Side:はやて


一撃必殺のデュエルをするデュエリストやと?…そないなトンでもないのがジェネックスに参加しとるんかい?
まぁ、一撃必殺の定義は人様々やけど――その一撃必殺を極めたと言うデュエリストには興味があるなぁ……可能なら戦ってみたいモンやで。


「だけど、そいつの詳細は不明で、今までに戦った相手は全員が病院送りって……流石にちっとやばくない?」

「……病院送りは確かにな…せやけど裕奈も『一撃必殺のデュエル』には興味覚えたやろ?」

「そりゃ当然でしょ?未知の戦術にワクワクしないデュエリストなんて居ないんじゃねぇ?」


至言やね……デュエリストたる者、未知の戦術との出会いがあるとなれば黙ってる事は出来へんからな……よし決めた!
私がそいつとデュエルしてみるわ!異論は認めへん!!

「其れに『一撃必殺』ってのも良い響きやしなぁ……ワクワクしてくるやないの。」

「まぁ、どんな一撃必殺も、なのはの『一撃必殺』の前には霞むけどね~~~~…」


あ~~~…まぁ、其れ言ったらアカンて、なのはちゃんの本気の一発はホンマに『必殺』やからね。


いつ何時でも全力全壊は基本だよ?


そのせいでピンクがトラウマになった隊員が結構居ったんやけどね……まぁ、言ったら沈むから言わへんけど。
取り敢えず、件のデュエリストを探すとしよか?















遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX99
『一撃必殺?寧ろ全力全壊!』












とは言え、詳細不明のデュエリストを探すんは楽やないから、そいつとデュエルした生徒をとっ捕まえて事情聴取。
ふむふむ…名前は橘でノース校出身のデュエリストか……そいつと戦ったて言う絵の腕に覚えのある子に似顔絵描いてもろたんやけど…

「まるでプロかと思う程の画力やな。こんだけ特徴のある人やったらすぐに見つかりそうやね。」

「この似顔絵がマジだとしたら、どうなってんだろコイツの髪型って……セット用のジェル相当使ってそう。」


せやなぁ、この前髪は殆ど角やしね。1回の髪の毛セットにジェル1本使こてるて言われても信じてまいそうな感じや。
それでドナイや、シャマルに和美ちゃん?この似顔絵の人は見つかったか?


え~~と…はい、見つけました!

ブルー寮の近くでデュエル開始……あ、元青がワンターンキルされた。成程確かにこりゃ一撃必殺だわ。

「「早!!」」


開始直後にワンターンキルて、幾ら何でも早すぎやろ!?ナンボ一撃必殺言うても有り得へんのと違う!?
シャマル、毎度おなじみ『旅の鏡』で其処に転送して!如何にもこの一撃必殺には『裏』がありそうな気配や…!!


は~~い、お任せ~~~♪



――シュン



で、目的地に一瞬で到着や。


「ガチで便利だよね旅の鏡って……ある意味シャマルは最強キャラ…」

「まぁ、バックスでは間違いなく最強やで?
 と、其れは其れとして……確かに似顔絵そのままやな?……アンタが橘君でえぇのかな?」

「む…お前達は!…八神はやてと明石裕奈……アカデミア本校でも5本指に入るデュエリストと聞いている。」


お?なんや、私等の事知ってるんか?……随分と私等も有名になったみたいやで裕奈?


「名が知られてるってのは悪い事でもねーでしょ?そんだけデュエルの腕前が良いって事でもあるからさ。」

「そうだ…お前達は強い。遊城十代と万丈目準も………俺はお前達が羨ましかった……絶大なドロー力を持つお前達が!
 ノース校では本校でのデュエル映像も流される事があるが、お前達はどんなデュエルでもここ一番で最上のカードを引き当てた!
 俺には、其れが羨ましかった……如何あってもドロー力に恵まれない俺には…」


ドロー力に恵まれんて……ドロー力に恵まれてるから、ワンターンキルの一撃必殺が出来てるんと違うの?
開始早々ワンターンキルなんて余程のドロー力がないと出来ん芸当やと思うけどなぁ?


「出来ない……だから俺はノース校の禁忌に触れて、死神のカードと契約し、圧倒的なドロー力を身に付けた!
 俺を見下し、馬鹿にした奴等を叩きのめすために!!」


んな、死神のカードやと!?どんな代物かしらんけど、碌でもないモノやって事だけは分かるで!?


我が主…彼からは凄まじい闇の力を感じます。
 恐らくは其れが死神のカードの力なのでしょうが……この力を使い続ければ、彼の魂は死神に喰らい尽くされて死んでしまいます!

「なんやと!?」

「マジっすか……闇のカード以上の代物じゃんよ…!!」


デュエルに勝ちたくて、自分の魂を死神に売り渡したんかい―――このドアホッタレ!!
何ぼ勝ちたいからって、命を対価に差し出す奴が居るか!!自分の命は大切にせなアカンやろが!!


「ウルサイ!俺は此れで最強の力を得られたんだ!…命など惜しくない!!」

「この馬鹿モンが………私とデュエルや橘!目を覚ましたるわ!!……えぇよね裕奈?」

「OKっすよ……命を粗末にしようとしてる馬鹿に、煉獄の鉄槌下してやれ!!」


了解や!…さぁ、如何する?デュエルを受けるか?


「お前達に勝てば俺は更に……良いだろう、そのデュエル受ける!!」

「今の内に覚悟決めときや……私のデュエルは激しいからな?」

ほな行くで!


「「デュエル!!」」


はやて:LP4000
橘:LP4000



先攻は貰うで?私のターン!!
私は『インフェルニティ・ガーディアン』を守備表示で召喚。


インフェルニティ・ガーディアン:DEF1700


カードを1枚セットしてターンエンドや。


「俺のターン!手札より魔法カード『女神の誘惑』を発動。
 相手の手札を確認し、その中のレベル4以下のモンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する…手札を見せて貰おうか?」


私の手札を確認してモンスターを特殊召喚させる効果やと?…何を狙ってるのやら…


「モンスターは2体か…では、『インフェルニティ・デーモン』を特殊召喚して貰おう。」


インフェルニティ・デーモン:ATK1800


く…手札が0じゃないとデーモンは特殊召喚されても意味がない……ハンドレス状態になってない事を利用されたな…


「更に魔法カード『女神の悪戯』
 相手の手札を確認し、魔法カード1枚をフィールドに伏せさせる!…『煉獄の宝札』を伏せてもらおうか。」


又しても私のカードをフィールドに……此れで私のフィールドには4枚のカードが――一体何をする心算なんや?


「そして魔法カード『一撃必殺!居合いドロー』を発動!
 フィールド上のカードの枚数だけ、俺のデッキのカードを墓地に送ってカードを1枚ドローする。
 そのカードが『一撃必殺!居合いドロー』だった場合、相手フィールドのカードを全て破壊し、破壊したカードの数×1000のダメージを与える!」


!!そのために私のフィールドのカード枚数を4枚に!
確かに此れが決まれば私のフィールドは全壊して、4000のダメージを喰らってゲームエンドや。

普通に考えれば、居合いドローを3枚入れてたとしても、ドロー出来る確率は1ターン目では2/30…1/15やから確率は高くはない。
せやけど死神の力を得ている状態やったら、100%ドロー出来る言う事か!!


「ドロー!!……引いたカードは『一撃必殺!居合いドロー』!!」

「やっぱりか…せやけどそう簡単にはいかへんで?
 トラップ発動『インフェルニティ・インフェルノ』!手札を2枚まで捨てて、デッキから捨てた枚数分の『インフェルニティ』を墓地に送る!
 私は残る2枚の手札を墓地に送り、デッキから『インフェルニティ・ネクロマンサー』と『インフェルニティ・シャーマン』を墓地に送る!」


此れで私の手札は0!…煉獄への門が開いたで?
インフェルニティ・ガーディアンは、手札が0の時には破壊されへんモンスターや!つまり居合いドローの効果では破壊されへん!
チェーン発動でもインフェルニティ・インフェルノは破壊されるからあれやけど……兎に角一撃必殺だけは無効にしたで?


はやて:LP4000→1000


「凌いだか…死神の力を手に入れてから、此れを防いだのはお前が初めてだ。『必殺!居合い抜き剣豪』を守備表示で召喚してターンエンド。」
必殺!居合い抜き剣豪;DEF1200


「私のターン!」

よし!良い引きや……『インフェルニティ・エクソシスト』を召喚!


インフェルニティ・エクソシスト:ATK0


「インフェルニティ・エクソシストは手札0で召喚、特殊召喚に成功した時、墓地の『インフェルニティ』1体を効果を無効にして特殊召喚できる!
 私はこの効果で、墓地からレベル3の『インフェルニティ・シャーマン』を特殊召喚するで!」
インフェルニティ・シャーマン:DEF800


ほな行くで?
レベル4のインフェルニティ・ガーディアンとレベル1のインフェルニティ・エクソシストに、レベル3のインフェルニティ・シャーマンをチューニング!
煉獄の奥底で胎動する黒き力よ、その封印を打ち破りここに顕現せよ!シンクロ召喚、『煉獄魔龍 ワンハンドレッド・アイ』!!


『ギシャァァアァァ!!』
煉獄魔龍 ワンハンドレッド・アイ:ATK3000



マダマダこんなもんやないで?
インフェルニティ・シャーマンは、手札が0の時、墓地のカードでシンクロ召喚をこなう事が出来るモンスターや!


「なに!?…と言う事は…」

「私はインフェルニティ・デーモンとインフェルニティ・エクソシスト、そしてインフェルニティ・シャーマンをゲームから除外してチューニング!
 煉獄に、虚空を切り裂く雷鳴が轟く!シンクロ召喚、金の閃光『インフェルニティ・ヴァルキリー-フェイト』!」

えと…頑張ります!!
インフェルニティ・ヴァルキリー-フェイト:ATK3000


「1ターンで攻撃力3000が2体だと!?」


此れがハンドレスコンボの真骨頂やで?で、此処からが煉獄の真の力や!
ワンハンドレッド・アイは手札が0枚の時、墓地のインフェルニティを除外する事で、このデュエル中除外したモンスターの効果を得る!
私は『インフェルニティ・ガーディアン』を除外し、ワンハンドレッド・アイは不死の能力を得るで!


「不死の攻撃力3000だと!?」

「バトルや!先ずはフェイトちゃんで、居合い抜き剣豪に攻撃!!」

覇ぁぁぁぁあぁぁぁ!サンダーレイジ!!


――バチィィィィィィ!!!


「ぐ…だが、居合い抜き剣豪が破壊された時、墓地の『一撃必殺!居合いドロー』1枚を手札に加えられる!」


特定カードのサルベージ効果か…せやけど此れでアンタのフィールドはがら空きや!
煉獄魔龍 ワンハンドレッド・アイでダイレクトアタック!『インフィニティ・サイト・ストリーム』!!


――ドゴォォォォォォ!!


「ぐわぁぁぁぁぁ!!!」
橘:LP4000→1000



ターンエンドや!


「俺のターン!……今の一撃は効いたが此れで終わりだ!俺が居合いドローを発動すれば、お前のライフは0になる!」

「効果が成立すればそうやろな……やけど1つ問うで?……死神の力に頼ってデュエルに勝って…其れでホンマに満足なんか?」

「!?」


その居合いドローでの必殺コンボは、確かに決まれば爽快やし、相手も驚く事は間違いない。
せやけどそのコンボも、死神の力で強化されたドロー力で使われたんじゃ、驚きも興奮も半減どころの話やないで?……ハッキリ言って興醒めや。


アンタは、一体どんな気持ちでこのコンボ思いついたの?…相手を驚かせたくて、ロマンを求めてデッキ組んだんやないの!?


「!!……そうだ、俺は!!俺はロマンを求めてこのコンボに辿り着いたんだ!
 例えバランスが悪かろうとも、このコンボが決まった時は相手がビックリする……俺は其れを求めていた!!」


やっぱり……思い出したみたいやね。――せやったら、アンタが何をすべきかは分かるやろ?


「俺は…死神の力に等頼らない!!」


――ガシィィン!


「デュエルディスクを右腕に!…死神のドローと決別したのね!」


みたいやな……さぁ来いや橘!アンタのホンマモンのドロー力を見せて貰おうやないの!!


「応!魔法カード『一撃必殺!居合いドロー』を発動!!……ドロー!!!
 ……ありがとう、カード達よ……俺が引いたカードは『一撃必殺!居合いドロー』!これでお前のフィールドを破壊する!」


土壇場で真の力に目覚めたか……やけど其の効果も通さへん!
墓地の『インフェルニティ・ビショップ』の効果をフェイトちゃんに適応し、フェイトちゃんはこのターン破壊されへん!
そしてワンハンドレッド・アイもまた、インフェルニティ・ガーディアンの効果を得て居る事で破壊はされん……私のライフは削れへんよ。


「またしても躱されちまったか…『絶対防御侍』を守備表示で召喚し、カードを1枚セットしてターンエンド。」
絶対防御侍:DEF1800


「私のターン!……!!!橘…このデュエル、このターンで終わらせるで!
 手札から魔法カード『煉獄の同調術』を発動!
 手札が0枚の時、デッキからチューナー1体とチューナー以外のモンスターを任意の枚数ゲームから除外する事でモンスターをシンクロ召喚する!」

私はデッキからインフェルニティ・アーチャーとインフェルニティ・ミラージュ、そしてチューナーのインフェルニティ・ビートルを除外してチューニング!
来よ、夜の帳。煉獄に響け終焉の笛!シンクロ召喚、祝福の風『煉獄騎 リインフォース・アインス』


お供いたします、我が主…
煉獄騎 リインフォース・アインス:ATK2700


アインスの効果発動!手札0でシンクロ召喚に成功した時、相手の手札、フィールド、墓地のカードを合計3枚除外できる。
この効果で、アンタのフィールドの絶対防御侍と伏せカード、そして手札1枚を除外するで…


「!!そんな効果が……フィールドががら空きになっちまったな…」

「此れで終いや!アインス!!」

技を借りるぞテスタロッサ?

うん、思い切りやってあげて。

あぁ……撃ち貫け!フォトンランサー・ジェノサイドシフト!!


――ドガババババババババッバババッババババッババババッバババババババ!!!


「ぬおわぁぁぁぁぁぁ!!!!」
橘:LP1000→0(Over Kill)


私の勝ちやな?…此れで満足や。


「お疲れはやて!さっすが私の嫁!」

「まぁ、私の旦那の前で恥ずかしいデュエルは出来へんからね♪
 さてと…橘、死神のカードを渡して貰ってもええかな?…そのカードはこの世に存在していて良いモンとちゃうからね…」

「あぁ…言う通りにしよう…」


……うん…確かに邪悪な力が宿ってるな…此れは滅せなアカン!……ほな、せぇの!!!


――ポイ


「裕奈!!」

「オーライ!一撃必殺!ディバインバスター!!!!」


――ドゴォォォォン!!!


おぉ…なのはちゃん直伝の必殺魔砲やな……死神のカードも一撃で消滅とはお見事や。
けど、此れで二度と死神の力に誰かが惑わされる事はあらへん――アンタも気分スッキリしたやろ?


「あぁ…とても清々しい気分だ――ふふ、少しデッキを造り変えよう…そして今度は俺だけの力で何れ挑戦させてもらうぞ。
 俺の本当の望みを思い出させてくれてありがとうよ……何時の日か、またデュエルをしてくれ。」

「えぇよ…何時でも掛かってくると良い――私だけやなくて、裕奈も十代も準も、何時でもデュエルには応じるさかいな。」

「そうそう!本物のデュエリストとのデュエルならいつ何時でも大歓迎だっぜ!」

「…己を高めて何時の日か必ずまた、俺はお前達に挑む!…待っていてくれよ?」


了解や!……真に己のデュエルを見つけたアンタとのデュエル…何時か楽しみにしてるからな♪
















 To Be Continued… 






*登場カード補足



必殺!居合い抜き剣豪
レベル3    炎属性
戦士族・効果
このカードが破壊された時、自分の墓地の「一撃必殺!居合いドロー」1枚を選択して手札に加える。
ATK200    DEF1200



絶対防御侍
レベル4    地属性
戦士族・効果
このカードは攻撃力1900以上のモンスターとの戦闘によっては破壊されない。
ATK1200    DEF1800



煉獄の同調術
通常魔法
自分の手札が0枚の時、デッキからチューナー1体とチューナー以外のモンスターを任意の数選択してゲームから除外する。
除外したモンスターのレベル合計と同じレベルのシンクロモンスター1体を選択し、シンクロ召喚扱いで特殊召喚する。



女神の誘惑
通常魔法
相手の手札を確認する。
その中にレベル4以下のモンスターが存在する場合、その中から1体を選択して相手フィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する。



女神の悪戯
通常魔法
相手の手札を確認する。
その中に魔法カードが存在する場合、そのカードを1枚選択して相手フィールド上の魔法&罠カードゾーンにセットする。



一撃必殺!居合いドロー
通常魔法
フィールド上のカードの枚数だけ自分のデッキの上から カードを墓地に送り、カードを1枚ドローしてお互い確認する。
そのカードが「一撃必殺!居合いドロー」だった場合、そのカードを墓地に送り、 フィールド上のカードを全て破壊する。
破壊して墓地に送ったカード1枚につき、相手に1000ポイントのダメージを与える。このカードの発動と効果は無効化されない。