No Side
ジェネックスの熱気はアカデミア島全土を巻き込んでいると言っても過言ではないだろう。
島のいたるところで熱の入ったデュエルが展開されているのだ。
「テンメェ…あの時の借りを返してやるぜ!!」
「やってみろよ、出来るならな!」
あるところでは因縁のデュエルが展開され、
「魔王ディアボロスでダイレクトアタック!!」
「みぎゃあぁぁぁ!!!」
白くなった青:LP0
また別の場所では、レッド生による白の粛清兼下剋上が行われていたり…
「まさかお前が此れに参加してるたぁ驚いたぜコウ?」
「お前が言うか?俺的には一介のカード屋店長に過ぎないお前が此れに参加してる方に驚いてるんだがな?」
「ま、俺もそれなりって事よ――だが、久々のお前とのタッグだからな…全力で行くぜ!
トラップカード『メタル化-魔法反射装甲』!コイツをコウの『月光のシルバー・フォング』に装備するぜ!」
月光のシルバー・フォング:ATK2500→2800
「そして、メタル化を装備したコイツをリリースして、デッキから『フルメタルシルバー・フォング』を特殊召喚する!」
フルメタルシルバー・フォング:ATK2900
旧知の仲でのタッグが結成されて、予想外の無双っぷりを発揮したりと、兎に角普通ではあり得ないようなハイレベルデュエルが展開されていた。
そんな中で、此処にも此れからデュエルを行おうと言う者が。
1人はプロデュエリスト――そしてもう1人は、オベリスクブルーのトップに君臨する最強の龍使い、万丈目準だった。
遊戯王×リリカルなのは×ネギま 夜天と勇気と決闘者 GX97
『龍使いの真髄を見せ付けろ』
Side:万丈目
よもや、プロデュエリストからの挑戦を受けるとは思わなかったが、此れは願ってもない機会だな。
だが、何故俺を選んだ?プロの眼鏡にかなうようなデュエリストは他にも居ると思うが?
「依頼だからな――斎王琢磨とやらからの。
お前を倒せば、相当額の報酬が俺には支払われる。それこそプロでの試合1試合のギャラの数倍の報酬がなぁ!!」
「!!」
コイツ…光の結社の刺客だったのか!
それ以上に、プロデュエリストのくせに傭兵だと?……金欲に目が眩んだか、三流め。
「あん?三流だと?」
「金欲に負けた愚か者を三流と言って何が悪い。
真なるデュエリストとは、金や名誉ではなく己のデュエルに対する誇りを貫き通して高みを目指すためにデュエルをする者だ。
其れが金欲に目が眩み、とるに足らないカルト集団の長の依頼を受けて俺にデュエルを仕掛けるなど愚の骨頂だ!」
お前如きでは俺を倒す事など出来ん――絶対にな!
「ほざくじゃねえかガキが――ならよ、味わって見るかプロの洗礼をよ!
このドラゴン使いの『ドラゴン龍己』に歯向かった事を後悔させてやるよクソガキがぁ!!」
「貴様もドラゴン使いだと?……ならば尚の事俺は負ける事は出来ん!――龍を従えると言うのは如何言う事かをお前に教えてやる!!」
そして目に焼き付けろ…真のデュエルと言うモノをな!!
「「デュエル!!」」
万丈目:LP4000
龍己:LP4000
先攻は貰う!俺のターン!……悪くない手札だな。俺は『プラズマ・ドラグーン』を召喚!
プラズマ・ドラグーン:ATK2000
「先攻ターンは攻撃できないからな、カードを1枚伏せてターンエンド。」
「俺のターン!『アレキサンドライドラゴン』を召喚!」
アレキサンドライドラゴン:ATK2000
「更に装備魔法『ミスト・ボディ』をアレキサンドライドラゴンに装備!此れで俺のモンスターは戦闘で破壊されなくなった!!」
共に攻撃力は2000…一方的に俺のモンスターだけを葬る心算か?…悪い手じゃあないが…
「バトルだ!アレキサンドライドラゴンでプラズマ・ドラグーンに攻撃!!」
――ガシャァァン!!
攻撃力は同じだから俺にダメージはない…だが、貴様が破壊したプラズマ・ドラグーンの魂は新たな龍を呼び寄せる!
トラップ発動『竜の絆』!
俺の場のレベル4以下のドラゴンが戦闘によって破壊された時、デッキか手札からレベル4以下のドラゴンを特殊召喚する。頼むぞ『ウィッシュ・ドラゴン』!
ウィッシュ・ドラゴン:ATK700
「ち…上級モンスター用のリリースを確保したか…カードを1枚セットしてターンエンドだ。」
「俺のターン!」
ウィッシュ・ドラゴンの効果発動。
このカードをリリースし、俺のフィールド上に攻守100の『ドラゴン・トークン』を2体特殊召喚する!
ウィッシュ・ドラゴン:ATK700
↓
ドラゴン・トークン:ATK100(×2)
「そして、この2体のドラゴン・トークンをリリースし――深淵の闇より現れろ『ダーク・エンド・ドラゴン』!!!」
『ガァァァァァァァァァ!!』
ダーク・エンド・ドラゴン:ATK2600
ダーク・エンドの効果発動!攻守を500下げ、相手モンスター1体を墓地に送る!『ダーク・フォッグ』!!
ダーク・エンド・ドラゴン:ATK2600→2100
「く…ミスト・ボディは効果には対応していないからな…やるな学生の分際で!!」
「デュエルに身分は関係ないだろう――真に強い者が勝つのがデュエルだ、プロアマを問わずにな。
バトル!ダーク・エンド・ドラゴンでプレイヤーにダイレクトアタック!!『ダーク・イヴァポレイション』!!!」
――ドォォォォォォォ!!
「ぐわぁぁぁぁ!!!」
龍己:LP4000→1900
未だだ!速攻魔法『表裏一体』!
闇属性のダーク・エンドをリリースし、手札から光属性のモンスターを特殊召喚する!閃光と共に現れろ『ライト・エンド・ドラゴン』!!
『キシャァァアァァァ!!』
ライト・エンド・ドラゴン:ATK2600
此れで終わりだ!ライト・エンドでダイレクトアタック!!
「そうはさせるかよ!!トラップカード『光来する巨竜』!コイツで手札のレベル6以上のドラゴンを特殊召喚だ!来い『ダーク・ホルス・ドラゴン』!!」
ダーク・ホルス・ドラゴン:ATK3000
攻撃力3000のドラゴン…だが、ライト・エンドの前では攻撃力3000も無力と知るんだな!
ライト・エンドの効果!攻守を500ポイント下げ、相手モンスター1体の攻撃力を1500ポイントダウンさせる!『ライト・イクスパンション』!
ライト・エンド・ドラゴン:ATK2600→2100
ダーク・ホルス・ドラゴン:ATK3000→1500
消え去れダーク・ホルス!!ライト・エンド・ドラゴンの攻撃!!『シャイニング・サプリメイション』!!!
――キュバァァァァァァ!!!
「どわぁぁぁぁぁあ!!!」
龍己:LP1900→1300
カードを1枚セットしてターンを終了する。
……まるで歯応えがないな――所詮は金欲に目の眩んだ三流ではこの程度か…
「俺のターン!!…くく!!クハハハ!コイツは良いカードを引いたぜ!
魔法カード『クロス・ソウル』!コイツでお前のライト・エンドをリリースし、『ヘルカイザー・ドラゴン』をアドバンス召喚!!」
ヘルカイザー・ドラゴン:ATK2400
俺のモンスターをリリースしての上級ドラゴンか?
だが、クロス・ソウルを発動したターンはバトルを行えない――次のターンで俺はそのモンスターを超える!
「ほざくなぁ?やってみろよ!!出来るならな!!ターンエンド!」
俺のターン!
手札から魔法カード『大天使の施し』を発動!
互いのプレイヤーは、デッキからカードを3枚ドローし、その後手札を2枚捨てる。
3枚ドローし、2枚を捨てる……そして、この瞬間、捨てた2枚の内の1枚『混沌の爪牙』の効果が発動する!
このカードが墓地に送られた時、デッキから『光と闇の竜』1体を選択して手札に加える。
「更にリバースカードオープン『不死の竜』!
俺の墓地のドラゴン1体を特殊召喚する!甦れ『ウィッシュ・ドラゴン』!!」
ウィッシュ・ドラゴン:ATK700
そしてマジックカード『フォース』を発動し、お前のモンスターの攻撃力を半分にしてその数値をウィッシュ・ドラゴンの攻撃力に加える!
ヘルカイザー・ドラゴン:ATK2400→1200
ウィッシュ・ドラゴン:ATK700→1900
「こ、此れはまさか!!」
「そのまさかだ!ウィッシュ・ドラゴンの効果を発動し、2体のドラゴン・トークンを俺のフィールドに呼び出す!!」
ウィッシュ・ドラゴン:ATK1900
↓
ドラゴン・トークン:ATK100(×2)
「此れで終焉だ!2体のドラゴン・トークンをリリースし、光と闇の狭間から現れろ――俺の最強のドラゴン!『光と闇の竜』招来!!」
『ショアァァァァアァ!!!!』
光と闇の竜:ATK2800
「ら、ライトアンドダークネス…!!」
「目先の利益に眩んだその目を覚まして来い!
ラストバトル!光と闇の竜で、ヘルカイザー・ドラゴンを攻撃!『ダーク・バプティズム』!!」
『カァァァァァァ!!』
――ゴガバァァァァァァァァァァン!!!!!
「どぶべぁぁぁぁあぁああ!?」
龍己:LP1300→0
ふぅ…終わってみればパーフェクト勝利だと?――如何やらこいつはプロでもあまりランキングは高くないようだ。
プロランキングの上位にいるデュエリストが相手だったならば、こう簡単には行かないだろうからな。
だが、光の結社がプロデュエリストまで刺客として使えるとなると厄介な事は間違いないな――十代達にも連絡を入れておくか。
しかし、光の結社……もとい斎王は一体何を考えているんだ?
己の結社の勢力拡大と言うだけで此れだけの事をするか普通?……何か、もっと別な目的が有ると思うのは俺の邪推なのか?
俺の邪推と只の嫌な予感であれば其れで良いんだが――このジェネックス中に『確実』に何かが起こるだろうと言う漠然とした予感は…消えてくれないな。
――――――
No Side
この様に全土でデュエルが繰り広げられているアカデミア島に、1隻の船が入港して来た。
接岸すると同時に降りて来たのは、全身を黒で固めた長身の男。
およそ半年前まではこのデュエルアカデミアに在籍し、『カイザー』と呼ばれていたデュエリスト――丸藤亮がアカデミア島に降り立ったのだ。
「凡そ半年ぶりか…またこの地を踏む事になろうとはな。」
カイザー改め『ヘルカイザー』となった亮は、他のデュエリストより遅れてジェネックスに今より参戦。
地獄の帝王の参戦によって、より荒れたデュエルが展開されるのは、恐らく間違いない事だろう…
To Be Continued… 
*登場カード補足
月光のシルバー・フォング
レベル7 光属性
獣族・融合/効果
「シルバー・フォング」+「シルバー・ウルフ」
このカードは自分フィールド上の上記のモンスターを1体ずつ墓地に送った場合にのみエクストラデッキから特殊召喚できる。(「融合」は必要としない)
このカードは、自分フィールド上に表側表示で存在するこのカード以外の「シルバー」と名の付くモンスターの数だけ、通常の攻撃に加えて攻撃出来る。
自分の墓地に「シルバー」と名の付くモンスターが5種類以上存在する場合、このカードは相手のカード効果を受けない。
ATK2500 DEF2000
フルメタルシルバー・フォング
レベル8 闇属性
機械族・効果
このカードは通常召喚できない。
「メタル化-魔法反射装甲」を装備した「月光のシルバー・フォング」1体をリリースした場合にのみ手札かデッキから特殊召喚できる。
このカードは相手の魔法カードの効果を受けず、罠カードの効果では破壊されない。
相手モンスターを攻撃する時、このカードの攻撃力は1000ポイントアップする。
ATK2900 DEF2400
シルバー・ウルフ
レベル4 地属性
獣族・効果
このカードの召喚に成功した時に発動できる。
自分のデッキまたは墓地から「シルバー」と名の付くレベル4以下のモンスター1体を効果を無効にして特殊召喚する。
ATK1500 DEF700
光来する巨竜
通常罠
自分フィールド上にモンスターが存在せず、相手よりもライフが1000ポイント以上低い場合に発動できる。
手札からレベル6以上のドラゴン族モンスター1体を選択して特殊召喚する。
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