Side:遊里


 「遊里よ…お前何をして居る?」

 「何って、見ての通り観戦しながら食事中だけど?」

 「そんな事は見れば分る!一体何を食べているのか聞いているのだ!!」


 へ?激辛チリドックと、激辛フライドチキンと、激辛フライドポテトだけど?
 ソレがどうかした?あ、ジャックも食べる?


 「要らんわ馬鹿者!!見て居るだけで胃が痛くなるぞそのメニューは!!極度の辛党かお前は!?」


 ん~~…辛党で甘党かも。
 激辛も極甘もどっちも行けるクチかな~~?あ、お姉さん、極甘揚げパンくださ~い♪


 「良く分った…お前の味覚は常人には理解出来んのだな…」

 「まぁ、ソレは否定しない。」

 アタシの味覚は特殊だって自覚はしてるから。
 けど、好きな物は好きだからしょうがないでしょ?


 「まぁ、それで誰かが迷惑を被っているわけでもないしな。」


 なら無問題よ♪










 異聞・遊戯王5D's Turn11
 『女帝、いざ出陣!!』










 で、1回戦だけど、思った以上に良いデュエルが展開されてるわ。



 「ハーピィ・レディ1、ハーピィ・レディ2、ハーピィ・レディ3でダイレクトアタック!『トライアングル・エクスタシー・スパーク』!!」

 「ぐあぁぁぁぁぁ!!!」
 LP2400→0


 「ふふ、私の勝ちね♪」




 「ジャイアント・ボマー・エアレイドで、ジェムナイト・パールに攻撃!『デス・エアレイド』!」

 「そんな馬鹿なぁぁぁ!!」
 LP300→0



 孔雀麗とボマーは危な気なく1回戦突破。
 この辺はまぁ、予想の範疇よね。

 予想外だったのは…


 「あはははは!何よ、激弱いじゃない…消えなさいクズ…ヴェルズ・ウロボロスで、フレムベル・ウルキサスに攻撃!」

 「どわぁぁぁ!!!!」
 LP400→0



 アタシを嵌めた馬鹿まで1回戦突破したってことね。
 単に謀略めぐらすだけじゃなく、一応はデュエリストとしての鍛錬はしたって事か。
 最後にアカデミアで戦ったときよりは強くなってるみたい……負ける気は毛頭ないけど。

 で、1回戦も次でラスト。
 やっと出番だけど、組み合わせ的に残ってる同士だからインゼクター羽蛾とか勘弁してください…

 デュエリストは相手を選ばないって言っても、今回ばかりは選びたいわ、割と本気で。
 てか、アイツってライディングデュエル出来たんだ…


 「特注のDホイールらしいな…まぁ、オメェさんの敵じゃねぇだろ?
  虫なんぞバル○ン焚いて、さっさと駆除しちまえ。虫なんざ無視だ無視。」

 「牛尾のおっちゃん、そのギャグ寒いよ?」

 「んあぁ?結構言わねぇか此れ?」


 まぁ、結構聞くかな?
 けど、オヤジギャグは程々にね。

 「それじゃ、行って来るわ。」

 「おー!行って来い、サテライトの女帝!!絶対勝てよ?まぁ私等はお前が負けるとは思ってないけどな。」

 「頑張ってね遊里♪」


 任せなさい!遊里さんは簡単に負けないから!
 それに…

 「貴方のフィールをもう1度感じるまでは負ける事は出来ないからね。」

 「フン…お前を倒せるのは俺だけだ…さっさと勝ちあがって来い!」


 言われなくとも!
 さぁて…行くわよ!








 ――――――








 Side:???


 ちぃ、武者修行してたらエントリーから漏れるたぁな。
 如何にかして出場できねぇかと忍び込んだが…如何したもんだこれ?…ん?


 「ひょひょひょ…まぁ、あんなマーカー付き如き、僕の敵じゃないさ。
  精々僕が新たなキングになるための踏み台になってもらうだけだ。」

 「ソレは頼もしい…ですが、彼女はキングに勝ったデュエリスト…油断なさりませぬよう。」


 !?…絶対王者に勝っただと!?
 確か1回戦のラストにでてくるのは、上条遊里…

 コイツは確か…そうだ、アカデミア最強とか言われた奴だ!
 確かなにやらやらかしてサテライト送りになったと聞いてたが…絶対王者に勝っただと?

 此れは見逃せねぇ!!
 ワリィな蟲野郎……この嬢ちゃんとのデュエルは俺が受けさせてもらうぜ!!

 そうと決まれば…



 「それじゃあ僕は此れで。」

 「では、健闘を祈っていますよ…イ~ッヒッヒ!!」


 1人になったか…覚悟しやがれ!!
 おい、蟲野郎!!


 「ひょ?」

 「蟲は蟲らしく、炎に焼かれてあの世にいけやコラァァ!!」

 「ひょ~~~!?」








 ――蟲野郎をフルボッコ中だ、ちっと待ってろ。








 「むひょ~~ん…」

 「け、テメェなんざ引き篭もってるのがお似合いだぜ。
  大体、テメェじゃあの嬢ちゃんに瞬殺されて終いだろうが…1回戦のラストは派手じゃねぇといけねぇ!」

 ソレに相応しいデュエルをしようじゃねえか、遊里嬢ちゃんよぉ!!
 HA-HA!テンションが上がってきたぜ!!!








 ――――――








 Side:遊里


 『さぁ、1回戦のラストはお待ちかねのライディングデュエルだ~~!!
  戦うのは蟲の貴公子『インゼクター羽蛾』と、サテライトの女帝『上条遊里』だ~~!!
  1回戦最後のデュエルは一体どんな闘いになるのか!?ワクワクが止まらないぞ~~~~!!!』


 盛り上がってる盛り上がってる。
 やっぱりこういう雰囲気だとテンションが上がるわよね…相手に不満が残るけど。

 けどまぁ、やるからには手加減はしないわ。
 でも、コイツこんなに背が高かったっけ?気のせいかなぁ?


 『それではフィールド魔法『スピードワールド』セットオン!』


 ――ヴァン…


 『此れでフィールドはスピードに支配された!!使用できるのはスピードスペルのみ!
  Dホイールのスピードがそのまま魔力になる世界!さぁ、皆準備は良いか~~!!?』

 「「「「「「「「「「お~~~~~~~~!!!!」」」」」」」」」」


 さてと…行こうか相棒!
 全力で飛ばしていくわよ!!


 ――キィィン…!!


 うん、良い調子!


 ――ピ、ピ、ピ……ピーーーーーーーー!!!


 『ライディングデュエル、アクセラレーショ~~~~~~~ン!!!!』


 先攻は譲らない!!
 速攻で……って、思ったよりも速い!?
 けど待って…なにか、何かおかしいわ……貴方、本当に羽蛾なの!?


 「け、やっぱり嬢ちゃんにゃバレルか…まぁ、体格がちげぇから隠し通せるたぁ思ってねえけどよ。
  つーか、隠し通す気なんざハナッからねえけどなぁ!!」


 ――バッ!!!


 被ってたフード脱ぎ捨てて……って、貴方は炎上ムクロ!?
 まさか、入れ替わったって言うの!?


 「そのまさかよ!!あんな蟲野郎じゃ嬢ちゃんの相手は務まらねぇ!
  1回戦ラストデュエルは、野郎に代わって、この俺、炎上ムクロが相手になるぜ!!」


 此れは予想外の展開だわ。
 確かに貴方の方が羽蛾よりもずっと強いけど、でも此れってOKなの?


 『此れは如何言う事だ~~!?羽蛾がムクロに大変身!?
  と、ちょっと待ってくれ……OK!主催者側から了承が言い渡された~~!デュエルは続行だ~~~~!!』



 続行…ソレに越した事はないわ。
 不戦勝で1回戦突破なんて不満が残るもの。
 ふふ、それじゃあムクロ、楽しいデュエルをしましょうか!


 「おうよ!…ファーストコーナーは貰うぜ!!」

 「ソレは譲らないわ!!」

 ギリギリのデッドヒート……く、少しだけムクロのほうが速い…!
 そう…貴方もジャックとのデュエルを望んでるのね…今の競り合いで良く分ったわ。
 残念だけど、先攻は譲るわ。


 『先攻はムクロからだ~~!!それじゃあ行くぞ上条遊里vs炎上ムクロ、デュエル…スタートぉぉぉぉぉぉ!!!』


 「「デュエル!!」」


 遊里:LP4000   SC0
 ムクロ:LP4000   SC0




 「俺のターン!俺は『バーニング・ラヴァ・ハウンド』を攻撃表示で召喚!!」
 バーニング・ラヴァ・ハウンド:ATK1500


 「バーニング・ラヴァ・ハウンドの効果発動!
  コイツの召喚に成功した時、手札からレベル4以下の『バーニング・ラヴァ』を特殊召喚出来る!
  出番だぜ、『バーニング・ラヴァ・ウォリアー』!!」
 バーニング・ラヴァ・ウォリアー:ATK1500


 行き成り2体のレベル4モンスター…でもどっちもチューナーじゃないから狙いはランク4のエクシーズね。


 「行くぜ、俺は2体のレベル4炎属性モンスターをオーバーレイ!!
  燃え盛る炎を其の身に宿す、火山の化身、今こそ此処にその姿を現せ!エクシーズ召喚、大火事上等!『バーニング・ラヴァ・ケルベロス』!!」

 『ウォォォォォォン!!!』
 バーニング・ラヴァ・ケルベロス:ATK2500



 初っ端から攻撃力2500のランク4エクシーズとは魅せてくれるじゃない?
 此れはこのデュエル、楽しめそうだわ!


 「おうよ、楽しむためにゃ全力は惜しまねぇ!俺はカードを1枚セットしてターンエンドだ。」


 そうよね、全力は基本よね!…アタシのターン!!


 遊里:SC0→1
 ムクロ:SC0→1




 「相手フィールドにのみモンスターが存在する場合、『ジャンク・フォアード』を特殊召喚出来る!」
 ジャンク・フォアード:DEF1500


 そしてチューナーモンスター『クイック・スパナイト』を召喚!


 クイック・スパナイト:800


 「折角魅せてくれたんだもの、ソレには応えるわよムクロ!
  レベル3のジャンク・フォアードに、レベル3のクイック・スパナイトをチューニング!
  闇夜に星が集うとき、それは虚空を切り裂く雷鳴となる。光射す道となれ!シンクロ召喚、貫け『雷光の魔王 スカル・デーモン』!!」

 『ガァァァァァァ…!!!』
 雷光の魔王 スカル・デーモン:ATK2500



 クイック・スパナイトがシンクロ素材になった事で、バーニング・ラヴァ・ケルベロスの攻撃力は500ポイントダウンするわ。


 バーニング・ラヴァ・ケルベロス:ATK2500→2000


 「攻撃力ダウンか……」

 「此れで攻撃力はこっちが上ね?
  バトル!スカル・デーモンで、バーニング・ラヴァ・ケルベロスに攻撃!『魔光滅雷』!!!」

 『グオォォォ!!!』


 ――バガシャァァ!!



 「ヒャッハー、そうはいかねぇ!ケルベロスの効果発動!
  俺の場の『バーニング・ラヴァ』が攻撃対象になった時、こいつのオーバーレイユニットを1つ取り除いて発動!
  その攻撃を無効にし、相手に500ポイントのダメージを与えるぜぇぇ!!」


 何ですって!?きゃぁぁぁあぁぁ!!!


 遊里:LP4000→3500


 くぅ…結構効いたわ。
 本気で燃えるような、熱いフィールじゃない……!

 此れは本気で燃えてきたわ…カードを1枚伏せてターンエンド!


 先手は取られたけど、デュエルはマダマダこれからよ…!!















  To Be Continued… 






 登場カード補足



 バーニング・ラヴァ・ケルベロス
 ランク4    炎属性
 炎族・エクシーズ/効果
 炎属性レベル4モンスター×2
 自分フィールド上の「バーニング・ラヴァ」と名の付くモンスターが攻撃対象になったときにこのカードのオーバーレイユニットを1つ取り除いて発動する。
 その攻撃を無効にし、相手に500ポイントのダメージを与える。
 このカードが破壊された時、相手に500ポイントのダメージを与える。
 また、オーバーレイユニットを持つこのカードが破壊された場合、相手に700ポイントのダメージを与える。
 ATK2500    DEF1300



 バーニング・ラヴァ・ハウンド
 レベル4    炎属性
 炎族・効果
 このカードの召喚に成功した時、手札からレベル4以下の「バーニング・ラヴァ」と名の付くモンスター1体を選択して特殊召喚出来る。
 ATK1500    DEF1000



 バーニング・ラヴァ・ウォリアー
 レベル4    炎属性
 戦士族・効果
 このカードはバトルフェイズ中のみ、攻撃力が自分フィールド上の炎属性モンスターの数×200ポイントアップする。
 ATK1500    DEF0