうけど、其のカードはプラチナ・ストームに対しても有効――プラチナ・ストー
ムには、1ターンに1度、相手モンスターの攻撃を無効にする効果があるからね。



「新たなモンスターを召喚して来た事には驚いたが、此れで終いだ遊里!
 紅蓮魔龍 スカーレッド・デーモンで、輝天龍皇 プラチナ・ストームに攻撃!『アルティメット・クリムゾン・フォース』!!」

『バオォォォォォォォォ!!』



確かにこの攻撃が通ればアタシは負ける。だけど、そうは行かないわ!
トラップ発動『ハイ・アンド・ロー』
アタシのモンスターが、相手モンスターの攻撃対象になった時に発動!デッキからカードを1枚めくって墓地に送り、其れがモンスターカード
だった場合、攻撃対象となったモンスターの攻撃力は、墓地に捨てたモンスターの攻撃力分アップする。
この効果は3回まで発動出来るけど、対象となったモンスターの攻撃力が相手の攻撃モンスターの攻撃力を越えた場合、そのモンスターは
破壊されるわ。



「成程……それで、ダメージを減らそうと言う魂胆か?」

「さて、如何かしら?
 ハイ・アンド・ローの1回目の効果!……黒狼獣 バウの攻撃力は1800!」

ムゥゥゥン!!
輝天龍皇 プラチナ・ストーム:ATK4000→5800


2回目の効果!……エルフの双剣士の攻撃力は1400!


ハァァァァァァ!!
輝天龍皇 プラチナ・ストーム:ATK5800→7200



「ほう?此処まで攻撃力を上げて来たか。
 だが、此れでお前のプラチナ・ストームは破壊され、お前のライフも1000ポイントとなる!」

「……其れは如何かな?アタシは、ハイ・アンド・ローの3回目の効果を使う!!」

「馬鹿な!此処で攻撃力300以上のモンスターを引いたら自滅だぞ!!」



貴方は何のリスクも無しに勝てる相手じゃないわジャック……此れ位の賭けに勝てないようじゃ、貴方に勝つ事なんて絶対に出来ない!
だからアタシは信じる、アタシのデッキを!己の引きの強さを!!



「諦めろ遊里!もうその先に道はない!」



確かに現実的な意味でも道はないわ。
何時の間にか製鉄所の中に入り込んで、アタシの進んでるルートは溶鉱炉の上で道が途切れてるしね。(てか、普通に問題でしょ此れ。)
だけどアタシは止まらない!このドローで、未来を掴む!!

「ドローーーーー!!……レフティ・ドライバーの攻撃力は300!これで、攻撃力は互角よジャック!」

さぁ、存分にやり合おう、紅蓮の魔龍よ!
輝天龍皇 プラチナ・ストーム:ATK7200→7500


「馬鹿な、攻撃力が同じになっただと!?
 良いだろう!スカーレッド・デーモンよ!プラチナ・ストームを粉砕しろ!!」

『バオォォォォォォォ!!』


「プラチナ・ストーム、スカーレッド・デーモンを迎え撃て!!」

承知した!


アタシとジャックの命令を受けた2体のドラゴンは、風と炎のブレスを撃ち合い、更に拳で殴り合い、最後は手四つ状態になって対消滅!!
てか、普通にブレスの打ち合いの相討ちじゃ駄目だったのかなソリッドビジョン的には?



「まさか、攻撃力7500を誇るスカーレッド・デーモンが相討ちにされるとはな。
 だが、『スカーレッド・フォース』が破壊された場合、エンドフェイズに『煌魔龍 レッド・デーモン』が復活する!」

「レッド・デーモンの魂は簡単には砕けないか。
 なら、アタシもプラチナ・ストームの効果発動!プラチナ・ストームが破壊されて墓地に送られた時、エクストラデッキからレベル8以下のシ
 ンクロモンスター1体を、召喚条件を無視して特殊召喚出来る。
 但し、この効果で呼び出されたモンスターの効果は無効になるけれどね。さぁ、出番よ『ダーク・マジシャン・ガール』!」

リリカルマジカル頑張ります!!
ダーク・マジシャン・ガール:ATK2500


……久々に召喚したと思えば、相変わらずネタまみれね貴女は?まぁ、其れがガールらしいと言えばらしいんだけど。
だけど、此れで終わりじゃないわ。トラップ発動『魂の綱』
アタシのモンスターが破壊された時、ライフを1000ポイント払い、デッキからレベル4以下のモンスターを1体特殊召喚する!
頼むわよ『磁石の戦士γ+』


磁石の戦士γ+:ATK1500
遊里:LP1300→300



「この局面で、其処まで展開して来るとはな……カードを1枚セットしてターンエンド!そしてこの瞬間にレッド・デーモンが地獄より蘇る!」

『バオァァァァァァァ!』
煌魔龍 レッド・デーモン:ATK3000


「アタシのターン!」


遊里:SC2→3
ジャック:SC2→3



アタシはチューナーモンスター『ライティ・ドライバー』を召喚!


ライティ・ドライバー:ATK100


ライティ・ドライバーの効果発動!1ターンに1度、墓地の『レフティ・ドライバー』を特殊召喚出来る!蘇れ『レフティ・ドライバー』


レフティ・ドライバー:ATK300


そして、墓地から特殊召喚されたレフティ・ドライバーのレベルは3となる!


レフティ・ドライバー:Lv2→3



「レベル3となったレフティ・ドライバーと、レベル4の磁石の戦士γ+に、レベル1のライティ・ドライバーをチューニング!
 集いし星の瞬きが、聖なる力を呼び覚ます。光射す道となれ!シンクロ召喚、切り込め『プリンセス・ヴァルキリア』!!」

この戦い、此処で終わりにします。
プリンセス・ヴァルキリア:ATK2500


手札を1枚捨て、プリンセスの効果発動!


「そうは行かん!トラップ発動『セメタリー・クラッシュ』!互いの墓地のモンスターを全てゲームから除外する!
 プリンセス・ヴァルキリアの効果で、バスター・ブレイダーを復活させてレッド・デーモンを葬る心算だったのだろうがそうはさせんぞ!!」



プリンセスの召喚まで読んでたって事か……流石だわジャック。
だけど、これで貴方にリバースカードはない。此処から先のアタシの策を防ぐ術は無いって言う事になるわ!!



「これ以上の策、だと?」

「プリンセスの効果でモンスターを蘇生させてレッド・デーモンを倒すって言うのは間違ってないわ。シルバー・ウィンドかバスター・ブレイダ
 ーを蘇生すれば倒せたからね。
 だけど、アタシの狙いは其処じゃない!先ずはスピードスペル『Sp-オーバー・ブースト』
 エンドフェイズに、アタシのスピードカウンターを1にする代わりに、このターンスピードカウンターを4つ増やす!」
遊里:SC3→7


そして此れがアタシの本命!スピードスペル『Sp-シンクロ・クロスアタック』
アタシのスピードカウンターが7個以上ある時に、アタシのフィールド上のシンクロモンスター1体を選択して発動!
選択したシンクロモンスターの攻撃力は、アタシのフィールド上の他のシンクロモンスターの攻撃力分アップする!
つまり、シンクロモンスターの合体攻撃で相手モンスターを攻撃するって訳ね。
アタシは、プリンセス・ヴァルキリアを選択!そして、プリンセスにダーク・マジシャン・ガールの攻撃力が上乗せされる!


プリンセス・ヴァルキリア:ATK2500→5000



ジャック、アタシは漸く見えたわ。アタシの選ぶべき道が!!アタシは……この街に残る!!



「なに!?」

「此れで終わりよジャック!!プリンセス・ヴァルキリアと、ダーク・マジシャン・ガールの連携で、レッド・デーモンを攻撃!!」

行きますよ、ガール!

OK!派手に決めようプリンセス!

『『超魔導聖光斬(デュランダルブレイザー・バースト)!!』』


――バガァァァァァァァァン!!!


「むおわぁぁぁぁぁぁぁぁあっぁぁぁ!!!」
ジャック:LP1700→0



アタシの……勝ちだ!!最高のデュエルだったよジャック!!



「ふ……負け戦でありながら清々しいとは、此れも死力を尽くしたからこそなのだろうな。
 だが、負けっぱなしと言うのは性に合わんのでな……是が非でも、この街に戻ってくる理由が出来た。お前を倒さぬ限り、真の王者を名
 乗る事は出来んからな。」

「いつでも帰ってきていいよ――アタシは、皆の帰ってくる場所になりたいからね。」

其れがアタシの選んだ道。……だから、皆も己の進む道を見つける事が出来たでしょ?鬼柳、クロウ、龍亞と龍可!!



「おうよ!俺は決めたぜ!プロの世界に行くってな!」

「俺もだ。だが、不義理は出来ねぇから、義村組にスポンサーになって貰うけどな。」

「俺と龍可も、決めた!お父さんとお母さんに会って来る!」

「毎週、必ず連絡入れるからね遊里!」



うん、皆が自分の道を見つけられてよかった。――アタシとジャックのデュエルは、皆に決断させる事が出来る程の物だったって思うと、誇
らしく思うよ。

此処から、皆未来に向けて歩み始めるんだね――それじゃあ、歩みだそうか?夫々の未来に向かってね!













 To Be Continued… 






登場カード補足




Sp-シンクロ・クロスアタック
スピードスペル
自分のスピードカウンターが7個以上ある時に、自分フィールド上のシンクロモンスター1体を選択して発動する。
選択したシンクロモンスターの攻撃力は、エンドフェイズまで、選択したシンクロモンスター以外の自分フィールド上のシンクロモンスターの
攻撃力の合計値分アップする。



スカーレッド・フォース
通常罠
このカードは発動後装備カードとなり、自分フィールド上の「レッド・デーモン」ドラゴン族シンクロモンスターに装備される。
装備モンスターが相手モンスターを攻撃する場合、攻撃対象となったモンスターの効果は無効になる。
このカードがフィールドから墓地に送られたターンのエンドフェイズに、自分の墓地の「煌魔龍 レッド・デーモン」1体を選択して、自分フィー
ルド上に特殊召喚する。



ハイ・アンド・ロー
通常罠
自分フィールド上のモンスター1体が相手モンスターの攻撃対象になった時に以下の効果を発動できる。
●デッキの一番上からカードを1枚めくり墓地へ送る。
そのカードがモンスターカードだった場合、そのモンスターの元々の攻撃力分だけ対象モンスターの攻撃力をアップする。
この効果を3回まで任意でくり返す事ができる。
対象モンスターの攻撃力が相手攻撃モンスターの攻撃力を超えた場合、対象モンスターを破壊する。



セメタリー・クラッシュ
通常罠
互いの墓地のモンスターを全てゲームから除外する。