Side:ジャック


攻撃力16000の機皇帝……相手にとって不足は無い!
寧ろ、其れ位のモンスターで無ければ、俺の相手は務まらん――機皇帝の真髄とやらを、見せて貰うぞイリアステル!そして、その上で俺は
其れを超える!絶対王者としてな!!



「愚かな……お前では私に勝つ事は出来ない――大人しくして居れば楽な物を、自ら火の中に飛び込んでくるとは、救いがたいものだ。」

「飛んで火にいる夏の虫…そう言いたいのか?
 確かに並みのデュエリストならそうであるのかも知れんが、俺は絶対王者にして天錠覇王!!並のデュエリストと同列に考える事自体が大
 きな間違いだと知れ!
 そして、此の俺の力をその身に刻むが良い――敗北と共にな!!」

行くぞ!!


「「デュエル!!」」


ジャック:LP4000   SC5
ホセ:LP12000   SC7
機皇帝グランエル:ATK16000(煉獄龍皇 フォルト・ハーディス装備)




鬼柳は負けはしたが、その魂は俺に受け継がれている――つまり、貴様は俺と鬼柳の2人の相手をしなければならないという事だ!!
所詮は老兵…今の内に退場の準備をしておくが良い!!――この俺が、『絶対王者』ジャック・アトラスが貴様に直々に引導を渡してくれる!













異聞・遊戯王5D's Turn162
『絶対王者の圧倒的実力!』











先攻は俺からだな?ドロー!
相手フィールド上にのみモンスターが存在する場合、手札の『バイス・ドラゴン』は特殊召喚出来る。
但し、この効果で特殊召喚したバイス・ドラゴンの攻守力は半分になるがな。


バイス・ドラゴン:ATK2000→1000(DEF2400→1200)


そして、チューナーモンスター『チェイン・リゾネーター』を召喚!!


チェイン・リゾネーター:DEF100


チェイン・リゾネーターの召喚に成功した時、デッキ又は手札から、チェイン・リゾネーター以外の『リゾネーター』を特殊召喚する!来い『サモ
ン・リゾネーター』



サモン・リゾネーター:ATK1300


サモン・リゾネーターの特殊召喚に成功した時、デッキか手札からチューナーモンスター1体を特殊召喚する!
出でよ『暗黒道化師のサギー』!!


暗黒道化師のサギー:ATK800


「む……一気に4体ものモンスターを召喚して来るとはな?――して其処から、如何なる戦術を繰り出すか?」


ふ……その目玉をかっぽじってよく見るが良い!貴様等自慢の機皇帝を凌駕する絶対王者のデュエルタクティクスと言う物をなぁ!!!!
特と味わえ、キングのフィールを!!

「レベル5のバイス・ドラゴンに、レベル3の暗黒道化師のサギーをチューニング!
 万物を焼き尽くす孤高の絶対王者よ、天地鳴動の力を揮うが良い!シンクロ召喚!降臨せよ『煌魔龍 レッド・デーモン』!!」

『バオォォォォォォォォォォォオォオォォォォォォォォォ!!!』
煌魔龍 レッド・デーモン:ATK3000




「行き成りレッド・デーモンとは気前がいいではないか……それでも、私を倒す事は出来ないだろうがな。」



確かに、如何にレッド・デーモンとは言え、攻撃力16000の機皇帝グランエルには及ばない――だが、其れで俺が終わると思ったら大間違
いだ!!!
機皇帝をも上回る、我が魂の僕の姿をその目に焼き付けるが良い!

「燃える……燃えるぞ、我が魂が!!!
 見るがいい、此れが命懸けで会得した我が究極の闘志!――燃え盛る魂、バーニングソウル!!」


――轟!!


レベル8の煌魔龍 レッド・デーモンに、レベル3のサモン・リゾネーターとレベル1のチェイン・リゾネーターをダブルチューニング!
王者と悪魔、今此処に交わる!天地を統べる絶対王者よ、今こそ降臨せよ!シンクロ召喚『紅蓮魔龍 スカーレッド・デーモン』!!


『バオォォォォォォォォォ!!!』
紅蓮魔龍 スカーレッド・デーモン:ATK4000



スカーレッド・デーモンは、俺の墓地のチューナー1体に付き攻撃力が500ポイントアップする。
俺の墓地のチューナーは3体!よって、攻撃力は5500!!


『バオアァァァァァァァァ…!!』
紅蓮魔龍 スカーレッド・デーモン:ATK4000→5500




「ダブルチューニングで呼び出した最強のレッドデーモン……そして攻撃力は5500と来たか。
 たった1ターンでこれ程のモンスターを呼び出したのは、流石は絶対王者と感服するが、しかし攻撃力5500ではグランエルの攻撃力には、
 遠く及ばない……所詮はやられるためだけに出て来たような物よ。」



そう思うのは勝手だが、その程度の思考能力ならば二流三流!俺と戦おうなどとは100年早いと知れ!
確かに貴様等のコンボにより呼び出された機皇帝グランエルは、鬼柳のフォルト・ハーディスを吸収して16000もの攻撃力を備えているが故
に、並大抵のモンスターでは大凡敵わないだろう。
だが、自身の攻守力を効果によって得ているという所に機皇帝の共通の弱点が存在している――効果で攻守力を得て居る以上、効果が無
効になってしまった場合、攻撃力は0となってしまうのだからな!
そして、機皇帝攻略のカードは、既に我が手中にある!
スピードスペル『Sp-王者の威光』
俺のスピードカウンターが5個以上あり、更にレベル7以上のシンクロモンスターを従えている場合、エンドフェイズまで相手フィールド上のモ
ンスターの効果を全て無効にする!
これにより、グランエルの効果は無効となり、その影響で装備されていたフォルト・ハーディスも破壊されて墓地に送られる!


機皇帝グランエル:ATK16000
       ↓
機皇帝グランエル∞:ATK0
グランドエル:ATK1300
グランエルG:DEF1000
グランエルC:DEF700
グランエルT:ATK500



「此れで、機皇帝とてただの出来損ないのパーツの集まりに過ぎん!
 消し飛ぶが良い!紅蓮魔龍 スカーレッド・デーモンで、機皇帝グランエル∞に攻撃!『アルティメット・クリムゾン・フォース』!!」

「むぅ……見事だ。
 ならばワシは、手札から『機皇防兵センチネル』の効果を発動。
 ワシのフィールド上の機械族モンスターが攻撃される場合に、手札の此のカードを捨てて発動。その攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了
 する――此れにて機皇帝は無傷よ。」



ほう?伏せカードがなかったので通ったと思ったのだが、手札誘発で攻撃を止めるカードを持っていたか。
尤も、こうも簡単にやられてしまうのでは興醒めだがな?俺はカードを1枚セットしてターンエンド!


機皇帝グランエル∞:ATK0
グランドエル:ATK1300
グランエルG:DEF1000
グランエルC:DEF700
グランエルT:ATK500
       ↓
機皇帝グランエル:ATK12000


「ワシのターン。」


ジャック:SC5→6
ホセ:SC7→8


「スピードワールド2の効果発動。スピードカウンターを7個取り除き、デッキからカードを1枚ドローする。」
ホセ:SC8→1



「先程のターンの戦術は見事だったが、アレでグランエルを倒せなかったのは残念だったな?
 このターンの攻撃で、お前のライフは0になり、そしてスカーレッド・デーモンはグランエルの力となるのだからな……此処で葬ってやろうジャ
 ック・アトラスよ!
 機皇帝グランエルで、スカーレッド・デーモンに攻撃!この攻撃に対し、スカーレッド・デーモンのエスケープ効果を発動する事は出来ん!」



確かに其の通りだが、発動出来ないのはあくまでもモンスター効果!
ならば他の方法でエスケープさせるまでの事――トラップカード『亜空間物質転送装置』!このカードの効果で、スカーレッド・デーモンをエ
ンドフェイズまで除外する!



「むぅ……だが、モンスターを逃がした所で、お前はがら空きになる。
 上条遊里にスカーレッド・デーモンを引き継がせる事にはなるが、グランエルのダイレクトアタックで、どの道お前は此処で終わりだ。
 吹き飛ぶが良い『グラン・スローター・カノン』!!

「甘いわ!!手札から『バトル・フェーダー』の効果発動!
 俺がダイレクトアタックを受ける時、このカードを手札から特殊召喚し、バトルを終了させる!瞬殺を狙ったのだろうが、残念だったな!!」
バトル・フェーダー:ATK0



「そのカードを手札に持っていたか……ならば仕方ない。カードを1枚セットして、ターンエンドよ。」

「そしてこの瞬間、スカーレッド・デーモンが異次元より舞い戻る。」
紅蓮魔龍 スカーレッド・デーモンATK5500



俺のターン!


ジャック:SC6→7
ホセ:SC1→2



俺は此処で、鬼柳の残したカードを発動!永続トラップ『リビングデッドの呼び声』!!
このカードの効果で、墓地の『煉獄龍皇 フォルト・ハーディス』を復活させる!舞い戻るが良い、無限煉獄の絶対支配者よ!!


『グオォォォォォォォォォ!!』
煉獄龍皇 フォルト・ハーディス:ATK4000



そして、此処で手札からスピードスペル『Sp-シンクロ・ドライブバースト』を発動!
俺のスピードカウンターが6個以上あり、更に2体以上のシンクロモンスターを従えている場合にのみ発動出来る!
此のカードを発動するターン、俺は攻撃出来んが、相手フィールド上のモンスターを全て破壊し、相手に破壊したモンスターの元々の攻撃力
の合計値分のダメージを与える!



「な、に!?」

「攻撃力で及ばぬのならば、カード効果で処理するだけの事!
 このカードの効果ではグランエルCは破壊できんが、機皇帝が存在しなくなることで自壊はするからな……此れで貴様の自慢の機皇帝も全
 滅という訳だ!!大人しく消し飛ぶが良い!!」



――ドガァァァァァァァン!!



「むおぉぉぉぉ!!」
ホセ:LP12000→9700


未だだ!更に追撃のスピードスペル『Sp-ペインドスター』
俺のスピードカウンターが7個以上ある時、相手に俺のフィールド上のモンスターのレベル及びランク数の合計値×200ポイントのダメージを
与える!
俺のフィールド上のモンスターのレベル合計は23!よって4600のダメージを受けて貰うぞホセよ!!


「ぐおぉぉぉぉぉ!!」
ホセ:LP9700→5100


思い知ったか!此れが今を生きるデュエリストの力だ!
破滅の未来がどんな物かは知らんが、そんな未来など俺達の手で討ち砕いてくれる――予言は所詮予言、人は其れを覆す力をその身に秘
めているのだから、貴様等の思い通りにはならん!!



「何が思い通りにはならぬだ……全て予言の通りではないか――お前の攻撃によって、ワシのフィールドは焼け野原だ。
 どれだけ崇高な事を言っても、此れが現実……お前達では未来を救う事などは出来ないのだ――もしも出来ていたのならば、ワシ等がこ
 の時代に来る事は無かったのだからな……」

「戯言を抜かすな。
 詭弁で俺の動揺を誘う心算だろうが、その程度の安い三文芝居で俺を揺さぶる事が出来ると思うのならば大間違いだ!!俺の前に立ち
 塞がる敵は、誰であろうと打ち倒す――其れだけの事だ!!」

「虚勢を張ろうとも、僅かに動揺しているのは隠せんぞジャック・アトラスよ。
 だが安心するが良い――破滅の未来は必ずや救済して見せる。このワシが――否……」

「「「此の、アポリアが!!」」」


――ドッ!!


此れは、チームニューワールドのピッドから、先に倒されたルチアーノとプラシドが空を飛んでやって来ただと?
そして其れのみならず、ホセまでもが空中に……一体何をする心算だ?


「遅ぇんだよホセ……だが、此れでもう一度上条遊里と戦う事が出来そうだぜ。」

「ま、其れ僕もだけどね。」


――キュゴォォォォォオ!!!


プラシドとルチアーノがホセと一体化しただと?――何がどうなっているのだ此れは?――む!!



「そして、貴様の運命も此処までだ、ジャック・アトラス――このアポリアが現れた以上、貴様に待っているのは、敗北の闇だけだと知れ!!」

「貴様は……!」

プラシドとルチアーノと一体化したホセが、一瞬光ったと思ったら、次の瞬間には2mを軽く超すであろう大男が目の前に、Dホイールと合体し
た状態で現れていた……つまり、その姿が貴様等の本当の姿という事か!


ホセ:LP5100
    ↓
アポリア:LP5100



良いだろう……其れが貴様の本気であると言うのならば、相手にとって不足なし!
寧ろ、このままでは興醒めだったのでな……貴様の持てる力の全てを出してくるが良いアポリアとやらよ!!
だが、貴様が遊里と戦う事は無いぞ?――遊里の手を煩わせるまでもない!!貴様程度のデュエリストならば俺一人で充分だ!!











 To Be Continued… 






登場カード補足



Sp-王者の威光
スピードスペル
自分のスピードカウンターが5個以上あり、自分フィールド上にレベル7以上のシンクロモンスターが表側表示で存在する場合に発動出来る。
エンドフェイズまで、相手フィールド上のモンスターの効果を無効にする。



Sp-シンクロ・ドライブバースト
スピードスペル
自分のスピードカウンターが6個以上あり、自分フィールド上にシンクロモンスターが2体以上表側表示で存在する場合に発動出来る。
相手フィールド上のモンスターを全て破壊し、破壊したモンスターの攻撃力の合計値分のダメージを相手に与える。
此のカードを発動するターン、自分フィールド上のシンクロモンスターは攻撃する事が出来ない。



Sp-ペインドスター
スピードスペル
自分のスピードカウンターが7個以上ある場合に発動出来る。
相手に、自分フィール上に表側表示で存在するモンスターのレベルまたはランクの合計値×200ポイントのダメージを与える。