遊里:LP4000  SC1
ジャック:LP4000  SC1



Side:ジャック


初手から互いにエースを召喚するのは予想していた事であり、実際にそうなったのだが、我がレッド・デーモンとお前のシルバー・ウィンドが
揃って未来に消えるなどと言う事は予想して居なかったぞ遊里よ?



「此れ位の事をしないと、貴方には届かないでしょうジャック?
 其れに、さっきも言った事だけど、此れは未来を占うデュエル――シルバー・ウィンド達が戻って来てからが本番だと思うからね……!」

「ふ、確かにそうかも知れん――だが、其れだけに面白い!お前の戦術は先が読めんからな!
 カードを1枚セットしてターンエンドだ!!」

「ジャックにそう言われるって言うのは光栄だわ――なら、アタシも其れに応えないとね!!アタシのターン!!」



遊里:SC1→2
ジャック:SC1→2



光栄と思うのならば、その証として遠慮なく俺の首を掻き切って見せろ遊里!
俺とてやられる心算はないから、俺とお前の本気が真正面からぶつかれば、或いはその先に未来が見えるやも知れんからな……故に全力
で行かせて貰う!!

俺のフィールに吹き飛ばされても文句を言うなよ!!










異聞・遊戯王5D's Turn190
『退かぬ!進め!吶喊だぁ!!』











Side:遊里


先攻でシルバー・ウィンドを召喚すれば、次のターンでジャックがレッド・デーモンを召喚して来る事は予想していたからこそ、スターエクス・カ
ージョン発動した。
その結果として、今は互いのフィールド上のモンスターは0……改めて仕切り直しね。

「アタシのフィールドにモンスターが存在しない時、手札の『炎獄のカース・オブ・ドラゴン』を特殊召喚出来る!」
炎獄のカース・オブ・ドラゴン:ATK2000


さてと、此処から如何行くべきかな?
手札の『一角獣のグレムリン』を通常召喚して2体で攻撃すれば、ジャックが受けるダメージはジャスト4000だけど、そう簡単にやらせてくれ
るとは思わないから……此処は矢張りシンクロで行くべきね!

「チューナーモンスター『ツメクリボー』を召喚!」
ツメクリボー:ATK300


レベル5の炎獄のカース・オブ・ドラゴンに、レベル1のツメクリボーをチューニング!
闇夜に星が集うとき、それは虚空を切り裂く雷鳴となる。光射す道となれ!シンクロ召喚、貫け『雷光の魔王 スカル・デーモン』!!



『ガァァァァァァァァ!!』
雷光の魔王 スカル・デーモン:ATK2500



ツメクリボーの効果で、スカル・デーモンの攻撃力は200ポイントアップするわ。


雷光の魔王 スカルデーモン:ATK2500→2700


「バトル!雷光の魔王 スカル・デーモンで、ジャックにダイレクトアタック!『魔光滅雷』!!」

「ほう、モンスターの攻撃力を僅かとは言え底上げしてから攻撃して来たか?
 喰らえば大ダメージだが、そうはさせん!トラップ発動『ブレイク・チューン』
 手札のチューナーモンスター1体を特殊召喚し、相手モンスター1体の攻撃を無効にする!現れろ『フレア・リゾネーター』!」
フレア・リゾネーター:DEF1300



ヤッパリ躱されちゃったか……でも、此れだとシンクロせずにモンスター2体で攻撃した方が正解だったわね?
2体のモンスターで攻撃すれば、ブレイク・チューンで呼び出されたモンスターを戦闘破壊する事も出来た訳だし……シンクロの素材を残す結
果になったのは、ちょっと拙かったわ。
カードを1枚セットしてターンエンド。



「俺のターン!」


遊里:SC2→3
ジャック:SC2→3



『暗闇の道化師サギー』を召喚!」
暗闇の道化師サギー:ATK800


「レベル3の暗闇の道化師サギーに、レベル3のフレア・リゾネーターをチューニング!
 悠久の時を経て研磨されし至高の翼よ、今こそその力を解き放つが良い!シンクロ召喚、羽ばたけ『水晶竜-クリスタル・ドラゴン』!」

『キョォォァァァァァァァァァァ!!』
水晶竜-クリスタル・ドラゴン:ATK2500


「フレア・リゾネーターの効果で、クリスタル・ドラゴンの攻撃力は300ポイントアップする!」
水晶竜-クリスタル・ドラゴン:ATK2500→2800


こうもアッサリとスカル・デーモンの攻撃力を越えて来るとは、流石はパワーデュエルを得意とするジャックね?しかも、力一辺倒じゃなく、力
を最大に生かす為の技巧も持ち合わせてるんだから大したモノだわ。
もしも時を越えて、ジャックと海馬社長がデュエルをしたら、物凄く豪快なデュエルになるでしょうね。


「そして其れだけではない!
 暗闇の道化師サギーが墓地に送られた時、エンドフェイズまで相手モンスター1体の効果を無効にする!この効果で、お前のスカル・デー
 モンの効果はエンドフェイズまで無効になる!」

「く……効果に対する耐性能力を無効にされたか……流石ねジャック!」

「ふ、お前に勝つのならば此れ位でなくてはな!
 バトル!水晶竜-クリスタル・ドラゴンで、雷光の魔王 スカル・デーモンに攻撃!そして、この瞬間にクリスタル・ドラゴンの効果発動!
 クリスタル・ドラゴンがこのカードの攻撃力以下のモンスターを攻撃した場合、戦闘対象にしたモンスターをダメージ計算を行わずに破壊し、
 相手に破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える!!」



なんですってぇ!?
く……その為に、スカル・デーモンの効果を無効にして来たのね?



――ドガァァァァァァァァァァァァァン!!


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
遊里:LP4000→1500



「ジャックの奴、一方的な破壊で遊里に2500ものダメージを……!!!」

「このフィールは、半端じゃねぇな……」

「遊里……!!」

「負けるな遊里ー!!」



負ける心算は無いけど……今のフィールは、効いたわ最高に!
やっぱり貴方のフィールは最高だわジャック……本当の意味で魂に響くからね。正に『王者のフィール』と言うに相応しいわ!!



「当然だ!
 お前が万物を切り裂く鋭い剣ならば、俺は万物を粉砕する肉厚の斧!力強く振り下ろし、荒々しく粉砕するのみ!
 カードを1枚セットしてターンエンド。」

「エンドフェイズにトラップ発動『ロスト・スター・ディセント』
 このカードの効果で、墓地の『雷光の魔王 スカル・デーモン』を能力を制限した状態で、守備表示で特殊召喚するわ。」
雷光の魔王 スカル・デーモン:Lv6→5   DEF1200→0(表示形式変更不可)


「次への布石は打っていたか?……ならば来い!!」

「アタシのターン!」


遊里:SC3→4
ジャック:SC3→4



――グン!




「む?此れは立体交差の下の道を行くか遊里!」



悪いけどジャック、アタシと貴方の道は違う。
アタシの道は常に風と共にある……貴方の馬鹿デカい斧じゃ捉える事は出来ない!!

「チューナーモンスター『クリーンクリボー』を召喚!」
クリーンクリボー:ATK600


そして、レベル5となった雷光の魔王 スカル・デーモンに、レベル2のクリーンクリボーをチューニング!
集いし絆が、此処に破壊の力を呼び覚ます。光射す道となれ!シンクロ召喚、滅せよ『竜破壊の重剣士-バスター・ブレイダー』!!


『ムゥゥゥン!』
竜破壊の重剣士-バスター・ブレイダー:ATK2600



クリーンクリボーが墓地に送られた時、フィールド上に存在する『カード効果で攻撃力が上昇しているモンスター』の攻撃力を、全て元々の数
値に戻す!
此れで、クリスタル・ドラゴンの攻撃力は元の2500に戻る!



水晶竜-クリスタル・ドラゴン:ATK2800→2500



「バトル!竜破壊の重剣士-バスター・ブレイダーで、水晶竜-クリスタル・ドラゴンを攻撃!」

そしてこの瞬間に、バスター・ブレイダーの効果発動!
竜破壊の重剣士-バスター・ブレイダーがドラゴン族モンスターを攻撃する場合、攻撃力が1000ポイントアップする!!


『ウオォォォォォォォォ!!』
竜破壊の重剣士-バスター・ブレイダー:ATK2600→3600



「攻撃力3600だと!?」

「ドラゴン族を抹殺する剣士は、ドラゴンとの戦闘でこそその力を発揮する!喰らえ『ドラゴン・バスター・ブレード』!!」



――ズバァァァァァァァ!!!

――ドォォォォォン!!



「むおぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
ジャック:LP4000→2900



ふふ、如何かしらジャック、アタシのフィールは?



「見事だと言っておこう……まさかフィールバニッシュで相殺する事が出来んとはな――此れが、お前の見つけたフィールか遊里!!」

「その通りよジャック!此れが私の見つけたフィール!
 何物にも囚われず、相手によって形の変わる、形なき風のフィール……貴方の力のフィールでは破る事は出来ないわよジャック!!」

「ふ、珍しく吠えるな遊里?」



貴方がそうさせるのよジャック……貴方とのデュエルは、心が、そして魂が燃えるわ!!
だからこのデュエル、勝つのはアタシよ!勝利は絶対に譲らない――例え相手が、シティの絶対王者である貴方であってもねジャック!!



「戯言を!勝利とは奪い取る物!!このデュエル、勝つのは俺だ!!」



だったら、アタシは勝利を奪わせない!
其れだけじゃなく、シンクロ合戦となってるこの状況も負ける心算はない――アタシの高速シンクロと、貴方のパワーシンクロのどちらが強い
のか、此処で決めるわよジャック!

カードを1枚セットしてターンエンド!


竜破壊の重剣士-バスター・ブレイダー:ATK3600→2600



ギアをオーバートップに入れときなさいよジャック?此処からは、Dホイーラーだけが行う事を許された、『究極のスピードの中』でのデュエル
になるのは間違い無いんだから!

アタシの持てる力の全てを貴方にぶつけるから、受け止めてねジャック!












 To Be Continued… 






登場カード補足





ブレイク・チューン
通常罠
相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
手札のチューナーモンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚し、相手モンスター1体の攻撃を無効にする。