Side:ジャック


奴め、更に腕を上げたな?
よもや遊里相手に、先攻を取り、更には先手までとってくるとは……絶対王者を除いてのシティの暫定トップは奴かも知れん。

羽賀が相手のままだったら遊里の瞬殺で終わったろうが…此れは思った以上に楽しめるデュエルになりそうだ。


「うらぁ!負けんなよ遊里ーー!サテライトの意地見せてやれ!!」

「遊里頑張って〜〜!!」

「やっちゃえ〜〜!!」

「でかいの一発ぶちかましてやれや!!」


ふ、応援にも熱が入るか――その気持ちも分からんではない。


さて、遊里よ如何戦う?
そいつは打倒絶対王者に燃える男だ……その辺の奴とは一線を画す実力の持ち主だろう。

そいつの燃えるフィールに如何応えるか…見せてもらうぞ!










異聞・遊戯王5D's Turn12
『バーニングストライク』










遊里:LP3500    SC1
雷光の魔王 スカル・デーモン:ATK2500


ムクロ:LP4000    SC1
バーニング・ラヴァ・ケルベロス:ATK2000(クイック・スパナイト効果)




Side:遊里


さてと、先手は取られちゃったけど如何しようかな?
取り敢えず攻撃力では上回ってるから、更なる上級モンスターが来てもこのカードで耐える事は出来るわね。

でも、ジャックのフィールとはまた違う、ムクロの灼熱のフィールも中々素敵ね?
本気で燃やし尽くしそうな熱さ…魂に響くわ。

さぁ、もっと楽しみましょうムクロ!


「言われるまでもねぇ、全力で楽しもうじゃねぇか!俺のターン!!」


遊里:SC1→2
ムクロ:SC1→2



「俺は『バーニング・ラヴァ・ソニック』を召喚!!」
バーニング・ラヴァ・ソニック:DEF1500


「こいつの召喚に成功した時、俺のスピードカウンターはソニック以外の『バーニング・ラヴァ』1体のレベルかランクの数だけアップする!
 ソニック以外のバーニング・ラヴァは、ランク4のケルベロス!よって俺のスピードカウンターは4個増えるぜぇ!!」
ムクロ:SC2→6


此処でスピードカウンターを!
確かにカウンターが多ければ多いほど、使えるスピードスペルの種類は増えるから、此れは中々良い手だわ。


「更に手札の『バーニング・ラヴァ・スピリット』は俺の場に2体以上の『バーニング・ラヴァ』が存在する時に特殊召喚できる!!」
バーニング・ラヴァ・スピリット:ATK600


あれはチューナーモンスター!
今度はシンクロ召喚で攻めて来る心算ね?……良いわ、受けて立つ!!


「レベル4のバーニング・ラヴァ・ソニックに、レベル3のバーニング・ラヴァ・スピリットをチューニング!
 轟炎爆裂、それが生き様!火事と喧嘩は江戸の華!!魂燃やして現れろ!シンクロ召喚、完全燃焼『バーニング・ラヴァ・ゴーレム』!!」

『ギシャァァァァァァァ!!』
バーニング・ラヴァ・ゴーレム:ATK2400


攻撃力2400のレベル7シンクロモンスター…
攻撃力はスカル・デーモンの方が上だけど、それでも攻撃表示で出して来たってことはデーモンを超えられる効果があるって事ね?


「おうよ!バーニング・ラヴァ・ゴーレムの攻撃力は俺の墓地の『バーニング・ラヴァ』1体につき200ポイントアップする!
 俺の墓地には3体の『バーニング・ラヴァ』が居るからよぉ……攻撃力は600ポイントアップして3000ポイントだぜぇ!!」
バーニング・ラヴァ・ドラゴン:ATK2400→3000


「更にコイツは、相手モンスターを戦闘で破壊した時、相手に1000ポイントのダメージを与える火力モンスターだ!
 一気にライフを奪わせてもらうぜぇ?バーニング・ラヴァ・ゴーレムで、スカル・デーモンに…「ちょっと待った!!」…あん?」


ムクロ…見た目は違えど攻撃力3000で『ラヴァ・ゴーレム』と言えば、攻撃名は如何言えばいいか知ってるわよね?


「あん?………成程な?良いぜ、その提案乗った!この間DVDみて大うけしたからなぁ!会場を飲み込むってのも悪かねぇ!
 改めて行くぜ、バーニング・ラヴァ・ゴーレムで、スカル・デーモンに攻撃!」


じゃあ、思いっきり!高らかに!魂込めてどうぞ!!


「ブチかませ…『城之内ファイヤーーーーーーーーーー』!!!」

『ナンデヤネェェェェン!!』


――ゴォォォォォォ!!!



アレ?今ゴーレムが突っ込んだような…まぁ良いか、会場が呆気にとられてるし。
それにしても、何でこんな攻撃名を宣言したんだろうねあの人はさ…?

と、その攻撃は通さない!てか、攻撃名的に通らない!
トラップ発動『ダビデスター・バインド』
相手モンスター1体を守備表示にして表示形式の変更を封じ、モンスター効果を無効にするわ。
対象は勿論『バーニング・ラヴァ・ゴーレム』!!


――バキィィィン!!


バーニング・ラヴァ・ゴーレム:ATK3000→2400→DEF2000



「ちぃ…呪縛系のトラップだったか――カードを2枚セットしてターンエンドだ!」

「アタシのターン!!」


遊里:SC2→3
ムクロ:SC6→7


「手札からスピードスペル『Sp−エンジェル・バトン』を発動。
 アタシのスピードカウンターが2個以上あるとき、カードを2枚ドローしてその後手札を1枚捨てる。」

ドロー!!…OK良い引きだわ。
アタシは手札の『ディメンジョン・ジャンク』を墓地に捨て、チューナーモンスター『フェイズシフト・シンクロン』を特殊召喚!


フェイズシフト・シンクロン:DEF1400


「そして『鉄鋼の巨兵』を守備表示で召喚!」
鉄鋼の巨兵:DEF2000


「レベル8のシンクロか…来いや!!」

「言われなくとも!レベル3の鉄鋼の巨兵に、レベル5のフェイズシフト・シンクロンをチューニング!
 集いし星の瞬きが、聖なる力を呼び覚ます。光射す道となれ!シンクロ召喚、切り込め『プリンセス・ヴァルキリア』!!」

さぁて…如何しようかな?
プリンセス・ヴァルキリア:ATK2500


よろしく頼むわよプリンセス!
ムクロの炎の陣形を突破するには貴女の力が必要だからね。


任せてください遊里。


頼りにしてるわ。
バトル!プリンセス・ヴァルキリアで、バーニング・ラヴァ・ケルベロスに攻撃!『デュランダル・ブレイザー』!!

そしてこの瞬間にプリンセスの効果!
プリンセスの攻撃対象になったモンスターの効果は無効になる!
此れでケルベロスの攻撃無効&バーン効果は無効になるわよ?


「させるかよぉ!トラップ発動『揺らめく炎熱』
 俺の場の炎属性モンスターが攻撃対象になった時、その攻撃を他の炎属性モンスターに移し替える!
 コイツでケルベロスへの攻撃を、ゴーレムに移し替えるぜぇ!!」

「攻撃対象の変更…!!」

此れじゃあケルベロスを除去する事が出来ない…!!


――ドガァァン!!


「ハッハー!更にトラップ発動『飛んで火に入る夏の虫』
 相手モンスターは、このターン俺の場の炎属性モンスターを攻撃しなくちゃならねぇ!!」

「な!強制攻撃!!スカル・デーモン!!」

『ガァァァァァァァァ!!!』


――バリィィィ!!!


「強制攻撃は止められねぇ!デーモンの攻撃に対してケルベロスの効果発動!
 オーバーレイユニットを一つ取り除き、相手モンスターの攻撃を無効にして相手に500ポイントのダメージを与える!!」


――ゴォォオ!!


「きゃぁぁぁぁ!!」
遊里:LP3500→3000


やるわねムクロ……此れは結構効いたし、見事なコンボだったわ。
アタシはカードを1枚セットしてターンエンド。


「俺のターン!!」


遊里:SC3→4
ムクロ:SC7→8



「このターンで決めるぜ!手札からスピードスペル『Sp−スピード・フュージョン』を発動!
 俺のスピードカウンターが5個以上あるとき、モンスターを融合召喚する!
 俺は手札の『バーニング・ラヴァ・アルテミス』と『バーニング・ラヴァ・ギルガメス』、そしてフィールドの『バーニング・ラヴァ・ケルベロス』を融合!
 炎熱上等、灼熱歓迎、爆炎最高!!天下無双の火焔の化身よ、全てを焼き消し現れろぉ!融合召喚『バーニング・ラヴァ・ゴッドドラゴン』!」

『ガァァァァァァァァ!!!』
バーニング・ラヴァ・ゴッドドラゴン:ATK3300


此処で攻撃力3300…!
此れはヤバイかも…


「ゴッドドラゴンの効果発動!1ターンに1度、相手モンスターを墓地に送り、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える!
 消えてもらうぜスカル・デーモン!!『溶岩葬送』!!!」


――ジュオォォォ…!


「あぁぁぁぁ…!!」
遊里:LP3000→500   SC4→2


くぅぅぅ…火傷しそうな熱さだわ此れ…
スカル・デーモンは効果破壊への耐性はあるけど、墓地送りには対処できないからね…巧い一手だわ。
更に特大のダメージまで…やってくれるわよ全く…!


「こいつで終わりだぜ!バーニング・ラヴァ・ゴッドドラゴンで、プリンセス・ヴァルキリアに攻撃!『バーニング・ストリーム』!!」

「其れは流石に通さない!トラップ発動『瀬戸際の同調』
 アタシのライフが0になる攻撃を受けるとき、その攻撃を無効にし、エクストラデッキからレベル7以下のシンクロモンスターを特殊召喚する!
 ゴッドドラゴンの攻撃を無効にして呼び出すのは、レベル7の『宵闇の暗黒騎士−ガイア』!」

『ハァァァァァァ!!』
宵闇の暗黒騎士−ガイア:ATK2300



「上級シンクロ呼び出して攻撃を食い止めるか…やるじゃねぇか!カードを1枚伏せてターンエンド!」

「アタシのターン!」


遊里:SC2→3
ムクロ:SC7→8


このターンで倒さないと、多分アタシに勝ちはない。
絶体絶命ってところね…でも逆にそれが燃えて来るわ!

この手札なら行ける!

「アタシはチューナーモンスター『ツメクリボー』を召喚!」

『クリクリ〜〜!』
ツメクリボー:ATK300



「此処でチューナーだと?」

「えぇ…貴方を倒すには、相当力を注ぎ込まないといけないみたいだからね!
 アタシはレベル7の宵闇の暗黒騎士−ガイアに、レベル1のツメクリボーをチューニング!
 集いし星が、新たな次元を切り開く。光射す道となれ!シンクロ召喚、翔け上がれ『迅雷の龍騎士−ガイア』!!」

『ヌオォォォォォ!!』
迅雷の龍騎士−ガイア:ATK2600


更に墓地の『ディメンジョン・ジャンク』の効果発動!
墓地のこのカードと、このカード以外の非チューナーモンスターをゲームから除外することでモンスターをシンクロ召喚できる!

「アタシはレベル6の雷光の魔王 スカル・デーモンと、レベル2のディメンジョン・ジャンクをゲームから除外してチューニング!
 集いし願いが、天空(そら)を駆け抜ける疾風(かぜ)となる。光射す道となれ!シンクロ召喚、飛翔せよ『輝天龍 シルバー・ウィンド』!!」

終わらせるか…!
輝天龍 シルバー・ウィンド:ATK2500


「レベル8のシンクロモンスターが3体も…!だが、攻撃力はゴッドドラゴンの方が上だぜぇ!!」

「…其れは如何かな?」

「あん?」


迅雷の龍騎士−ガイアの攻撃力は、ガイア以外の自分フィールド上のドラゴン族モンスターの攻撃力の合計値分アップする。
アタシの場にガイア以外のドラゴン族はシルバー・ウィンド1体のみ…だけど、その攻撃力2500がガイアに上乗せされるわ!!


『オォォォォ!!』
迅雷の龍騎士−ガイア:ATK2600→5100



「攻撃力5100だとぉ!?」

「此れで攻撃力はこっちが上……迅雷の龍騎士−ガイアで、バーニング・ラヴァ・ゴッドドラゴンに攻撃!『デュアル・ドラゴン・ランス』!!」

「さ、させるかよぉ!トラップ発動『爆炎葬』!!
 相手モンスターの攻撃宣言時に発動!そのモンスターを破壊し、相手に500ポイントのダメージを与える!
 コイツで返り討ちだぜぇ!!」


そこまで読んでたわけか…でも、シルバー・ウィンドの効果はその上を行く!
シルバー・ウィンドは1ターンに1度、カード1枚を選択し、選択したカードを破壊から護る!
『守護の風盾』でガイアを護って!!


任せろ。


そしてこの効果を受けたモンスターは攻撃力が500ポイントアップする!!


迅雷の龍騎士−ガイア:ATK5100→5600


「んだとぉ!?ぐおぉぉぉわぁぁぁぁ!!!」
ムクロ:LP4000→1700


「此れで終わりよムクロ!アタシの渾身のフォールを叩き込む!
 輝天龍 シルバー・ウィンドで、ムクロにダイレクトアタック!!駆け抜けろ『シューティング・ストリーム』!!!!」

終わりだ…!


――キュゴアァァァッァァァァァ!!!


「うおわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ムクロ:LP1600→0


『決まったーーー!!1回戦のラストデュエルを制したのは、サテライトの女帝・上条遊里ーーーー!!
 だが、負けたとはいえムクロも見事なデュエルを見せてくれた〜〜!!
 強豪集う大会の、1回戦のトリに相応しい手に汗握る素晴らしいデュエルだったぞ〜〜〜!!!!!』


「「「「「「「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」」」」」」


あはは…すっごい大歓声。
まぁ、私もムクロも手加減なしの本気だったらからね…本気のデュエルは見てるだけで熱くなるもの。

で、大丈夫ムクロ?立てる?


「おうよ…如何って事ねぇが…効いたぜお前のフィール。
 へ、絶対王者以外にもリベンジする相手が増えちまった――俺に勝ったんだ、絶対に優勝しろよ?」

「えぇ、言われなくともその心算。
 其れに優勝しなくちゃ、アタシの目的は果たせないもの。」

「オメェも俺と同じく絶対王者が狙いか………頑張れよぉ?」


うん!
楽しいデュエルをありがとうムクロ――何時かまたデュエルしましょうね?


「おうよ!そん時は俺が勝たせてもらうぜぇ!」

「あら?次やるときも勝つのはアタシよ?」

「ほざくじゃねえか!」

「人の事言える?」


「「…………ぷっ!」」


「あはははははははははは♪」

「ひゃ〜っはっはっはっはっは!!」



なんか、此れって只の意地の張り合いよね?
可笑しいったらないわ――でも、此れだけは誓うわ…この大会、アタシは絶対優勝する。

そして絶対王者――ジャックにも勝つ!勝って見せる!!


「おう…見せてもらうぜ!」


確り見ていなさい!



さてと、此れで1回戦は全部終了。
2回戦は明日……でも、此れは2回戦も只では終わりそうにないわね…

でも、何が起ころうと、誰が相手だろうと必ず勝って見せる!
明日の2回戦が、今から楽しみになってきたわ…!













 To Be Continued… 






登場カード補足



バーニング・ラヴァ・ゴッドドラゴン
レベル9    炎属性
ドラゴン族・融合/効果
「バーニング・ラヴァ」と名の付くモンスター×3
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。1ターンに1度、自分のターンのメインフェイズに発動できる。
相手モンスター1体を墓地に送り、相手に墓地に送ったモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える。
相手モンスターを戦闘で破壊した場合、このカードの攻撃力は400ポイントアップする。
ATK3300    DEF2800



バーニング・ラヴァ・ゴーレム
レベル7    炎属性
悪魔族・シンクロ/効果
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードの攻撃力は自分の墓地の「バーニング・ラヴァ」と名の付くモンスターの数×200ポイントアップする。
このカードが相手モンスターを戦闘で破壊した時、相手に1000ポイントのダメージを与える。
ATK2400    DEF2000



バーニング・ラヴァ・ソニック
レベル4    炎属性
炎族・効果
このカードの召喚に成功した時、自分フィールド上のこのカード以外の「バーニング・ラヴァ」と名の付くモンスター1体を選択して発動する。
自分のスピードカウンターを選択したモンスターのレベル、またはランクの数だけ増やす。
ATK500    DEF1500



バーニング・ラヴァ・スピリット
レベル3    炎属性
炎族・チューナー
自分フィールド上に「バーニング・ラヴァ」と名の付くモンスターが2体以上表側表示で存在する時、このカードは手札から特殊召喚できる。
ATK600    DEF1200



バーニング・ラヴァ・アルテミス
レベル4    炎属性
天使族・効果
このカードが相手のカード効果によって破壊された場合、相手に700ポイントのダメージを与える。
ATK1800    DEF0



バーニング・ラヴァ・ギルガメス
レベル4    炎属性
戦士族・効果
このカードが相手モンスターの攻撃によって破壊された場合、相手に800ポイントのダメージを与える。
ATK1600    DEF400



Sp−スピード・フュージョン
スピードスペル
自分のスピードカウンターが5個以上あるときに発動できる。
自分のフィールドか手札から融合モンスターによって決められた融合素材モンスターを墓地に送り融合モンスターを融合召喚する。



瀬戸際の同調
通常罠
自分のライフが0になる攻撃を受けるときに発動できる。
その攻撃を無効にし、エクストラデッキからレベル7以下のシンクロモンスター1体を選択して特殊召喚する。



揺らめく爆炎
通常罠
自分フィールド上の炎属性モンスターが攻撃対象になった時に発動できる。
その攻撃対象を自分フィールド上の他の炎属性モンスターに変更する。



飛んで火に入る夏の虫
通常罠
発動ターン、相手は自分フィールド上に表側表示で存在する炎属性モンスターを攻撃しなくてはならない。



爆炎葬
通常罠
相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
攻撃モンスターを破壊し、相手に500ポイントのダメージを与える。



ダビデスター・バインド
永続罠
相手モンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターは守備表示になり、表示形式は変更できずモンスター効果は無効になる。