Side:ジャン


馬鹿な……アンドレが負けたのみならず、ブレオまで此処まで追い詰められた上で『勝ちを譲って貰う』事になるとは、全く持って予想外…どころの騒ぎで
はない……成績は此れでイーブンだが、残りライフが100では、ブレオに勝利を求めるのは酷だろう……相手が未知のデュエリストならば尚更の事な。

チーム5D'sのメンバーであるアイン……公式デュエルの成績が無い故に、ドレだけのデュエリストなのかは予想できんが、遊里が己のチームに引き込んだ
事から考えて、決して弱いデュエリストではない筈だ。



「「デュエル!!」」



アイン:LP4000   SC7
煌魔龍 レッド・デーモン・カオス:ATK3300
発掘王 ブラッド・フィング:ATK0


ブレオ:LP100   SC7
ルビー・バイコーン:ATK2500




状況は、絶対不利だが、その逆境を跳ね返す事が出来ない程に、チームユニコーンは脆弱ではない……俺達の底力を、見て貰うとしようか!!
最終的に勝つのは、俺達だ……その邪魔は、誰にもさせん!!












異聞・遊戯王5D's Turn126
『出撃カオス・ソルジャー軍団!!』













Side:アイン


さてと、セカンドホイーラーとして託された以上は、其れに応えなくてはな。ルールに従い、先攻は貰うぞ!!私のターン!!



アイン:SC7→8
ブレオ:SC7→8



スピードカウンターは互角だが……私にはジャックが残してくれたカードがある!!
リバースカードオープン!スピードスペル『Sp-ソニックサイクロン』!!私のスピードカウンターが5個以上ある時に発動!更に、スピードカウンターが6
個以上ある時には、このカードは速攻魔法扱いで発動できる!!
そしてその効果は、フィールド上に表側表示で存在する魔法罠カードを全て破壊する!!
ジャックの残した、最終突撃命令も破壊されてしまうが、これでお前のループコンボは崩させて貰うぞ!!



――バガァァァァァアァァァァァン!!



「!!俺の、デッキ破壊コンボのキーカードが!!」



此れは未だ序の口だ!!更に手札から、スピードスペル『Sp-ソニック・リチュアル』を発動!
私のスピードカウンターが5個以上ある時、手札またはデッキから儀式召喚するモンスターのレベル以上になるようにモンスターをリリースして、儀式モンス
ターを儀式召喚する!

私はデッキから『極夜の騎士ガイア』と『白夜の騎士ガイア』をリリースして儀式発動!
一つの魂は光を導き、一つの魂は闇を誘う。そして2つの魂は、カオスの力を呼び覚ます!!儀式召喚!現れよ『カオス・ソルジャー』!!



『ハァァァアァァァァァァァアァァァァァアッァァァッァアァ!!』
カオス・ソルジャー:ATK3000




更に、墓地の極夜の騎士と白夜の騎士の2体をゲームから除外し、『カオス・ソルジャー-開闢の使者-』を攻撃表示で特殊召喚!!



『デヤァァァッァアァァァァァァァ!!』
カオス・ソルジャー-開闢の使者-:ATK3000




「い、1ターンでカオス・ソルジャーが2体……!!」

「驚くのはまだ早いぞ?手札からスピードスペル『Sp-チューナーズサーチ』を発動!
 スピードカウンターが7個以上ある時、自分フィールド上のチューナー1体を墓地に送り、デッキからモンスターカード1枚を選択して手札に加える。
 この効果で『発掘王 ブラッド・フィング』を墓地に送り、デッキから『疾駆する暗黒騎士ガイア』を手札に加える。
 そして、私のフィールド上に『カオス・ソルジャー』モンスターが存在する場合、手札の『疾駆する暗黒騎士ガイア』を特殊召喚出来る!」
疾駆する暗黒騎士ガイア:ATK2300



「そして、チューナーモンスター『カオティック・ナイト』を召喚!」
カオティック・ナイト:ATK100


行くぞ!レベル7の疾駆する暗黒騎士ガイアに、レベル1のカオティック・ナイトをチューニング!
光と闇は表裏一体。暗黒騎士よ、カオスのフィールドを駆け抜けて超戦士の力を得よ!シンクロ召喚、出でよ『絶戦士カオス・ソルジャー』!!

『ウオォォォォォォォォォォォ!!』
絶戦士カオス・ソルジャー:ATK3000



カオティック・ナイトがレベル7以上の戦士族シンクロモンスターの素材となった時、デッキから魔法カード1枚を手札に加える事が出来る。
私が手札に加えるカードはスピードスペル『Sp-スピード・フュージョン』!!



「今度は融合召喚を狙う心算か!?……だが、アンタの手札は、スピード・フュージョンを含めて2枚――このターンの融合は流石に無理だろ?」



其れは如何かな?ジャックが残してくれたカードはまだ有る!
リバースマジック発動、スピードスペル『Sp-強欲な壺』!私のスピードカウンターが7個以上ある時、デッキからカードを2枚ドローする!…良い引きだ。
行くぞ、スピードスペル『Sp-スピード・フュージョン』を発動し、手札の『疾風の暗黒騎士ガイア』と『クリアクリボー』を融合!
光と闇、その双極より出でし超戦士が、希望の未来を切り開く。融合召喚!降誕せよ『混沌騎士-カオス・ソルジャー』!」

『オォォォォォォ!』
混沌騎士-カオス・ソルジャー:ATK3000




『なななななんと~~~、ジャックが残したレッド・デーモン・カオスも含め、アインのフィールドには5体の『カオスモンスター』が降臨した~~~!!
 残りライフが100で、デッキ破壊の布陣を崩されたブレオに、此れを乗り切る術はあるのか~~~~!!?』




有るとすれば、そのリバースカードだろうが……お前の爪牙はトコトンまでもぎ取らせて貰う!
カオス・ソルジャー~開闢の使者~の効果発動!相手モンスター1体をゲームから除外する!この効果で、ルビー・バイコーンには退場して貰う!!



「やっぱりそう来るか…だが、只ではやられねぇ!!
 トラップカード『和睦の使者』!このカードの効果で、このターン俺が受ける戦闘ダメージは0になるぜ!!」

「そのカードを伏せていたか……ルビー・バイコーンは処理できたが、戦闘ダメージを与えられないのでは、バトルフェイズを行うだけ無駄か…。
 仕方ない、カードを1枚セットしてターンエンドだ。」

だが、生き長らえた所で、デッキ破壊ギミックを完全に破壊されたお前に出来る事が有るのか?何をしようとも、悪足掻きでしかないのではないかな。



「だとしても俺は、此のままじゃ終われねぇ!!俺のターン!!」



アイン:SC7→8
ブレオ:SC7→8




その姿勢は評価できるが、この状況をどうやって覆す心算だ?
お前のデッキ破壊ループコンボは既に崩したし、モンスターも居ない……この状況を打開すると言うのは、奇跡にも近い事だぞ?



「だが、運命は未だ俺を見放しちゃ居ないみたいだぜ?
 俺が今引いたのは……スピードスペル『Sp-サンダー・ボルト』!スピードカウンターが8個以上ある時、相手のモンスターを全滅させる最強魔法だ!」



この局面で、その最強破壊魔法を引き当てたか!!
……だが残念だったな?ジャックの予想はお前の引きの更に上を行く!リバースカードオープン、カウンタートラップ『魔宮の賄賂』!!
相手にカードを1枚ドローさせる代わりに、相手の発動した魔法と罠を無効にする!!此れにより、サンダー・ボルトの効果は不発に終わるぞ!!



「何だと!?……クソ!!
 俺は『ガーディアン・シールドレザー』を守備表示で召喚!カードを1枚セットしてターンエンド!!」
ガーディアン・シールドレザー:DEF2600



ガーディアン・シールドレザー……レベル4以下では最高の守備力を持ち、特定条件下では戦闘で破壊されないモンスター――良いカードを出すモノだ。
だが其れも、私の敵ではない!!私のターン!!



アイン:SC8→9
ブレオ:SC8→9




「スピードスペル『Sp-天よりの宝札』を発動!スピードカウンターが6個以上ある時、互いに手札が6枚になるようにデッキからカードをドローする!
 そして、開闢の使者の効果発動!!ガーディアン・シールドレザーをゲームから除外する!!『混沌の深淵』!!」

『ハァァァァァァッァ!』



――ズシュゥゥゥゥゥゥン!!




これでお前を護るモンスターは居ない……カードを1枚セットして、これでラストターンだブレオ!
カオス・ソルジャーでプレイヤーにダイレクトアタック!『カオス・ブレード』!!!



――ドガァァァァァァァァァァァァァァッァアァァァァァァァァァァァアッァァァアッァァァァアァァアァァン!!!



ブレオ:LP100→0

「どわぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁっぁぁあぁ!!!
 だ、だが、未だ終わりじゃないぜ!!トラップ発動『異次元の獣道』!!
 俺が2000ポイント以上の戦闘ダメージを受けた時、ゲームから除外されている獣族モンスター1体を選択して、俺のフィールド上に帰還させる!!
 現れろ『ルビー・バイコーン』!!」

『ヒホォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!』
ルビー・バイコーン:ATK2500




此の土壇場で、モンスターを残したか!!
ラストホイーラーに全てを託したと言う所か……まぁ、妥当な判断だとは思うよ。だとしても、負ける心算は全く無いけれどね。

遊里の手を煩わせるまでもない、予選のファーストデュエルは、私が決めてやる!!








――――――








Side:ジャン


ブレオまでやられたか……まぁ、最大限粘ってくれたがな。
しかし、此処まで読みが外れるとはな……アインはライディングデュエルに於いては素人だと思っていたが、蓋を開けてみれば、中々如何して優秀なDホイ
ーラーであるようだ。デュエリストとしての実力も高い。

これ程の隠し玉を持って居たとは、チーム5D'sは底知れぬチームらしいな。
だが、だからと言って、俺達とて負けてやる事は出来ない……勝つ事が俺達の全てだからな……このデュエルの勝利は渡さん!!行くぞ、アイン。



「そう来なくては面白くない……全力でやろうじゃないか!!」

「望むところだ……行くぞ!」



「「デュエル!!」」



アイン:LP4000   SC9
煌魔龍 レッド・デーモン・カオス:ATK3300
カオス・ソルジャー:ATK3000
カオス・ソルジャー~開闢の使者~:ATK3000
絶戦士カオス・ソルジャー:ATK3000
混沌騎士-カオス・ソルジャー:ATK3000


ジャン:LP4000   SC9
ルビー・バイコーン:ATK2500




状況は圧倒的に不利だが、だからと言って、此処でサレンダーなどは有り得ない!!俺のターン!!
チューナーモンスター『ディスペア・カプリコーン』を召喚!



ディスペア・カプリコーン:ATK100



レベ7のルビー・バイコーンに、レベル1のディスペア・カプリコーンをチューニング!
大地の加護を受けし聖獣よ、今こそその力を此処に現出せよ!!シンクロ召喚!!天を穿て『ダイヤモンド・トライコーン』!!


『クイヒィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン!!』
ダイヤモンド・トライコーンATK3000




さて、圧倒的不利な状況からの逆転劇を始めるとしようか?……何よりもチームに勝利を齎すのが俺の仕事だからな。
アインと遊里………どちらも沈めてやろう!!其れこそが、チームの参謀として、そしてチームリーダーとして、成すべき事だろうからな……さぁ行くぞ!!

このデュエル、勝つのは俺達だ!!













 To Be Continued… 






登場カード補足



ガーディアン・シールドレザー
レベル4   地属性
獣族・効果
自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターが、このカード1枚のみの場合、このカードは戦闘によっては破壊されない。
自分フィールド上にこのカード以外の表側守備表示モンスターが存在する場合に相手モンスターから攻撃された場合、ダメージ計算を行わずに、このカード
を破壊する。
ATK0    DEF2600



ディスペア・カプリコーン
レベル1   風属性
獣族・チューナー
このカードは戦闘によっては破壊されず、1ターンに1度だけ相手のカード効果によっては破壊されない。
このカードがシンクロ召喚の為の素材になる以外の方法でフィールドから離れる場合、このカードをゲームから除外する。
ATK100    DEF100



Sp-ソニック・リチュアル
スピードスペル
自分のスピードカウンターが5個以上ある時に発動できる
デッキ又は手札から、儀式召喚する儀式モンスターのレベル以上になるようにモンスターをリリースし、モンスターを儀式召喚する。



Sp-ソニックサイクロン
スピードスペル
自分のスピードカウンターが5個以上ある時に発動できる。自分のスピードカウンターが6個以上ある時、このカードは速攻発動できる。
フィールド上に表側表示で存在する魔法・罠カードを全て破壊する。



Sp-チューナーズサーチ
スピードスペル
自分のスピードカウンターが7個以上ある時に発動できる。
自分フィールド上のチューナー1体をリリースし、デッキからモンスターカードを1枚選択して手札に加える。



Sp-強欲な壺
スピードスペル
自分のスピードカウンターが7個以上ある時に発動できる。デッキからカードを2枚ドローする。



Sp-サンダー・ボルト
スピードスペル
自分のスピードカウンターが8個以上ある時に発動できる。
相手フィールド上のモンスターを全て破壊する。



異次元の獣道
通常罠
自分が2000ポイント以上の戦闘ダメージを受けた場合に発動できる。
ゲームから除外されている、自分の獣族モンスター1体を選択して、自分フィールド上に特殊召喚する。