ジャック:LP4000
XYZ-ドラゴン・キャノン零式:ATK2300(クリムゾン・デビル効果)


紅蓮の悪魔の僕:ATK4000




Side:遊里


で、到着した遺跡では、ジャックが既に謎の炎人間とデュエルを始めてたわ。
相手は如何見たって人外なんだけど、ぶっちゃけジャックがこの程度の相手に負けるなんて言う事は、京に一つもないって言い切れるわね。

ジャックのモンスターに呪いをかけて、効果を封じたのは見事だけど、其れでジャックを倒せると思ったら大間違いだよ?まぁ、炎人間程度じゃそ
んな事も理解出来ないのかも知れないけどさ。



「貴女達は……後から現れて目障りでありますね?
 其処で大人しくして居なさい!!」


――グラァ!!!



のわ!?足場が崩れた!?……何とかボマー達と一緒に持ち堪えたけど、此れは結構きついわね……次に一発喰らったら、足元が崩れて奈
落の底に真っ逆さまだからね。



「遊里、来ていたのか!!」

「情けない事に、見ての通り絶体絶命状態だけどね。」

「案ずるな!俺がコイツを叩きのめして、お前達も救ってやる!!――だから、もうしばらく待っていろ遊里!必ず助けてやるからな!!」



ジャック……うん、信じてるよ!
絶対王者であるジャックが、この程度の相手に負けるとは思えないからね……絶対王者に挑んだ身の程知らずの大馬鹿野郎に、その力を見せ
つけてやってジャック!

絶対王者の実力とフィールの凄まじさをね!











異聞・遊戯王5D's Turn141
『燃え盛る魂:バーニングソウル』











Side:ジャック


よもや遊里達が此処に来るとは思って居なかったが、マックスが俺の事を遊里達に伝えたのだとしたならば、此処に来るのは必然と言う事か。
だが、ならば尚の事、俺は負ける事は出来ん!カードを1枚セットしてターンエンドだ!!



「私のターン!『デストロイ・リング』を召喚!」
デストロイ・リング:DEF0



「デストロイ・リングの効果発動!
 1ターンに1度、相手モンスター1体を選択して破壊し、互いに破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを受ける!」



む……ここで、モンスター破壊と効果ダメージを狙ったコンボか。
XYZの効果発動に対して、デモンズ・チェーンを発動しなかった事が気になっていたが、このモンスターの効果の為に敢えて生かしておいか…
しかも、クリムゾン・デビルの効果で弱体化させておけば、大概の場合はステータスダウンの方に目が向いてしまい、その先を予測できなくなっ
てしまうモノだからな。

だが、互いにダメージを受けると言う事は、貴様もXYZの元々の攻撃力――2800ポイントのダメージを受ける事になるぞ?



「御心配には及びません。私が効果ダメージを受ける時、手札から『スカーレッド・デビル』を特殊召喚し、私が受けるダメージを0にします!
 つまりは貴方だけが、2800ダメージを受けるのです、ジャック・アトラス様!!」
スカーレッド・デビル:DEF1500



――ドゴォォォォォォン!!



ジャック:LP4000→1200



一方的なダメージでこれ程とは……褒めてやるぞ、炎人間。
だが、XYZが破壊された時、デッキか手札からレベル4以下のモンスターを2体まで選択して特殊召喚出来る!!

俺はデッキから、このモンスターを特殊召喚する!現れよ『獣戦士王 ミノタウルス』!チューナーモンスター『ハイパー・リゾネーター』



獣戦士王 ミノタウルス:ATK1700
ハイパー・リゾネーター:ATK1500



「転んでも只では起きないと言う訳ですか……カードを3枚セットしてターンエンドです。」

「俺のターン!!」

俺のモンスターを破壊し、更には一方的に効果ダメージを与えると言う今のコンボは中々の物と褒めてやる――だが、展開したモンスターは、ど
ちらも低ステータスな上に、レベルも異なる故、エクシーズに繋げる事が出来なかったのは失態だ!
俺の前では、その様な雑魚モンスターは生き残れないと知るが良い!
レベル4の獣戦士王 ミノタウルスに、ハイパー・リゾネーターをチューニング!
万物を焼き尽くす孤高の絶対王者よ、天地鳴動の力を揮うが良い!シンクロ召喚!降臨せよ『煌魔龍 レッド・デーモン』!!」

『バオォォォォォォォォォォォオォオォォォォォォォォォ!!!』
煌魔龍 レッド・デーモン:ATK3000



更に、シンクロ素材となった『ハイパー・リゾネーター』の効果発動!
ハイパー・リゾネーターが、レベル7以上のシンクロモンスターのシンクロ素材となって墓地に送られた時、デッキから『リゾネーター』と名の付くチ
ューナー1体を手札に加える事が出来る!
俺はこの効果で、『インビジブル・リゾネーター』を手札に加える!

「覚悟は良いな、炎人間?レッド・デーモンの力をその目に焼き付けるが良い!
 フィールド上のモンスターを全て攻撃表示にし、元々の攻撃力がレッド・デーモンよりも低いモンスターを地獄の炎で爆殺する!!」



デストロイ・リング:DEF0→ATK0
スカーレッド・デビル:DEE1500→ATK1500




貴様等の様な雑魚が、絶対王者の行く手を阻めると思うなよ?地獄に落ちるが良い、『クリムゾン・デス・メテオ』!!



「矢張りその効果を発動しましたか……ですが無駄な事!
 トラップ発動『ブラック・シャワー』!このターン、私のフィールド上の闇属性モンスターは、カード効果では破壊されません!
 よって、レッド・デーモンの効果は無駄打ちに終わり、攻撃が出来なくなったと言う訳でございます。」

「ふん、其れで俺の攻撃を防いだ心算か?だとしたら甘すぎる!
 俺が、このターン未だ通常召喚をしていない事を忘れた訳ではあるまい?来い、チューナーモンスター『インビジブル・リゾネーター』!」
インビジブル・リゾネーター:DEF0


レベル8の煌魔龍 レッド・デーモンに、レベル1のインビジブル・リゾネーターをチューニング!
混沌の世で、その力を増した魔王よ、今此処に震天動地の力を示せ!シンクロ召喚!!滅ぼせ『煌魔龍 レッド・デーモン・カオス』!!」

『バオアァァァァァアッァァアッァァァァァァァァァァァァァァアァァァァァァ!!!』
煌魔龍 レッド・デーモン・カオス:ATK3300



「此れは、レッド・デーモンが進化したのですか!?」



甘いと言っただろう?レッド・デーモンの効果を防いだ程度で良い気になるとはな!
レッド・デーモン・カオスのモンスター効果発動!
このカードのシンクロ召喚に成功した時、相手に自分の墓地のチューナー1体に付き400ポイントのダメージを与える!
俺の墓地のチューナーは2体、よって貴様に800ポイントのダメージを与える!!混沌の炎を喰らうが良い!燃えよ『カオス・バーニング』!!


「みぎゃぁぁぁぁ!」
紅蓮の悪魔の僕:4000→3200



「そして、先のレッド・デーモンの効果で、貴様のモンスターは全て攻撃表示になっている。この攻撃で終わりにしてやろう!
 レッド・デーモン・カオスで、デストロイ・リングに攻撃!『アブソリュート・フォース・ブレイク』!!」

「そ、そうはさせません!トラップ発動『暗黒のバリア』
 このターン、私の闇属性モンスターが戦闘を行う事によって発生する戦闘ダメージを0にいたします!!!」



ダメージを0にして、敗北は免れたが、其のカードではモンスターを護る事は出来ん故に、デストロイ・リングは破壊される!
そして、相手モンスターを戦闘で破壊した事で、レッド・デーモン・カオスのモンスター効果発動!
レッド・デーモン・カオスが、戦闘で相手モンスターを破壊した時、デッキからチューナー1体を特殊召喚する!来い『プロテス・リゾネーター』



プロテス・リゾネーター:DEF0



「此処で新たなチューナーですと!?」

「雑魚なりに感じる物が有ったか?ならば、その答えを教えてやる!
 俺はメインフェイズ2で、レベル9のレッド・デーモン・カオスに、レベル1のプロテス・リゾネーターをチューニング!
 混沌をも制した孤高の王者、真なる魔王として、天下無双の力を示せ!シンクロ召喚、焼き尽くせ『煌魔龍 レッド・デーモン・ハデス』!」

『バオアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!』
煌魔龍 レッド・デーモン・ハデス:ATK3500


レッド・デーモン・ハデスは、シンクロ召喚に成功した時、俺の墓地のチューナー1体に付き、攻撃力を200ポイントアップする!
俺の墓地のチューナーは合計3体!よって攻撃力は600ポイントアップする!



煌魔龍 レッド・デーモン・ハデス:ATK3500→4100



「カードを1枚セットしてターンエンド。」

「エンドフェイズにトラップ発動『黒き残照』
 墓地の闇属性モンスター1体を選択して特殊召喚いたします!蘇れ『デストロイ・リング』!」
デストロイ・リング:DEF0



其れを呼び戻して来たか……無駄な事だがな。



「私のターン!
 デストロイ・リングの効果発動!相手モンスター1体を破壊し、互いにそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを受ける!
 この効果で、レッド・デーモン・ハデスを破壊いたします!言っておきますと、私の手札には2枚目の『スカーレッド・デビル』が存在しているので
 ダメージを受ける心配はございません!」

「用意周到な事だが、其れは無駄だぞ?
 『プロテス・リゾネーター』を素材にしてシンクロ召喚されたシンクロモンスターは、相手のカード効果では破壊されん!つまり、その効果で俺の
 レッド・デーモン・ハデスを破壊する事は出来んと言う事だ!!!」

「ぐぬぬぬぬ……其れまで考えて……実に見事!実に見事であります!
 ですが、其れだけに紅蓮の悪魔様はお怒りでございます!そして、その怒りはもう抑える事が出来ない様です!!」


――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……



なんだ此の地鳴りは!?
其れに、奥の壁面が崩れて中から何かが………



『あばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………!!』



な、何だコイツは!?まさか、コイツが紅蓮の悪魔だと言うのか!?
崩れた壁面の向こうに居ると言うのに、此の威圧感……此れが完全に解き放たれたら、トンでもない事になるのは想像に難くない――なら、そ
うなる前に倒すだけの事だ!!








――――――








Side:遊里


な、なんだありゃぁぁぁぁぁぁぁ!?
壁面の奥が崩れて、其処から顔を覗かせてる真っ赤な巨人……若しかしなくても、あれって最強最悪の地縛神、スカーレット・ノヴァなの!?



「そうと見て間違いないだろう……まさか、ジャックのデュエルに呼応して目覚めるとは。
 あれが完全に解き放たれたら、あっという間に世界は灰燼に帰す――何とかしてアレを封印しなくてはならないが、それにはまずはジャックが
 このデュエルに勝たねば無理だ。」

「命運はジャックに託されたって事か……でも、ジャックだったら!!」



「行きますよジャック・アトラス様!
 私は、スカーレッド・デビルと、デストロイ・リングの2体をリリースし、『紅蓮の破壊者』を攻撃表示でアドバンス召喚!」
紅蓮の破壊者:ATK3000


「紅蓮の破壊者が存在する限り、互いのモンスターは戦闘では破壊されません。
 ですが、紅蓮の破壊者の攻撃対象になったモンスターは攻撃表示となり攻撃力は半分になります!」

「何だと!」

「バトル!紅蓮の破壊者で、レッド・デーモン・ハデスに攻撃!『デストロイ・クリムゾン・フォース』!」


煌魔龍-レッド・デーモン・ハデス:ATK4100→2050
ジャック:LP1200→250



ジャック!!
互いに戦闘破壊されないのは兎も角として、攻撃対象にしたモンスターを強制的に攻撃表示にして攻撃力を半減するって、ドンだけの効果!?
戦闘破壊されないから生き残るし、守備表示にしても強制的に攻撃表示にされるから、戦闘ダメージを逃がす事が出来ないって、クロウが居た
ら、間違いなくブチ切れてる位のインチキ効果じゃない!!


「私は此れでターンエンドです。」



煌魔龍 レッド・デーモン・ハデス:ATK2050→4100



「その程度か……」

「へ?」

「その程度か、貴様の実力は!!その程度で俺を倒そうなどとは片腹痛いわ!!俺のターン!!!!」


――轟!!



って、ジャックが何か紅いオーラを纏ってる!?
此れは一体……



「これは、まさか!!」

「ボマー、何か知ってるの?」

「さっき話したスカーレット・ノヴァだが、1万年前の戦いの時には、追い詰められた赤き竜の下に『バーニングソウル』を宿した者が現れ、スカー
 レット・ノヴァを封印したと言われているんだ。
 そして、バーニングソウルを宿した者は、その身に紅蓮の闘気を纏うと言われている。」



って言う事は、ジャックはバーニングソウルを宿したデュエリストだって言う事!?



「覚悟しろ雑魚が!
 煌魔龍 レッド・デーモン・ハデスで、紅蓮の破壊者に攻撃!『アブソリュート・ダークネス・フォース』!!」

『バオォォォォォォォォォォォォォォ!!!』



――ドゴォォォォォォォォォォォン!!




「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!」
紅蓮の悪魔の僕:LP3200→2100


「レッド・デーモン・ハデスが相手に戦闘ダメージを与えた時、デッキ・手札・墓地の何れかからチューナーを2体まで特殊召喚出来る!
 俺はデッキから『富豪王 ヘル・グリード』『絶対王 バック・ジャック』を特殊召喚する!」
富豪王 ヘル・グリード:ATK0
絶対王 バック・ジャック:ATK0




「燃える…燃えるぞ、俺の魂が!!!」


――ギュオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!


此れは、スカーレット・ノヴァの力をジャックが吸収してる!?ううん、力だけじゃなく、スカーレット・ノヴァその物をジャックが己の物としてる!!
これは、凄い事になるかも!



「燃え盛る魂『バーニングソウル』!!
 リバースカードオープン、トラップカード『緊急同調』!バトルフェイズ中にモンスターをシンクロ召喚する!
 レベル10のレッド・デーモン・ハデスに、レベル1の富豪王 ヘル・グリードと、レベル1の絶対王 バック・ジャックをダブルチューニング!!」



ダブルチューニング!?そんな事が…!!



「王者と悪魔、今此処に交わる!天地を統べる絶対王者よ、今こそ降臨せよ!シンクロ召喚『紅蓮魔龍 スカーレッド・デーモン』!!」

『ウガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!』
紅蓮魔龍-スカーレッド・デーモン:ATK4000




「スカーレッド・デーモンは効果で破壊されず、俺の墓地のチューナー1体に付き、攻撃力が500ポイントアップする!
 俺の墓地のチューナーは5体!よって、攻撃力は6500ポイントとなる!!」

『バオォォォォォォォォォォォォォォォォ!!』
紅蓮魔龍-スカーレッド・デーモン:ATK4000→6500




攻撃力6500……此れは決まったわね



「此れで終わりだ!紅蓮魔龍-スカーレッド・デーモンで、紅蓮の破壊者に攻撃!『アルティメット・クリムゾン・フォース』!!」



――ドガァァァァァァァァン!!



「馬鹿なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
紅蓮の悪魔の僕:LP2100→0



ジャックの勝ちね!!
新たな力を覚醒した上での勝利――ホントに見事だったわよジャック!!



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んで、紅蓮の悪魔を無事打ち倒して、ボマーとマックスに再会を約束して、ちゃっかりWRGPの観戦チケットを渡して、アタシとジャックは帰国の途
についてる。

「馬鹿馬鹿しいかもしれないけど、今回の一件は、赤き竜が画策したのかも知れないわね。
 敢えて宿敵を目覚めさせることで、ジャックに伝説の力を受け継がせて、機皇帝と戦う為の力を会得させたって可能性は、否定できないわ。」

「だから如何した?
 俺は俺のやり方を貫き通しただけの事だ。」



だよね。
だけど、此れで機皇帝に対抗する手段は手に入れた!!

「アタシのクリアマインドと――」

「俺のバーニングソウル!」



この二つの力で機皇帝を倒す!――アンタ達の好きにはさせないわよ、イリアステル!!









 To Be Continued… 






登場カード補足




紅蓮の破壊者
レベル8    闇属性
悪魔族・効果
このカードが表側表示で存在する限り、互いのモンスターは戦闘によって破壊されない。
このカードの攻撃対象になったモンスターは、攻撃表示となり、エンドフェイズまで攻撃力が半分になる。
ATK3000    DEF3000



デストロイ・リング
レベル3    闇属性
悪魔族・効果
1ターンに1度、相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターを破壊し、互いにそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを受ける。
ATK0    DEF0



スカーレット・デビル
レベル4    闇属性
悪魔族・効果
自分が効果ダメージを受ける時、このカードを手札から特殊召喚し、受ける効果ダメージを0にする。
ATK1500    DEF1500



暗黒のバリア
通常罠
エンドフェイズまで、自分フィールド上の闇属性モンスターが戦闘を行う事によって発生する自分へのダメージは0になる。



ブラック・シャワー
通常罠
エンドフェイズまで、自分フィールド上の闇属性モンスターは、カード効果によっては破壊されない。



黒き残照
通常罠
自分の墓地の闇属性モンスター1体を選択し、自分フィールド上に特殊召喚する。