Side:遊里
まさか、アタシじゃないアタシ、ユウリが敵として立ちはだかるとは思ってなかったわ――此れは、ある意味で最強の敵と言えるかも知れな
いわね。
だけどアタシ達だって負ける気はないわ。
何よりも、時を越えて再会した兄さんとのタッグで負ける気は毛頭ない!って言うか、負けのビジョンが想像出来ないからね?予想外の相
手でも、絶対に勝って見せる!!
デュエルは変則のライディングデュエル――なんだけど、ルールはアタシ達に絶対有利だわ!
互いに4000のライフを持ってるとは言っても、アタシと兄さんはコンビ状態だから、アタシか兄さんがファーストコーナーを制する事が出来
れば先攻を取る事が出来るからね。
間もなくファーストコーナー……ユウリは定石通りにインを攻めて来たけど、そうはさせないわ!!
「先攻は渡さない!」
「先攻は貰うわよユウリ!」
「此れは……凄まじい鋭角コーナーリングで強引にインに入り込んでファーストコーナーを制して来たか……尤も、其れ位でなくては面白く
ないけれどね。
見せて貰おうか上条遊里、不動遊星――お前達の力と言う物を!」
たっぷりと見せてあげるわユウリ――時を越えて繋がった、アタシと兄さんの絆の力って言う物をね!!
そして、宣言するわユウリ!このデュエル、勝つのはアタシ達だって!――どうして、貴女が此処に居るのかは分からないけど、アタシ達が
貴女をもう一度冥府に送り返してあげるわ!
さぁ、本気のデュエルと行こうじゃない!!
異聞・遊戯王5D's Turn174
『3度目の進化、賢者の出撃』
で、先攻はアタシ達からなんだけど、どっちから行こうか?
「なら、俺から先に行かせて貰っても良いか遊里?」
「OKよ兄さん!最初からばっちり決めちゃってよ!」
「あぁ、分かった。行くぞ、俺のターン!
俺のフィールドにモンスターが存在しない場合、手札のチューナーモンスター『ガジェット・シンクロン』を特殊召喚出来る!」
ガジェット・シンクロン:ATK500
「そして、『スター・ブライト・ドラゴン』を攻撃表示で通常召喚。」
スター・ブライト・ドラゴン:ATK1900
「スター・ブライト・ドラゴンの召喚に成功した時、フィールド上のモンスター1体のレベルを2つ上げる事が出来る。
俺はこの効果で、ガジェット・シンクロンのレベルを2つ上げる!」
ガジェット・シンクロン:Lv2→4
レベル変動効果!
此れで兄さんは行き成りレベル8のシンクロモンスターを召喚する布陣を整えた……アタシも高速シンクロには自信があるけど、兄さんは、
若しかしたら其れすら上回るかも知れないわ。
「レベル4のスター・ブライト・ドラゴンに、レベル4となったガジェット・シンクロンをチューニング!
集いし願いが、新たに輝く星となる。光射す道となれ!シンクロ召喚、飛翔せよ『煌天龍 スターダスト』!!」
『クァァァァァァァァァァァァァァァァァァ……!!』
煌天龍 スターダスト:ATK2500
来た、兄さんのエースであり、アタシのシルバー・ウィンドと双璧を成す守護の龍のスターダスト――初手から全力だね兄さんは。だからこ
そ頼もしいって言えるけどさ。
「俺は、カードを2枚セットしてターンエンド。」
「アタシのターン!」
遊里:SC0→1
遊星:SC0→1
ユウリ:SC0→1
此の手札なら、行き成りトリプルエースの1体を呼び出す事が出来るけど、さて先ずは誰を召喚しようかな?シルバー・ウィンドを呼び出せ
ば、兄さんのスターダストと合わせる事で、アタシ達のフィールドは更に堅くなる。
或いはプリンセスを呼び出して、展開力を加速させるのも悪くないわね。
『遊里、私が行くよ!』
ガール?如何したの、何時になくやる気じゃない?まぁ、やる気があるのは良い事だと思うけど。
『シルバーもプリンセスも進化したのに、私だけ3人(?)の中で進化してないんだもん!
私もそろそろアクセルシンクロで進化したいよ~~~!』
あ~~~……成程、そう言う事か。
確かにシルバー・ウィンドはシルバー・ストームに、プリンセス・ヴァルキリアはプリンセス・ブリュンヒルデにアクセルシンクロで進化してるけ
ど、ガールは未だだったわね。
OK!そう言う事なら、そのお願いは聞き入れないとね!
「アタシは手札を1枚捨て『THE トリッキー』を攻撃表示で特殊召喚。」
THE トリッキー:ATK2000
そしてチューナーモンスター『キングクリボー』を召喚!
『グ~リグリ~~!』
キングクリボー:ATK900
「レベル5のTHE トリッキーに、レベル3のキングクリボーをチューニング!
集いし魔法の胎動が、新たな世界を切り開く。光射す道となれ!シンクロ召喚、突き進め『ダーク・マジシャン・ガール』!!」
『リ○カル○ジカル、頑張ります!』
ダーク・マジシャン・ガール:ATK2500
「……今のセリフは一体?」
「気にしないで兄さん、ガールがまた妙なネタを次元を超えて何処からか仕入れて来ただけだから。」
「何故か分からないが、どこか違う次元の俺じゃない俺が聞いているような気がするんだが……きっと多分気のせいなんだろうな。」
うん、意味が分からないわ兄さん。……って言うかどこか違う次元の自分じゃない自分て何よ……若しかして、兄さんて多次元に同時多発
的に存在してるのかしら?だとしたら怖いわね。
まぁ、其れは今は関係ないから良いとして、キングクリボーが闇属性のモンスターのシンクロ召喚の素材となって墓地に送られた時、アタシ
はデッキから攻撃力1500以下のモンスター1体を手札に加える事が出来る。
アタシはこの効果で『幻想の闇魔導師』を手札に加える。
カードを2枚セットしてターンエンド。
「私のターン。」
遊里:SC1→2
遊星:SC1→2
ユウリ:SC1→2
「相手フィールド上にのみモンスターが存在する時、手札の『呪われし龍』を特殊召喚出来る。」
呪われし龍:ATK2000
「そして、チューナーモンスター『クイック・スパナイト』を召喚。」
む……ユウリもアタシや兄さんに負けず劣らず早いわね?
行き成りレベル8のシンクロモンスターを呼び出す布陣を整えて来たか……でも、シルバー・ウィンドは今はアタシのカード。一体何を呼び
出してくるのかな?
「レベル5の呪われし龍に、レベル3のクイック・スパナイトをチューニング。
空を駆ける闇色の雲よ、光を覆い尽くし闇よりの使者をこの地に導け。シンクロ召喚!羽ばたけ『滅天龍 ダーク・ウィンド』!」
『ガァァァァァァァァァァ!!』
滅天龍 ダーク・ウィンド:ATK2500
此れは……黒いシルバー・ウィンド!?
そう言えば、ジャックがダークシグナーとなったジャッキーと戦った時には黒いレッド・デーモンが現れたって言ってたわね……此のドラゴン
も、その類なのかも知れないわ。
「クイック・スパナイトの効果で相手モンスター1体の攻撃力を500ポイントダウンさせる……此処は、厄介なスターダストの攻撃力を下げ
ておくか。」
煌天龍 スターダスト:ATK2500→2000
「バトル。滅天龍 ダーク・ウィンドで、煌天龍 スターダストに攻撃!
そして、ダーク・ウィンドは戦闘では破壊されず、相手モンスターと戦闘を行う場合、攻撃力が500ポイントアップする!」
滅天龍 ダーク・ウィンド:ATK2500→3000
つまり、攻撃力3000までのモンスターを一方的に葬る事が出来るって訳か……シルバー・ウィンドの守護の効果と攻撃力アップ効果を自
身のみに適用したみたいな効果ねこれは。
差分ダメージは1000ポイント……序盤では結構痛い戦闘ダメージを喰らう事に成っちゃうんだけど……でも、兄さんならきっと!
「トラップ発動『くず鉄のかかし』!
相手モンスターの攻撃を無効にする。そして発動後、このカードは再びフィールドにセットされる!!」
流石、防御策も用意していたわね。
其れに発動後に再セットされるって言う事は、破壊されない限り毎ターン攻撃を1度は無効に出来る……3積みされたら可成り厄介なカー
ドかも知れないわ此れ。
「攻撃をかわしたか……カードを2枚セットしてターンエンド。」
滅天龍 ダーク・ウィンド:ATK3000→2500
「俺のターン!」
遊里:SC2→3
遊星:SC2→3
ユウリ:SC2→3
「手札からスピードスペル『Sp-エンジェル・バトン』を発動。
スピードカウンターが2個以上ある時、デッキからカードを2枚ドローし、その後手札を1枚捨てる。
そして永続トラップ『エンジェル・リフト』を発動!自分の墓地からレベル2以下のモンスターを特殊召喚する。
俺がこの効果で特殊召喚するのは、エンジェル・バトンの効果で墓地に送った『チューニング・サポーター』!」
チューニング・サポーター:ATK100
「そして、チューナーモンスター『ターボ・シンクロン』を召喚。」
ターボ・シンクロン:ATK100
「レベル1のチューニング・サポーターに、レベル1のターボ・シンクロンをチューニング!
集いし思いが、新たな速度の地平へ誘う。光射す道となれ!希望の力、シンクロチューナー『フォーミュラ・シンクロン』!!」
フォーミュラ・シンクロン:DEF1500
此処でシンクロチューナー!
と言う事は、やる心算なのね兄さん!
「チューニング・サポーターとフォーミュラ・シンクロンの効果で2枚ドロー。
行くぞ……クリアマインド!!」
――轟!!!
「レベル8シンクロモンスター煌天龍 スターダストに、レベル2シンクロチューナーフォーミュラ・シンクロンをチューニング。
集いし夢の結晶が、新たな進化の扉を開く。光射す道となれ!アクセルシンクロォォォォォォォ!!!!」
――バシュン!!
「招来せよ、『翔星龍 シューティング・スター』!!」
『クァァァァァァ!!』
翔星龍 シューティング・スター:ATK3300
此れが、兄さんの真のアクセルシンクロモンスター!……前に見せて貰ったジャンク・アギューメントとは次元が違う強さを感じるわ此のドラ
ゴンからはね!
「シューティング・スターの効果発動!
1ターンに1度、デッキの上からカード5枚を確認し、その中に存在したチューナーの数だけ攻撃する事が出来る!――ドロー!
俺が確認した5枚のカードは『ジャンク・シンクロン』『ニトロ・シンクロン』『ドリル・シンクロン』『クイック・シンクロン』『ロード・シンクロン』…
全てがチューナーモンスター!
よって、このターン、シューティング・スターは5回の攻撃が可能になる!」
此処で5枚のチューナーを引き当てるとか、流石兄さんて言う所ね。
5回も攻撃出来るなら、ダーク・ウィンドの効果を使っても、最大で1500ポイントのダメージを与える事が出来るから此れは、アドバンテー
ジになる筈よ!
「5回攻撃か……其れは少し困ったが、其れはならばこのカードを発動しよう、トラップカード『威嚇する咆哮』。
この効果で、お前はこのターン攻撃する事が出来ない――私のライフを削る心算だったのだろうが、当てが外れたな。」
威嚇する咆哮か……其れじゃあ攻撃は出来ないわね。
尤も、攻撃を止められたら止められたで、兄さんには別の策がある気がするけれどね。
「カードを1枚セットしてターンエンド。」
「アタシのターン!」
遊里:SC3→4
遊星:SC3→4
ユウリ:SC3→4
アタシは『幻想の闇魔導師』を召喚!
幻想の闇魔導師:ATK1500
幻想の闇魔導師の召喚に成功した時、手札からレベル1のモンスターを特殊召喚出来る!頼むわ『ライティ・ドライバー』!
ライティ・ドライバー:ATK100
そして、ライティ・ドライバーの効果で墓地の『レフティ・ドライバー』を特殊召喚!墓地から特殊召喚された事で、レフティ・ドライバーのレ
ベルは3になるわ。
レフティ・ドライバー:ATK300 Lv2→3
「レベル3になったレフティ・ドライバーと、レベル4の幻想の闇魔導師に、レベル1のライティ・ドライバーをチューニング!
集いし星の瞬きが、聖なる力を呼び覚ます。光射す道となれ!シンクロ召喚、切り込め『プリンセス・ヴァルキリア』!!」
『役目を果たしましょう。』
プリンセス・ヴァルキリア:ATK2500
プリンセスの効果発動。手札を1枚捨て、墓地のモンスターを特殊召喚する!もう一度頼むわ、ライティ・ドライバー!
ライティ・ドライバー:ATK100
そして、トラップ発動『エンジェル・サンクチュアリ』!
このカードは発動後、攻守100で、レベル1の天使族モンスターとなるトラップモンスター……今此処に参上したわ!
エンジェル・サンクチュアリ:ATK100
でも此れで終わりじゃないわ!
レベル1のエンジェル・サンクチュアリに、レベル1のライティ・ドライバーをチューニング!
集いし思いが、新たな速度の地平へ導く。光射す道となれ!シンクロ召喚、希望の光、シンクロチューナー『ナインテール・フォックス』!
『コォォォォン!』
ナインテール・フォックス:DEF1000
此れで全ての準備が整った!行くわよ、クリアマインド!!
――轟!!
レベル8シンクロモンスターダーク・マジシャン・ガールに、レベル2シンクロチューナーナインテール・フォックスをチューニング!
集いし魔導の結晶が、大いなる魔導師を呼び覚ます!光射す道となれ!アクセルシンクロォォォォォォ!!!
――キュゴォォォォ!!
「現れよ『超魔賢者ダーク・ワイズ・ガール』!」
『さぁて、進化した私の力、思い知って貰おうかな?――って言うか、全力全壊だからね!』
超魔賢者ダーク・ワイズ・ガール:ATK3300
シルバー・ストーム、プリンセス・ブリュンヒルデに続く3体目のアクセルシンクロモンスター、此処に降臨!
この新たな仲間と共に、ユウリ、貴女を倒す!――其れがきっと、ユウリの魂を受け継いだアタシの役目なんだろうから、本気で行くわ!
To Be Continued… 
登場カード補足
滅天龍 ダーク・ウィンド
レベル8 闇属性
ドラゴン族・シンクロ
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードは戦闘によっては破壊されない。
このカードは相手モンスターと戦闘を行う場合、1ターンに1度エンドフェイズまで攻撃力が500ポイントアップする。
また、相手モンスターを戦闘で破壊する度に、このカードの攻撃力は300ポイントアップする。
ATK2500 DEF2000
呪われし龍
レベル5 闇属性
ドラゴン族・効果
自分フィールド上にモンスターが存在せず、相手フィールド上にモンスターが存在する時、このカードは手札から特殊召喚出来る。
ATK2000 DEF1500
エンジェル・サンクチュアリ
通常罠
このカードは発動後モンスターカード(星1、天使、攻守100)となってフィールド上に特殊召喚される
このカードが戦闘を行う場合、自分が受ける戦闘ダメージは相手が受ける。
このカードがモンスターゾーンに存在する場合、自分はエンドフェイズ毎にライフを1000ポイント払う。
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