Side:遊里


さて、遂に始まったわね腐れ外道連合こと、チームカタストロフとの戦いが。――尤も、クロウはかなりきついかも知れないけどね。
ブラックバードは、修理は終わったとは言え、その出力は80%に制限されているから、何時もの様なアクロバティック走行や、無茶な走行はNGだから。



『ファーストコーナーを制したのはチームカタストロフ!!
 果たして、このデュエルは如何なる結末を迎えるのであろうか!!!このデュエルは、一瞬足りとも、気が抜けないデュエルになりそうだーーーー!』



まぁ、今のクロウなら、って言うか何時もの事だけど、先攻を取られた程度じゃ、相手にならないかもだけどね。
とは言え、Dホイールが全快状態じゃないから、何とも言えない部分はあるんだけど……鉄砲玉のクロウなら、其れすら超えて来るのは間違いない!


だから気にせずに、思い切りやっちまえ!!
チームカタストロフの面々に、デュエリストの魂ってモンを見せつけてやりなさい!!――クロウなら、それ以上の事が出来るかも知れないけどね!


何れにしても。アンタ達は此処で退場よ、チームカタストロフ!!!!デュエルを穢した報いを、その身をもって味わうと良いわ!!











異聞・遊戯王5D's Turn131
『闇のカードを越えろ、撃滅しろ!』











クロウ:LP4000  SC0
ヘルマン:LP4000  SC0




Side:クロウ


先攻はとられちまったか――だが、お前なんぞは、この鉄砲玉のクロウ様の相手じゃないぜ!持てる力の全てを賭して、掛かって来やがれってんだ!
テメェ等が、どんな戦術を繰り出して来た所で、俺はその上を行くからな!!



「頼もしい発言だな、クロウ・ホーガン!!
 だが、最後までフィールドを走っている事が出来るかなぁ?俺は『ヒドゥン・ナイト-フックー』を攻撃表示で召喚!!」
ヒドゥン・ナイト-フック-:ATK1600



現れやがったな……殆どインチキみたいなモノとは言え、チームユニコーンを敗北に導いたモンスター!!
今は姿形が見えないが、テメェの正体は、必ずこの俺が暴いて、そんでもってぶっ倒してやるから、精々楽しみに待っていやがれってんだ!!!



「カードを3枚セットして、ターンエンドだ。」

「俺のターン!!」



クロウ:SC0→1
ヘルマン:SC0→1




さてと、チューナーこそ手札にこなかったが、コイツ等が揃ってりゃ充分だ!!BFの真髄ってモンを見せてやるぜ!!

「俺は、『BF-蒼炎のシュラ』を攻撃表示で召喚!」
BF-蒼炎のシュラ:ATK1800


俺のフィールド上に『BF』が表側表示で存在する場合、手札の『BF-黒槍のブラスト』『BF-残夜のクリス』は夫々特殊召喚する事ができるぜ!



BF-黒槍のブラスト:ATK1700
BF-残夜のクリス:ATK1900




『これはーーー!クロウ・ホーガン、十八番であるBFの高速召喚で、一気に3体ものモンスターを呼び出して来た~~~~!!
 だが、チューナーが居ない所を見ると、此処はエクシーズ召喚で斬り込んで行く心算なのか~~~!?』




エクシーズも悪くねぇんだが、先ずはあの野郎のモンスターの正体をハッキリさせねぇ事には始まらねぇから、此処はこの布陣で一気に攻めて行くぜ!
其れに、俺のモンスター達の攻撃力の合計は5400で、ヒドゥン・ナイト-フックーの攻撃力は1600!
全ての攻撃が成立すれば、お前に与える戦闘ダメージは3800!!特大のダメージを与えてやるぜ!!



「果たして、そう巧く行くかねぇ?」

「そんなモンはやってみなくちゃ分からねぇが、一々攻撃を躊躇う程、このクロウ様の肝っ玉は小さくねぇんだよ!!
 行くぜ、蒼炎のシュラで、ヒドゥン・ナイト-フックーに攻撃!!『フレア・ウィンド』!!」

「蒼炎のシュラでヒドゥン・ナイト-フックーを戦闘破壊して、効果を発動する心算だろうが、甘いんだよ!ヒドゥン・ナイト-フックーの効果発動!
 攻撃表示のこのカードが戦闘対象になった時、このカードと相手の攻撃モンスターを守備表示にし、相手に800ポイントのダメージを与える!」

「なに!?」


BF-蒼炎のシュラ:ATK1800→DEF1200
ヒドゥン・ナイト-フックー:ATK1600→DEF0



ヒドゥン・ナイト-フックーの効果は、相手の攻撃を躱しつつ効果ダメージを与える効果か!!
ブレオの奴は、アンドレもジャンも、攻撃を仕掛けた直後にマシンがクラッシュしたって言ってたが、其れはコイツの効果でやられたって事かよ!!

となると………

――ズズズズズズ……

――キキィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!


クロウ:LP4000→3200



あっぶね~~~……地面からフックが生えて来るのを見て、ギリギリで避ける事が出来たぜ……だが、確かにコイツは正体が分からない限りは、意識
して避けるのは難しそうだな。

だが、守備表示になっちまえば、もう効果は使えねぇし、守備力0なら黒槍のブラストの良い的だぜ!
いきなり800ポイントの効果ダメージは、其れなりに痛かったが、そのダメージに熨斗付けて礼をしてやらぁ!!
黒槍のブラストで、ヒドゥン・ナイト-フックーに攻撃!『ブラック・スパイラル』!!



「そうは行かないぜ!トラップ発動『ヒドゥン・ナイト-フォース-』
 俺のフィールド上に守備表示で存在する『ヒドゥン・ナイト』が攻撃対象になった時、相手フィールド上に攻撃表示で存在するモンスターを全て守備表
 示にし、この効果で守備表示にしたモンスター1体に付き400ポイントのダメージを与えるぜ!!」

「俺の攻撃表示モンスターは2体……また800ポイントのダメージかよ!!」
BF-残夜のクリス:ATK1900→DEF300
BF-黒槍のブラスト:ATK1700→DEF800



しかも効果ダメージって事は!!


――ズルリ………

――ギュオォォォォォォォォオオォォォォォォォン!!!



クロウ:LP3200→2400


やっぱり来やがったか!!
如何やら、ヒドゥン・ナイト-フックーは、あらゆる効果ダメージの発生に呼応して、地面からフックを伸ばしてこっちのDホイールのタイヤを攻撃して来や
がるみてぇだな……つー事はだ。



「ちぃ、しぶとい奴だ!だがコイツで終いだ!トラップ発動『ヒドゥン・ナイトの隠し財宝』
 俺のフィールド上に『ヒドゥン・ナイト』が表側表示で存在する時、相手はコントロールしてるモンスターの数だけデッキからカードをドローする。」

「俺のモンスターは3体!よって、3枚ドローするぜ!!」

「だが、この効果でドローしたカード1枚につき、相手は500ポイントのダメージを受ける!
 お前がドローしたカードは3枚!!よって、1500ポイントのダメージを喰らって貰うぜ!!」



また効果ダメージ!!恐らく今度こそ、俺をクラッシュさせようと、躍起になって来る筈…………根性見せんぞ、ブラックバード!!


――ズズズズ……

――ギュイン!ブオォォォォォォォォォオォォォォォオォォォォォォォォン!!!

――ズルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!


クロウ:LP2400→600



此れは……コイツがヒドゥン・ナイト-フックーの正体だったのか!!



『ななな何だ此れは~~~!!
 不可思議な走行をしていたクロウが、今度は突如飛び上がったかと思ったら、其れを追うようにして、不気味なモンスターが地面から突如出現!!
 まさか、此れがヒドゥン・ナイト-フックーなのかーーーーーーーーーー!!!!』




だろうな……大ダメージは受けちまったが、漸く地中から引き摺り出してやったぜこのクソ野郎!テメェの事は、次のターンでぶち殺してやんぜ!!



「ヒドゥン・ナイト-フックーをフィールド上に引き摺り出す事が目的だったのか……一度フィールドに戻った上で、再び地中に戻っては………
 だが、その為にライフを削り過ぎたな?トラップ発動『トラップ・トリップ』!コイツで墓地の『ヒドゥン・ナイトの隠し財宝』を手札に加える!!」



此処でそう来るか……となると、次のターンでヒドゥン・ナイト-フックーを攻撃表示にして攻撃を封じた上で、ヒドゥン・ナイトの隠し財宝って所だろうな。
普通なら詰んだと思うところだろうが、お前が手札を増やしてくれたおかげで、其れを回避する事が出来るみたいだぜ。
俺はカードを1枚セットして、ターンエンドだ!



「俺のターン!」



クロウ:SC1→2
ヘルマン:SC1→2




「ヒドゥン・ナイト-フックーを攻撃表示に変更!!」
ヒドゥン・ナイト-フックー:DEF0→1600


「カードを2枚セットして、ターンエンドだ!」

「おぉっと、そうは行かないぜ!エンドフェイズにトラップ発動!『デルタ・クロウ-アンチ・リバースー』
 俺のフィールド上に『BF』が存在する時、相手フィールド上のリバースカードを全て破壊する!お前の伏せた2枚のカードは、これでお陀仏だぜ!!」

「なにぃ!?」



俺のターンになった瞬間に、カードを発動して終わらせる心算だったんだろうが当てが外れたな?
ヘッ、お前の戦術なんざ、このクロウ様にはお見通しなんだよ!そんでもって、お前の実力ももう分かったから、このターンで終わりにしてやるぜ!!
俺のターン!!


クロウ:SC2→3
ヘルマン:SC2→3



俺は手札から、スピードスペル『Sp-エンジェル・バトン』を発動!
スピードカウンターが2つ以上ある時、デッキからカードを2枚ドローし、その後手札を1枚捨てる。
続いて、手札から『BF-祈祷のシキミ』の効果発動!手札のこのカードを墓地に捨て、墓地の『BF』1体を、俺のフィールド上に特殊召喚するぜ!
俺がこの効果で特殊召喚するのは、エンジェル・バトンの効果で墓地に送った『BF-暁のシロッコ』!!


BF-暁のシロッコ:ATK2000


そして、チューナーモンスター『BF-上弦のピナーカ』を召喚!!


BF-上弦のピナーカ:DEF1000



「これで全ての準備が整ったぜ!!
 先ずは、黒槍のブラストと残夜のクリス、2体のレベル4モンスターをオーバーレイ!!
 黒き烈風よ、大地を駆け抜け蒼空を斬り裂け!エクシーズ召喚!吹き荒ぶ風、『BFT-雷鳴のイーグル・レイン』!!」

『オォォォォォォ!!!』
BFT-雷鳴のイーグル・レイン:ATK2200



更に、レベル5の暁のシロッコに、レベル3の上弦のピナーカをチューニング!
黒き疾風よ、秘めたる願いをその翼に現出し、来世より光来せよ!!シンクロ召喚!舞い上がれ『玄鳳龍 ブラック・フェザー』



『グオォォォォォォォォォォォォォォォ!!!』
玄鳳龍 ブラック・フェザー:ATK2800




覚悟しやがれ!!
先ずはBFT-雷鳴のイーグル・レインの効果発動!!このカードのオーバーレイユニットを1つ取り除く事で、相手フィールド上のモンスター1体の効果
を無効にし、攻撃力を600ポイントダウンさせる!
これで、ヒドゥン・ナイト-フックーの効果を無効にし、攻撃力を600ポイントダウンさせるぜ!!



「なにぃ!?」
ヒドゥン・ナイト-フックー:ATK1600→1000(効果無効)



効果無効なら、もうふざけた事は出来ねぇよな?……なら思い切り吹き飛ばしてやるぜ!!
玄鳳龍 ブラック・フェザーの効果発動!!デッキの上からカードを5枚確認し、確認したカードの中のBF1体に付き、攻撃力を600ポイントアップする!


――バッ!!


「……俺が確認したカードの5枚は…
 『BF-疾風のゲイル』『BF-月影のカルート』『BF-極北のブリザード』『BF-熱風のギブリ』『BF-漆黒のエルフェン』!全てが『BF』だ!!
 よって、玄鳳龍 ブラック・フェザーの攻撃力は3000ポイントアップするぜ!!」

『グオォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!』
玄鳳龍 ブラック・フェザー:ATK2800→5800




「こここ、攻撃力5800だとぉ!?」

「これで終わりにしてやるぜヘルマン!!
 玄鳳龍 ブラック・フェザーで、ヒドゥン・ナイト-フックーに攻撃!!『ブラック・レイジング・ストーム』!!」


――ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!


「どわぁぁあっぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁ!!!」
ヘルマン:LP4000→0



ヘッ……ざまぁ見ろってんだ!卑怯な手を使わなきゃ勝てない奴なんてのは、その程度なんだよ!一昨日きやがれってんだ!!
だが、完治してないブラック・バードじゃここいらが限界か……悪いが2人目以降は任せるぜ!!








―――――――








Side:鬼柳


魅せてくれるじゃないかクロウ……相手は三下だったが、今のデュエルには、最高に満足させて貰ったぜ!!……なら、今度は俺の出番てとこだな!
マシントラブルで選手交代となった場合には、カードを引き継ぐ事は出来ねぇが、奴等だって引き継げるカードは無いから、状況としては五分……加えて
この状況なら、ファーストデュエルの様に、ファーストコーナーを制した者が先攻を取れるからな……力の限りやってやるぜ!!



『チームカタストロフは2番手のニコラスにバトンタッチしたが、チーム5D'sもまた、セカンドホイーラーの鬼柳京介を呼び出して来た!!
 つまりこれは副将同士のぶつかり合いか~~!!』



ふ……ファーストコーナーは貰うぜ!!
俺のターン!!

「カードを1枚セットし、『インフェルニティ・デーモン』を攻撃表示で召喚!!」
インフェルニティ・デーモン:ATK1800


俺は此れで、ターンエンドだ。



「俺のターン!」


鬼柳:SC3→4
ニコラス:SC3→4


「カードを1枚セットしてターンエンドだ!」


モンスターを召喚する事なくターンエンドだと………人を馬鹿にするにも程があんぜ!!俺のターン!


鬼柳:SC4→5
ニコラス:SC4→5


此れじゃあ満足には程遠いぜ!!!
バトル!インフェルニティ・デーモンでプレイヤーにダイレクトアタック!!



「そうは行かないぜぇ?リバースカードオープン!トラップカード『ドゥームズ・レイ』
 相手モンスターの攻撃時に発動し、互いのプレイヤーは、自分の手札1枚につき800ポイントのダメージを受ける!!!」

「そう来たか……だが、甘いんだよ!!
 リバースカードオープン!トラップカード『全弾発射』!!手札を全て捨て、墓地に送ったカード1枚につき、200ポイントのダメージを相手に与える!
 俺が墓地に送ったカードは4枚!よって800ポイントのダメージを受けて貰うぜ!!」


ニコラス:LP4000→3200


これで俺の手札は0となり、ドゥームズ・レイの効果は受けないけど、手札が5枚も有るアンタにとっては、ドゥームズ・レイの効果は覿面必至だろうが、
手札0の俺にとっては意味がねぇ!!精々テメェだけ4000ポイントのダメージを喰らって自滅しろや!!



「発動前に手札使うの忘れてた~~!!!」

「ちぃ!!」



――バガァァァァァアァァァァァァァァァァァァァァァアァァァァアァァァァァァァァアァアン!!!



ニコラス:LP3200→0




テメェの手札枚数考えてから発動しろよ……たくお粗末なもんだぜ!
だがまぁ、テメェ等にゃ似合いの結末だろうよ?――Dホイールが大破し、操縦してた奴が、今ので失神しちまった以上、デュエル続行は不可能だろうか
らな……満足には程遠いが、此処が落としどころだろうな。

――まぁ、お前等にはお似合いの結末だ……精々、テメェの愚かさを呪うんだな!








――――――








Side:プラシド


フン…所詮は咬ませ犬か……クソの役にも立たん。
だが、俺の目的は、今此処で果たされる!―――行け、ディアブロ達よ、ネオドミノシティ全体に対して、混沌を齎せ!

シティの全てを、闇で覆い尽くしてやるが良い!!!
クククク……ふははははははは……ハ~ッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!!














 To Be Continued… 






登場カード補足



ヒドゥン・ナイト-フックー
レベル4    闇属性
悪魔族・効果
表側攻撃表示で存在するこのカードが攻撃対象に選択された時、攻撃モンスターとこのカードを守備表示にし、
相手ライフに800ポイントのダメージを与える。
ATK1600    DEF0



ヒドゥン・ナイト-フォース-
通常罠
自分フィールド上に守備表示で存在する「ヒドゥン・ナイト」モンスターが攻撃対象になった時に発動する。
相手フィールド上の攻撃表示モンスターを、全て守備表示にし、この効果で守備表示にしたモンスターの数×400ポイントのダメージを相手に与える。



ヒドゥン・ナイトの隠し財宝
通常罠
自分フィールド上に「ヒドゥン・ナイト」モンスターが表側表示で存在する場合に発動できる。
相手は、自分フィールド上のモンスターの数だけデッキからカードをドローする。
その後、この効果でドローしたカード1枚につき、500ポイントのダメージを相手に与える。



トラップ・トリップ
通常罠
自分の墓地から罠カード1枚を選択して手札に加える。



ドゥームズ・レイ
相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。 互いのプレイヤーは、自分の手札の数×800ポイントのダメージを受ける。