Side:遊里


まぁ、予想通りに、アインはブレオを難なく下したわね。
寧ろジャックが、残りライフを100にまで減らしてくれた訳だから、其処から負けたら、其れこそ本気で有り得ないって言うところだから、この勝利は順当ね。

だけど、相手のラストホイーラーであるジャンは、只者じゃないだろうから、油断は禁物よアイン?

どんな戦術を繰り出してくるのかは分からないけど、ジャンは此れまでの2人とは一線を画すデュエリストであるのは間違いないから、簡単に勝つ事はでき
ないでしょうね。


でもねジャン、アインは強いわよ?
行き成り攻撃力3000のシンクロモンスターを呼び出したのは見事だけれど、アインが展開したカオス・ソルジャー軍団に太刀打ちできるか、精々見させて
貰うとしましょうかね?

せめて、ラストホイーラーであるアタシを引き摺りだす位はして見せてよね、チームユニコーン!!












異聞・遊戯王5D's Turn127
『The duel which becomes heated』













アイン:LP4000   SC9
煌魔龍 レッド・デーモン・カオス:ATK3300
カオス・ソルジャー:ATK3000
カオス・ソルジャー~開闢の使者~:ATK3000
絶戦士カオス・ソルジャー:ATK3000
混沌騎士-カオス・ソルジャー:ATK3000


ジャン:LP4000   SC9
ダイヤモンド・トライコーン:ATK3000



Side:アイン



ラストホイーラーのジャンだが……行き成りレベル8のモンスターをシンクロ召喚して来るとは、伊達にラストホイーラーを務めてはいないと言った所だろう。
だが、ダイヤモンド・トライコーンの攻撃力は3000……精々私のカオス・ソルジャーと相討ちにしかならないが……



「ダイヤモンド・トライコーンの効果発動。
 このカードのシンクロ召喚に成功した時、相手フィールド上のモンスターを全て手札に戻す。
 そして、俺のフィールド上に存在するモンスターがダイヤモンド・トライコーン1体のみの場合、相手はこの効果を無効にする事は出来ない!!」



矢張りステータス以上の効果を持って居たか!!
しかも限定条件下で無効にならないバウンス効果は強力である事この上ないな……此れでは、絶戦士の効果で無効にする事すら出来ないのだから。

とは言え、これで私は、丸裸か……カオス・ソルジャーと開闢は手札に戻ったけれども、他のモンスターはエクストラデッキに戻ってしまったか。
何よりも、進化したレッド・デーモンがバウンスされたのは痛いな……私のデッキでは、もう一度降臨させる事は不可能だからな。



「これで、お前を護るモンスターは居ない。
 ダイヤモンド・トライコーンでダイレクトアタック!!『ダイヤモンドダスト・スピア』!!」



しかし、だからと言って、相手の攻撃を真面に受けてやるほどお人好しではないので、其れは躱させて貰う!……墓地のクリアクリボーの効果発動!
相手モンスターの直接攻撃時、墓地のこのカードを除外して発動する!

デッキからカードを1枚ドローし、ドローしたカードがモンスターだった場合、そのモンスターを特殊召喚し、攻撃をそのモンスターに移し替える!!

運任せの効果と言われたら、反論は出来ないが、その運を引き寄せるのも大事な事だと言う事だ。


行くぞ、ドロー!!――私が引き当てたカードは……『聖戦士カオス・ソルジャー』



「なに!?」

「よって、『聖戦士カオス・ソルジャー』を特殊召喚し、ダイヤモンド・トライコーンの攻撃を自身に誘導する!」
聖戦士カオス・ソルジャー:ATK3000



攻撃力は互角だから相討ちだが、次のターンで、手札の『Sp-死者蘇生』を発動して聖戦士を蘇生させれば、まだアドバンテージは私にある……チームの
為にも、私は勝つ!



――ピタリ



ん?何故攻撃が止まったんだ?
聖戦士は剣で、ダイヤモンドは其の角で攻撃しようとしていたと言うのに……何をした、ジャン?



「運任せとも言える効果で最高のモンスターを引き当てたのは、実に見事。何故お前ほどのデュエリストが、今まで表に出て来なかったのか不思議だよ。
 だが、俺とてムザムザモンスターを失う訳には行かないのでな、手札から『アロマ・クロザル』の効果を発動した。
 自分フィールド上に獣族モンスターが存在する時、このカードを手札から除外する事でバトルフェイズを強制的に終了する。この効果で、聖戦士とダイヤモ
 ンドのバトルを、強制終了したと言う訳だ。」

「手札誘発か……読み辛い、厄介な効果だな。」

「此れも戦術の内と言う事だ。
 俺はカードを3枚セットして、ターンを終了する。」

「私のターン!!」


アイン:SC9→10
ジャン:SC9→10




よし、行ける!
私は手札からスピードスペル『Sp-超速儀式』を発動!私のスピードカウンターが4個以上ある時、モンスターを儀式召喚する!
私は手札の『カオス・ソルジャー-開闢の使者-』をリリースし、混沌の狭間より、再び『カオス・ソルジャー』を降臨させる!!



『ハァァァァァァァッァァァァァ!!』
カオス・ソルジャー:ATK3000




「更に、レベル8の戦士族である、この2体のカオス・ソルジャーでオーバーレイ!オーバーレイネットワークを構築!
 光と闇の狭間の混沌より、今此処に無双の戦士が降臨する!エクシーズ召喚、来たれ『伝説の剣闘士-カオス・ソルジャー』!!」

『ムゥゥゥゥン!』
伝説の剣闘士-カオス・ソルジャー:ATK3000   ORU2




未だだ!手札から、スピードスペル『Sp-死者蘇生』を発動!私のスピードカウンターが5個以上ある時、墓地のモンスターを特殊召喚する!
三度現れよ『カオス・ソルジャー』!!



カオス・ソルジャー:ATK3000



「ヤレヤレ、折角除去したと思ったのに、其処からカオス・ソルジャーが2体も現れるとは……呆れた展開力だなアイン?」

「私のデッキは、カオス・ソルジャーの高速召喚に特化したデッキだからね。――とは言え、其れだけじゃない。
 基本はカオス・ソルジャーだが、同時に自分の好きなカードもふんだんに詰め込んだデッキだ……今こそ、私のデッキの真髄を見せてやろう!!
 手札からスピードスペル『Sp-スピード・フュージョン』を発動!」

この効果で、フィールドの『カオス・ソルジャー』と、手札の『心眼の女神』を融合!!
心眼の女神は、融合素材の代わりとなるモンスター……故に、今その身を最強のドラゴンに変える!!



「まさか……」

「最強の龍と、伝説の戦士が今此処に交わる。全てを薙ぎ払え、融合召喚!現れよ究極竜騎士(マスター・オブ・ドラゴンナイト)!!」

『デヤァァァァァアァァ!!』
『グオォォォォォォォォ!!』
究極竜騎士:ATK5000




『なんとーーーー!!此処で『究極竜騎士』降臨!!
 一度はフィールドをがら空きにされたアインが、此処で怒涛の反撃の布陣を展開して来た!これは、燃える展開だーーーー!!!』




伝説の神をも超える攻撃力を持った究極竜騎士……このターンで決めさせて貰うぞジャン!
究極竜騎士で、ダイヤモンド・トライコーンに攻撃!吹き飛ばせ、『ギャラクシー・クラッシャー』!!



「まさか、此処までのモンスターを召喚して来るとはな……だが、残念だったな?
 リバースカードオープン、トラップカード『レインボー・ライフ』!手札を1枚捨て、このターンの間に俺が受けるダメージは全てライフゲインとなる。
 ダイヤモンド・トライコーンは戦闘破壊されるが、俺のライフは2000ポイント回復すると言う訳さ。」
ジャン:LP4000→6000



此処でレインボー・ライフだと!?……圧倒的な攻撃力を誇る究極竜騎士の攻撃が、逆にジャンのライフを回復させる結果になってしまうとは、此れは完全
にやられた形だな。



「そして其れだけではない。2枚目のトラップカード『レベル・レジストウォール』を発動。
 俺のモンスターが破壊された時、破壊されたモンスターのレベルと同じになるように、デッキか手札からモンスターを守備表示で特殊召喚する。
 俺はこの効果で、デッキからレベル4の『ポイズン・ユニコーン』2体を守備表示で特殊召喚する。」
ポイズン・ユニコーン:DEF1000



「ポイズン・ユニコーンが表側表示で存在する限り、相手は他の獣族モンスターを攻撃できない。 
 そして、ポイズン・ユニコーンが表側表示で存在する場合、俺のターンのエンドフェイズ毎に、相手に500ポイントのダメージを与える。」



何だと!?
此れは……ポイズン・ユニコーンの効果による戦闘ロックを掛けた上でのバーンダメージコンボか!!……厄介な。
だが、そんな場当たり的な戦術が私に通じると思っているのか?私は祝福の風、チーム5D'sに勝利と言う祝福を齎すデュエリストだ!!

スピード・ワールド2の効果発動!スピードカウンターを10個取り除き、フィールド上のカード1枚を破壊する!
この効果で、お前のポイズン・ユニコーン1体を破壊する!!



アイン:SC10→0



「矢張りそう来たか……だが其れも無駄だ。トラップカード『ミラージュアニマル』
 このカードの効果で、このターン、俺のフィールド上の獣族モンスターはカード効果では破壊されない。狙いは悪くなかったが残念だったな。」



此れも読んでいたか……カードを1枚セットしてターンエンドだ。



「俺のターン!」



アイン:SC0→1
ジャン:SC10→11




「俺は手札からスピードスペル『Sp-エンジェル・バトン』を発動し、手札を入れ替える。
 そして、スピードスペル『Sp-死者蘇生』を発動し、エンジェル・バトンの効果で墓地に送った、3体目の『ポイズン・ユニコーン』を特殊召喚する。」
ポイズン・ユニコーン:DEF1000


!!3体目のポイズン・ユニコーンだと!!此れは拙いな……



「更にスピード・ワールド2の効果を発動!スピードカウンターを10個取り除き、フィールド上のカード1枚を破壊する。
 この効果で、究極竜騎士を破壊する!!」



――バガァァァァァァン!!



ジャン:SC11→1




く……究極竜騎士が…!!


「一気に畳み掛けるぞ?『アサシン・バイコーン』を召喚!」
アサシン・バイコーン:ATK1000


「アサシン・バイコーンは、このカード以外の獣族モンスターが俺のフィールド上に存在する場合、相手にダイレクトアタックが可能となる!」

「何だと!?」

「バトル!アサシン・バイコーンでダイレクトアタック!『シークレットブレード』!!」



――ズバァァァァアァァァァッァアァッァ!!!



「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
アイン:LP4000→3000


「悪くないだろう、コイツの一撃は?
 俺はカードを1枚セットしてターンエンド。そして、3体のポイズン・ユニコーンのダメージを受けて貰うぞ。」



――アイン:LP3000→1500



此れは拙いな……このターンで3体のポイズン・ユニコーンを何とかしないと、次のターンで私の負けが確定してまうからな……此れが運命のドローだな。
私のターン!!



アイン:SC1→2
ジャン:SC1→2




此れは……確かに良いカードだが、此れを突破できるカードじゃない……奇跡を引き寄せる事は出来なかったか……と言う事は、私はこれで――



『手札には無限の可能性があるから、其れを忘れちゃダメだよアイン。』



!!……如何して此処で、以前に遊里に言われた事を思い出したんだ私は?
手札の無限の可能性……そうか、そう言う事か!!私は、チューナーモンスター『ワタゲ・クリボー』を守備表示で召喚!



『クリクリーー!』
ワタゲ・クリボー:DEF200



カオス・ソルジャーの効果は……使ったところでダイレクトアタックと、効果ダメージでライフは0になってしまうか。
ならば、オーバーレイユニットはフル状態で遊里に回すのが上策。カードを1枚セットしてターンエンドだ。



「俺のターン!」



アイン:SC2→3
ジャン:SC2→3



「さてと…エンド宣言をすればその時点で俺の勝ちだが、厄介なモンスターは今のうちに処理しておこうか?『バウンド・レオポン』を召喚!」
バウンド・レオポン:ATK0


「バウンド・レオポンの召喚に成功した時、フィールド上に存在するすべてのエクシーズモンスターのオーバーレイユニットを取り除く。
 この効果は、エクシーズモンスターその物に対する効果ではなく、オーバーレイユニットに対する効果だから、伝説の剣闘士と言えども従って貰う!」



伝説の剣闘士-カオス・ソルジャー:ORU2→0



「更に、バウンド・レオポンの効果発動!
 このカードを墓地に送り、相手フィールド上のカード1枚を手札に戻す!この効果で、伝説の剣闘士には退場して貰おうか!!」

「く……遊里にモンスターを渡す事も許さないか……!!」

「これで終いだな、ターンエンド。そして3体のポイズン・ユニコーンの効果を受けて貰おうか。」



アイン:LP1500→0



此処までか……だが、転んでも只では起きん!
リバースカードオープン、永続トラップ『リビングデッドの呼び声』!この効果で、墓地の『疾駆する暗黒騎士ガイア』を攻撃表示で特殊召喚する!!



疾駆する暗黒騎士ガイア:ATK2300



私に出来るのは此処までか……ジャンを倒せなかったのは無念だが、後は任せたぞ遊里!!








――――――








Side:遊里


まさか、極悪バーンコンボで来るとか、勝つ為なら手段は問わないって感じねチーム・ユニコーンは。
でも、アインは私の為にフィールドを整えてくれた……だったら、其れに応えない手はないわよね?……チームのラストホイーラーとして、やってくるわ!!



「行ってこい遊里!奴等に格の違いと言うモノを教えてやれ!!」

「言われるまでもないわジャック!」

さてと、本気で行きますか!!
此れがラストデュエル……行くわよジャン!!



「望むところだ。良いデュエルにしようじゃないか。」

「其れに付いては、同意するわ……行くわよ!!」



「「デュエル!!」」


遊里:LP4000   SC3
ジャン:LP6000   SC3




アタシのターン!手札を1枚捨て、『THE トリッキー』を特殊召喚!



THE トリッキー:ATK2000


「そしてチューナーモンスター『月夜のシルバー・フォング』を召喚!」

『ウヲォォォォォォォォォォォォン!!』
月夜のシルバー・フォング:ATK1200



行くわよ!レベル7の疾駆する暗黒騎士ガイアに、レベル1のワタゲ・クリボーをチューニング!
集いし星の瞬きが、聖なる力を呼び覚ます。光射す道となれ!シンクロ召喚、切り込め『プリンセス・ヴァルキリア』!!



マスターの前に立ち塞がる敵は、斬り捨てるのみです。
プリンセス・ヴァルキリア:ATK2500



うん、頼りにしてるわよプリンセス。
そして、此れだけは終わらない!!続いて、レベル5のTHE トリッキーに、レベル3の月夜のシルバー・フォングをチューニング!

「集いし願いが、天空(そら)を駆け抜ける疾風(かぜ)となる。光射す道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ『輝天龍 シルバー・ウィンド』!!」

我等の力、その身に刻み込んでもらおうか?
輝天龍 シルバー・ウィンド:ATK2500



「馬鹿な…1ターンでレベル8のシンクロモンスターが2体だとぉ!?」

「アインが残してくれたモンスターのおかげだけどね。」

だけどジャン、アタシのプリンセスと輝天龍が降臨した以上、貴方の勝利の確率は万に一つも無くなったって宣言するわ。このデュエルはアタシが勝つ!!
さぁ、クライマックスは此れからよ!!













 To Be Continued… 






登場カード補足



ダイヤモンド・トライコーン
レベル8    光属性
獣族・シンクロ/効果
チューナー+チューナー以外のシンクロモンスター1体以上
このカードのシンクロ召喚に成功した時、相手フィールド上のモンスターを全て手札に戻す。この効果発動時に、自分フィールド上に存在するモンスターが
このカードのみの場合、相手はこの効果を無効に出来ない。
このカードが相手モンスターを戦闘で破壊した場合、デッキからカードを1枚ドローする。
ATK3000    DE2300



アロマ・クロザル
レベル3    地属性
獣族・効果
自分フィールド上に獣族モンスターが表側表示で存在する場合に、手札のこのカードを除外して発動する。このターンのバトルフェイズを終了する。
ATK1000   DEF1000



ポイズン・ユニコーン
レベル4    闇属性
獣族・効果
このカードがモンスターゾーンに存在する限り、 相手は他の獣族モンスターを攻撃対象に選択できない。
自分のターンのエンドフェイズ時、 相手ライフに500ポイントダメージを与える。
ATK1500    DEF1000



アサシン・バイコーン
レベル4   闇属性
獣族・効果
自分フィールド上にこのカード以外の獣族モンスターが存在する場合、このカードは相手に直接攻撃出来る。
ATK1000    DEF500



バウンド・レオポン
レベル4   地属性
獣族・効果
このカードは特殊召喚出来ない。
このカードの召喚に成功した時、フィールド上に表側表示で存在するエクシーズモンスターのオーバーレイユニットを全て取り除く。
フィールド上のこのカードをリリースして発動する。相手フィールド上のモンスター1体を選択して手札に戻す。
ATK0    DEF0



レベル・レジストウォール
通常罠
自分フィールド上のモンスターが破壊され墓地へ送られた時に発動する事ができる。
手札またはデッキから、破壊されたモンスターのレベルの合計が同じになるように2体以上選択する。
選択したモンスターを表側守備表示で特殊召喚する。



ミラージュアニマル
通常罠
エンドフェイズまで、自分フィールド上に表側表示で存在する獣族モンスターはカード効果によっては破壊されない。