アレックス(クロウ):LP4000
ハーピィ・クィーン:ATK2200(ハーピィ・レディ1効果、ハーピィ・アロー装備)
ハーピィ・レディ1:ATK1600(自身の効果)

クラーク:LP1900
トリ・ナイトDEF1500



Side:クロウ


遊里がインフィニティのデータを吸い出すための時間稼ぎデュエルだが、だからと言って負ける気は毛頭ねえ――デュエルってのは勝ってなんぼ
って部分があるからな!!
とは言っても、状況は俺の方が圧倒的有利なんだが、此処から如何するクラーク所長?



「私のフィールド上に『トリ・ナイト』が表側表示で存在する場合、手札の『テトラ・ナイト』を特殊召喚出来る。
 これにより、私は手札から2体のテトラ・ナイトを特殊召喚します!」
テトラ・ナイト:DEF1800(×2)


っと、此処でレベル4のモンスターを2体か……って言う事は狙いはエクシーズ召喚か――上等だぜ、掛かって来やがれってんだ!!!
だが、俺達が勝ったら、お前の知ってる事を全て話して貰うぜクラークさんよぉ?……それ以前に俺がやられる訳はねぇからな!!行くぜオイ!



「では行きましょう。
 私はレベル4のテトラ・ナイトを2体でオーバーレイ!オーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れよ『オクタ・ナイト』!!!」

『キアァァァァァァァァァァァァァァァァ!!』
オクタ・ナイト:ATK2600  ORU2




此処でランク4のエクシーズか……アンタには悪いが、遊里達が作業を完了するその時まで、遊んでもらう――だから、精々覚悟を決めて置けっ
てんだ!!こっちの覚悟は出来てるんだからな!!












異聞・遊戯王5D's Turn145
『此れが鳥人の華麗なる乱舞だ!』











で、どう攻めて来るんだろうなクラーク会長は?
普通に考えれば、ステータスで勝る俺に分があるんだが……何でかコイツとのデュエルが真面に終わるとは考え辛いからからな?何よりも、コイ
ツの目は、完全に濁ってて底が見えねぇ…何をしてくるのか全く予想がつかないってのもあるけどよ。



「オクタ・ナイトのモンスター効果発動。
 このカードのオーバーレイユニットを1つ取り除いて、カードの種類を1種類選択します。
 そしてデッキからカードを1枚ドローし、其れが宣言した種類のカードであった場合、其のカードを手札に加え、そして相手フィールド上のモンス
 ター1体を破壊して、相手に1000ポイントのダメージを与えます。
 逆に違った場合は、手札を全て捨て、私は1000ポイントのダメージを受ける。そして、この効果を発動する場合、私は攻撃出来ない。」

「随分とリスクのデカい効果だな?決まれば確かに強力だが、外れた際のデメリットがデカすぎるぜ?
 そもそも当たり外れに関係なく、効果発動する場合は攻撃その物ができねぇ訳だからな?――アンタ、意外とギャンブラーなのか社長さん?」

「そう言う訳ではありませんが、こう言うリスキーな効果を決めると言うのは、とてもカッコイイものがある……其れは、君にも分かるでしょう?」



まぁな?
そう言えば、伝説のデュエリストの1人である『城之内克也』も、使用する魔法やトラップには、ギャンブルカードが多かったってのに、殆どギャンブ
ルを失敗したことがねぇって話だったよな。
さて、アンタは如何かな?



「では、オクタ・ナイトのオーバーレイユニットを1つ取り除き、私は魔法カードを宣言してカードをドロー!
 ドローしたカードは、魔法カード『死者転生』!よって、ハーピィ・クィーンを破壊し、君に1000ポイントのダメージを与えます!!」


――バリィィィン!!


オクタ・ナイト:ORU2→1
アレックス(クロウ):LP4000→3000


く……当てやがったか!!



「そして、再び効果発動!!」

「なにぃ!?」

ここでもう一度だと!?幾ら何でも、2回連続で当てるのは無理があるんじゃねぇのか!?もしも外れれば、俺の方が有利になっちまうのに!!



「私の勘は冴えているのですよ……私はモンスターカードを宣言してドロー!
 ドローカードは、モンスターカード『ペンタ・ナイト』!!よって、ハーピィ・レディ1を破壊し、更に1000ポイントのダメージを与えます!!」

「のわぁぁあぁ!!!」
アレックス(クロウ):LP3000→2000

オクタ・ナイト:ORU1→0



2連続で当てやがっただと?……ドンだけ勘が良いんだコイツは?
いや、どんなに勘が鋭いって言っても、こんな運任せの効果を2回連続で成功させるのは、遊里にだって無理だ――ましてや、コイントスやダイ
スロール以上に、運の要素が絡んでくるこの効果は。
勿論、効果の成功率を上げるために、特定のカードの種類を増やす事で成功率を上げる事は出来るが、コイツは1回目と2回目で違うカードの種
類を宣言しながらも当てやがった……此れは、ギャンブル効果を使う点からしても異常だぜ?
普通に考えたら、最もデッキを占めてるカード名を宣言するのが、当たりになる確率が高くなるんだからな?……って事は、まさかこの野郎――



――フッ



って、何だよ停電か!?



「あぁ、我が社では研究で可成りの電力を消費するので、時々こうした停電が起きるのですよ。
 まぁ、必要機材には非常用の電源が確保されていますから支障は有りません。其れは、この簡易デュエルリングも然りですけれどね。」

「そうなのか?なら安心した――ん?」


――キラリ


何だ?コイツの眼鏡、暗闇で変に輝いてる?
……いや、眼鏡だけじゃなくてデッキのカードもなんか微妙に光ってるような――成程、そう言う事かよ。やってくれるぜ、イカサマ野郎が!!
次の俺のターンで、終わりにしてやるぜ!!



「如何やら復旧したようですね?私はカードを1枚セットして、ターンエンド。」

「俺のターン!!
 手札から魔法カード『エンジェル・バトン』を発動!デッキからカードを2枚ドローし、その後手札を1枚捨てる。
 カードを2枚ドローし、そして手札の『ハーピィ・ダンサー』を墓地に送る!
 そしてリバースカードオープン『ヒステリック・パーティ』!手札を1枚捨てて、墓地の『ハーピィ・レディ』を可能な限り特殊召喚する!!
 舞い戻れ、『ハーピィ・レディ1』『ハーピィ・クィーン』『ハーピィ・ダンサー』『ハーピィ・シンガー』!!」


ハーピィ・レディ1:ATK1300→1600
ハーピィ・クィーン:ATK1900→2200
ハーピィ・ダンサー:ATK1200→1500
ハーピィ・シンガー:ATK1100→1400




「そして魔法カード『ハーピィの施し』を発動!俺のフィールド上の『ハーピィ・レディ』の数だけ、デッキからカードをドローする!
 クィーンとダンサーとシンガーは、フィールド上では『ハーピィ・レディ』として扱われる!よって、4枚ドローするぜ!!」

「此処で手札増強ですか…!!」



其れだけじゃねぇ!魔法カード『ハーピィの僕』を発動!
俺のフィールド上に『ハーピィ・レディ』が存在する時、デッキか手札から『ハーピィズペット竜』を特殊召喚するぜ!!


『ガァァァァァァァァァァ!!』
ハーピィズペット竜:ATK2000→3200→3500




「攻撃力3500!!」

「マダマダぁ!!俺は、レベル7のハーピィズペット竜に、レベル3のハーピィ・シンガーをチューニング!!
 空を舞う魔性の鳥人の歌が、風の支配者を呼び覚ます!シンクロ召喚、『ハーピィズ・ゴッド・ドラゴン』!!」

『キシャァァァァァァァァァァァ!!!』
ハーピィズ・ゴッド・ドラゴン:AT2500→2800



ハーピィズ・ゴッド・ドラゴンの攻撃力は、俺のフィールド上のこのカード以外の『ハーピィ』1体に付き400ポイントアップする。
俺のフィールド上に存在する、ゴッド・ドラゴン以外の『ハーピィ』は3体!よって、攻撃力は1200ポイントアップだぜ!!


ハーピィズ・ゴッド・ドラゴン:ATK2800→4000


更に魔法カード『万華鏡-華麗なる分身-』!コイツの効果で『ハーピィ・レディ三姉妹』を特殊召喚するぜ!!


ハーピィ・レディ三姉妹:ATK1950→2250
ハーピィズ・ゴッド・ドラゴン:ATK4000→4400



でもってこれで終いだ!!手札から魔法カード『トライアングル・X・スパーク』を発動!
エンドフェイズまで、ハーピィ・レディ三姉妹の攻撃力は2700になり、相手の罠を封殺し、更に発動済みの罠は無効になる!!チェックメイトだ!


ハーピィ・レディ三姉妹:ATK2250→2700


「そんな馬鹿な……!!」

「行くぜ!ハーピィズ・ゴッド・ドラゴンで、オクタ・ナイトに攻撃!『セイント・フレイム・バスター』!!!」



――ドガァァァァァァン!!



「のわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
クラーク:LP1900→100


更に。ハーピィズ・ゴッド・ドラゴンが相手モンスターを戦闘で破壊した場合、相手フィールド上の守備表示モンスターを全て破壊する!!
これで、守備表示のトリ・ナイトも消滅して、アンタのフィールドは壊滅したぜ!!



「何だとぉ!?」



これで止めだ!
4体のハーピィ・レディースでダイレクトアタック!!喰らいやがれ、『アルティメット・スクラッチ・クラッシュ』!!!


――ズババババババァァァァァァァァァァァァァァァァアァァ!!!


「イッテレボアァ!!」
クラーク:LP100→0(Over Kill)


俺の勝ちだな?てか、デュエルでイカサマ働く輩に負けるような俺じゃないぜ!!



「イカサマ……この眼鏡の秘密に気付いていたという訳ですか――見事ですねアレックス君……否、クロウ・ホーガン君?」

「!!……分かってたのかよ!!」

「変装をしていましたので多少手間取りましたが……我が社のセキュリティを甘く見て貰っては困ります。」



最初からバレてたって事かよ!!……だとしたら、ヤバすぎるぜ――恐らくガードマン達も、俺達を捕まえようとしてるだろうからな……撤収だ遊
里!!速攻で逃げるぞ!!








――――――








Side:遊里


いやはや、最初からバレてたとは思いもしなかったわね?
アタシ達の変装は簡単には見破れるモノじゃないから、イリアステルが何か手を加えた可能性が大なんだけどさ……何にしても、面倒な事になっ
たわね此れ?



「追いかけてきた警備員を、3人もKOした貴女が其れを言う?」

「追手は叩きのめせ、此れ基本!てか、普通の女の子であるアタシにKOされるって、此処の警備員の質は如何なのよ?そっちが心配だわ。」

「いや、警備員を一撃でKO出来る時点で、お前は普通の女の子じゃねえからな?」



言われると思ってたけどやっぱりかい!
って言っても、追手の数がハンパ無いから、幾らアタシでも全部倒すのは不可能だから、どこかに身を潜めてやり過ごさないと……何処か、身を
隠せる場所は――



「あのシャトルは如何だ?アレならデカいから隠れ場所は多いし、連中だって、まさかシャトルに逃げ込むとは思ってねぇだろ!!」

「ナイス、クロウ!!」

ここなら、やり過ごせるかもだからね!!



――ヴィン



ってオイ、アタシ等が乗り込んだ途端に、何か動き始めたわよ此れ!?若しかしなくても、アタシ等の行動って、社長には筒抜けだった訳!?
だとしたらヤバイ……確かモーメントエクスプレスは物質転送装置の研究をしていた筈だから、このシャトルがその装置である可能性は高いわ。
と言う事は――



――ヴィン!!



「此れは…!!」

「一体何が……」



次元の狭間に放り出された!!
冗談じゃないわ……このままじゃ、アタシ達は次元の狭間に取り残されて、元の時代に戻る事が出来なくなっちゃう!!何が何でも戻らないと!

「幸い、シャトルのコンピュータは死んでないから、此れのプログラムを書き換えて再起動すれば、この空間から戻る事が出来る筈だわ。
 だけど、その間にも時空の狭間の力に耐えきれずに、シャトルが少しずつ破損していくだろうから、外に飛ばされないように気をつけて!!!」

「分かったわ!」

「オウよ!!」



――バリィィィン!



って、言った傍から窓ガラスが割れやがった上に、シェリーがその衝撃で中空に投げ出された!!――ギリギリのところでクロウが手を掴んでく
れたから、次元の狭間に放り出される事は回避できたけどね。

もう少しで、此れが終われば帰還できる――


――ガクン!


と思ったところで、もう一発の衝撃が!!しかもかなり大きいし!!



「しまった……シェリーーーーーーーーー!!!」

「クロウーーーーーーーーーー!!!」


其れだけならまだしも、今の衝撃で、クロウがシェリーの手を離しちゃって……そして、シェリーは割れた窓から次元の狭間に――!!
そんな……シェリー!!シェリーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・



でもって、何とかシステムを動かした事でアタシとクロウは戻ってくる事が出来た……シェリーと言う尊い犠牲を払ってね。
ゴメン、ミゾグチさん……シェリーをアタシ達は……謝って許される事じゃないけど、本当にゴメン!!ゴメンナサイ!!



「スマネェ、ミゾグチさん!!」

「顔を上げて下さい、遊里、クロウ……お嬢様は、イリアステルと戦う事を決めたその日から、己の命を捨てました。
 ですから、この様な事になったとしても、御二人を責める事などないでしょう――ならば、私が彼方達を責める道理もない……それでも、納得で
 きないのであれば、必ずやイリアステルを倒してください――それが、お嬢様に対しての最大の手向けになります。」



了解したわミゾグチさん!
次元の狭間に消えて行ったシェリーの為にも、アタシは――アタシ達チーム5D'sはイリアステルをぶっ倒す!!アタシの魂に、其れを誓うわ!!














 To Be Continued… 






登場カード補足




ハーピィズ・ゴッド・ドラゴン
レベル10    風属性
ドラゴン族・シンクロ/効果
チューナー+「ハーピィズペット竜」
このカードの攻撃力は、自分フィールド上に表側表示で存在する、このカード以外の「ハーピィ」モンスター1体に付き400ポイントアップする。
自分フィールド上に「ハーピィ・レディ」が表側表示で存在する場合、このカードは相手の魔法カードの効果を受けない。
相手モンスターを戦闘で破壊した場合、相手フィールド上の守備表示モンスターを全て破壊する。
ATK2500    DEF3000



ハーピィ・シンガー
レベル3    風属性
鳥獣族・チューナー
このカードはフィールドと墓地では、名称を「ハーピィ・レディ」として扱う。
墓地のこのカードをゲームから除外して発動する。エンドフェイズまで、自分フィールド上の「ハーピィ」モンスターは破壊されない。
この効果は相手ターンでも発動できる。
ATK1100    DEF400



オクタ・ナイト
ランク4   闇属性
戦士族・エクシーズ/効果
レベル4モンスター×2
このカードのオーバーレイユニットを1つ取り除いて発動する。カードの種類を1つ宣言してデッキからカードを1枚ドローする。
ドローしたカードが宣言した種類のカードだった場合、其のカードを手札に加え、相手フィールド上のモンスター1体を選択して破壊し、相手に10
00ポイントのダメージを与える。宣言したカードではなかった場合、手札を全て捨て、自分は1000ポイントのダメージを受ける。この効果を発動
するターン、自分はバトルフェイズを行えない。
ATK2600    DEF2000



テトラ・ナイト
レベル4    光属性
戦士族・効果
自分フィールド上に「トリ・ナイト」が表側表示で存在する場合、このカードは手札から特殊召喚出来る。
ATK1100    DEF1800



ハーピィの施し
通常魔法
自分フィールド上に「ハーピィ・レディ」が表側表示で存在する場合に発動できる。
自分フィールド上に表側表示で存在する「ハーピィ・レディ」の数だけ、デッキからカードをドローする。



ハーピィの僕
通常魔法
自分フィールド上に「ハーピィ・レディ」が表側表示で存在する場合に発動できる。
デッキ又は手札から「ハーピィズペット竜」1体を選択して特殊召喚する。