Side:遊里
グランエルを倒して、一気に有利と思ったら、ホセとプラシドとルチアーノが、まさかの合体をして、アポリアって言う存在になったってマジ!?
ホセ爺ちゃん以上の巨躯を誇り、そしてDホイールと合体したアポリアのデュエリストレベルは決して低くない――と言うか、シティの並のデュ
エリストじゃ、アポリアに勝つ事は出来ない。其れだけの力があるからね。
だけど、アンタ等の最大の誤算は、ジャック相手にアポリアになった事だわ。
其れはつまり切り札であり、其れを攻略されたら、もう後がない……正に崖っぷちよね?――そんな背水の陣の相手にジャックが遅れを取る
とはどうしても思えないわ。
尤も、アポリアになった事で、此れまでとは全く違う戦術を展開してくる可能性はゼロじゃないんだけど――だからと言って止まらないのがジャ
ックなのよ!!
油断する気は無いけど、若しかしたら、このデュエルでアタシの出番はないかもしれないわ。
そう思ってしまう位に、ジャックとアポリアは、互いに視線を交錯しているからね――この戦いは、只のデュエルでは終わらないわね。
でも、敢えて言わせて貰うわ『チーム・ニューワールド』
確かに機皇帝は強力だったけど、其れだけじゃあ私達を倒す事は出来ない――ジャックを倒したいのならば、最低でも私並の実力を備えた
デュエリストでなければ無理よ。
取り敢えず、見させてもらうわ――アポリアが、このデュエルを如何戦うのかをね。
異聞・遊戯王5D's Turn163
『絶望すら超える絶対王者!』
ジャック:LP4000 SC7
紅蓮魔龍 スカーレッド・デーモン:ATK5500
煉獄龍皇 フォルト・ハーディス:ATK4000
バトル・フェーダー:DEF0
アポリア:LP5100 SC2
Side:ジャック
アポリア……イリアステルの3人が合体したその姿こそが、貴様の本当の姿という訳か!!
異常なまでの巨躯と、世界ギネスに認定されてもオカシクない肩幅は、確かに見事な物があったからな……だが、フィールドが壊滅した状態
で、貴様は如何動く?
既に機皇帝は全て倒した!!今更、合体した所で恐れる相手ではない!
全身全霊を持ってしてかかって来るが良いアポリアよ!
「無限牢の効果発動。手札を1枚捨て、墓地の『グランド・コア』を魔法・罠ゾーンにセットする。」
又しても、機皇帝のコアを魔法・罠ゾーンにセットしただと?
何を狙っているかは知らんが、このまま押し切らせて貰うぞ!俺は、カードを1枚セットしてターンエンドだ!
「私のターン。」
ジャック:SC7→8
アポリア:SC2→3
「無限牢の効果発動。
このカードを墓地に送る事で、このカードの効果で魔法・罠ゾーンにセットしたモンスターを全て手札に戻す。
これにより、『スカイ・コア』『ワイズ・コア』『グランド・コア』の3体のモンスターは、私の手札に戻って来る――此れで全ての準備が整った。」
「準備だと?」
「見せてやろう、スキエル、ワイゼル、グランエルをも超える最強のSXキラーモンスターを!
私は手札の『スカイ・コア』『ワイズ・コア』『グランド・コア』の3体を墓地に送り、エクストラデッキから『機皇神オメガ∞³』を特殊召喚!」
『ゴォォォォォォン。』
機皇神オメガ∞³:ATK4000
此れは……グランエル以上の巨体を誇る機皇神だと!?
機皇帝ではなく機皇神……機皇帝よりもずっと上位の存在であるという事か――グランエルを倒した後で、これ程のモンスターを出してくると
は、伊達に3体合体した訳ではないようだなアポリアよ!
「ホセ、プラシド、ルチアーノの3人は、私の仮初の姿に過ぎない。
本来の姿に戻った私は、先程までとは違う――否、このデュエルそのものが私を再びこの世界に呼び出すモノに過ぎん。
全てはそのための仕込だ。そう、グランエルが倒されるという事まで含めてな……所詮お前達は、私の筋書き通りに動いていた憐れな役者
に過ぎんという事だ。」
「ほう?全ては筋書き通りか。
ならば、此処からは役者の裁量がモノを言うアドリブで舞台を盛り上げるか!筋書き通りに演じると言うのは、あまり得意ではないのでな。」
「吠えるか……だが、貴様は直ぐに絶望を知る事に成る。
機皇神オメガの効果発動。1ターンに1度、相手フィールド上のシンクロまたはエクシーズモンスター1体を選択して、このカードに装備する。
そしてオメガの攻撃力は、装備したモンスターの攻撃力分アップする。
更に、この効果に対し、相手はモンスター効果を発動する事は出来ない――貰うぞ、貴様のスカーレッド・デーモンを!!」
吸収効果が強化されたか……此れでは逃げる事は出来ん。
スマン、スカーレッド・デーモンよ……必ず助ける故に、暫し待っていてくれ。
機皇神オメガ∞³:ATK4000→8000(紅蓮魔龍 スカーレッド・デーモン装備)
「これで、貴様のライフを消し飛ばす事が出来る攻撃力を手に入れた。
加えて、手札がある貴様ではフォルト・ハーディスの効果を発動する事は出来ん……絶望の闇に散れ、ジャック・アトラス!!
機皇神オメガ∞³で、煉獄龍皇 フォルト・ハーディスに攻撃!『ザ・ジャッジメント・デイズ』!!」
「その程度で俺のライフを削れると思ったら大間違いだアポリア!トラップ発動『体力増強剤スーパーZ』!
俺が2000ポイント以上のダメージを受ける時、ダメージを受ける前にライフを4000ポイント回復する!!」
ジャック:LP4000→8000
此れで、瞬殺とは行かんぞ!!
「小癪な……ならば、我が絶望のフィールで消し飛ぶが良い!!」
「ふん……フィール・バニッシュ!!」
――パキィン!!
ジャック:LP8000→4000
ライフの減少は仕方ないが、此の程度のフィールで俺を消し飛ばそうなどとは片腹痛いわアポリア!
確かに強力なフィールではあったが、此の程度ならば俺のフィール・バニッシュで充分防げるレベルだ!俺のフィール・バニッシュを超えてフ
ィールダメージを与えたいのならば、最低でもアインレベルのフィールを身に着けてこい!
アイツのフィールは、ライディングデュエルを始めてまだ間もないとは思えないほどのフィールだからな……相手のみならず、会場全てに干渉
するフィールなど初めて見たわ。
「足掻くか……だが、其れもまた愚かな行為だ。
機皇神オメガ∞³は、戦闘で破壊したシンクロまたはエクシーズモンスターをも自身に装備し、其の力を増幅させる!」
機皇神オメガ∞³:ATK8000→12000
「如何に足掻こうとも、全ては無駄……絶望が全てを塗り固め、救いも希望もありはしない。――大人しくして居れば楽な物だと言うのにな。
まぁ良い。カードを1枚セットしてターンエンドだ。」
ならば俺は、その絶望を切り裂いてくれる!俺のターン!
ジャック:SC8→9
アポリア:SC3→4
スピード・ワールド2の効果で、スピードカウンターを7個取り除いてカードを1枚ドローする。
ジャック:SC9→2
スピードスペル『Sp-モンスター回収』を発動。
俺のスピードカウンターが2個以上ある時、自分フィールド上のモンスター1体を選択してデッキに戻してシャッフルし、その後カードを1枚ドロ
ーする!
俺はバトル・フェーダーを選択する!が、自身の効果で特殊召喚されたこのカードはフィールドを離れる時ゲームから除外される。
よって、カードは戻さずにシャッフルしドロー!……此れは良いカードを引いたな!
「『X-ヘッド・キャノン改』を攻撃表示で召喚!」
X-ヘッド・キャノン改:ATK1800
俺のフィールド上に『X-ヘッド・キャノン改』が存在する時、手札の『Y-ドラゴン・ヘッド弐式』を特殊召喚出来る!
Y-ドラゴン・ヘッド弐式:ATK1500
行くぞ!
X-ヘッド・キャノン改と、Y-ドラゴン・ヘッド弐式、2体のレベル4モンスターをオーバーレイ!
反逆の鼓動、今此処に列を成す。革命の意思を、今此処に示せ!エクシーズ召喚!現れよ『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』!
『ガァァァァァァァァァァァ!!』
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン:ATK2500 ORU2
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンの効果発動!
このカードのオーバーレイユニットを2つ取り除き、相手モンスター1体の攻撃力を半分にし、その数値をこのカードの攻撃力に加える!
この効果で、機皇帝オメガ∞³の攻撃力を半分にし、その数値をダーク・リベリオンに加える!『トリーズン・ディスチャージ』!!
機皇神オメガ∞³:ATK12000→6000
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン:ATK2500→8500 ORU2→0
「此処で、そのモンスターを!!……何処までも足掻くか――!」
「絶望など、俺には生憎と必要ないのでな……寧ろ貴様が、絶望の闇に沈め!敗北と言う名の絶望にな!
バトルだ!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンで、機皇神オメガ∞³に攻撃!薙ぎ払え『反逆のライトニング・ディスオベイ』!!」
「カウンタートラップ『攻撃の無力化』!此れでその攻撃は無効となり、バトルフェイズも終了する。」
攻撃の無力化……汎用攻撃無効カードもデッキに組み込まれていたか。
カードを3枚セットしてターンエンドだ。
「私のターン。」
ジャック:SC2→3
アポリア:SC4→5
「機皇神オメガ∞³の効果発動!貰うぞ、ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンを!!」
機皇神オメガ∞³:ATK6000→8500
矢張りそう来るか……だが、果たしてそれで俺を倒せるかアポリアよ?
「お前を護るモンスターは居ない。そして、ダイレクトアタックを防げるバトル・フェーダーも先刻使ってしまっただろう?
お前のデッキにバトルフェーダーは1枚……つまり、オメガの攻撃を止める事は出来ないという事だ!!
消え去れジャック・アトラス!機皇神オメガ∞³で、ダイレクトアタック!『ザ・ジャッジメント・デイズ』!!」
温いわ!!
トラップ発動『ガード・ブロック』!戦闘ダメージを0にし、デッキからカードを1枚ドローする!!
「小癪な……ならばスピードワールド2の効果発動!
スピードカウンターを4つ取り除き、手札のスピードスペルの数×400ポイントのダメージを与える!
私の手札のスピードスペルは3枚……よって、1200のダメージを受けて貰う!!」
アポリア:SC5→1
「ふん、此の程度は必要経費に過ぎんな。」
ジャック:LP4000→2800
「私は、此れでターンエンドだ。」
エンドフェイズにトラップ発動!『ロスト・スター・ディセント』!
此のカードの効果で、墓地の『煌魔龍 レッド・デーモン』を効果と能力を制限した状態で、守備表示で特殊召喚する!
煌魔龍 レッド・デーモン:DEF2000→0 Lv8→7(効果無効、表示形式変更不可)
行くぞ、俺のターン!!
ジャック:SC3→4
アポリア:SC1→2
手札より、スピードスペル『Sp-黙する死者』を発動!
俺のスピードカウンターが4個以上ある時、俺の墓地からモンスター1体を選択し守備表示で特殊召喚する!来い『強靭王 ギルガメス』。
強靭王 ギルガメス:DEF200
そして、チューナーモンスター『救世龍 セイヴァー・ドラゴン』を召喚!
救世龍 セイヴァー・ドラゴン:ATK0
「こ、此れは!!」
「ダブルチューニングだけが俺の戦術ではない!!
レベル7となったレッド・デーモンと、レベル2のギルガメスに、レベル1のセイヴァー・ドラゴンをチューニング!
研磨されし孤高の魂、今此処に大いなる力を解き放つ!
天地鳴動の力を世界に知らしめろ!!シンクロ召喚!!顕現せよ『救世魔龍 セイヴァー・デモン』!!!」
『バオォォォォォォオ!!』
救世魔龍 セイヴァー・デモン:ATK4000
セイヴァー・デモンの効果発動!
1ターンに1度、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターの効果を無効にする!
そして、この効果で効果を無効にしたモンスターのレベルまたはランク合計×300ポイント、このカードの攻撃力はアップする!
俺はこの効果で、機皇神オメガの効果を無効にし、セイヴァー・デモンの攻撃力は3000ポイントアップする!!
そして効果が無効になったのならば、機皇神に吸収されたモンスター達も解放された事に成る…つまり、機皇神の攻撃力は元に戻るのだ!
機皇神オメガ∞³:ATK8500→2000
救世魔龍 セイヴァー・デモン:ATK4000→7000
辛うじて、元々の攻撃力の半分の数値が残ったが、その程度では雑魚に他ならん!
だから、此れで終わりだ――リバースカードオープン!トラップカード『シンクロ・ストライク』!
此のカードの効果でシンクロ召喚したシンクロモンスターの攻撃力を、シンクロに使用したモンスターの数×500ポイントアップする!
セイヴァー・デモンの素材となったモンスターは3体!よって、セイヴァー・デモンの攻撃力は1500ポイントアップする!!
救世魔龍 セイヴァー・デモン:ATK7000→8500
「ば、馬鹿な……私が此処で負けるとは……そんな事があって――!!」
「だが此れが現実だ!!
救世魔龍 セイヴァー・デモンで、機皇神オメガ∞³に攻撃!『アルティメット・ヘル・バーン』!!!」
『バオァァァァァァァァァァァァ!!』
――ドゴォォォォォォォォォォォン!!
「そんな、そんな馬鹿な……馬鹿なぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
アポリア:LP5100→0
『決まったーーーー!渾身の一撃が炸裂し、チームニューワールドのアポリアは沈黙!
流石は絶対王者!!見事なデュエルだったぞーーーー!!」
此の程度ならば造作もない事だ……だが、精是胸に刻み込んでおくが良い――俺達に刃向うのが、如何に愚かな行為であったのかと言う
事をな!!
何れにしても、この戦いを勝ったのは俺達だ――所詮は、此の程度。俺達の敵ではなかったわ――精々地獄で閻魔相手に頑張るが良い!
貴様等の計画は今此処で潰えた…サラバだ、イリアステルよ。
To Be Continued… 
登場カード補足
Sp-モンスター回収
スピードスペル
自分のスピードカウンターが2個以上ある時に、自分フィールド上のモンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターをデッキに戻してシャッフルし、その後自分はデッキからカードを1枚ドローする。
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