Side:遊里
はい、次鋒戦終了~~!!
2体目の神を呼び出したのは見事だったけど、ハッキリ言ってジャックの相手じゃなかったわねブレイブは?……って言うか、何で彼が神に選ば
れたのか、ちょ~~~っと疑問が残るわ。
決して実力は低くない……寧ろ高い部類に入るんだろうけど、だけどデュエリストのレベルはドラガンには遠く及ばないから、大凡神に選ばれる
デュエリストでもないと思うんだけど――星界の三極神の目は、若しかして節穴?
「其れを言ったらお終いだぜ遊里。」
「気持ちは分からなくもないが、もう少しオブラートに包んで言った方が良いんじゃないかな?」
「でも、鬼柳とアインだってそう思ったでしょ?」
「「否定はしない。」」
でしょ?
まぁ、神がブレイブの未来の可能性を見越して選んだって言う可能性だって0ではないんだけど……何れにしても、デュエルの流れが私達に向
いてるのは間違いないわ。
大将のハラルドの実力がどれ程かは分からないけど、スカーレッド・デーモンとレッド・デーモン/バスターを従えたジャックの方に分があるのは
間違いないから、きっと大丈夫よ!
このデュエル、私達が勝たせて貰うわ、チームラグナロク!
異聞・遊戯王5D's Turn156
『最高神降臨。極神聖帝オーディン』
Side:ジャック
チームラグナロクは、残るは大将のハラルドのみだが……
「では、お相手願おうか、絶対王者ジャック・アトラス。」
「神を操るデュエリストの頂点に立つ者の実力、楽しませて貰うぞハラルドよ!」
コイツの実力は、ドラガンやブレイブを遥かに凌駕しているのは間違いなさそうだな?――まだデュエルは始まって居ないが、凄まじいまでのデ
ュエリストのオーラをひしひしと感じるからな……相手にとって不足はない!!
行くぞハラルド!!
「「デュエル!!」」
ジャック:LP2700 SC3
紅蓮魔龍 スカーレッド・デーモン:ATK6500
煌魔龍 レッド・デーモン/バスター:ATK3500
ハラルド:LP4000 SC6
極神皇トール:ATK3500
極神皇ロキ:ATK3300
「先攻は私から……私のターン!
手札からスピードスペル『Sp-ソニック・レベルサモン』を発動。
私のスピードカウンターが5個以上ある時、自分フィールド上のモンスター1体を選択し、選択したモンスターのレベルと同じになるように、デッ
キまたは手札からモンスターを特殊召喚する。
私が選択するのはレベル10の極神皇ロキ。よって、レベル合計が10になるように、モンスターを特殊召喚する。
私はこの効果で手札からチューナーモンスター『極星天ヴァルキュリア』を、デッキから『極星天ブリュンヒルデ』と『極星天ワルキューレ』
を特殊召喚する。」
極星天ヴァルキュリア:DEF800
極星天ブリュンヒルデ:ATK1600
極星天ワルキューレ:ATK1500
チューナーを含めたレベル合計10……行き成り神を呼ぶ心算か?
そう来なくて面白くない!そうでなくては、バーニングソウルによって、神域にまで上り詰めた我がレッド・デーモンの相手は務まらんのでな!
「ドラガンとブレイブは神を持つ資格を持ったデュエリストだが、其れを倒した君に出し惜しみは不要だからね……お見せしよう、最強の神を!
レベル4の極星天ブリュンヒルデと極星天ワルキューレに、レベル2の極星天ヴァルキュリアをチューニング。
北辰の空にありて、全知全能を司る皇よ!今こそ、星界の神々を束ね、その威光を示せ!!
シンクロ召喚!天地神明を統べよ、最高神『極神聖帝オーディン』!」
『フオォォォォォォォォォォ……!』
極神聖帝オーディン:ATK4000
極神聖帝オーディン……此れが、星界の三極神最強の神か!
確かに他の2体とは威厳がケタ違いだが、スカーレッド・デーモンの攻撃力は6500!
如何に最高神とは言えども相手ではないし、レッド・デーモン/バスターを狙っても、スカーレッド・デーモンの効果を発動すれば攻撃は無効に
出来る故に、大した脅威ではない!
「ふむ……残ったトールで相討ちを狙っても、通常のレッド・デーモンが復活し、ライフを削り切る事は出来ない……場合によっては、返しのター
ンで火傷では済まない痛手を被る可能性もあるという訳か…
態々危険な場所に足を踏み入れる事もない――カードを1枚セットしてターンエンドだ。」
「慎重か、それとも臆病なだけか……だが、そんな消極的な姿勢では俺を倒す事は出来ん!俺のターン!!」
ジャック:SC3→4
ハラルド:SC6→7
レッド・デーモン/バスターの効果発動!
1ターンに1度、相手フィールド上に表側表示で存在するカードを全て破壊する!消し飛ぶが良い神よ!『クリムゾン・メテオフォース』!!
――ドガァァァァァァァァァァァァン!!
「神が一撃で……恐ろしいな、君の魔龍は……!」
「レッド・デーモンは我が魂の顕現!立ち塞がる者は、全て力でねじ伏せて進むだけの事!!
そして、此れで貴様を護るモンスターは居ない!!一撃で葬ってやるぞハラルドよ!!
紅蓮魔龍 スカーレッド・デーモンで、プレイヤーにダイレクトアタック『アルティメット・クリムゾン・フォース』!!」
『バオォォォォォォォォォォ!!』
「凄まじい迫力だが……その攻撃は通さない。
トラップカード『ダイレクト・カット』!このターン、私がダイレクトアタックによって受ける戦闘ダメージは全て0となる!!」
「ほう?この展開を読んで居たという訳か……せめて其れ位はして貰わねば興覚めだがな。
俺はカードを2枚セットしてターンエンド。」
「そして、エンドフェイズに3体の神は復活する。
ロキの効果で、ダイレクト・カットを手札に加え、トールの効果で君に800のダメージを与え、オーディンの効果でカードを1枚ドローする。」
ジャック:LP2700→1900
極神皇ロキ:ATK3300
極神皇トール:ATK3500
極神聖帝オーディン:ATK4000
オーディンも自己蘇生効果を備えていたか……まぁ、当然だな。
トールとロキの2体が自己蘇生効果をもっているなら、最高神のオーディンもその効果を備えていて然りだ……さて、此処から如何来るのか。
「私のターン。」
ジャック:SC4→5
ハラルド:SC7→8
「スピード・ワールド2の効果で1枚ドロー。
そして、カードを2枚セットしてターンエンドだ。」
ハラルド:SC8→1
ドローし、そして伏せカードを2枚出してターンエンド……神の表示形式を変更しなかったところを見ると、俺の攻撃を誘っているとも思えるが、こ
の程度で恐れる俺ではない!
俺のターン!
ジャック:SC5→6
ハラルド:SC1→2
レッド・デーモン/バスターの効果発動!『クリムゾン・メテオフォース』!!
「矢張りそう来るか……だが、何度も同じ手は喰わん。リバースカードオープン、トラップカード『シンクロ・マイティガード』!
エンドフェイズまで、私のフィールド上のシンクロモンスターはカード効果によっては破壊されない。」
「神を護ったか……だが、そのカードはあくまでもシンクロモンスターをカード効果から護るカードに過ぎんのだろう?
つまり、其のカードで戦闘破壊を防ぐ事は出来ないという事だ!!
紅蓮魔龍 スカーレッド・デーモンで、極神聖帝オーディンに攻撃!『アルティメット・クリムゾン・フォース』!……砕け散れ、オーディン!」
「攻撃して来たか……だが、其れを待っていた!」
「なに?」
「トラップカード『シンクロ・ユニゾン』!自分フィールド上のシンクロモンスター1体を選択して発動!
選択したモンスターの攻撃力は、エンドフェイズまで選択したモンスター以外の自分フィールド上のシンクロモンスターの元々の攻撃力の合計
値分アップする。
この効果で、オーディンにロキとトールの攻撃力の合計値、6800ポイントを上乗せする!」
極神聖帝オーディン:ATK4000→10800
馬鹿な……攻撃力10000オーバーだと!?
まさかコンバットトリックで迎え撃って来るとは……まぁ、此れ位でなくてはスカーレッド・デーモンを倒す事は出来ないだろうからな――敵なが
ら、天晴と褒めておいてやろう。
ジャック:LP1900→0
だが、例えライフが0になろうとも俺は簡単には死なん!
トラップカード『カウンター・チューニング』!!
俺のフィールド上のモンスターが相手によって破壊された時、墓地のシンクロモンスター1体を選択して特殊召喚する!
三度出番だ『煌魔龍 レッド・デーモン』!!
『バオアァァァァァァァァ!!』
煌魔龍 レッド・デーモン:ATK3000
「ここで、通常のレッド・デーモンを蘇生して来たか……!」
俺のターンで決着したとは言え、ルール上次のデュエルは、チーム5D'sのターンから始まるのでな――勝利の為の下地作りと言うやつだ。
だがハラルドよ、3体の神を従えた事で満足していると負けるぞ?…クロウは、嘗てサテライトで遊里と天下を分けたデュエリストなのだからな。
「チーム5D'sのリーダーたる彼女と天下を分けた実力者とは……楽しみだ。」
「ふ、精々足元を掬われんようにな。」
クロウは強いぞ。
そして、仮にクロウを倒したとしても最強の『無敵女帝』たる遊里がラストに控えている以上は、俺達に負けはない――尤も、遊里を引き出す事
が出来るかも分からんがな。
――――――
Side:クロウ
3人抜きする勢いだったジャックがやられるとはな……チームラグナロクの3人目は、先の2人とは全然違うって事か――は、上等だってんだ!
鉄砲玉のクロウ様を倒したいなら、遊里やジャック以上のデュエルタクティクスを身に着けて来やがれ!或は、超絶スーパーモンスターを従えて
来やがれだ!!
それでも、俺に勝つ事の出来るデュエリストはそう多くはねぇ。
加えて、ジャックがレッド・デーモンとレッド・デーモン/バスターを俺に託してくれたからな……3体の神が相手とはいえ、負けられねぇな!!
「我が魂、確かにお前に託したぞクロウ!」
「あぁ、確かに受け取ったぜジャック!!
見せてやるぜ、俺の力を!!
特と味わえ、そして酔いしれな……クロウ様の妙技にな!!――行くぜ!!
To Be Continued… 
登場カード補足
極神聖帝オーディン
レベル10 神属性
幻神獣族・シンクロ/効果
チューナー+チューナー以外のモンスター2体以上
1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動する事ができる。このカードはエンドフェイズ時まで魔法・罠カードの効果を受けない。
また、フィールド上に表側表示で存在するこのカードが 相手によって破壊され墓地へ送られた場合、そのターンのエンドフェイズ時にこのカード
を墓地から特殊召喚する。 この効果で特殊召喚に成功した時、 自分のデッキからカードを1枚ドローする事ができる。
ATK4000 DEF3500
極星天ブリュンヒルデ
レベル4 光属性
天使族・効果
此のカードとの戦闘で破壊されなかった相手モンスターは、相手の手札に戻る。
此のカードは破壊されてフィールドを離れる場合、ゲームから除外される。
ATK1600 DEF1500
極星天ワルキューレ
レベル4 光属性
天使族・効果
墓地から特殊召喚されたこのカードは、チューナーとして扱うことが出来る。
ATK1500 DEF1500
Sp-ソニック・レベルサモン
スピードスペル
自分のスピードカウンターが5個以上ある時に、自分フィールド上のモンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターのレベルと同じになるように、デッキ又は手札からモンスターを特殊召喚する。
ダイレクト・カット(制限カード)
通常罠
エンドフェイズまで、自分が直接攻撃を受ける事によって発生する戦闘ダメージは0になる。
シンクロ・マイティガード
通常罠
エンドフェイズまで、自分フィールド上のシンクロモンスターはカード効果によっては破壊されない。
シンクロ・ユニゾン
通常罠
自分フィールド上のシンクロモンスター1体を選択して発動する。
エンドフェイズまで、選択したモンスターの攻撃力は、選択したモンスター以外の自分フィールド上のシンクロモンスターの元々の攻撃力の合計
値分アップする。
カウンター・チューニング
通常罠
自分フィールド上のモンスターが相手によって破壊された場合に発動出来る。
自分の墓地のシンクロモンスター1体を選択し、自分フィールド上に特殊召喚する。
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