Side:遊里
此れは、一体何が起きたって言うの?
アタシ達が、チームカタストロフを破ったのと同時に、各地の予選に謎のDホイーラーが……もっと分かり易く言うならゴーストが乱入してデュエルを無茶
苦茶に……ふざけた事してくれるじゃない!!
何が目的かは知らないけど、こんな蛮行を黙ってみてる事は出来ないから、連中をぶっ倒す!!
「異論はないよねジャック?」
「ある筈がなかろう!
何が目的は知らんが、この様な蛮行が許される筈もない――デュエルを穢すクズ共に、此の俺が、絶対王者が直々に鉄槌を下してくれるわ!!」
「俺も行くぜ遊里!!
クロウと鬼柳はDホイールが完全じゃないから参戦は出来ないかもだが、俺が参戦する分にゃ問題はねぇだろうからな?……悪いが参加するぜ。」
牛尾!!――悪いだなんて、寧ろ願ったりだわ!
アタシとジャックだけじゃ、なんぼ強いって言っても限界があるから、もう1人くらい仲間が欲しいって思ってのよ!!……本気で感謝するわ牛尾!!
「水臭い事言うなよな?俺達は仲間だろ?
だったら、仲間の為に一肌脱ぐのは当然のこった――バッチリ決めてやろうじゃねぇか!!」
「牛尾……そうか、そうだよね!!」
何が目的は知らないけど、アンタ達を排除するわゴースト。――本当のデュエルをする以外の者は、ネオドミノシティに無用な存在だからね!!
さて、大会荒らしって言う名の害虫を、駆除するとしましょうか!!
異聞・遊戯王5D's Turn132
『バトルロイヤルを制圧せよ!』
No Side
こうして、プラシドの陰謀の下にバトルロイヤルとなった大会だが、その混乱は、予選を行っている各地に飛散していた。
「え?如何してDホイールが?」
「くくくく……デュエルの時間だ」
各地のレーンで、強化ゴーストことディアブロが乱入し、有無を言わさぬ強制デュエルで大会参加者に襲い掛かる。
しかも一対一のタイマンデュエルではなく、複数で襲い掛かると言う『バトルロイヤルなんだから何人でやっても良いだろ』的な状態でデュエルを挑んで
来ているのだ。
如何に大会参加者が一時的に共闘しようとも、デュエルの最中であるので2人で相当数の相手とデュエルしなければならないと言う多勢に無勢は変
わらない……ましてや、デュエルの最中でライフが削られている状態なら尚更だ。
下手をしたら、一撃でやられて、最悪クラッシュと言う事になってしまうかもしれない。
だが――
「おぉっと!お前等の好きにはさせねぇよ!!行くぜ『ゴヨウ・ガーディアン』!!」
『むっそい!!』
ゴヨウ・ガーディアン:ATK2800
其処に牛尾が、ゴヨウ・ガーディアンを従えてディアブロと大会参加者のデュエルに割って入る。
乱入と言うなかれ、そもそも仕掛けて来たのはディアブロの方であり、デュエルは現在バトルロイヤルルールとなってしまって居る為、どのデュエルに
誰が割り込もうと問題は無いのである。
更に、今の牛尾のように、乱入者が行き成り上級モンスターを召喚していたとしても『今し方デュエルしてて、召喚した状態のままこっちに乱入した』と
言う事も出来る為、ハッキリ言ってギリギリのグレーゾーンではあるが違反ではないのだ。
無論牛尾だって、普通のバトルロイヤルだったらこんな事はしないが、今回のバトルロイヤルは大会荒らしの其れなので、真面に相手をする心算はな
く、ギリギリのグレーゾーンだって思い切り使う心算なのだろう。(ゴヨウ・ガーディアン使ってる時点で……とは言ってはいけない。)
「大会に水差しやがって!純粋にデュエルを楽しんでた参加者や、燃えるデュエルにエキサイトしてた観客に詫びろってんだ!
ゴヨウ・ガーディアン、そのクソッ垂れに一撃喰らわせてやれ!『ゴヨウ・ラリアット』!!」
『キエェェェェェェェェェェェェェェイ!!!』
――ドガァァァァァァァァァァァァァァン!!!
「ぐおわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ディアブロ1:LP4000→1200(マシンクラッシュ走行不能)
そして、レベル6域シンクロ最強の攻撃力を誇るゴヨウの一撃が炸裂し、ディアブロの1体がクラッシュして走行不能に!
流石はかつてセキュリティの隊員であり、その後サテライトで荒くれ物を相手にデュエルして来ただけあって、牛尾のフィールも相当なモノである。
「お前等も、こんな奴等に後れを取るんじゃねぇ!
デュエリストなら、本気のフィールでコイツ等を吹き飛ばしてやれや!!」
「それも、そうね……サンキューナイスガイ!」
「無粋な乱入者なんぞに、負けてやる事は出来ねぇよな!」
同時に、牛尾の此の乱入は、大会参加者たちにも火を点けたらしく、ディアブロとのデュエルも如何にかなりそうである。
――――――
また、他のレーンでは……
「ククク……これで終わりだな?
A・O・Jカタストルで、プレイヤーにダイレクトアタック!!」
「く……!!」
「そうはさせん!カウンタートラップ『攻撃の無力化』発動!相手モンスター1体の攻撃を無効にしバトルを強制終了させる!!」
ジャックが乱入し、攻撃の無力化を発動して大会参加者をギリギリで守った所だった。
「貴様等の様な無粋な輩が、大会を荒らしに来るなど憤懣やる方ないとはこの事だ!デュエルを穢す此の行為、貴様等の身をもって清算して貰うぞ!
俺のフィールド上にモンスターが存在しない時、手札の『輝鱗のエメラルド・ドラゴン』は特殊召喚出来る!」
輝鱗のエメラルド・ドラゴン:ATK2400
「そして、チューナーモンスター『ダーク・リゾネーター』を召喚!!」
ダーク・リゾネーター:ATK1300
「王者の前に平伏すが良い!俺は、レベル5の輝鱗のエメラルド・ドラゴンに、レベル3のダーク・リゾネーターをチューニング!
万物を焼き尽くす孤高の絶対王者よ、天地鳴動の力を揮うが良い!シンクロ召喚!降臨せよ『煌魔龍 レッド・デーモン』!!」
『バオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!』
煌魔龍 レッド・デーモン:ATK3000
そして、当然それで済む筈が無く、速攻展開からレッド・デーモンを呼び出し、本気度は120%!!
「レッド・デーモンの効果発動!全てのモンスターを攻撃表示にし、元々の攻撃力がレッド・デーモンよりも低いモンスターを問答無用で塵殺する!
燃え尽きるが良い!『クリムゾン・デス・メテオ』!!」
『バオアァァァァァァァァァァァ!!!』
――ドガァァァァァァァァァン!!!
「何だと!?」
「これで貴様のモンスターは全滅だ!
精々己の愚行を悔やむが良い!やれ、レッド・デーモン!デュエリストの誇り無き雑魚に、魔龍の鉄槌を下せ!『アブソリュート・ヘル・バーン』!」
『バオォォォォォォォォォォ!!』
――バガァァァァァァァァァァァン!!
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ディアブロ3:LP3000→0
其処から一切の慈悲なく、レッド・デーモンでディアブロの1体を塵殺!
絶対王者の逆鱗に触れた者の末路が、其処には如実に示されていた……同時に、ジャックの乱入は大会参加者に大きな希望を与える結果にもなっ
たようだ。
更に別の場所では……
「連中の好きにはさせない!!
行くわよ『プリンセス・ヴァルキリア』『ダーク・マジシャン・ガール』『輝天龍 シルバー・ウィンド』!!」
『デュエルを穢す者に、相応の報いを受けて頂きましょうか……』
プリンセス・ヴァルキリア:ATK2500
『取り敢えず、全力全壊でやっつける!!』
ダーク・マジシャン・ガール:ATK2500
『招かれざる客には、退場して貰うとしよう。』
輝天龍 シルバー・ウィンド:ATK2500
遊里が己のトリプルエースを呼び出して、ディアブロ軍団を相手に大立ち回り!
トリプルエースの効果を最大限に発揮して、群がるディアブロ軍団を文字通りに粉砕、玉砕、大喝采!正に強靭、無敵、最強と言わんばかりである!
「取り敢えず……殺っちゃって。」
『消え去りなさい、邪悪なる者よ!』
『アンタ達なんて相手じゃないんだよ~~!!』
『失せろ、デュエリストの魂を持たぬ愚者よ!!』
――ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!
「「「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」
ディアブロ2&4&8:LP4000→1500(マシンクラッシュ走行不能)
で、トリプルエースの攻撃で、ディアブロを物理的に沈黙させる――如何やら遊里もまた、此の乱入者に対して、真面な対応をする心算は無い様だ。
デュエルを穢した愚者には、鉄槌あるのみと言う事なのだろう。
「何が目的かは知らないけど、アンタ達の好きにはさせない!……無敵女帝に撃滅されたいならかかって来なさい――相手になってあげるわ!」
そしてその身から発せられるフィールは並大抵の物ではなく、此れだけで数体のデュアブロがクラッシュした位だ――無敵女帝の名は伊達ではない。
取り敢えず、遊里が乱入したデュエルは、何とかなるだろう。
で、Dホイールが使えないクロウと鬼柳とアインは……
「来い『煉獄龍 フォルト・スクライド』!!」
『ガァァァアッァァァァァァァァァァ……!』
煉獄龍 フォルト・スクライド:ATK3000
「頼むぜ『玄鳳龍 ブラック・フェザー』!!」
『グオォォォォォォォォォォォォォォ……!』
玄鳳龍 ブラック・フェザー:ATK2800
「頼むぞ『カオス・ソルジャー』!」
『ハァァァァァ!!』
カオス・ソルジャー:ATK3000
「さぁ、飛ばしていくわよ!!」
深影の運転する、セキュリティの特殊追跡車両に乗り込んで、ディアブロ達とのデュエルに臨んでいた。
本来は、犯人をデュエルで逮捕する為の特殊車両だが、今この場に居ては、最大で3人が参加できるデュエルシステムをフル活用して、ディアブロ達
が蔓延するデュエルに乱入して、的確にディアブロ達を狩って行く。
「ハッ!やるじゃねぇか深影さん、最高のドライビングテクニックだぜ!」
「此れくらい出来なくては、セキュリティの捜査官は務まらないんですよ!
其れよりも、もっとギアを上げますから、倒れないように注意してくださいよ?」
「更なるスピードか……中々に満足させてくれるじゃねぇか――良いぜ、限界までギアを上げようじゃねぇか!最高の満足を得る為にもな――!」
「全力で行こう!奴等は一体残らずに塵殺する!」
そしてそのテンションはMAX120%!!
運転する深影もまたMAXテンションになっている事から、この特殊車両の前に敵は無いだろう――今此処に最強の、デュエル車両が誕生したのだ。
――――――
Side:遊里
大分削ったとは言え、マダマダゴーストは居るみたいね?……本気で鬱陶しい事この上ないわ。
ジャックと牛尾も他のレーンでゴーストを撃滅してる筈だから、其れなりに数は減ってる筈なんだけど……次から次へと現れて、台所に現れるGかよ!
まぁ、文句言っても詮無い事だから、現れた端から倒して行くしかないんだけどさ。
『其れしかないでしょう?……ですが、私達ならば、出来ない事ではありません。』
『そうそう、私達と遊里が力を合わせれば倒せない敵なんて居ないからね!――誰が相手でも、全力全壊で叩きのめすだけの事だよ!!』
『連中は害悪其の物……撃滅以外の道は無いだろう?』
……だよね?
なら止まる理由は何処にもないから、此のまま突き進んで、ゴーストを1体残らずに撃滅してぶっ壊す!アレを、放置する事なんて出来ないからね!!
「「「デュエルの時間だ。」」」
で、誂えたようにゴースト軍団の御登場か……上等じゃない、相手になってあげるわ!
デュエルを穢し、大会に水を注し、大会参加者に襲い掛かり、そして今私に挑んで来た……その愚かさをその身をもって知りなさいゴースト!!!
貴方達の蛮行、倍にして返してあげるからね!!
『覚悟なさい、デュエリスト未満!』
『私達に勝てると思ってんの?……纏めて返り討ちだよ!!』
『貴様等の蛮行、断じて許す事は出来ぬ……その報いは受けて貰うぞ!!』
さぁ、覚悟は良いわねゴースト軍団?
お祈りは済んだ?トイレは?部屋の隅でガタガタふるえる準備はOK?――サテライトの無敵女帝が、鉄槌を喰らわせてやるから覚悟すると良いわ!
――――――
Side:衛遊
く……イリアステルの連中は、本気でなりふり構わないと言う所だな?……或は、プラシドが独断専行したのかもしれないが、何れにしても此れは見過
ごす事は出来るモノじゃないな。
なら、俺は俺の役目を果たすだけだ!!
「来い『ドラゴン・バード』!!」
――ギュイィィィィン!!!
海中に隠していた俺のDホイール……此れを使ってイリアステルの暴走を止める!!
待っていてくれ遊里、俺も、直ぐに行く!!
「行くぞ、『ジャンク・ウォリアー』!!」
『デヤァァァァァァァァァァァァァァァァ!!』
ジャンク・ウォリアー:ATK2300
イリアステル、この世界の未来をお前達の好きにはさせない!!――過去の破壊による未来の保全なんて言う事は、絶対に認められないからな!
必ず止めてみせる……俺は、その為に此処に居るんだからな。
To Be Continued… 
登場カード補足
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