クロウ:LP1800
BF-レイジング・ギア:ATK2500


鬼柳:LP2650
煉獄龍 フォルト・スクライド:ATK3000


シェリー:LP5000
EndlessDragon~Z-ONE:ATK3000




Side:クロウ


この局面で現れやがったか、シェリーの最強モンスターと思われるZ-ONEが!!
攻撃力3000て時点で楽な相手じゃないんだが……それでも俺達は絶対に退かねぇぜシェリー!必ず、お前を倒して俺達の仲間にする!



「果たしてあなたにそれが出来るかしら、クロウ?」

「やってやるよシェリー……お前をぶっ倒して、助け出して、そんでもって、ミゾグチさんの下に連れ帰る!!!其れを、やるだけだぜ!!」

「果たして、其れが出来るか……其れは此れから明らかになるわクロウ。
 そして知ると良いわ、このカード『EndlessDragon~Z-ONE』の力をね!!」


そんなモン、精々宇宙の彼方にぶっ飛ばす!!
そして、今度こそお前も一緒にシティに連れ帰る!!――本番は、此処からだぜ!!















異聞・遊戯王5D's Turn168
『終わりなき龍を超えろ!』











「さて、何時まで強がっていられるかしら?
 Z-ONEがフィールドに降臨した以上、貴方達に勝利はない!見てみなさい、貴方達のモンスターを!!」


BF-レイジング・ギア:ATK2500→1250 モンスター効果無効
煉獄龍 フォルト・スクライド:ATK3000→1500 モンスター効果無効




此れは、俺のレイジング・ギアと、鬼柳のフォルト・スクライドが弱体化しちまってるだと!?
攻撃力が半分になった上に、効果まで無効になってるって……コイツは一体どうなってるんだ?――って、まさかコイツがZ-ONEの力!



「正解よクロウ。
 EndlessDragon~Z-ONEがフィールド上に存在する限り、相手フィールド上のモンスターはアンディメンション化し、効果が無効となって
 攻撃力も半減する!」

「待て待て待て!確かにトンデモねぇ効果だが、何だって俺のレイジング・ギアまで、アンディメンション化とか言うのを受けてんだ!?
 レイジング・ギアは相手モンスターの効果を一切受け付けないモンスターなんだぜ!?」

「それに関しては簡単な事よクロウ。
 Z-ONEのシンクロ召喚にチェーンする形で、私はこのカードを発動していた!速攻魔法『スキル・デリート』を。
 このカードは、フィールド上のモンスター1体の効果をエンドフェイズまで無効にする。この効果で、レイジング・ギアの効果を無効にした。
 普通ならば1ターンのみの効果だけど、此れに重ねる形でZ-ONEの効果を受けた為、レイジング・ギアが其の力を取り戻す事はない。」

「トンデモねぇ効果を通す為にか……用意周到だなシェリー。」



マッタクだぜ。
だが、確かにZ-ONEの効果は強力極まりねぇ……攻撃力が半減するだけなら兎も角、効果まで無効にされたんじゃキツ過ぎるぜ。
疾風のゲイルで攻撃力半分にして相討ち狙いってのも出来ねぇしよ……次元領域デュエル以上のトンでもカードだなコイツは。



「まだ驚いて貰っては困るわ。
 Z-ONEの第2の効果発動!1ターンに1度、全てのプレイヤーのライフポイントを半分にする!!」

「「なに!?」」


クロウ:LP1800→900
鬼柳:LP2650→1325
シェリー:LP5000→2500



自分まで巻き込んだライフ半減効果って……自分を護る気はねぇって事かよコンチクショウが。テメェが傷ついても構わねぇってのかオイ!



「構わないわ!何よりも、ライフが半減しようとも、Z-ONEは相手モンスターを戦闘で破壊した時、破壊したモンスターの元々の攻撃力分の
 ライフを回復する!
 ライフ半減のデメリットは無いに等しいのよ!!!」

「幾ら何でもインチキ過ぎだろそりゃあ!!大会で使ったら、一発で使用禁止に指定されるカードだろ此れ!!」

つーかよ、シェリーの親父さんは何つーカードを作ってくれたんだオイ!
こんなトンでもカードが出てきちまったら、デュエルバランスは完全に崩壊じゃねぇか!!
でもって此れはヤバイ……俺も鬼柳も、攻撃を喰らったら一撃でライフが消し飛んじまう……俺は、このターンは手があるが、鬼柳は…!



「攻撃!と行きたい所だけれど、Z-ONEはシンクロ召喚したターンには攻撃できない。
 辛うじて命は繋いだわねクロウ、鬼柳……其れも、1ターンだけ命が伸びたに過ぎないのだけれど。カードを1枚セットしてターンエンド。」

「俺のターン!!」

ドローしたのは『BF-空風のジン』。
コイツを召喚すれば、ブラック・フェザーを呼ぶ事が出来るが…ダメだ、Z-ONEの影響下じゃ、ブラック・フェザーもその力を発揮出来ねぇ。
俺は、レイジング・ギアを守備表示に変更してターンエンド。


BF-レイジング・ギア:ATK1250→2100


「俺のターン。カードを1枚セットし、フォルト・スクライドを守備表示にしてターンエンド。」


煉獄龍 フォルト・スクライド:ATK1500→DEF2500


クソ、鬼柳も打つ手なしか!
幾ら何でもヤバいぜこの状況は……!!


「私のターン!……もはや希望は無いという事を教えてあげるわ。
 リバースカードオープン、永続罠『最終突撃命令』!このカードの効果で、フィールド上のモンスターは全て攻撃表示となる!!」



BF-レイジング・ギア:DEF2100→ATK1250
煉獄龍 フォルト・スクライド:DEF2500→1500



此処で、其のカードを発動するか!……マジで、俺達を叩きのめす心算みてぇだな?
だがシェリー、如何してお前はアイツ等に味方する!イリアステルは、お前の両親の命を奪った仇だったんじゃねぇのかよ!其れなのに!



「確かに仇だった……だけど、それ以上に希望だった。
 彼等の野望が成就すれば、歴史は書き換えられ、私の両親が死なずに済む世界が訪れる!そして其れだけじゃなく、あの最悪の厄災
 である『ゼロ・リバース』をもなかった事に出来る!
 クロウ、貴方も孤児とならずに両親と共に過ごせる世界が手に入るし、サテライトで孤児として生きて居た子達もそうでなくなるのよ?
 ゼロ・リバースによる大規模破壊は無くなり、その破壊で生まれた孤児は居なくなる……貴方にとっても、其れは望むモノではないの?」

「其れは……!!」

そうかも知れねぇ。
俺だって、親父とお袋が生きててくれたらって思う事は何度もあったし、マーサの所のガキ共に対しても、コイツ等の親が健在だったらと思
った事もあったさ。
だけど、それでも俺は、奴らのやろうとしてる事を見過ごす事は出来ねぇ!!
どんな御大層な御託並べた所で、連中のやろうとしてる事は、今の俺達が歩んできた道を無かった事にする事だ!俺達の苦労も、喜びも
何もかも、全部全てを無かった事にする事だろうが!!
そんなモン、俺は受け入れられねぇ!!何より、今までの事が無かった事に成ったら、俺は今の仲間達と出会う事も無かったんだしな!
だから、此処でお前に屈する訳には行かねぇんだ!!



「そう……ならば眠りなさい!
 バトル!EndlessDragon~Z-ONEで、レイジング・ギアに攻撃!『エンドレス・デストラクション・フォース』!!」

「させないぜ!リバースカードオープン!トラップカード『ガード・ブロック』
 コイツの効果で、俺への戦闘ダメージを1度だけ0にし、デッキからカードを1枚ドローする!!」

「まだ足掻くと言うの?……でも、所詮は悪足掻きに過ぎない!
 Z-ONEの効果で、破壊したレイジング・ギアの攻撃力分、私のライフは回復する!」
シェリー:LP2500→5000


「私は此れでターンエンド!!」



悪足掻きか……確かにそうかも知れねぇ。
そんだけのトンでも効果を持ったZ-ONEを攻略する術が思いつかねぇからな。……デッキのミラー・フォースを引く事が出来れば最高なん
だが、早々巧く行く筈もねぇしな。

「俺のターン!!」

クソ、如何しろってんだ!!……このままじゃ――!!



「この瞬間にトラップ発動、『同調調整』発動。
 俺のフィールド上のシンクロモンスター1体をリリースし、リリースしたモンスターと同じ属性のシンクロモンスターをエクストラデッキから召
 喚条件を無視して特殊召喚出来る。
 そして、この変則デュエルに於いては、パートナーのクロウもこの効果を使う事が出来る!」

「鬼柳?」

「クロウ、奴を呼べ。
 そして、その真の力を解放しろ!!俺が、フォルト・スクライドを進化させたように!!」

「!!!」

そう言う事なのか!?だが、其れなら何とかなるかも知れねぇ!!
俺は鬼柳のフォルト・スクライドをリリースし、エクストラデッキからこのモンスターを呼び出すぜ!!来い『玄鳳龍 ブラック・フェザー』


『グオォォォォォォォォォォ!!』
玄鳳龍 ブラック・フェザー:ATK2800→1400 効果無効


「此処でブラック・フェザー……だけど、そんな物は意味がないわ!
 Z-ONEの前には、如何なるモンスターであっても無意味!!始まりのONEと、終わりのZをその名に冠するZ-ONEを攻略する事は出来
 ないわ!」

「……そいつは如何かな?」

「なに?」


確かに、ブラック・フェザーの力じゃ、Z-ONEを超える事は出来ねぇ。
だが、デュエリストには無限の可能性ってのがあるのを忘れた訳じゃねぇだろシェリー?俺も同じさ、その無限の可能性を掴み取る!!
俺は、チューナーモンスター『BF-銀盾のミストラル』を召喚!


BF-銀盾のミストラル:ATK100→50 効果無効


そして、レベル8の玄鳳龍 ブラック・フェザーに、レベル2の銀盾のミストラルをチューニング!
黒き翼、今力となりて来世より飛来せよ!シンクロ召喚!舞い上がれ、『玄鳳皇龍 ダーク・ブラック・フェザー』!!


『ガァァァァァァァァァァ!!』
玄鳳皇龍 ダーク・ブラック・フェザー:ATK4000



「この局面で己のエースを進化させた!……しかも、Z-ONEの効果でアンディメンション化されていない?此れは一体、如何言う事!?」

「玄鳳皇龍 ダーク・ブラック・フェザーは、相手のモンスター効果と魔法の効果を受け付けない。だから、Z-ONEの効果も効かなかった!
 このカードでお前を倒し、そして救ってやるぜシェリー!!」

ダーク・ブラック・フェザーの効果発動!
1ターンに1度、デッキの上からカード5枚を確認し、確認したカードの中の『BF』1体に付き、このカードの攻撃力は500ポイントアップし、相
手モンスターの攻撃力は、確認したカードの中の『BF』1体に付き400ポイントダウンするぜ!!
このドローに全てをかける!!ドロー!!!

俺が確認したカードのカード5枚は『BF-暁のシロッコ』、『BF-疾風のゲイル』、『BF-月影のカルート』、『BF-極北のブリザード』、『BF
-極光のアウロラ』!



「5枚すべてが『BF』!?そんな事が…!!」



此れで、ダーク・ブラック・フェザーの攻撃力は2500ポイントアップし、Z-ONEの攻撃力は2000ポイントダウンするぜ!!



玄鳳皇龍 ダーク・ブラック・フェザー:ATK4000→6500
EndlessDragon~Z-ONE:ATK3000→1000




言っただろ、俺達は負けねぇ!お前を倒して、そして救ってみせるって!!
何よりも、お前がこんな事をしちまったら、お前の親父さんだって浮かばれねぇ!!そのカードは、この世界を破壊する為に生まれた訳じゃ
ねぇだろ!!


「!!」

「コイツで終わりだシェリー!
 玄鳳皇龍 ダーク・ブラック・フェザーで、EndlessDragon~Z-ONEに攻撃!!『ダーク・レイジ・ドライブ』!!」

『グオォォォォォォォォォ!!』


――ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァン!


「ぐ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
シェリー:LP5000→0



俺達の勝ちだな!!



――ピキピキ……バリィン!!



って、シェリーの居た床が抜けただと!?……このまま落下したらシェリーは!!クソ、間に合え!!シェリーーーーーーー!!



――ガシィ!!



「クロウ!?」

「今度は、間に合ったぜ……!!」

「如何して私を助けたの!?……私は、貴方達の敵として立ち塞がったのに!!」

「言っただろ?俺は、今度こそお前の手を離さねぇってな!」


――グイン!!


だから、一緒に帰ろうぜシェリー……この世界を無かった事にするんじゃなくて、この世界の未来ってのを目指そうじゃねぇか?
お前の親父さんも、きっとそれを望んでる筈だぜ?


「パパが……あぁ……あぁ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
 そうだ、そうだった……パパは何時だって、私の事を一番に考えてくれてた……其れなのに、私は其れすらなかった事にしようとしてた。
 ゴメン、ゴメンパパ……私は……」

「そんなに泣くなよシェリー?俺が酷い事したみてぇじゃねぇか?
 でも、お前の親父さんは怒ってねぇよきっとな。鬼柳もそう思うだろ?」

「一度道を踏み外しかけたくらいで怒る親はダメだろ……怒るんじゃなくて、教え諭して叱ってやらないとな。」



そう言うこった。
一度間違ったら、今度は間違わなければいいんだ……そうだろシェリー。



「そうね……貴方達の言う通りだわ――私は、前に進む!!それが、パパの望んだ事だと思うから!」



其の意気や良し、だな。
取り敢えず、俺と鬼柳は門番突破だ!!きっと、遊里とジャックだって、門番を突破する筈だからな――先に最上階で、待ってるぜ!!!















 To Be Continued… 






登場カード補足



スキル・デリート
速攻魔法
相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターの効果はエンドフェイズまで無効になる。



同調調整
通常罠
自分のフィールド上のシンクロモンスター1体をリリースして発動する。
リリースしたモンスターと同じ属性のシンクロモンスター1体を、エクストラデッキから召喚条件を無視して特殊召喚する。