遊里:LP3000   SC7
絶天龍 シルバー・ストーム:ATK3300
超魔賢者ダーク・ワイズ・ガール:ATK3800(シルバー・ストーム効果)
プリンセス・ブリュンヒルデ:ATK3800(シルバー・ストーム効果)

遊星:LP3000   SC7
翔星龍 シューティング・スター:ATK500(ジェノサイド・ウィンド効果・効果無効/シルバー・ストーム効果)
波動竜騎士ドラゴエクィテス:ATK3700(シルバー・ストーム効果)


ユウリ:LP1900   SC7
滅天獄龍 ジェノサイド・ウィンド:ATK4000
プリンセス・ブラック・ヴァルキリア:ATK3000(ダークスパナイト効果)




Side:遊里


如何よ?アタシのデッキのトリプルエースを、アクセルシンクロで進化させてやったわ!
3体とも攻撃力は3000オーバーで、夫々が異なる強力な効果を備えている……流石にジェノサイド・ウィンドの攻撃力には及ばないけれ
ど、フィールドアドバンテージはアタシ達の方が上よ!



「まさか、この短期間にアクセルシンクロを此処まで使いこなすとは予想外だった……如何やらお前は、俺の予想を超えたデュエリストだっ
 たみたいだな遊里?」

「アクセルシンクロの可能性はシルバー・ストームだけじゃなくて、アタシのトリプルエース全員に対して存在してるんじゃないかって思って
 たからね……まぁ、其の予想は外れてなかったけどさ。」

とは言っても、アタシ自身、トリプルエースのアクセルシンクロ体を3体全部並べる事が出来る日が来るなんて想像もしてなかったんだけど
ね…まぁ逆に言うなら、アタシにそれをさせた程の相手なのよねユウリは。

状況的に見ればアタシ達の方が絶対的に有利だけど、だからと言ってユウリがそう簡単にやられるとも思えない――寧ろ、アタシがアクセ
ルシンクロモンスターを3体並べてからが本番なのかも。

何にしてもアタシ達は負けない――アタシと兄さんのコンビが負ける筈がない!



「本気でそう思っているのか?……愚かな――無様に足掻くのは止めた方が良い。後世に汚名を残す事に成る。」

「其れは負けた場合でしょ?勝てば、その足掻きはまた違う評価を得る事に成る――そして、アンタこそアタシ達に勝てると思ってるの?
 アンタは確かに強いけど、只それだけ……アタシが記憶で見たユウリと比べても全然レベルが低い……そんな相手にアタシ達は負けな
 いわ!!!」

って言うか、勝たなかったらブラックホールに吸い込まれてお陀仏だから、何が何でも勝ってやるわ――行くわよ、アタシの記憶の欠片!












異聞・遊戯王5D's Turn176
『シンクロの可能性~デルタアクセル~』











アタシも兄さんも最強レベルのアクセルシンクロモンスターを従え、兄さんは更にスターダストを素材にした融合モンスターまで従えてるか
ら、戦力的にはこっちが上。
だけど最大の問題は、ユウリが従えてるジェノサイド・ウィングなのよね……自分以外のシンクロが存在する場合には、破壊不能の無敵モ
ンスターと化す上に、連続攻撃効果も持っているから長居されるとこっちが不利になる。

でも、其れならまずは他のシンクロを叩いた上で攻撃すれば良いだけの事。闇堕ちしたプリンセスも残しとくと展開力発揮して来るしね。
兄さんのシューティング・スターが攻撃表示のままなのも気になるから……よし、このターンの此処からの戦略構築完了!
先ずは手札から、スピードスペル『Sp-お宝鑑定団』を発動。
アタシのスピードカウンターが5個以上ある時に自分フィールド上のモンスターを墓地に送って発動!デッキからカードを2枚ドローする。
そして、発動コストとして墓地に送ったモンスターが、シンクロ、融合、エクシーズ、儀式のいずれかだった場合、ドロー出来るカードは3枚
になる!

この変則デュエルでは、パートナーのモンスターもコストにする事が出来るから、アタシは兄さんのシューティング・スターをコストにして3枚
ドローする!!



「味方のカードをコストに?……自分のフィールドを乱さぬように、仲間を食い物にするとは、中々に良い性格をしているな?
 大層な事を口にしながら、お前も所詮は自分の事しか考えていない愚物か……」

「ふ……其れは如何かな?
 シューティング・スターは、お前のジェノサイド・ウィンドの効果で力を失っていた。シルバー・ストームの効果を受けていたとは言え、攻撃
 力は僅かに500――あのままでは良い的だった。
 遊里は、シューティング・スターが的にならないように、敢えてフィールドから消し去ったんだ。」

「そう言う事!でも当然それだけじゃないわ。プリンセスの効果発動!
 手札を1枚捨て、墓地のモンスターを蘇生させる!神姫の力に導かれ、兄さんの下に舞い戻れ『翔星龍 シューティング・スター』!」

さぁ、舞い戻りなさい、星の力を宿せし龍よ。

『クァァァァァァァァァァァ!!』
翔星龍 シューティング・スター:ATK3300→3800(シルバー・ストーム効果)



攻撃力が0になったシューティング・スターを守備表示にしなかったのは、ミスでもなんでもなく、攻撃表示のままにしておけば、アタシがこ
う言う形でシューティング・スターの力を取り戻すって予測してたから。


このターンでケリを付けるわユウリ!
プリンセスの効果のコストとして墓地に送った『月夜のシルバー・フォング』をゲームから除外して効果発動!この効果で、シルバー・ストー
ムの攻撃力を800ポイントアップさせるわ!


絶天龍 シルバー・ストーム:ATK3300→4100


「此れで貴女を倒す準備は整った……行くわよユウリ!
 バトル!ダーク・ワイズ・ガールで、ブラック・ヴァルキリアに攻撃!!!」

喰らえ!12.8cm砲の喧嘩キック!――級の魔力弾!!

『ガーーッデーム!アーイム、マウス!!』



うん、予想はしてたけど、2回目からの攻撃はネタをぶっ込んで来るよねガールなら。
其れだけなら兎も角、ガールの背後にグラサン掛けた某黒のカリスマっぽい何かが見えたんだけど気のせいよね?気のせいだよね!?



「安心しろ遊里、俺にも見えた。」

「若干安心できない其れ。
 でも、この攻撃が通れば貴女は終わりよユウリ?ブラック・ヴァルキリアが居なくなれば、ジェノサイド・ウィンドの耐性もなくなるから、シル
 バー・ストームの攻撃でジェノサイド・ウィンドは倒される。
 後はプリンセスのダイレクトアタックでゲームエンドだわ!」

「確かにそうかも知れないが、そう簡単にはいかせん。トラップカード『不可視のバリア-クリア・フォース』を発動。
 このターン、私のモンスターは戦闘では破壊されず、モンスターが戦闘を行う事によって発生する私へのダメージも0になる。」



此処で防御を講じて来たか……なら、アタシはカードを1枚セットしてターンエンド。


絶天龍 シルバー・ストーム:ATK4100→3300



「私のターン。」


遊里:SC7→8
遊星:SC7→8
ユウリ:SC7→8



「ブラック・ヴァルキリアの効果で、デッキからレベル4の闇属性モンスター『イービル・エルフ』を守備表示で特殊召喚する。」
イービル・エルフ:DEF2000



やっぱり展開して来たか……闇属性限定とはいえ、ノーコストでの展開力って、可成りの反則効果な気がするわ。まぁ、強力な効果って言
うのは、其れに溺れないようにしないと足元を掬われる事にもなるんだけどね。
でも、此処でチューナーを召喚して来たって言う事は……きっとそう言う事なんだろうなぁ……



「レベル8のプリンセス・ブラック・ヴァルキリアに、レベル4のイービル・エルフをチューニング。
 天から堕ちた神姫の聖騎士よ、冥獄の力を得て暗黒騎士となれ。シンクロ召喚『堕天の神姫-プリンセス・ダーク・ヴァルキリア』!」

『ハァァァァァァッァァァ!!!』
堕天の神姫-プリンセス・ダーク・ヴァルキリア:ATK4000




やっぱり来たかレベル12の闇プリンセスの進化版!
プリンセス・ブリュンヒルデとは異なる神姫の力……此れは可成りの力を秘めていると見て間違ないわね。


「ダーク・ヴァルキリアの効果発動。
 フィールド上の魔法と罠カードを全て墓地に送る。」


そして予想通りか!
ノーコストでの墓地送りって言うのは強力ね――破壊を介してないからワイズ・ガールの効果でも防ぐ事は出来ないし、何よりも兄さんの
くず鉄のかかしを処理出来たのは大きいわ。
存在すれば略確実に攻撃を1度無効に出来るって言うのは意外と強力だからね。



「此れで終わりだな……先ずは貴様から葬ってやるぞ不動遊星。
 ジェノサイド・ウィンドで、シューティング・スターに攻撃!!」


翔星龍 シューティング・スター:ATK3800→0


やっぱり兄さんを狙って来たか――ところがギッチョン、そうは問屋が卸さない!
プリンセス・ダークの効果で墓地に送られたアタシのカードは『クロス・カウンター・トラップ』
このカードが墓地に送られたターン、手札のトラップカードを1枚発動する事が出来る!喰らえ『聖なるバリア-ミラーフォース-』!!
効果処理の彼是で、ジェノサイド・ウィンドは無事だけど、プリンセス・ダークは退場して貰う!!
更に、プリンセスの効果発動!1ターンに1度、このカードをゲームから除外出来る。そして、この効果を発動したターン、1度だけ攻撃を無
効に出来る!



「ならば、メインフェイズ2で、2枚目のスピードスペル『Sp-ソニック・メテオ』を発動。
 相手に私のスピードカウンターの数×200ポイントのダメージを与える――私のスピードカウンターは8個。よって1600ポイントのダメー
 ジを受けて貰う。」



遊里:LP3000→1400
遊星:LP3000→1400




此処で其のカードを使うか。さっき以上のバーンダメージ……ライフが逆転されたわね此れ。



「更にスピードスペル『Sp-死者蘇生』発動。
 このカードでプリンセス・ダークを蘇らせる!」
堕天の神姫-プリンセス・ダーク・ヴァルキリア:ATK4000



更に、プリンセス・ダークが蘇って来たか……此れは、結構ヤバいかも知れないわね――何とかしないとジリ貧は確定だわ。


「カードを1枚セットしてターンエンド。」

「この瞬間に、プリンセスは帰還するわ。」
プリンセス・ブリュンヒルデ:ATK3300→3800(シルバー・ストーム効果)


「俺のターン!」


遊里:SC8→9
遊星:SC8→9
ユウリ:SC8→9




「俺のフィールド上にシンクロモンスターと融合モンスターが1体ずつ存在する場合、手札の『エクストラ・シンクロン』を特殊召喚出来る。」
エクストラ・シンクロン:ATK300


このターンの兄さんは先ずはレベル1のチューナーか…特殊召喚条件は限られてくるけど、その条件を満たす為に兄さんは融合モンスター
であるドラゴエクィテスを呼び出した訳か。
でも、其処から如何するのかしら?


「そして『ロードランナー』を召喚。」
ロードランナー:DEF300


此れは…この布陣は、またレベル2のシンクロを呼び出す心算だよね?――まさか、シューティング・スター以上のモンスターを呼ぶ心算な
の兄さんは!?


「レベル1のロードランナーに、レベル1のエクストラ・シンクロンをチューニング!
 集いし希望の欠片が、まだ見ぬ未来の地平を映す。光射す道となれ!シンクロ召喚『デモリション・ウォリアー』!!」
デモリション・ウォリアー:ATK500→1000(シルバー・ストーム効果)


「デモリション・ウォリアーの効果発動。
 1ターンに1度、自分フィールド上のシンクロモンスターをエクストラデッキに戻し、エクストラデッキに戻したモンスターのシンクロ素材となっ
 たモンスターを墓地から特殊召喚する。
 この効果で絶天龍 シューティング・スターをエクストラデッキに戻し、墓地の『煌天龍 スターダスト・ドラゴン』『フォーミュラ・シンク
 ロン』
を特殊召喚!」
煌天龍 スターダスト:ATK2500→3000(シルバー・ストーム効果)
フォーミュラ・シンクロン:DEF1500



チューナーを含めたシンクロモンスターが3体……そしてレベル合計は12――まさか!!


「遊里、この短期間にアクセルシンクロを此処まで使いこなしたのは大したモノだが、アクセルシンクロの可能性はその程度の物じゃない。
 今から、俺がアクセルシンクロの新たな可能性を見せてやる――トップクリアマインド!!!」


――轟!!


此れは……アクセルシンクロ以上の衝撃!!


「レベル2シンクロモンスターのデモリション・ウォリアーと、レベル8シンクロモンスターの煌天龍 スターダストに、レベル2シンクロチューナ
 ーのフォーミュラ・シンクロンをチューニング!
 集いし星が一つになる時、新たな力が目を覚ます!光射す道となれ。デルタアクセルシンクロォォォ!!


――キュゴウ!!!


「未来を切り開け『煌天神龍 コズミック・スターダスト』!!」

『ゴアァァァァァッァァァァッァ!!!』
煌天神龍 コズミック・スターダスト:ATK4000→4500(シルバー・ストーム効果)



デルタアクセルシンクロ!?3体のシンクロモンスターによる究極のシンクロ召喚……此れが、兄さんが絶望の未来を生きる中で見つけ出
した境地――途轍もない力を感じるわ。


「コズミック・スターダストは、このカードの召喚に使用されたシンクロ素材モンスターの数だけ攻撃出来る。
 コズミック・スターダストのシンクロ召喚に使用されたモンスターは3体!よって、コズミック・スターダストは3回の攻撃が可能になる!!」

「攻撃力4000……シルバー・ストームの効果を受けてるから攻撃力は4500だけど、攻撃力4500での3回攻撃って鬼か!
 仮に相手フィールド上に守備表示モンスターが2体居たとしても、余程の事がない限りは3回目の攻撃でゲームエンドじゃない!クロウが
 この場に居たら間違いなくキレるわよ!?『インチキ効果も大概にしろ!!』って!」

「なら、『BF使ってるお前が言うな』って返しておいてくれ。」


うわぉ、兄さんグレイト。まぁ、悪ふざけは此処までにしておくとして、3体のシンクロモンスターを使ったシンクロモンスターが連続攻撃効果
だけって事はないよね?
最強の星龍の力を出し惜しみはしないでよ?


「勿論だ――そして、このターンで終わらせる!
 バトル!煌天神龍 コズミック・スターダストで、プリンセス・ダーク・ヴァルキリアに攻撃!『銀河創造撃クェーサー・バースト』!!」

「そうは行くか!トラップ発動『魔法の筒』
 この効果でコズミック・スターダストの攻撃は其のままお前に跳ね返る――精々闇に沈むが良い。」


だけど、ユウリはミラフォと並ぶ最強の対攻撃の罠を張ってたみたいね――ダメージを跳ね返す『魔法の筒』は、ともすれば一撃必殺のカー
ドになるからね。
でも、今回は相手が悪過ぎ――兄さんが、貴女を逃がしはしないから!!



「コズミック・スターダストは、1ターンの間に、相手の魔法、罠、モンスター効果を夫々1回ずつ無効にできる――故に魔法の筒は無力!」

「なに!?」



此れで、兄さんの攻撃を止める事は出来ない!!
覚悟しなさいユウリ――此れで終わりよ!!吹き飛べぇ!!!



「そんな……そんな馬鹿なぁ!!!私は……私はァ!!!!!」

「此れで終わりだユウリ!――煌天神龍 コズミック・スターダストで攻撃!!『銀河創造撃クェーサー・バースト』!!!」

「馬鹿な……そんな馬鹿なぁ!!!うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」


ユウリ:LP1900→0



此れで、アタシ達の勝ちよユウリ!!
闇に沈むのは、アタシ達じゃなくて貴女の方だったみたいね?……精々、深き闇に沈むと良いわ――其れが、貴女の運命だからね!!










 To Be Continued… 






登場カード補足




堕天の神姫-プリンセス・ダーク・ヴァルキリア
レベル12    闇属性
天使族/シンクロ・効果
チューナー+チューナー以外のシンクロモンスター1体以上
1ターンに1度、自分のターンのメインフェイズに発動出来る、フィールド上の魔法・罠カードを全て墓地に送る。
このカードの攻撃対象になったモンスターの効果は無効になる。このカードが戦闘で破壊したモンスターの効果は無効となり、ゲームから
除外される。
ATK4000    DEF4000



イービル・エルフ
レベル4    闇属性
魔法使い・チューナー
このカードを手札から捨てて発動する。
自分フィールド上のモンスターの攻撃力はエンドフェイズまで1000ポイントアップする。エンドフェイズ時、このカードの効果を受けたモンス
ターを全て破壊する。
ATK800    DEF2000



Sp-お宝鑑定団
スピードスペル
自分のスピードカウンターが5個以上ある時に自分フィールド上のモンスター1体を墓地に送って発動する。
デッキからカードを2枚ドローする。
この時、コストとしたモンスターがシンクロ、エクシーズ、融合、儀式のいずれかだった場合、ドローするカードは3枚になる。



不可視のバリア-クリア・フォース
通常罠
エンドフェイズまで、自分フィールド上のモンスターは戦闘では破壊されず、自分のモンスターが戦闘を行う事によって発生する戦闘ダメー
ジは0になる。