クロウ:LP3000  SC1
BFT-漆黒のホーク・ジョー:ATK2600

アッシュ:LP3000  SC4




Side:遊里


よし、露骨なアンチデッキが相手でも、クロウはぶれる事なくアッシュの場をBF専用のカードで一掃して壊滅させたわね。如何にBFの効果が無効にされたっ
て、専用の魔法と罠の効果までは封じる事が出来ないから、其処を突いた見事な一撃だわクロウ。



「やるじゃないかクロウ・ホーガン。だが、其れで私を倒せると思うなよ?
 私のフィールド上のアンチBFが効果によって2体以上破壊された時、エクストラデッキから
 『アンチBF-白光のライトニング』を召喚条件を無視して特殊召喚出来る!!」

「なんだとぉ!!?召喚条件を無視して特殊召喚とか、幾ら何でも強過ぎるだろ!!」



アンチBF-白光のライトニング:ATK2600



たしかに、幾らなんでも其れは無いわ。
召喚条件が死ぬほど温いし、カウンターギミックにしても、可成り強いのは間違いないからね……しかも、攻撃力はホーク・ジョーと同じで、恐らくこれまでの
『アンチBF』モンスターと同様に、強烈なBFメタ効果を持って居る筈よ。

クロウにとっては、天敵その物の相手だけど、さてここから如何するのかしら?












異聞・遊戯王5D's Turn120
『覚醒せよ、玄鳳龍 ブラック・フェザー』













Side:クロウ


モンスターを全滅させたと思ったら、今度は効果でエクストラデッキから直にお出ましってか……ったく、本気で魅せてくれるもんだぜ。
だが、モンスターの攻撃力は互角だから、此処で相討ち特攻を仕掛けても、俺の方が有利になるだけだから其れに付いてはテメェも分かってるんだろ?



「其れは当然だね。僕は此れでターンを終了するよ。」



さてと、如何したモンだろうな?
アイツのフィールド上に『アンチBF』が存在する限り、俺のフィールドのモンスターの効果は無効にされちまうから、単純に攻撃力で上回るしかねぇんだが、
今の俺の手札には、相手モンスターを弱体化させるカードも、BFを強化するカードもねぇと来たからな……

ま、ウダウダ考えても仕方ねぇか! 俺のターン!!



クロウ:SC1→2
アッシュ:SC4→5




……よし、コイツなら行けるぜ!!
先ずは、手札からスピードスペル『Sp-エンジェル・バトン』を発動!

デッキからカードを2枚ドローし、その後手札を1枚捨てる。
そして、チューナーモンスター『BF-そよ風のブリーズ』は、カード効果で手札に加わった時に特殊召喚出来るぜ!!



BF-そよ風のブリーズ:ATK1100



「此処でそのカードを引くとは、中々引きは強いらしいね?」

「マダマダこんなもんじゃねぇ!俺がこのターンのドローフェイズに引いたカードはコイツだ!来い『BF-暴雨のスコール』!」

『キョワァァァァアァァ!!!』
BF-暴雨のスコール:ATK1500




「再び、レベル7のモンスターをシンクロ召喚する心算かな?だが、アンチBFの前では、君のモンスター達は無力だよ。」

「ソイツは如何かな?確かにアンチBFは、BFの天敵だが、この鉄砲玉のクロウ様はその位じゃ止められねぇ!!
 俺は、レベル4の暴雨のスコールに、レベル3のそよ風のブリーズをチューニング!!
 黒き風、今虚空を貫き一筋の閃光となれ!!シンクロ召喚、虚空を斬り裂け『ABF-雷雲のサンダーボルト』!!」

『トゥアァァァァァァ!!』
ABF-雷雲のサンダーボルト:ATK2700




「へぇ?白光のライトニングの攻撃力を超えて来たか……尤も其れ位じゃないと、楽しむ事は出来そうにないけれどね。」

「へっ!そんな余裕をこいていられるのも今の内だ、暴雨のスコールのモンスター効果発動!
 暴雨のスコールが、シンクロ召喚の素材として墓地に送られた時、相手フィールド上のモンスター1体の攻撃力を500ポイントダウンさせるぜ!!」

「なに?」
アンチBF-白光のライトニング:ATK2600→2100



アンチBFは、確かにBFにとっては天敵とも言える存在だが、そいつ等が共通して持ってる『BFモンスターの効果を無効にする効果』は、あくまでもフィール
ド上の『BF』に対してのみ発動する効果で、手札や墓地で発動する効果までは無効にする事が出来ねぇ!
例えフィールド上では力を合わせる事が出来なくても、墓地や手札の『BF』は、ちゃんと仲間に力を貸してくれるんだよ!!

バトルだ!ABF-雷撃のサンダーボルトで、アンチBF-白光のライトニングに攻撃!!ぶっ放せ『ライトニング・スプラッシュ』!!



――ドガァァァァァァァァァァァァァァン!!



「ぐぁぁぁあぁ!!」
アッシュ:LP3000→2400



「よし、攻撃が通った!!」

「しかも奴のフィールドは此れでがら空き、ホーク・ジョーのダイレクトアタックが決まればクロウの勝ちだ!!」



勿論一気に行くぜ!!



「くぅ……此れがお前の本気のフィールと言う事か……実に強烈だな。だが、残念だが決着にはまだ早い。
 白光のライトニングが『BF』との戦闘及び、『BF』の効果で破壊された時、自分の手札、墓地、デッキから『アンチBF』を2体まで選択して特殊召喚出来る。
 私は墓地から『アンチBF-閃光のスパーク』を、デッキからチューナーモンスター『アンチBF-白雷のエクレール』を特殊召喚する!」
アンチBF-閃光のスパーク:ATK2300
アンチBF-白雷のエクレール:DEF1300




と思ったら、またトンでもねぇ効果でモンスターを展開して来やがったが、コイツはちょいと攻撃の順番を間違えたかもな?
ホーク・ジョーで攻撃してりゃ、閃光のスパークが出てきても、其れを雷撃のサンダーボルトで攻撃すれば、閃光のスパークの効果で破壊され、更に策略の
毒薬の効果で500のダメージを受けるが、サンダーボルトの効果で、コイツのフィールドを一掃出来た訳だからよ。

だが、だったら漆黒のホーク・ジョーで、白雷のエクレールに攻撃だ!チューナーを残しておくと厄介な事になりそうだからな!!



「その判断は悪くないが、白雷のエクレールは、『BF』モンスターとの戦闘では破壊されない!」

「の野郎、また『BF』限定の効果かよ……あからさまなアンチ効果も大概にしろってんだ!!
 俺は、カードを1枚セットしてターンエンドだ。」

「私のターン。」



クロウ:SC2→3
アッシュ:SC5→6




さぁて、如何来る?普通に考えりゃ、閃光のスパークでホーク・ジョーを効果破壊し、策略の毒薬でのダメージを狙ってくると考えるとこだが、白光のライトニ
ングの効果で、チューナーを揃えて来たのを見る限り、狙いはより強力なレベル8のシンクロって所だろうな。

何となくだが、嫌な予感がするぜ。



「アンチBFを相手に、此処までやるとは褒めてあげるよクロウ・ホーガン。お世辞抜きに、君はピアスン以上のデュエリストだと認めようじゃないか。
 だが、君の足掻きも此処までだ――見せてあげよう、ピアスンを死に至らしめた呪われしカードを!破壊の権化である死のカードを!!
 私は、レベル6の閃光のスパークに、レベル2の白雷のエクレールをチューニング。
 殺戮を嗤え、絶望に歓喜しろ。負の思念が闇の封印を解く。シンクロ召喚!安息の死をまき散らせ、『ブラッド・アポカリプス』!!」

『グガァァァァァァァァァァアァッァ!!』
ブラッド・アポカリプス:ATK3000




コイツがブラッド・アポカリプス!!ピアスンを死に至らしめたモンスターか!!
何れ姿を現すだろうとは思っていたが、まさか此処で呼び出してくるとはな……上等だ、ソイツ諸共テメェをブッ飛ばしてやるぜ!!



「威勢がいいが果たしてそれがいつまで続くかな?
 ブラッド・アポカリプスは、自分の墓地に存在するモンスターの属性が1種類の場合、カード効果によってはフィールドを離れない。
 加えて、其の属性が特定の属性だった場合、更なる効果を発動する――光属性のみならば、1ターンに1度、相手モンスター1体を破壊し、相手に1000
 ポイントのダメージを与え、闇属性のみならば、相手がモンスターを特殊召喚する度に相手に500ポイントのダメージを与えると言った具合にね。
 そして、私の墓地のモンスターは全て光属性故、光属性オンリー時の効果が使用可能となる!
 この効果で、漆黒のホーク・ジョーを破壊する!!」



――バガァァァン!!



「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
クロウ:LP3000→2000



「更に、策略の毒薬の効果で500ポイントのダメージを受けて貰おうか?」



クロウ:LP2000→1500



「そして、ブラッド・アポカリプスで、雷撃のサンダーボルトに攻撃!『アポカリプス・アトミック・バスター』!!」

「どわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁ!!」
クロウ:LP1500→1200


此れは……此れがフィール増幅機構の力かよ!!
確かにコイツを真面に喰らったらただじゃ済まねぇだろうな……遊里やジャックのフィールを体験してなかったら、完全に意識を持って行かれてたかもだぜ。

だが、コイツを連続で喰らったら、流石にヤバい感じがするぜ……



「さぁ、此処が潮時じゃないかなクロウ・ホーガン?
 君がどんなモンスターを召喚したところで、ブラッド・アポカリプスを倒す事は出来ないし、何を召喚しようともブラッド・アポカリプスの効果で破壊されるだけ
 だからね?大人しくサレンダーする事をお勧めするよ。
 まぁ、玄鳳龍のカードを渡してくれるなら、このデュエルは此処で終わりにしてやっても良いけどね。」

「……馬鹿言ってんじゃねぇ、誰が此処でやめるかよ!!
 其れに、俺は玄鳳龍のカードの事は知らないぜ?テメェが目にしたのは、ネットを介した、ピアスン殺害の犯人を誘き出すための罠だったんだからな!!
 大体にして、俺が玄鳳龍のカードを手に入れたとして、テメェみたいな下衆に渡す筈がねぇだろ!!」

「なんだと!?……私を罠にかけるとは、死刑じゃ済まないよ?文字通りに殺してやる!」



やってみろよ……俺は、誰が相手であっても負けないぜ!!
例えそれが、俺にとって天敵と言うべき相手であっても、俺は其れを超えて勝って見せる!ブラックバードを俺に託してくれたピアスンの魂に誓ってな!!

俺のターン!!



クロウ:SC3→4
アッシュ:SC6→7




――ヒィィィィィィィン……



「!?」

なんだ、シグナーの痣がイキナリ光出しやがった……!!


――ヴォン!!



って、何だこりゃ?
Dホイールの光学モニターにカードが……って、コイツは玄鳳龍じゃねぇかよ!!まさか、このカードはブラック・バードの中に封印されていたってのか?
そして、ピアスンが俺にブラック・バードを託したのは、同時に玄鳳龍を託すって意味があったのか?……だとしたら、絶対に負けられないぜ!!

「リバースカードオープン!トラップカード『ロスト・スター・ディセント』
 コイツの効果で、墓地から漆黒のホーク・ジョーの効果を無効にし、レベルを1つ下げて守備力を0にして特殊召喚するぜ!!」
BFT-漆黒のホーク・ジョー:DEF2000→0   Lv7→6(効果無効、表示形式変更不可)


更に、チューナーモンスター『BF-下弦のサルンガ』を召喚!!



BF-下弦のサルンガ:ATK500



「此れは、レベル8のモンスターをシンクロ召喚する心算か――!」

「その通りだ……そして見せてやるぜ、テメェが欲した玄鳳龍をな!!
 行くぜ、レベル6となった漆黒のホーク・ジョーに、レベル2の下弦のサルンガをチューニング!!
 黒き疾風よ、秘めたる願いをその翼に現出し、来世より光来せよ!!」

さぁ、出番だぜ!!

「シンクロ召喚!舞い上がれ『玄鳳龍 ブラック・フェザー』!!」

『ゴアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!』
玄鳳龍 ブラック・フェザー:ATK2800




「玄鳳龍 ブラック・フェザー!!」

「此れが、クロウの決闘龍か!!」



「これが、玄鳳龍……だが、攻撃力はブラッド・アポカリプスの方が上だ。
 如何に強力なシンクロモンスターとは言え、攻撃力で劣るのならばおそるるに足らない。寧ろ返り討ちにして、其のカードを貰い受けようか!!」



…確かに素のステータスだけじゃ、玄鳳龍はブラッド・アポカリプスには及ばねぇ。
だが、玄鳳龍にはそいつを覆す事が出来る2つの効果を備えてるぜ!!流石に、1ターンで発動できる効果は何方か一方だけだけどな。

玄鳳龍の1つ目の効果は、デッキの上からカード5枚を確認し、その中のチューナーの数×500ポイント相手モンスター1体の攻撃力をダウンさせる。
そして2つ目は、デッキの上からカード5枚を確認し、その中の『BF』モンスター1体に付き自身の攻撃力を600ポイントアップする効果。

俺はこのターン、2つ目の攻撃力アップの効果を使うぜ!!



「最大で3000ポイントの強化が望めるとは言え、そんな運任せの効果など上手く行くはずがない!」

「そいつは如何だろうな?精々目に焼き付けとけよ、本当のデュエリストが紡ぐ奇跡ってやつをな!!行くぜ、ドロー!!!」

俺がドローしたカード5枚は、『BF-漆黒のエルフェン』『BF-蒼炎のシュラ』『BF-月影のカルート』『BF-大旆のヴァーユ』『BF-極北のブリザード』だ!!
確認した全てが『BF』……此れにより、玄鳳龍 ブラック・フェザーの攻撃力は3000ポイントアップする!『ノーブル・チャージ』!!



『グオォォォォォォォォォォォォォ……!!』
玄鳳龍 ブラック・フェザー:ATK2800→5800




「確認したカードが全て『BF』……そして、攻撃力5800だと!?」

「コイツで終わりにするぜアッシュ!!精々ムショの中でピアスンに侘びやがれ!!
 バトル!玄鳳龍 ブラック・フェザーで、ブラッド・アポカリプスに攻撃!!消し飛びやがれ『ブラック・レイジング・ストーム』!!」

『ゴォォォォォ……ガァァァァァァァァァアァァァァァァァァァァァァアァァ!!!』



――ゴォォォォ……ドガバァァァァァァァァァァァァン!!




「そんな、そんな馬鹿なぁぁぁぁぁぁ!!!」
アッシュ:LP2400→0



俺の勝ちだ!!
其れは同時に、テメェの終焉だぜアッシュ!!テメェの言動は、全てブラック・バードが録音機能で記録してるから、裁判でも言い訳は出来ねぇからな!!



「そんな、馬鹿な……」

「テメェの敗因は、只一つ、俺を甘く見てあまつさえ怒らせちまった事だ――精々、己の罪を悔いて来るんだな。」

取り敢えず、アンタの仇はぶっ倒したぜピアスン。そして、アンタが残してくれた玄鳳龍のカード、大切に使わせて貰うぜ。



「やったわねクロウ!!流石だわ!!」

「あからさまなアンチデッキが相手であっても、真正面から挑むその姿、実に見事だったぞ!!」

「しかも、ピアスンが残した玄鳳龍のカードまで覚醒させるとは……きっと天国でピアスンも喜んでいると思うぞクロウ。」



だと良いがな。
だがまぁ、因縁にケリを付けて、玄鳳龍のカードを手に入れて、此れで漸く俺はあの日から時を進める事が出来るのかもしれねぇな

じゃあなピアスン、アンタの玄鳳龍は有り難く使わせて貰うぜ。
今度は……そうだな、WRGPで優勝する事が出来たら、その報告に来るよ――だから、俺達の勝利をあの世で願って居てくれ。其れが力になるからよ。

ともあれ、此れから宜しく頼むぜ『玄鳳龍 ブラック・フェザー』!!














 To Be Continued… 






登場カード補足





ブラッド・アポカリプス
レベル8    闇属性
悪魔族・シンクロ/効果
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
自分の墓地に存在するモンスターの属性が1種類のみの場合、このカードはカード効果によってはフィールドを離れない。
自分の墓地の存在するモンスターのみの場合、以下の効果を発動する。
●光属性:1ターンに1度、相手モンスター1体を選択して発動する。選択したモンスターを破壊し、相手に1000ポイントのダメージを与える。
●闇属性:相手がモンスターを特殊召喚する度に、相手に500ポイントのダメージを与える。
ATK3000    DEF2000



アンチBF-白光のライトニング
レベル7    光属性
天使族・シンクロ/効果
チューナー+チューナー以外の「アンチBF」モンスター1体以上
自分フィールド上の「アンチBF」モンスターが効果よって2体以上破壊された時、エクストラデッキからこのカードを召喚条件を無視して特殊召喚出来る。
このカードが「BF」モンスターとの戦闘、または「BF」モンスターの効果によって破壊された場合、デッキ、手札、墓地から「アンチBF」モンスターを2体まで選
択して特殊召喚出来る。
このカードが表側表示で存在する限り、相手フィールド上に表側表示で存在する「BF」モンスターの効果は無効になる。
ATK2600    DEF1700



アンチBF-白雷のエクレール
レベル2    光属性
天使族・チューナー
このカードは「BF」モンスターとの戦闘によっては破壊されない。
このカードが表側表示で存在する限り、相手フィールド上に表側表示で存在する「BF」モンスターの効果は無効になる。
ATK0    DEF1300